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2020年シーズン・グランドファイナル
2020年シーズン・グランドファイナル 2日目の注目の出来事
2020年10月10日
(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)
2020年「移行シーズン」は今週末で終わる。この2020年シーズン・グランドファイナルで、32名のプレイヤーがスタンダードとヒストリックを交互に戦い抜いた。その結果、12回戦におよぶスリル満点のプレイが、両フォーマットにもたらされた革新が、そして《創造の座、オムナス》によって数えきれないほど多くの誘発型能力が、それぞれ生まれたのだ。そうして、ダブルエリミネーションで行われる日曜日のトップ8ブラケットへと進む、最後の8選手が残った。
土曜日の朝の開始時に、6勝0敗という完璧な成績でこの舞台の進行をけん引していたのは、2019ミシックチャンピオンシップⅠ(クリーブランド)の優勝者であるオータム・バーチェット/Autumn Burchettだ。そしてセス・マンフィールド/Seth Manfieldとオースティン・バーサヴィッチ/Austin Bursavichが5勝1敗とすぐ後ろにつけていた。最終ラウンドの結果を待たずしてトップ8の席を早々に確保していたこの3名にとって、この土曜日は気楽なものだったかもしれない。最終ラウンドは、4つの対戦でわずか5席が争われる過酷なものになったのだから。
2020年シーズン・グランドファイナル2日目の注目の出来事を以下にご紹介しよう。
驚くべきトップ8の面々
2020年シーズン・グランドファイナルは、数度負けただけではトップ8争いから脱落しないトーナメントであり、このゲームで最も有名な選手たちと才能豊かな新人たちが一堂に会する、唯一無二のイベントだ。2日目にはトップ8を決めるために競技者たちが再び集まり、この週末に魅力的な対決がいくつも生まれたことで、自宅で視聴している人々に向けて常に見どころを提供することができた。
殿堂顕彰者ガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassifは、自身の戦績で14度目となるトップ8入賞を果たした。これで史上最高の記録を持つパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaとジョン・フィンケル/Jon Finkelの記録まで、あとたった3つで並ぶことになる。そして彼の長年の友人であり、同じ殿堂顕彰者でもあるラファエル・レヴィ/Raphaël Lévyは13年ぶり2度目の上位入賞となった。友人でありテストプレイ仲間でもあるオータム・バーチェット/Autumn Burchettとエマ・ハンディ/Emma Handyの2人は「グルール・アドベンチャー」でこの舞台に衝撃をもたらしつつ、一緒にトップ8入りを果たした。アーロン・ガートラー/Aaron Gertlerは「Dreamhack Open Anaheim 2020」イベントで優勝するなどMTGアリーナで活躍している人物で、賞金の半分をチャリティーに寄付するそうだ。飛躍を見せたブラジルのスター選手パトリック・フェルナンデス/Patrick Fernandes、そして昨年度に最も注目されたプレイヤーの1人であるオースティン・バーサヴィッチ/Austin Bursavichもトップ8に加わった。最後の一人は殿堂顕彰者でもあり、2020ミシックインビテーショナルで優勝したばかりのセス・マンフィールド/Seth Manfieldで、もう何年も見られていないプレミアイベントのトロフィー連続獲得という自身も初の成果を狙っている。
文句のない面々だろう?
グランドファイナルのトップ8について詳しく知りたければ、こちらでトップ8デッキリストとプロフィールを確認できる。
ハンディとガートラーの大躍進
このトーナメントでの最高の瞬間の1つは、エマ・ハンディが自身初となる上位入賞を果たした時に見ることができた彼女の反応だ。先月の2020ミシックインビテーショナルでトップ8入りをタイブレークで逃してしまったライバルズ・リーグ選手にとって、とりわけ甘美な瞬間だったことだろう。
イベント中ずっとノリノリだった彼女だが(英語動画)、不屈の行弘 賢を最終ラウンドで打ち破り、今回は紛れもなく勝ち残りとなった。
長年の友人であるバーチェットと一緒にトップ8になれたことはとても素敵だと話してくれたハンディにとって、これは夢のようなトーナメントだろう。彼女たちはスタンダードで独自の道を歩むことでこの道中をより良いものとし、そしてまた数多く存在するオムナス・デッキを打ち負かす手段をプレイヤーに提供してもくれたのだ。このチームはこのトーナメント全体で、オムナス基盤のスタンダード・デッキを粉砕していった。
今週末に初の上位入賞を果たしたのはハンディだけでなくガートラーも同様だが、彼は日曜日の決勝ラウンドやMTGアリーナ・トーナメントでの優勝といったものは経験済みだ。彼はこの中の誰よりもMTGアリーナで対戦しており、先だって今年の始めに開催された「Dreamhack Open Anaheim 2020」でも優勝している。このトップ8入りでプロシーンへの売り込みを続けている彼は、自身のためだけにプレイしているわけではない。その賞金の半分を慈善団体GiveWell(リンク先は英語)に寄付する予定なのだ。
