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チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド3

チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド3 初日メタゲームブレイクダウン
2025年5月3日。スタンダードで開催された「チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド3」は、プロツアーや世界選手権といった上位トーナメント進出をかけた、競技プレイヤーたちの登竜門とも言えるイベントだ。今大会は『タルキール:龍嵐録』の発売からおよそ4週間が経過し、新カードが加わった環境の中で、現時点での“解答”が形を成し始めたタイミングでの開催となった。
ここではその1日目、260名の参加プレイヤーによって提出されたデッキリストから、新カードと既存のパーツがどう融合し、どのような勢力図が形作られているのか──現在のスタンダードのメタゲームを見ていく。
メタゲーム概況:イゼット果敢の圧倒的な存在感
初日最大勢力となったのは、《コーリ鋼の短刀》と《嵐追いの才能》によって成立した新興アーキタイプ「イゼット果敢」だった。使用者数は実に88名、全体の約33.8%という圧倒的なシェアを誇り、2番手の「ジェスカイ眼魔」(32名)を大きく引き離している。
アーキタイプ | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
イゼット果敢 | 88 | 33.8% |
ジェスカイ眼魔 | 32 | 12.3% |
グルール・アグロ | 15 | 5.8% |
赤単アグロ | 13 | 5.0% |
ディミーア・ミッドレンジ | 12 | 4.6% |
版図大主 | 12 | 4.6% |
アゾリウス全知 | 11 | 4.2% |
エスパー・ピクシー | 9 | 3.5% |
黒単デーモン | 9 | 3.5% |
ジェスカイ・コントロール | 8 | 3.1% |
オルゾフ・ピクシー | 6 | 2.3% |
ボロス・アグロ | 5 | 1.9% |
ゴルガリ・ミッドレンジ | 4 | 1.5% |
アゾリウス・アーティファクト | 3 | 1.2% |
グルール昂揚 | 3 | 1.2% |
白単コントロール | 3 | 1.2% |
ディミーア・コントロール | 2 | 0.8% |
ラクドス・デーモン | 2 | 0.8% |
ティムール果敢 | 2 | 0.8% |
(使用者1名) | 21 | 8.1% |
合計 | 260 | - |
※締切後登録者およびラストチャンストライアル突破者のリストは含まれていません。
※デッキ登録段階の集計のため、当日不参加となったプレイヤーなどのデッキも集計されており、実際の数字とズレがある可能性があります。ご了承ください。
以下、「グルール・アグロ」(15名)と「赤単アグロ」(13名)が続き、環境は高速アグロデッキを中心とした形で固まっている。
中速やコントロールも一定数存在するものの、今回のメタゲームは「殴れるかどうか」が大きな指標となっているようだ。
イゼット果敢
「イゼット果敢」は『タルキール:龍嵐録』で登場した《コーリ鋼の短刀》によって成立した新興アーキタイプだ。もともと「エスパー・ピクシー」で使用されていた《嵐追いの才能》をより攻撃的に運用する構成となっており、《僧院の速槍》と《精鋭射手団の目立ちたがり》とともにクロックを刻んでいく。
この《コーリ鋼の短刀》と《嵐追いの才能》はクリーチャーの頭数としても機能する非クリーチャー呪文であり、果敢を誘発させるのにも役立つ。《手練》など軽量ドロー呪文も多数採用されており、《コーリ鋼の短刀》の誘発型能力を誘発させ続けるのにも困ることはない。
赤単アグロやグルール・アグロと比較して、継戦能力と安定性の高さが魅力のデッキであり、数の上でも今大会を牽引する存在となった。
ジェスカイ眼魔
以前から存在していた「ジェスカイ(ないし、アゾリウス)眼魔」が、『タルキール:龍嵐録』の《光砕く者、テルサ》が加わることでより高い安定感を得た。デッキ名にその名を冠する《忌まわしき眼魔》を《救いの手》や《再稼働》でリアニメイトするコンボデッキだ。
ディスカード手段を多く備えたこのデッキでは、通常は重い《忌まわしき眼魔》の追加コストも支払うことが可能で、中盤戦以降は墓地だけでなく手札からも脅威が展開されることとなる。
また、《太陽の執事長、インティ》や《略奪するアオザメ》、《プロフトの映像記憶》といったカードで盤面を強化するプランを取れることで、この手のデッキの「墓地対策に対して脆い」という弱点も克服されている。なお、《プロフトの映像記憶》と《逸失への恐怖》はシナジーがあり、追加の戦闘フェイズを得ることで《プロフトの映像記憶》を2回誘発させることができる。
環境の高速化が進む中、3ターン目に《忌まわしき眼魔》を着地させることも可能なこのデッキもまた速度勝負に食らいついている。
グルール&赤単アグロ
すでにスタンダードの常連となっている赤系アグロは、今回もその存在感を発揮している。グルールと赤単の違いはメインデッキの《探索するドルイド》とサイドボードの《脚当ての陣形》のみであり、ほぼ同一のデッキと見なしていいだろう。これらを一つのアグロ勢力として見ると、「ジェスカイ眼魔」と並ぶもうひとつの柱を形成しているといえる。
《心火の英雄》+《多様な鼠》パッケージを備えた最速のアグロデッキで、《心火の英雄》や《僧院の速槍》、《熾火心の挑戦者》に対してプレイされる《巨怪の怒り》は実質的に1マナ+4/+2修正という超高効率に化ける。デッキの全てが鋭角にライフを削り取ることに特化しており、最速4ターンキルを現実的なものとする高い打点を持っている。
今後の展望:アグロに対する回答は現れるか
現在のスタンダードは、最序盤の3~4ターンでゲームの趨勢の大部分が決すると言っても過言ではない高速環境だ。今回の「チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド3」は、20点のライフを凌ぎ合う激しい綱引きとなりそうだ。
2日目のスイスラウンド、そして決勝ラウンドでは、これらアグロ勢にどのような回答が突きつけられるのか。引き続きメタゲームの推移を見守っていきたい。
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