読み物
Round 9: 秋山 貴志(千葉) vs. 浅原 晃(東京)
By Shiro Wakayama
無敗だが1分。互いにソーラーフレアと呼ばれるアーキタイプを使っている二人。そのデッキの特性故に、引き分けてしまった二人だが、ここで勝利すれば0敗1分けで初日を終えられる。
アーケードゲームでも日本を代表する実力を誇り、マジックでも2007年に日本選手権3位入賞と、文字通り日本を代表したことがある秋山。そのときのデッキもやはり、ソーラーフレアと呼ばれるものだった。
対するは、浅原。こちらも、日本を代表するプレイヤーであり、文章家でもある。彼の描き出す文章と世界、本人のキャラクターを含めて、多くの人を惹きつけてやまない。
鉄壁の称号をもって、2日目に進めるのはどちらか。
Game 1
秋山 貴志
浅原がマリガン。お互い示し合わせたようにランドを置き続ける展開。
秋山が《》表裏、《》とライブラリーを掘削するのと裏腹に、浅原はナチュラルに土地を並べ続ける。
そして、比較的リソースが整理されきっている秋山。浅原の《》を《》でカウンター。四分の一で最適なカードを2度も供給するドローエンジンを追放する。
小競り合いが続いた後、浅原の8枚の土地のうち、青マナを供給する土地が2つしかないことを確認すると、ランドが止まった秋山が先に動く。
《》をプレイ。このゲームの初めのターニングポイントとなるこの局面で、今まで迅速にプレイしていた浅原は少し時間を使う。
悩んだ上で取った行動は、《》→秋山がマナ支払い→もう一度《》。
残り2マナの秋山は、ノーガードになることを嫌がり、カウンターされることを選択する。
浅原にターンが帰ると、ここでの浅原の行動は《》プレイ。これを通すと、手札の枚数で不利がついている浅原は能力を起動せずにターンを終える。
秋山が「能力起動なし?」と確認したうえで、自らのターンで取った行動は《》プレイ。少しの間。多少のプレッシャーにはなるが、本来の活躍が期待できない可能性が高いこの美人を、追放されることを浅原は選択する。
お互いに少しのリソースを消費しあい、今一度、静寂が訪れるかと思いきや、ここで大きく両者が動く。
浅原の《》を秋山が《》でカウンター。さらにこれを互いに《》で打ち消しあい、最終的に《》は打ち消されることとなる。
これで、相手のターンにノーガードになってしまった秋山。必死に作り上げた隙を活かさないはずもなく、浅原は《》をプレイ。
だが、これは《》で、秋山が土地をアンタップするのと同時に除去。
さらに秋山がお返しとばかりに《》をプレイ。
これも当然のように《》で除去されるのだが、《》を複数回プレイし、相手の《》をカウンターしている分、手札の純度が秋山の方が高い。
ここから、秋山がライブラリーに落ちていた《》で《》を再び戦場へと呼び戻すと、浅原はこれに対抗する手段を持ちえず、1:3のペースで秋山がリソースを増やしだす。
浅原も《》に辿り着いたものの、これを《》によるフラッシュバック《》で対処されると、時間の有効活用という観点から、Game 2へと移行することを選択した。
浅原 0-1 秋山
Game 2
浅原がマリガン。
カウンターされないタイミングで、《》を浅原が設置してゲームがスタート。
ランドがお互いに5枚ほど並んだところで、《》を秋山がプレイ。これが着地する。
お互いドローサポートを使わずに順調に土地を伸ばしていくが、先に土地が詰まったのは浅原。6枚並んだところで《》をプレイするが、土地を引けずにターン終了。ここで、秋山が後々癌になるであろう《》を、《》で破壊。《》をプレイする。
ここで、秋山が嬉しくも、厳しい悲鳴を上げる。捲れた4枚が《》《》《》《》という、どれも喉から手が出るほどに強い4枚だったからだ。

ここから、苦悶の表情で《》を手札にいれるが、未だ動かない秋山。
互いにさらにドロースペルをプレイし、土地を置き続ける展開が再開する。
互いのハンドが7枚となり、ランドが10枚となったところで、秋山が《》をプレイ。
当然通すことができない浅原はこれを《》。ビッグイニングになるかと思われたが、これはあっさり否認され、ターンを浅原へと返す秋山。
そして、浅原も同様に動き出す。《》をプレイして、これを《》される。
お互いのけん制の後、先に優位を構築できるパーマネントを展開したのは秋山。《》がカウンターされずに場に着地し、ディスカード能力を起動する。
だが、これに対して浅原は《》で対処をしようとする。
これは《》する秋山だが、この後に、浅原の本命が現れる。
コントロールミラー最強カード、《》である。これがカウンター合戦の後戦場に着地すると、浅原は少し悩んでライブラリー削りでは無く、ドロー能力を起動して、ターンを返す。
かつて愛し合った《》と《》は、レッドゾーンを挟んで対峙しあうが、その時間も束の間。秋山は《》をプレイ。対消滅してしまい、またも《》が場に一人ただずむことになる。
だが、ここまで大きく動きがあった両者。潤沢にあった手札も互いに大きく消耗し、秋山は後続を展開できない。
《》を《》で対処し、さらに《》で秋山の《》を破壊する浅原。長い間手札で登板の機会をうかがっていた《》が満を持して浅原の戦場にセットされ、ライフとは異なるタイムリミットが秋山に提示される。
2度ほどライブラリを削られ、《》が墓地に落ちてしまった秋山。
残り時間が15分程であることを確認して、勝ちの目が薄いGame 2を捨てて、Game 3に賭けることとした。
浅原 1-1 秋山
残り時間が15分と、決して多くないGame 3。ここで2分けとなってしまってはお互いにいいことは何一つ、ない。
Game 3
 |
浅原 晃 |
先手秋山。お互いにマリガンは無し。
時間をできるだけ消費しないように迅速に動く。
《》の末に、秋山は3ターン目に《》をプレイ。これは《》されるものの、続く4ターン目にも《》をプレイし、これを着地させる秋山。
だが、これは《》で即除去。
序盤のつばぜり合いが終わると、不用意に動けないマナ域に突入し、双方ランドを置き続ける展開に入る。
だが、《》2枚、《》とライブラリーを掘っており、土地を順調に7枚まで伸ばしている浅原に対し、秋山は土地が5枚で2ターン止まってしまう。
たまらずに《》で土地を探しに行くが、これを許すまじと浅原は《》。だが、ここで土地が引けないと厳しい秋山はこれを《》。無理矢理に通して、土地にたどり着く。
その後、土地を安定して引き始めた秋山。しかし、引いているドロースペルの枚数が浅原の方が圧倒的に多く、手札の質には差がありそうである。
潤沢かつ良質な手札に後押しされ、浅原が先に動く。《》を《》の打ち合いの末、通すと、スタックで秋山が場に出した《》を《》能力で葬り去る。
さらに、秋山の《》を《》した上で、自らのターンには《》フラッシュバックで《》を吊り上げ、これをお互い総力戦のカウンター合戦の末、浅原が捻じ通す。
これによって、《》も場に戻り、8点のクロックを創り上げる。
秋山にターンが渡ったところで延長ターンに突入。二人の名プレイヤーが迅速に進めた結果、奇しくも浅原の場にちょうど3回の攻撃で秋山を死に至らしめるクロックが用意された。
少しだけ一息ついて、回答策を模索する秋山。だが、このクロックに対する回答策は見つからず、二人にとって、他のトーナメントと比較しても屈指の長い戦いが多かったであろうグランプリの1日目は、浅原の勝利によって終了した。
浅原 2-1 秋山
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