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チャレンジャー / ライバルズ / MPLガントレット
MPLガントレット/ライバルズ・ガントレット 初日ハイライト
2021年9月4日
金曜日に開幕したMPLガントレット/ライバルズ・ガントレットは、両リーグの48人の選手にとって、シーズンで最も重要なマジックのイベントだ。なぜならば、これは第27回マジック世界選手権、シーズンを締めくくる賞金総額250,000ドルのイベントへの出場権を得る最後のチャンスだからだ。
16人の枠のうち、12はすでに確定している。そして、両ガントレットでは最後の4枠を争うことになる。MPLガントレットから3人、ライバルズ・ガントレットから1人だ。
金曜日の9回戦で、プレイヤーたちは週末のトップ8へのラストスパートの前にベストポジションにつくことを目指した。9勝すればトップ8の座は保証されるだろうが、すべてのラウンドがスタンダードで行われるため、報われるのは小さなフィールドでのメタゲームを正確に読み、一歩先を行くプレイヤーだ。
張り詰めた初日9回戦を終え、この最新のマジックトーナメントにおける上位陣は、黎明期のそれとよく似ていた。チャンピオンシップにおける歴代最多勝利者であるカイ・ブッディ/Kai Buddeががトップ8を掴み、彼のキャリアで11度目となる上位入賞を決めた(歴代4位)。
MPLでは、世界選手権でおなじみとなったプレイヤーたちが道を切り開いた。王者に輝いた経験のあるハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezが8勝1敗の成績を残し、ジェイコブ・ウィルソン/Jacob Wilsonが7勝2敗でその後につけた。
ブッディと「イゼット・コントロール」の支配
シーズン終盤におけるスタンダードのメタゲームが研究されてきたというのはその通りだが、ガントレットのような小さな集団におけるトーナメントで最も恩恵を受けるスキルというのは、そのトーナメントにおける選手たちが何を持ち込むかを正確に読み、それに対抗できるかというものだ。
MPLの方向性とは異なり、ライバルズでは復活した「ジェスカイ・変容」が集団をリードした。その一方でブッディは「イゼット・コントロール」を持ち込んだ3人のうちのひとりだった。そのデッキは周知のとおり、茂里憲之がチャレンジャー・ガントレットに持ち込み嵐を巻き起こし、世界選手権の出場権を獲得したデッキだ。
ブッディも同様に、事がうまく運んだ。ブッディは目をみはるような完璧なパフォーマンスを成し遂げ、最初の、そして唯一のトップ8入賞を決めたプレイヤーとなった。
「『グルール』や『ウィノータ』がもっといると思ったんだけどね。私たちのこのデッキはそれらに対して相性がいいからね。だが、このデッキは『変容』に対しても強いんだ」とブッディはメタゲーム上の選択を説明した。
7 《冠雪の島》 7 《冠雪の山》 4 《天啓の神殿》 4 《河川滑りの小道》 3 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 2 《ジュワー島の遺跡》 4 《廃墟の地》 4 《寓話の小道》 -土地(35)- 4 《砕骨の巨人》 -クリーチャー(4)- |
3 《霜噛み》 2 《無効》 1 《棘平原の危険》 4 《燃えがら地獄》 4 《軽蔑的な一撃》 4 《表現の反復》 4 《海の神のお告げ》 2 《バーニング・ハンズ》 2 《本質の散乱》 1 《否認》 1 《焦熱の竜火》 2 《プリズマリの命令》 2 《襲来の予測》 4 《サメ台風》 4 《キオーラ、海神を打ち倒す》 1 《髑髏砕きの一撃》 -呪文(41)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 2 《灰のフェニックス》 1 《厚かましい借り手》 2 《マインド・フレイヤー》 1 《レッドキャップの乱闘》 2 《バーニング・ハンズ》 2 《精神迷わせの秘本》 1 《垣間見た自由》 1 《否認》 1 《才能の試験》 1 《神秘の論争》 -サイドボード(14)- |
whelp, actually ran the tables and 9-0ed day 1 of the rivals gauntlet. Been a while since every little thing went my way, even when I messed up here and there. Feels good to be lucky, need a little more of that on sunday. :)
