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2019ミシックチャンピオンシップⅢ(MTGアリーナ)
2019ミシックチャンピオンシップⅢ(MTGアリーナ)2日目の注目の出来事
2019年6月22日
68名の精鋭たち。2日間にわたるMTGアリーナを用いた激戦。会場を沸かすトップデッキ、祝福の声、堂々たる出遅れ……さまざまな出来事を経て、「2019ミシックチャンピオンシップⅢ(MTGアリーナ)」のトップ4が決定した。
トップ4入賞者
誰もが知る者の姿がある。「ジャーマン・ジャガーノート」の異名を持つ生ける伝説、カイ・ブッディ/Kai Buddeは、マジック黎明期を支えた人物の1人だ。彼は今、次世代への進化を遂げようとするマジックというゲームの頂点に再び立つべく、最終日に臨んでいる。
それから、シャハール・シェンハー/Shahar Shenhar。神童とも呼ばれた25歳の若きプレイヤーは世界選手権を2度制しており(2013年と2014年)、今大会でも2日間の勢いそのままに日曜日も連勝を重ねようと意気込みを見せる。
「連勝」と言えば、ブラッド・ネルソン/Brad Nelsonだ。彼はマジック・プロリーグ史上初のグループ・リーグ全勝を果たし、今大会のトップ16入り、つまり2日目進出を確定させた。2日目の競技でも再び全勝でトップ4入賞を決めた彼は、MTGアリーナを用いるプロ・プレイにおいて10連勝を成し遂げたことになる。
そして最後にとっておき、真の「ダークホース」の物語をお届けしよう。マティアス・レヴェラット/Matias Leverattoは、数年前に競技マジックの第一線から退いた。しかし彼はその後、MTGアリーナと出会った。言うまでもなく、レヴェラットが競技の舞台に戻るのに時間はかからなかった。MTGアリーナはレヴェラットの肌に合い、マジックのプレイ回数は飛躍的に増えた。そしてミシックチャンピオンシップ予選突破の知らせを受けると、レヴェラットはすべてをマジックに注ぎ込んだ。
彼がここにいるのは、必然だ。この舞台に上がるために努力の限りを尽くし、その熱意が報われたのだ。それでも彼自身、トップ4入賞まで果たせるとは想像していなかったそうだ。明日の決戦を制し、シンデレラ・ストーリーを完遂するべく、彼は再び戦いの舞台へ向かう。
比較的名を知られていないレヴェラットだが、彼を応援するファンが少なくとも1人はいる。
「本当に嬉しいよ」と満面の笑みを浮かべるのは、同じアルゼンチン出身でプレイヤー・オブ・ザ・イヤーを獲得したルイス・サルヴァット/Luis Salvattoだ。「彼は間違いなく、この結果に値するプレイヤーだ」
それぞれのデッキ
『灯争大戦』導入後のスタンダードは史上類を見ないほど多様性にあふれた環境であり、ときには明らかに馬鹿げた話――《戦慄衆の指揮》はスタンダードの上位卓で見られるようなカードじゃないといった意見まで聞かれるほどだった。そんな中、今大会のトップ4には新旧さまざまなデッキが姿を見せた。
- ネルソン:「エスパー・ヒーロー」
- ブッディ:「エスパー・ヒーロー」
- シェンハー:赤単
- レヴェラット:「シミック・ネクサス」
ネルソンとブッディが使う「エスパー・ヒーロー」は、何週間にもわたる綿密なプレイテストのすえに完成したものだ。調整チームの働きにより、このデッキの可能性は完全に引き出された。《第1管区の勇士》は、「白単アグロ」のような戦線を広げるデッキに対しても真っ向から勝負できるだけでなく、(特にサイドボーディング後に)高い柔軟性を持っている。ネルソンとブッディはその腕を存分に発揮し、揃ってトップ4入賞を果たしたのだ。
その活躍の結果、日曜日の初戦は彼らによる同系戦となった。
プロの世界では、常に綿密な準備と優れたチームワークが報われる。この週末最も活躍したネルソンとブッディの両名は、当然のことながらチーム「KMC Genesis」やチーム「Ultimate Guard」のメンバーと当たることも想定したテストを済ませているだろう。彼らは今大会に向けて、およそ8人のグループでプレイテストを行ったという。そのうち3人をトップ4へ送り込んだのだから、彼らの努力は報われたと言って差し支えないだろう。レヴェラットはこの強固なチームを打ち破れるだろうか。
ブラッドとBBDの英雄譚
ブラッド・ネルソンとブライアン・ブラウン=デュイン/Brian Braun-Duinの友情(とお茶目な一面)は、さまざまなイベントで取り挙げられてきた。だがこの2人組は、今週末にまた新たな地平を切り開いた。毎日面白い動画を公開しているので、ぜひその目で確かめてみてくれ!
It’s go time! pic.twitter.com/siHcBM4A6f
— BashBrosPodcast (@BashBrosPodcast) June 22, 2019
本日の最高の瞬間
記憶に残る瞬間が生まれない「競技」などあるだろうか?
敗者側ブラケット最終戦への進出を懸けた戦いで、リー・シー・ティエン/Lee Shi Tianと対峙するジョン・ロルフ/John Rolfは極めて重要な選択に直面することになった。残りライフ2点で合計パワー9の軍勢を前にしたロルフは、《肉儀場の叫び》で盤面を一掃してから《黎明をもたらす者ライラ》を繰り出すべきか、それともその逆か? どちらの選択にも利点とリスクがある中で、ロルフは先に盤面を一掃することを選んだ。
だが、それは失敗に終わった。
しかしリーもまた、不運なことに次のラウンドで悲しい思いをすることになった。
最後に、配信の終わりに起こった出来事を知らせなければなるまい。といっても、今大会の配信の終わりに起こったことではない。マジック公式チャンネルは、生放送の終了後に配信者「Voxy」の放送をミラー配信した。突然訪れる10,000人の視聴者に驚く彼女の様子は、本日最高の瞬間と言えるだろう。
2019ミシックチャンピオンシップⅢ(MTGアリーナ)2日目の注目の出来事は以上だ――いよいよ明日午前8時(日本時間24時)より、王者を決める戦いが始まる!
(Tr. Tetsuya Yabuki)
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