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グランプリ・広島11
Round 9: 秋山 貴志(千葉) vs. 浅原 晃(東京)
By Shiro Wakayama
無敗だが1分。互いにソーラーフレアと呼ばれるアーキタイプを使っている二人。そのデッキの特性故に、引き分けてしまった二人だが、ここで勝利すれば0敗1分けで初日を終えられる。
アーケードゲームでも日本を代表する実力を誇り、マジックでも2007年に日本選手権3位入賞と、文字通り日本を代表したことがある秋山。そのときのデッキもやはり、ソーラーフレアと呼ばれるものだった。
対するは、浅原。こちらも、日本を代表するプレイヤーであり、文章家でもある。彼の描き出す文章と世界、本人のキャラクターを含めて、多くの人を惹きつけてやまない。
鉄壁の称号をもって、2日目に進めるのはどちらか。
秋山 貴志
浅原がマリガン。お互い示し合わせたようにランドを置き続ける展開。
秋山が《熟慮》表裏、《禁忌の錬金術》とライブラリーを掘削するのと裏腹に、浅原はナチュラルに土地を並べ続ける。
そして、比較的リソースが整理されきっている秋山。浅原の《禁忌の錬金術》を《雲散霧消》でカウンター。四分の一で最適なカードを2度も供給するドローエンジンを追放する。
小競り合いが続いた後、浅原の8枚の土地のうち、青マナを供給する土地が2つしかないことを確認すると、ランドが止まった秋山が先に動く。
《ヴェールのリリアナ》をプレイ。このゲームの初めのターニングポイントとなるこの局面で、今まで迅速にプレイしていた浅原は少し時間を使う。
悩んだ上で取った行動は、《マナ漏出》→秋山がマナ支払い→もう一度《マナ漏出》。
残り2マナの秋山は、ノーガードになることを嫌がり、カウンターされることを選択する。
浅原にターンが帰ると、ここでの浅原の行動は《ヴェールのリリアナ》プレイ。これを通すと、手札の枚数で不利がついている浅原は能力を起動せずにターンを終える。
秋山が「能力起動なし?」と確認したうえで、自らのターンで取った行動は《忘却の輪》プレイ。少しの間。多少のプレッシャーにはなるが、本来の活躍が期待できない可能性が高いこの美人を、追放されることを浅原は選択する。
お互いに少しのリソースを消費しあい、今一度、静寂が訪れるかと思いきや、ここで大きく両者が動く。
浅原の《禁忌の錬金術》を秋山が《雲散霧消》でカウンター。さらにこれを互いに《雲散霧消》で打ち消しあい、最終的に《禁忌の錬金術》は打ち消されることとなる。
これで、相手のターンにノーガードになってしまった秋山。必死に作り上げた隙を活かさないはずもなく、浅原は《聖別されたスフィンクス》をプレイ。
だが、これは《破滅の刃》で、秋山が土地をアンタップするのと同時に除去。
さらに秋山がお返しとばかりに《聖別されたスフィンクス》をプレイ。
これも当然のように《破滅の刃》で除去されるのだが、《禁忌の錬金術》を複数回プレイし、相手の《禁忌の錬金術》をカウンターしている分、手札の純度が秋山の方が高い。
ここから、秋山がライブラリーに落ちていた《堀葬の儀式》で《聖別されたスフィンクス》を再び戦場へと呼び戻すと、浅原はこれに対抗する手段を持ちえず、1:3のペースで秋山がリソースを増やしだす。
浅原も《聖別されたスフィンクス》に辿り着いたものの、これを《瞬唱の魔道士》によるフラッシュバック《破滅の刃》で対処されると、時間の有効活用という観点から、Game 2へと移行することを選択した。
浅原 0-1 秋山
先手秋山。お互いにマリガンは無し。
時間をできるだけ消費しないように迅速に動く。
《熟慮》の末に、秋山は3ターン目に《ミラディンの十字軍》をプレイ。これは《マナ漏出》されるものの、続く4ターン目にも《ミラディンの十字軍》をプレイし、これを着地させる秋山。
だが、これは《忘却の輪》で即除去。
序盤のつばぜり合いが終わると、不用意に動けないマナ域に突入し、双方ランドを置き続ける展開に入る。
だが、《熟慮》2枚、《禁忌の錬金術》とライブラリーを掘っており、土地を順調に7枚まで伸ばしている浅原に対し、秋山は土地が5枚で2ターン止まってしまう。
たまらずに《禁忌の錬金術》で土地を探しに行くが、これを許すまじと浅原は《雲散霧消》。だが、ここで土地が引けないと厳しい秋山はこれを《否認》。無理矢理に通して、土地にたどり着く。
