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エターナル・ウィークエンド・アジア2019
レガシー巧者、鈴池 史康&高野 成樹に聞いた最近のレガシー事情
『灯争大戦』に始まり――
『モダンホライゾン』――
そして『基本セット2020』。
3か月続けて発売されたこれらの新セットは、レガシー環境にあまりにも大きな影響をもたらした。
こんなにも短期間に立て続けに、しかも「エターナル環境でもやってやるぜ」と言わんばかりの強力カードが追加され続けた日々があっただろうか? 私の記憶の限り、『タルキール覇王譚』の「探査」呪文(《宝船の巡航》と《時を越えた探索》)以来の衝撃がレガシーに訪れているように思える。
そんなジェットコースターのように目まぐるしく変化する現在の環境について、関東のレガシー巧者として知られる鈴池 史康と高野 成樹は何を感じているのだろうか? エターナル・ウィークエンド・アジアの会場で、2人から話を伺った。
鈴池 史康(左)/高野 成樹(右) |
いやぁ~乱世乱世
――さっそくですが、最近のレガシー環境はどうなっているんでしょうか?
鈴池「レガシー環境? 俺たち(精神的に)おじいちゃんプレイヤーにとってはこれまでゲートボールやってたのに突然eスポーツが始まった感じだよ」
――なんか言い出した。
高野「わかる」
――わかるんだ。
鈴池「つまり、メタゲームが動くスピードが数段階早まったってこと。5月に『灯争大戦』、6月に『モダンホライゾン』、7月に『基本セット2020』がそれぞれ発売されて、しかも毎回環境を揺るがすようなカードが刷られたんだよね。これまでのレガシーは数か月ごとにトップメタが入れ替わるくらいのスピード感だったから、メタの変化は激しい」
高野「ゲームスピードの面で言うと、『灯争大戦』で遅くなって、『モダンホライゾン』以降は逆にめっちゃ速くなった感じかな。《覆いを割く者、ナーセット》、《時を解す者、テフェリー》あたりの軽くて強いプレインズウォーカーが増えて、少しミッドレンジ~コントロールデッキが流行ったんだよ」
――なるほど、そのあたりの影響は分かりやすいですね。
鈴池「で、なぜか『モダンホライゾン』でさらに軽いプレインズウォーカーが増えた」
――《レンと六番》ですね。強いとは言われていますが、そこまで環境に影響を及ぼすレベルだったんですね。
鈴池「影響を及ぼすってレベルじゃない、今は《レンと六番》を中心にメタが動いていると言っても過言じゃないからね。ざっくりいうとこんな感じかな」
――なるほど、これを見るとたしかに《レンと六番》を巡ってメタゲームが変移しているんですね。
高野「まず《レンと六番》の影響で『デルバー』が強化された。そして《レンと六番》を使用するデッキから早いターンにマウントを取られるようになったから、相対的に『白青奇跡』みたいなデッキは少し弱体化したかな。『モダンホライゾン』以降に得たカードも少なかったしね」
鈴池「そのあと『RUG(赤青緑)デルバー』に《突然の衰微》を足したものが流行って、そうした『デルバー』デッキに構造上有利な『赤単プリズン』と『ホガーク』デッキが出てきた。特に『赤単プリズン』は『基本セット2020』で打ち消されないフィニッシャーである《目覚めた猛火、チャンドラ》も増えたし、『ホガーク』は《復讐蔦》型にしたり《暗黒の深部》とハイブリッドしたり、バリエーションも多いよ」
――たしかに「赤単プリズン」は言わずもがなですが、「ホガーク」デッキもあまり多くのマナが必要なデッキではないので《不毛の大地》連打の影響を受けにくいし、《虚空の杯》や《血染めの月》ハメや2ターン目《甦る死滅都市、ホガーク》のような理不尽な勝ち筋が用意されている点で、「デルバー」デッキに対しては強そうですね。
高野「そのあと追放除去や《安らかなる眠り》のような墓地対策カードを使えて、なおかつ『白青奇跡』と違って自分から能動的に《レンと六番》を落としに行ける《石鍛冶の神秘家》系のデッキが流行ったんだよね」
――依然として《レンと六番》デッキもいるから、自分から殴りに行ける構成になっていないと厳しいわけですね。
鈴池「そうそう。そして現在、それら全てのデッキに対して五分以上に立ち回れる『ダーク・デプス』が一番人気って感じかな。たとえばこのリストなんかは、現在流行っているオーソドックスな形だね」
Starting stream with legacy Slow Depths! https://t.co/NPqc8lEWbj pic.twitter.com/LTce3AgcUv
— TogoresMtg (@TogoresTcg) August 13, 2019
――つまり、すごく目まぐるしくメタが動いていたんですね。では現在は「ダーク・デプス」が最強ということでしょうか?
高野「実際『ダーク・デプス』系のデッキは元々『デルバー』デッキみたいなフェアデッキに強かったし、《思考囲い》だけでなく《強迫》まで取って、元来苦手だった『赤単プリズン』やコンボ系のデッキもメタるようになって、今はかなり立ち位置がいいよ。『基本セット2020』で《輪作》内蔵生物の《エルフの開墾者》も増えたから、デッキの挙動も安定してるしね」
鈴池「ただ、サイドボードのメタもあってな~」
――サイドボードのメタ……?
鈴池「そりゃ《暗黒の深部》が流行っているって分かっていたら、みんな相応の対策を用意してくるってこと。たとえば『デルバー』系のデッキだったら《蒸気の連鎖》や《水没》を増やしてきたりね。だから最強とかそういうのはない」
――では、我々はどのようにデッキを選べばいいでしょうか?
鈴池「うーん……」
鈴池 史康 |
鈴池「『俺の《暗黒の深部》が最強だ』って思いながら0-2したり、『晴れたから《石鍛冶の神秘家》使おうかな』ってなったり、内心で『今日はホガークミラーしたくないから別のデッキを使おうかな~』って思いながら結局《甦る死滅都市、ホガーク》を使ってミラーマッチしたり……どれも人生だよ」
――なんか言い出した。
高野「わかる」
――わかるんだ。
※「最強とかではないけど基本的に現時点では『ダーク・デプス』がオススメ」と言っていました。また、今の環境は変化が激しくてめちゃくちゃ楽しいそうです。
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