ギエム・サルヴァドール・アルナル(写真左) vs. 小林遼平(写真右)

　準々決勝を勝ち上がった小林遼平とギエム・サルヴァドール・アルナル/Guillem Salvador Arnal。

　何度もバブルマッチで勝利を逃し涙を流してきたサルヴァドールは念願のトップ８入賞を決めると、友人と抱き合って喜びを爆発させた。

　一方、新鋭の小林の友人たちは、静かに柵の外からプレイオフの舞台で堂々と戦う彼の姿を見つめている。

　年齢も国籍も違うふたりは互いに「Good luck」と言葉を交わすと決勝へ向けた戦いへ臨んだ。

ゲーム１

　サルヴァドールが赤白のビートダウン、小林が青黒のコントロールデッキをドラフトしている。

　小林が《前兆語り》から《予言》と順調に手札を整える展開。

　一方のサルヴァドールは４ターン目にようやく《金剛牝馬》を送り出すという立ち上がり。並ぶ土地が《山》ばかりで白いカードの展開ができてないのだ。

　とはいえ、小林も順調な展開とは言えず追加の戦力を送り出すことができないが、除去は豊富に抱えており、サルヴァドールの《電光吠えのドラゴン》は《リッチの愛撫》で処理し、《秘密の回収者》で《リッチの愛撫》を戻し、２体目の《電光吠えのドラゴン》も除去と、受ける青黒らしく長期戦へ持ち込んでいく。

　ようやく《平地》を引き込んだサルヴァドールは《凛々しい騎兵隊》で戦線を横に伸ばすと、続くターンには《暁の天使》でようやく小林へダメージを与え始める。

　小林は《死の円舞曲》を唱え、失った《前兆語り》と《秘密の回収者》を回収しプレイ。《死の円舞曲》を回収し、耐えるリソースの確保に向かう。

　サルヴァドールは《ペガサスの駿馬》を追加し、徐々に押し込み始めるが、小林は《秘密の回収者》に《分散》を打ち込むと《リッチの愛撫》を回収し、その《ペガサスの駿馬》を除去と簡単に主導権を渡さない。

攻めるギエム・サルヴァドール・アルナル

　しかし、サルヴァドールの《暁の天使》が止まらず、小林はダメージを受け続け、一桁の９までライフが落ち込んでしまう。

　たまらず小林は取っておいた《死の円舞曲》で《双頭ゾンビ》と《夜の子》を回収しプレイするのだが、ほぼフルタップとなったこの隙にサルヴァドールは《どぶ潜み》《英雄的援軍》と唱えフルアタック。

　ブロックに悩む小林を制止すると「Don't worry」と《確実な一撃》を《暁の天使》に唱えたのだった。

サルヴァドール 1-0 小林

ゲーム２

　サルヴァドールが《匪賊の斧》から《どぶ潜み》。これに小林は《本質の散乱》を合わせ《空中走査器》でドローを進める。

　サルヴァドールは《凛々しい騎兵隊》から《ペガサスの駿馬》と攻勢を続ける。

　小林は《夜の子》から《骸骨射手》と続けるが、土地が４枚で止まってしまい、手札に溜まる《道迷い》《リッチの愛撫》をプレイすることができず、サルヴァドールの追加した《暁の天使》《オレスコスの速爪》が《ペガサスの駿馬》とともにダメージを与え続けるのを見ていることしかできない。

受け切りたい小林遼平

　小林はなんとか《前兆語り》経由で土地を見つけるが、《リッチの愛撫》をプレイした返しにサルヴァドールが《英雄的援軍》から《力強い跳躍》を見せると、握手を求めるしかなかったのだった。

サルヴァドール 2-0 小林

ギエム・サルヴァドール・アルナル 決勝戦進出！

　試合後、残念がる小林だったが見守っていた友人たちが次々に労いの声をかけ、ともに会場を去っていった。

　小林はこのグランプリを準決勝で終えてしまうことになったが、彼と友人たちの絆はきっと続いていくことだろう。