その後、土地を安定して引き始めた秋山。しかし、引いているドロースペルの枚数が浅原の方が圧倒的に多く、手札の質には差がありそうである。
潤沢かつ良質な手札に後押しされ、浅原が先に動く。《ヴェールのリリアナ》を《雲散霧消》の打ち合いの末、通すと、スタックで秋山が場に出した《瞬唱の魔道士》を《残酷な布告》能力で葬り去る。
さらに、秋山の《聖別されたスフィンクス》を《雲散霧消》した上で、自らのターンには《堀葬の儀式》フラッシュバックで《太陽のタイタン》を吊り上げ、これをお互い総力戦のカウンター合戦の末、浅原が捻じ通す。
これによって、《瞬唱の魔道士》も場に戻り、8点のクロックを創り上げる。
秋山にターンが渡ったところで延長ターンに突入。二人の名プレイヤーが迅速に進めた結果、奇しくも浅原の場にちょうど3回の攻撃で秋山を死に至らしめるクロックが用意された。
少しだけ一息ついて、回答策を模索する秋山。だが、このクロックに対する回答策は見つからず、二人にとって、他のトーナメントと比較しても屈指の長い戦いが多かったであろうグランプリの1日目は、浅原の勝利によって終了した。
浅原 2-1 秋山
Game 1
Game 2
浅原がマリガン。 カウンターされないタイミングで、《虚無の呪文爆弾》を浅原が設置してゲームがスタート。 ランドがお互いに5枚ほど並んだところで、《漸増爆弾》を秋山がプレイ。これが着地する。 お互いドローサポートを使わずに順調に土地を伸ばしていくが、先に土地が詰まったのは浅原。6枚並んだところで《熟慮》をプレイするが、土地を引けずにターン終了。ここで、秋山が後々癌になるであろう《虚無の呪文爆弾》を、《漸増爆弾》で破壊。《禁忌の錬金術》をプレイする。 ここで、秋山が嬉しくも、厳しい悲鳴を上げる。捲れた4枚が《記憶の熟達者、ジェイス》《瞬唱の魔道士》《ネファリアの溺墓》《ヴェールのリリアナ》という、どれも喉から手が出るほどに強い4枚だったからだ。 ここから、苦悶の表情で《ヴェールのリリアナ》を手札にいれるが、未だ動かない秋山。 互いにさらにドロースペルをプレイし、土地を置き続ける展開が再開する。 互いのハンドが7枚となり、ランドが10枚となったところで、秋山が《ヴェールのリリアナ》をプレイ。 当然通すことができない浅原はこれを《否認》。ビッグイニングになるかと思われたが、これはあっさり否認され、ターンを浅原へと返す秋山。 そして、浅原も同様に動き出す。《聖別されたスフィンクス》をプレイして、これを《雲散霧消》される。 お互いのけん制の後、先に優位を構築できるパーマネントを展開したのは秋山。《ヴェールのリリアナ》がカウンターされずに場に着地し、ディスカード能力を起動する。 だが、これに対して浅原は《忘却の輪》で対処をしようとする。 これは《雲散霧消》する秋山だが、この後に、浅原の本命が現れる。 コントロールミラー最強カード、《記憶の熟達者、ジェイス》である。これがカウンター合戦の後戦場に着地すると、浅原は少し悩んでライブラリー削りでは無く、ドロー能力を起動して、ターンを返す。 かつて愛し合った《ヴェールのリリアナ》と《記憶の熟達者、ジェイス》は、レッドゾーンを挟んで対峙しあうが、その時間も束の間。秋山は《記憶の熟達者、ジェイス》をプレイ。対消滅してしまい、またも《ヴェールのリリアナ》が場に一人ただずむことになる。 だが、ここまで大きく動きがあった両者。潤沢にあった手札も互いに大きく消耗し、秋山は後続を展開できない。 《ヴェールのリリアナ》を《忘却の輪》で対処し、さらに《幽霊街》で秋山の《幽霊街》を破壊する浅原。長い間手札で登板の機会をうかがっていた《ネファリアの溺墓》が満を持して浅原の戦場にセットされ、ライフとは異なるタイムリミットが秋山に提示される。 2度ほどライブラリを削られ、《ネファリアの溺墓》が墓地に落ちてしまった秋山。 残り時間が15分程であることを確認して、勝ちの目が薄いGame 2を捨てて、Game 3に賭けることとした。 浅原 1-1 秋山 残り時間が15分と、決して多くないGame 3。ここで2分けとなってしまってはお互いにいいことは何一つ、ない。Game 3
浅原 晃 |
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