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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.09.25

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:環境を去るデッキまとめ(スタンダード)

by 岩SHOW

 いよいよ『イクサラン』発売が目の前に迫っている。出会いもあれば、別れもある。今回の別れは、今までよりも大きなものになる......『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』『イニストラードを覆う影』『異界月』の4セット、ゲートウォッチ vs. エルドラージ4部作が一気に去っていくのだ。

 環境からセットが4つも同時に、それも方向性の異なる2ブロックが同時に去るというのは、スタンダードの歴史においてもそうそうないことだ。これにより、この2ブロック4セットのカードを主軸としているデッキは、スタンダード環境から消滅することを余儀なくされる。

 今回は去り行くデッキたちを皆で見送ろう。イクサランの大海原・原生林に旅立つ前に、去り行く友に感謝を込めて。

熊谷 陸 - 「白単エルドラージ」
日本選手権2017 5位 / スタンダード (2017年9月9~10日)
11 《平地》
4 《シェフェトの砂丘》
3 《霊気拠点》
4 《繁殖苗床》
3 《屍肉あさりの地》
1 《海門の残骸》

-土地(26)-

4 《スレイベンの検査官》
3 《無私の霊魂》
3 《歩行バリスタ》
4 《作り変えるもの》
3 《変位エルドラージ》
4 《難題の予見者》
4 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー(25)-
4 《次元の歪曲》
3 《停滞の罠》
2 《排斥》

-呪文(9)-
3 《陽光鞭の勇者》
1 《保護者、リンヴァーラ》
1 《断片化》
4 《歪める嘆き》
3 《厳粛》
1 《排斥》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-サイドボード(15)-
日本選手権2017 イベントカバレージ より)

 まずは比較的ニューフェイスな「白単エルドラージ」から。プロツアー『破滅の刻』からちらほらと現れだしたデッキであり、じわじわと使用者を増やして気が付けば人気デッキの仲間入りを果たしていた。

 これぞまさしくミッドレンジ、中速デッキの典型で、クリーチャーと除去で盤面を自分の有利な状況に作っていって、そのまま押し切る。《変位エルドラージ》の敵味方問わずクリーチャーを追放させる能力、そして白と無色の誇る除去の雨がクリーチャーデッキの理想の展開を許さない。『破滅の刻』にて《シェフェトの砂丘》が登場したことで増した、マナ基盤の安定感もセールスポイントだ。

 日本選手権2017でも熊谷陸と松本友樹の2名をTOP8に送り出し、環境末期にて存在感を示した。ここに挙げた熊谷のリストはスッキリとした呪文構成になっているが、松本のリストおよび先日紹介したルーカス・ブロホン/Lucas Blohonのリストではさまざまな呪文を取り入れているのでそちらもチェックしてみてほしい。これを見るに、可変式のデッキであり、環境の変化に対応可能であると思われる。ここからもう少しこの環境が続けば、覇者として君臨したかもしれないね。

 「ティムール・エネルギー」に劇的に刺さる《厳粛》を使う白単系デッキという思想は、何か他のデッキに引き継がれるのかもしれない。

Lukas Paugsch - 「青赤現出」
MKM Series Prague 2017 Standard 優勝 / スタンダード (2017年7月30日)
5 《島》
5 《山》
4 《尖塔断の運河》
4 《さまよう噴気孔》
1 《高地の湖》
3 《ウギンの聖域》

-土地(22)-

4 《秘蔵の縫合体》
3 《機知の勇者》
3 《縫い翼のスカーブ》
4 《改良された縫い翼》
4 《老いたる深海鬼》

-クリーチャー(18)-
3 《稲妻の斧》
1 《ショック》
4 《安堵の再会》
4 《巧みな軍略》
1 《苦しめる声》
4 《コジレックの帰還》
3 《熱病の幻視》

-呪文(20)-
2 《氷の中の存在》
1 《機知の勇者》
2 《チャンドラの敗北》
1 《ショック》
2 《払拭》
2 《ジェイスの敗北》
1 《否認》
1 《削剥》
2 《癇しゃく》
1 《熱病の幻視》

-サイドボード(15)-
Coverage of the Standard Main Event of the MKM Series Prague 2017 より引用)

 『イニストラードを覆う影』『異界月』を失うことで完全に存続不能になったデッキ、それが「青赤現出」だ。何せ肝心かなめの現出持ちがいなくなる。《老いたる深海鬼》がスタンダードにもたらしたインパクトは大きく、この現出デッキのように専用デッキだったり、クリーチャーデッキが秘密兵器として採用したりで、その姿を見ないトーナメントはなかったんじゃないかというくらいだったなぁ。

 墓地を肥やしてゾンビを埋めて、蘇ったゾンビを喰って深海鬼が顕現、《コジレックの帰還》を誘発させて......と、デッキのすべてのカードがある1つの目標に沿っており、芸術点も高かった。詳しくはコチラ

Hans Buchner - 「黒単ゾンビ」
StarCityGames.com Classic Louisville 14位 / スタンダード (2017年9月17日)
18 《沼》
4 《イフニルの死界》
2 《屍肉あさりの地》
1 《ウェストヴェイルの修道院》

-土地(25)-

4 《墓所破り》
4 《戦慄の放浪者》
4 《金属ミミック》
4 《無情な死者》
4 《戦墓の巨人》
4 《呪われた者の王》

-クリーチャー(24)-
3 《闇の掌握》
4 《リリアナの支配》
4 《闇の救済》

-呪文(11)-
3 《屑鉄場のたかり屋》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《リリアナの敗北》
4 《精神背信》
1 《闇の掌握》
2 《大災厄》
1 《十三恐怖症》

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 最後に紹介するのは「黒単ゾンビ」。このデッキは......『アモンケット』により強化されたデッキタイプではあるものの、その中心を担うゾンビたちの大多数は『イニストラードを覆う影』『異界月』のカードである。

 これらがごっそりいなくなると、《呪われた者の王》《リリアナの支配》と強化カードは残ってもデッキとして存続することは難しい。『イクサラン』にはゾンビが1体もおらず、抜けた戦力を補充することもできない。しばらくはゾンビを忘れて、海賊と戯れるのが良いのかな。

 あるいは、『アモンケット』『破滅の刻』の白いゾンビを用いて、今一度「白黒ゾンビ」としてやるとか。《むら気な召使い》をはじめ、白絡みのゾンビも悪くないラインナップだ。


 ちょくちょくやっているスタンダード環境末期のおさらい記事だが、今回は2ブロック4セットが落ちるという、このコラム始まって以降最大の激変を迎えることになるので、いつもよりも「お別れ」の要素が濃いものとなった。

 『破滅の刻』環境のスタンダードは、個人的にはものすごくバランスが取れていてやればやるほど楽しい、もっとデッキを回したいと思える魅力的なものだった。『イクサラン』環境にも、大いなる期待を胸に抱きながら......愛用したカードをスリーブから抜き取ってやる時間。こういう時間を、噛みしめてもらえると嬉しいね。さあ、準備ができたら冒険の旅に出よう!

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