「私はマジックが好きで、幼いころから情熱を注いできた。これは13,705回におよぶアリーナでの対戦すべてが、私に何かを教えてくれた成果なんじゃないかな」と彼は笑いながら語った。「それはともかく、これはすごいことだ。結果的に意味はあったんだ。私は年に数回しか真剣勝負の場に立たないし、この舞台で自分が最高の選手に近い存在だなどとは思っていないが、トップ8に入って他の誰かの助けとなる機会を得たことには大きな意味がある」
バーサヴィッチの連勝街道は続く
オースティン・バーサヴィッチは去年からずっと燃え上がっている。2019年後半には2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)でトップ8となり、その後プレイヤーズツアー・フェニックス2020でもトップ8を達成した。2020プレイヤーズツアーファイナルでトップ16に入ったことでグランドファイナルへと進出し、過去12か月で3度のトップ8を獲得したことになる。
それはどんな競技者であっても信じられないような走りだ。この舞台への準備のためと新たに注いだ労力は、グランドファイナルの競争相手でもあるガートラー、アレン・ウー/Allen Wu、そしてデイヴィッド・スタインバーグ/David Steinbergを含んだテスト・チームから大きな助けを受け、結果へとつながった。
「事前準備を少しうまくやった以外は、大きく変わったところはないと思う」とバーサヴィッチは説明してくれた。「大型トーナメントに参加するまでの数週間を除くとあまりマジックをプレイすることができないので、本当にこのイベントにオールインしたんだ。リッチモンドでトップ8になった後……『Team 5%』に加入した。それ以降すべてのイベントでアレン・ウーが一緒になって、私を大いに助けてくれたんだ。このゲームに対する流儀や取り組み方はお互いに似ているけれど、お互い熱心に取り組み、また互いに責任を取り合う。だから、我々はあらゆるトーナメントにいつでも最適な状況で参加できるようになったみたいだ」
オムナスの隆盛、グルールの大成
今週末を代表するカードが《創造の座、オムナス》だったことは間違いない。プレイヤーたちはスタンダードとヒストリックの両方で、3ターン目に《創造の座、オムナス》を出陣させて複数の土地を出し、雪だるま式に手に負えなくなっていくランプ・デッキを我先にと用いた。アドベンチャー・デッキは《幸運のクローバー》を頼り、ランプは《水蓮のコブラ》や《発生の根本原理》を頼るという差はあるものの、オムナスはこの舞台にいるすべてのプレイヤーのデッキ決定に影響した。
結果トップ8のスタンダード・デッキのうち5つがオムナスとなり、マンフィールド、バーチェット、そしてハンディの3名がこのエレメンタルを玉座から引きずり降ろそうとする競争相手となるわけだ。
この3名にはそれが可能だと信じる理由がある。いずれもスタンダードでの対戦で成功を収めており、バーチェットとハンディの「グルール・アドベンチャー」デッキはこの舞台を席巻し、使用者3名中2名をトップ8へと送り込んでいるのだ。
マンフィールドはこのトーナメントではローグとなり、「ローグ」デッキはここ2か月で2個目となるトロフィーを彼に渡そうとしている。かの殿堂顕彰者は「ディミーア・ローグ」と「ディミーア切削」の良いところを組み合わせ、オムナス・デッキという名称の由来となっているその脅威を戦場に出させないようにすることで圧力をかけられるよう、それ専用に調整したリストを構築した。
Hall of Famer @SethManfield was the only player in the #2020GrandFinals field to register Dimir Rogues in Standard.
— Magic Esports (@MagicEsports) October 10, 2020
"I had a feeling there would be a lot of Omanth, and in testing I felt like the Dimir decks had a slight edge there." pic.twitter.com/oKrwRfZsm3
殿堂顕彰者 @SethManfield は #2020GrandFinals の舞台でスタンダードのデッキに「ディミーア・ローグ」を登録した唯一のプレイヤーです。
「環境に《創造の座、オムナス》が多い気がしていて、テストプレイではディミーア・デッキのほうがわずかに有利であるように思えたんだ」
《創造の座、オムナス》がスタンダードを支配するのか? グルールが勝利への道を開くのか? ローグは正しい選択だったのか? ダブルエリミネーション形式で行われる日曜日のトップ8・ラウンドですべてが明らかになるだろう。
twitch.tv/magicで午前9時(太平洋夏時間)から始まる放送を皆で見届けよう!
(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa)
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