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EVENT COVERAGE
チャンピオンズカップファイナル サイクル1
デッキテク:中山 怜の「アゾリウス兵士」~「人間」と「スピリット」のいいとこどり!?~
読者の皆さんは、このパイオニア環境においてアゾリウスカラーの組み合わせと言えばどんなデッキを想起するだろうか?
おそらくはメタゲームブレイクダウン上でも上位に食い込む「アゾリウス・コントロール」?あるいは青単色やバントカラーといったカラーバリエーションに富むスピリットデッキ?
このAich Sky Expoで行われている「チャンピオンズカップファイナル サイクル1」において、そのいずれでもなく、「兵士」を主軸に置いたデッキを持ち込んだプレイヤーがいた。
中山 怜(さとし)(神奈川)。
中山は激戦区東京の「バトロコ高田馬場」での予選を通過し本イベントに臨んでいる。そして、初日2回戦を終えた時点で、環境の本命視されている強力デッキ「緑単信心」に2連勝を果たしているのだ。
いかにして中山はこのデッキを本イベントに持ち込むに至ったのだろうか。
中山 怜「アゾリウス兵士」インタビュー
2 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《要塞化した海岸堡》 1 《さびれた浜》 1 《アダーカー荒原》 4 《連門の小道》 1 《フロスト・ドラゴンの洞窟》 1 《皇国の地、永岩城》 4 《変わり谷》 -土地(22)- 3 《徴兵士官》 1 《アクロスの英雄、キテオン》 4 《毅然たる援軍》 4 《雄々しい古参兵》 3 《先兵の飛行士、ハービン》 2 《粗暴な聖戦士》 2 《天空射の士官》 -クリーチャー(19)- |
4 《軍団の上陸》 1 《精霊への挑戦》 4 《急報》 3 《交渉団の保護》 2 《かき消し》 1 《カビーラの叩き伏せ》 4 《心を一つに》 -呪文(19)- |
2 《聖戦士の奇襲兵》 1 《粗暴な聖戦士》 4 《ポータブル・ホール》 1 《疎外》 1 《呪文貫き》 2 《神秘の論争》 2 《トカシアの歓待》 2 《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
――このデッキを組んだ経緯はどのようなものだったのでしょうか?
中山「もともとは『オルゾフ・人間』でバトロコ高田馬場の予選を抜けたのですが、最新の『兄弟戦争』が発売され兵士が強化されて《先兵の飛行士、ハービン》に書いてあることが非常に強かったので『せっかくだしデッキを組んで試すのが必要かな』と思いまして。調整を重ねているうちに自信が出てきたのでこのデッキで出場することにしました」
――実際にどのような動きをするデッキなのでしょうか?
中山「環境的に自分が心配していたのが《パルヘリオンⅡ》と『緑単信心』。あとは『人間』系デッキもあるかなと思っていました。瞬速タイミングで動ける《急報》と《毅然たる援軍》の8枚体制でクリーチャーを並べながら、《雄々しい古参兵》や《先兵の飛行士、ハービン》で強化しながら相手を追い詰めていきます。
1ターン目《軍団の上陸》から2ターン目に《急報》か《毅然たる援軍》のいずれかで、3ターン目には《軍団の上陸》を変身させることができます。また、《》のコスト軽減条件を達成するので、クロック・パーミッションに必要な手札の補充をできて、《軍団の上陸》でテンポも取ることができる…という思想です」
――「緑単信心」「ラクドス・ミッドレンジ」といったデッキへの相性はどうでしょうか?
中山「『緑単信心』に対しては少し良い印象かな…と。要所要所を打ち消し呪文で凌ぐか、《先兵の飛行士、ハービン》で無理矢理通しに行くかといったところです。《老樹林のトロール》くらいは通して、到達持ちのクリーチャーや《領事の旗艦、スカイソブリン》を抑えていけばいいかなと。《精霊への挑戦》もあるので、これで決めたりすることもあります。
『ラクドス』に対しては実はあまりデータが取れなかったんですよ。Magic Onlineでマッチアップできた回数が非常に少なくて……。直接の対戦は少なかったんですが《先兵の飛行士、ハービン》を最後に出して攻撃を通していくことができるので、不利はつかないんじゃないかなと思います」
――「イゼット・フェニックス」に対してはどうでしょう?
中山「『イゼット・フェニックス』は個人的にトップメタだとは思っていなかったんですが、青いデッキなので《神秘の論争》が刺さったり、クリーチャーは《ポータブル・ホール》で大体対処できて、こちらがクロックパーミッション的な動きができるので、《宝船の巡航》さえ通さなければなんとかなるかなという印象です」
――その他のデッキは意識されましたか?
中山「《パルヘリオンⅡ》デッキがひとつ。『人間』系デッキですが、これは《先兵の飛行士、ハービン》が全部飛ばしていく動きなどが基本的に強いので……。ただ、《スレイベンの守護者、サリア》がキツいんですよね。最終的にはサイドボードの《ポータブル・ホール》で良いかと落ち着きました。あとは『グルール機体』だけは、出てきたのが最近だったのでデータが取れなかったんですよね」
――サイドボードはどのようにして選択されたのでしょうか?
中山「《ポータブル・ホール》は『緑単信心』や『グルール機体』の8枚体制の1マナクリーチャーを想定しています。メインデッキがそれらに弱いのもあって、《疎外》が追加の《ポータブル・ホール》として機能します。『白単人間』相手にも細かい動きの取り合いであったり、対象となるクリーチャーが多いので役割を果たせます。
《未認可霊柩車》は墓地対策ですね。『イゼット・フェニックス』相手には《安らかなる眠り》の方が強いですが、個人的に《パルヘリオンⅡ》デッキを重めに見ていたので……。《未認可霊柩車》は瞬速でクリーチャーを出して搭乗すると《ウィザーブルームの命令》をかわせたりするので…。殴れるというのもこのデッキにあっていますしね。
《トカシアの歓待》はピンポイントの『ラクドス』対策ですね。
『ラクドス』が触れないエンチャントカードを探していて、《軍団の上陸》の時点で相手にとっては嫌かなと思うんですが、《トカシアの歓待》とそれを組み合わせるとトークンを出すたびにカードが引けるので、自分のターンに《先兵の飛行士、ハービン》などを、相手のターンで《急報》などをプレイしていくだけでアドバンテージが取れます。《黙示録、シェオルドレッド》が出てこない限り勝てます(笑)。そこはMagic Onlineで『ラクドス』が減っていたので、練習できなかったのと、現実でも『もうちょっと減るかな』と思っていたんですよね(苦笑)」
――ありがとうございました!
さて、中山怜の「アゾリウス兵士」はいかがだっただろうか。中山いわく「『人間』と『スピリット』のいいところを8割5分ずつくらい取れていると個人的に思っています」とのことで、ぜひこれらのデッキを使用している方は「アゾリウス兵士」に触れてみてはいかがだろうか。
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