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The Finals11

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Round 5: 勝 正博(高知) vs. 小柳 卓史(東京)

By 津村 健志  スタンダード4回戦を終え、ここからはモダン・フォーマットを用いた4回戦が始まる。日本人に比較的馴染みの深いスタンダードとは対照的に、モダンは今年からトーナメントで正式採用されるようになったばかりの新顔で、多くの人にとっては未知の領域と言っていいだろう。  そんな未開の地を切り開いていくプレイヤーたちの中から、フィーチャーマッチに選ばれたのは勝と小柳。  スタンダードを4戦全勝というパーフェクトレコードで勝ち上がってきた二人だが、栄光のトップ8に残るためには、モダンでの2勝、3勝が絶対条件になるため、このラウンドの持つ意味は非常に大きい。スタンダードの勢いそのままに、全勝街道を突き進むのはどちらか。

Game 1

小柳 卓史
小柳 卓史
 勝の先手で始まった1ゲーム目。  勝は《乾燥台地》から合計3ライフを支払い、アンタップインで《寺院の庭》を導き、そこから《壌土のライオン》をキャストしてターン終了。返すターン、小柳は《沸騰する小湖》から《》をサーチし、《手練》を。  ここまでで、すでに勝のデッキが「Zoo」であることは明らかになったが、小柳のデッキは「なにかしらのコンボデッキ」としか分からない。莫大な量のカードが使えるモダンにおいては、相手のデッキを特定するだけでも一苦労だ。  勝は《壌土のライオン》でのアタック後に《タルモゴイフ》を追加する。今はまだ2/3と可愛いサイズのクリーチャーでしかないが、このクリーチャーの成長速度は生半可なものではない。  小柳が《五元のプリズム》を出しただけでターンを終えるのを見届けると、勝は自身のターンで《稲妻のらせん》を小柳に向かってキャスト。《タルモゴイフ》を3/4へと成長させ、《壌土のライオン》と合わせて5点のダメージを与える。  戦闘後に《密林の猿人》を追加し、残りライフ9点の小柳を追い詰める。  勝が手札に火力を1枚でも持っていると次のターンに負けてしまうため、小柳はなんとかこのターン中にコンボを決められないか考えを巡らせるのだが、どうやらそれは叶わぬようで、祈るようにターンを返すしかない。  だが小柳にとっては幸運なことに、勝にとっては不幸なことに、勝は火力を持っていなかった。3体の動物による攻撃で小柳のライフを2まで削り落とし、2体目の《密林の猿人》をキャストしてターンエンド。今度は勝が祈る番だ。  望外の1ターンを得た小柳ではあったが、最後となるドローが望むものではなかったことを確認すると、すばやく2ゲーム目へと気持ちを切り替えた。 勝 1-0 小柳

Game 2

勝 正博
勝 正博
 後手の勝が繰り出した《密林の猿人》がファーストアクション。勝は続くターンに《古えの遺恨》を使用し、小柳の《五元のプリズム》を破壊してペースを掴む。  小柳が《すべてを護るもの、母聖樹》を置くだけなのに対し、勝は《野生のナカティル》を追加し攻撃の手を緩めない。  次のターンもセットランドのみでターンを返す小柳。一見何の抵抗もできずにただ殴られているだけに見えるかもしれないが、たった1ターンでゲームに勝ってしまうのがコンボデッキが恐れられる所以である。  それを重々承知している勝は、《密林の猿人》と《野生のナカティル》でアタックした後に、コンボデッキキラーである《ガドック・ティーグ》を喚びだす。小柳は《ガドック・ティーグ》に対応して《神秘の指導》をキャスト。  勝はこれに《否認》で応えるが、《すべてを護るもの、母聖樹》経由で放たれた《神秘の指導》を止めることはできない。  そして小柳が《神秘の指導》から持ってきたのは《天使の嗜み》。ここでようやく小柳のデッキが「《天使の嗜み》+《むかつき》」コンボデッキだと判明した。  自身のターンに入り、必死にコンボ完成への道を思案する小柳。しかし目下の課題である《ガドック・ティーグ》の存在に加え、土地の総数すら足りない小柳は苦い表情。《深遠の覗き見》で現状を打破できるカードを探しにいくが、5枚の中に望んでいたものはなく、力なくターンを返すのみ。  勝はここぞと《血編み髪のエルフ》をキャストし、勝負を決めにかかる。そこから「続唱」されたのは《暴力的な突発》。
 文字通り暴力的なまでの破壊力をもってして、主に貴重な勝利をもたらした。 勝 2-0 小柳
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RESULTS

対戦結果 順位
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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