— Kai Budde (@kaibudde) September 4, 2021
さて、文字通りテーブルを駆けずり回ってライバルズ・ガントレットの初日を9-0した。あちこちでミスしてもすべてのことが思い通りになったのは久しぶりのことだね。ラッキーだったと思うけど、日曜日にはもう少し(運が)必要かな。
世界王者、ハビエル・ドミンゲスがMPLをリードする
ライバルズ・リーグが、世界選手権の招待をひとりにしか与えていないのに対し、MPLにはトップ8のうち3人にもたらされる。今大会におけるメタゲームを支配していたのは『イコリア:巨獣の棲処』が火をつけたスタンダードデッキ、「スゥルタイ根本原理」であり、ドミンゲスはそれを駆り7勝1敗の成績を残した。だが、彼は今後の道のりが厳しいものになることを恐れている。
3 《沼》 3 《森》 2 《島》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《ケトリアのトライオーム》 4 《闇孔の小道》 3 《疾病の神殿》 4 《清水の小道》 4 《樹皮路の小道》 3 《ジュワー島の遺跡》 4 《寓話の小道》 -土地(35)- 1 《嘘の神、ヴァルキー》 1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》 3 《長老ガーガロス》 1 《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》 -クリーチャー(6)- |
1 《強迫》 4 《無情な行動》 4 《海の神のお告げ》 4 《パワー・ワード・キル》 4 《狼柳の安息所》 2 《軽蔑的な一撃》 4 《耕作》 1 《死に至る霞》 4 《古き神々への拘束》 1 《激しい恐怖》 1 《絶滅の契機》 1 《影の評決》 4 《出現の根本原理》 2 《アールンドの天啓》 1 《キオーラ、海神を打ち倒す》 1 《海門修復》 -呪文(39)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 1 《星界の大蛇、コーマ》 3 《強迫》 1 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》 3 《精神迷わせの秘本》 2 《否認》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《障壁突破》 1 《エルズペスの悪夢》 1 《神秘の論争》 -サイドボード(14)- |
「完全にメタゲームを外してしまった」と彼は認めた。「俺たちのデッキはパワフルだけど、このMPLで出くわしたものに対して最適ではないんだ」
MPLガントレットの初日は3つのデッキが最高の成績を残した。ジェイコブ・ウィルソンの「グルール・アドベンチャー」と佐藤レイの「ジェスカイ変容」。明確にベストデッキなるトップランナーがおらず、トップ8の足切りラインの順位が拮抗しており、スタンダードの状況は未だに未解決問題として残っている。それでも、ドミンゲスは彼が疑問の余地なく、このゲームにおけるベストプレイヤーのひとりであることを証明した。
スタンダードの一歩先へ挑む
メタゲームのテーブルには数多くのユニークな脅威が並べられた。相手をロックさせる「イゼット・コントロール」からアグレッシブな「グルール・ビートダウン」や、コンボ風のフィニッシュ手段である《軍団のまとめ役、ウィノータ》。プレイヤーたちはさまざまな異なるマッチアップに向けて、最善を尽くさなければならなかった。
そして時には、誰が同名のカードを見つけたかによって決着がつくこともあった。
クリス・ボッテロ/Chris Botelhoはアグロによって栄光への道を歩もうとしていたひとりで、壊滅的なスタートを切ったが、「グルール・アドベンチャー(サイドボードに青をタッチして《軽蔑的な一撃》を採用し、ティムールになる)」で5勝4敗で終えた。開幕から3連敗を喫したにもかかわらずだ。 しかし、彼は初日を巻き返し、今やトップ8に残り順位を上げようともくろんでいる。そして、望めるならばそれ以上を。
「5勝4敗になったことについては、かなり満足しています」と彼は言った。「初日の開幕から今日のすべての敗北が起こった時と比べれば、かなり気分は良いですね。このイベントに向けては、アリヤ・カラムチャンダニ/Arya Karamchandaniと準備を進めました。私たちが割り出したのは、『ウィノータ』が注目されている中で、『スゥルタイ根本原理』は『ジェスカイ変容』と並んでベストな対抗策であるだろうということでした。私は『スゥルタイ』を選んで、非常に複雑なミラーマッチを練習しようという気にはなれませんでした。そして、『ジェスカイ変容』の学習曲線も、私にとっては恐怖でした。ですので、私は賭けに出て、『ティムール』をプレイしようと思いました。それらのデッキに人が集まることを期待したのです。その予想は(自分の予想以上に)刺さったようで、『ティムール』はこのフォーマットで最もいいポジションのデッキになったと思います」
誰もが対戦相手たちのことを予測しようとしている中で、あるプレイヤーはその悪だくみを諦め、他の皆と同じように混乱していたことを認めた。
「正直な話、俺はYOLO(訳注:You Only Live Onceの略で、『人生は一度きり{なので好きなように生きよう}』の意味)しくってな感じで難しいメタゲームを判断しようとしたんだ」とイアン・ビレル/Ian Birrellは認めた。彼は中位集団で初日を終えたが、お洒落な《深海の破滅、ジャイルーダ》でそれをやってのけたのだ。「《虐殺のワーム》は《エシカの戦車》デッキ(『ウィノータ』と『アドベンチャー』)を倒すのにイカしてると思ったから、《虐殺のワーム》ることに全力でオールインしたんだ。俺は超上振れを狙ったんだ。なんせライバルズから世界選手権を決めるには、マジで1位を取らなきゃいけないからな。5位でも最下位では変わらない。メタゲームブレイクダウンを見た後だと、この決断は嬉しくはないね。『変容』と『根本原理』がキツいからな。だけど、場合によっては《大喰らいのワーム》モードに突入してビートダウンもできるぜ」
さらには「緑単アグロ」までもが参加していた。リー・シー・ティエン/Lee Shi Tianは似たような戦力を取り、ローグデッキを持ち込んで乗りこなし5勝4敗の成績を収め。トップ8を狙える位置につけた。殿堂プレイヤーにとっては非常に長い夜となったが、トップ8に入る準備はできている。
19 《冠雪の森》 4 《不詳の安息地》 -土地(23)- 4 《ヤスペラの歩哨》 4 《群れのシャンブラー》 4 《群れ率いの人狼》 4 《カザンドゥのマンモス》 4 《恋煩いの野獣》 4 《水晶壊し》 -クリーチャー(24)- |
4 《レンジャー・クラス》 3 《グレートヘンジ》 4 《原初の力》 2 《エシカの戦車》 -呪文(13)- |
2 《鎖巣網のアラクニル》 2 《漁る軟泥》 2 《探索する獣》 2 《吹雪の乱闘》 2 《蛇皮のヴェール》 3 《風化したルーン石》 2 《強行突破》 -サイドボード(15)- |
先を見据えて
忙しない初日は過去のものとなり、注目は太平洋夏時間の土曜日9時にプレイが再開するMPLへと移る。スタンダード3回戦を行いトップ8が決定する。そしてそれでも決まらない場合には、トップ8タイブレーカーマッチが用意されている。
トップ8が決まれば、その日のうちに3枚の世界選手権へ招待状が贈られることになる。
日曜日には、同じことがライバルズ・ガントレットで行われ、トップ8に残った選手たちは世界選手権に残されたひとつの席を埋めるため争うことになる。
すべてをこちらの配信ページから目に焼き付けよう!
MPLガントレット/ライバルズ・ガントレット 放送ページ・放送日程
日程 | 放送日程 | 区分 | 放送ページ |
---|---|---|---|
1日目 | 9月3日(金) 25:00~ | MPL・ライバルズ1~9回戦 | 英語公式Twitch |
2日目 | 9月4日(土) 25:00~ | MPL3回戦+決勝ラウンド | 日本公式Twitch 日本公式YouTube 英語公式Twitch |
3日目 | 9月5日(日) 25:00~ | ライバルズ3回戦+決勝ラウンド |
日本語版放送出演者
- 実況:ブルナー実久(@mksnake007)
- 実況:石川朋彦(@katuobusi717)
- 解説:中村修平(@Nakashu_)
- 解説:市川ユウキ(@serra2020)
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