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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ランタン・コントロール(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ランタン・コントロール(モダン)
by 岩SHOW
『カラデシュ』はビックリどっきり発明品に溢れた世界で、そのカードを使用するデッキもまた面白いものが多くあるのだが......モダンではどうだろうか。カードプールが広く、ゆえに歴代の強力カードに押されて、なかなか最新セットのカードが活躍し辛いフォーマットではあると思う。現行、『カラデシュ』のカードでモダン環境にて使われているものは、「地味シブ」なものだ。ただ、それらは確実に既存のデッキを強化した。今日はそんな、静かに・しかし確実にアップデートを施されたデッキを紹介しよう。
1 《森》 1 《沼》 4 《花盛りの湿地》 1 《ラノワールの荒原》 1 《剃刀境の茂み》 4 《空僻地》 2 《アカデミーの廃墟》 2 《幽霊街》 2 《発明博覧会》 -土地(18)- 2 《呪文滑り》 -クリーチャー(2)- |
4 《オパールのモックス》 4 《古きものの活性》 4 《写本裁断機》 4 《コジレックの審問》 4 《洞察のランタン》 2 《真髄の針》 2 《伏魔殿のピュクシス》 1 《グール呼びの鈴》 4 《集団的蛮行》 2 《冥府の教示者》 1 《突然の衰微》 4 《罠の橋》 4 《神聖の力線》 -呪文(40)- |
1 《幽霊街》 3 《外科的摘出》 2 《墓掘りの檻》 2 《真髄の針》 2 《思考囲い》 1 《自然の要求》 2 《ゴルガリの魔除け》 1 《突然の衰微》 1 《世界のるつぼ》 -サイドボード(15)- |
『カラデシュ』にて登場したのは、4ターン目以降はタップインとなる2色土地のサイクル、通称「ファストランド」だ。
『ミラディンの傷跡』にてこれの友好色版が登場した時から、多くのマジックプレイヤーが待ち焦がれていた対抗色のファストランドがついに現れたわけだが、これを誰よりも待っていたのはモダンプレイヤーではないだろうか。3ターン目までなら全くデメリットのない2色土地というのは、モダンのカードプール広しといえどそうそうない。これを有り難く頂戴したデッキの1つが「ランタン・コントロール」だ。
「ランタン・コントロール」はコンボデッキ対策の手札破壊用の黒マナ、ほぼ無色で構成されたこのデッキのカードをサーチできる《古きものの活性》用の緑マナをゲームの早いターンに要求するデッキだ。《草むした墓》《ラノワールの荒原》によるライフロスがこのデッキにとってはなかなかに手痛いので、ライフの損失がない《花盛りの湿地》の参入は有り難い限りなのだ。
そもそもどんなデッキなのかというと......これがまたかなりクセの強い、マニア向けのコントロール・ロックデッキである。ゲームの最序盤は上述の呪文を使って、対戦相手の手札を落としつつキーとなるアーティファクトを揃えにかかる。デッキ名にもなっている《洞察のランタン》と、《写本裁断機》のようなライブラリーの一番上のカードを墓地に置いたり追放したりするカードだ。
《洞察のランタン》はお互いライブラリーの一番上を公開してゲームを行う。これにより、例えば《タルモゴイフ》のような強力なアタッカーが対戦相手の次のドローだと判明したとする。まあ、単純に強いカードは引かれたら嫌だ。だったら、引かせなければいい。ライブラリーを削るカードでゴリゴリっと、なかったことにしてやろう。逆に土地だったりクリーチャー除去だったりと無害なカードは引かせてあげてOK。これを繰り返し、対戦相手にマジックをさせないようにコントロールしていくのがこのデッキのたどるストーリーだ。
もちろん、これを実行するためには序盤に出たクリーチャーなどにしっかり対処していかなければいけない。ゆえに、対処するためのカードとして《集団的蛮行》という手札破壊兼ピンポイント除去と、《罠の橋》という鉄壁アーティファクトを採用している。これで食い止めたら、後はウキウキしながら対戦相手のライブラリーを検閲しよう。《写本裁断機》の分、対戦相手の方が先にライブラリーアウトするのでそれで勝つという寸法だ。
このデッキの目指すところは遠い。果てしなく遠い。勝ち手段がライブラリーアウトなのでそれもやむなしだが......人によっては《ギラプールの霊気格子》や《ボーラスの工作員、テゼレット》などのアーティファクトを参照するフィニッシャーを採用することもある。どちらも完封状態で戦場に出てくればゲームを終わらせてくれる力を持っているので、おそらく対戦相手はライフを削り切られる前に見切りをつけて投了することだろう。
こう見えても一部のキーカードに依存するデッキなので、《古きものの活性》以外に《冥府の教示者》、そして『カラデシュ』からの新戦力《発明博覧会》を採用している。《罠の橋》を貼って手札を0にすることが前提のこのデッキでは《冥府の教示者》は《Demonic Tutor》として機能してくれることだろう(手札は《集団的蛮行》で消費するのが望ましい)。《発明博覧会》はアーティファクト多数のこのデッキでは序盤に削られたライフを回復してくれ、《罠の橋》《洞察のランタン》といったキーカードもサーチできるという素晴らしい土地だ。
新カードの恩恵を受けたこのデッキの歴史自体はまだまだ浅い。初めて表舞台に出てきたのは、グランプリ・オクラホマシティ2015.ぶっ飛んだ構成のこのデッキが堂々の優勝を果たし、モダンというフォーマットの奥深さを再確認してから早1年......相変わらず使用者は少ないが、サム・ブラック/Samuel Blackのような強豪プレイヤーもちょくちょく使用しており、モダンというフォーマットを戦う上で無視のできないデッキとして存在感を誇っている。
勝つためには長いターンを必要とするデッキであり、ハッキリ言って当コラムで紹介してきたデッキの中でもトップクラスの玄人向けのデッキだが......まあ、一度使ってみるのが良いんじゃないかな。食わず嫌いは良くない、もしかしたら生涯のパートナーとなるデッキかもしれないぞ。
というわけで、皆いろんなデッキにトライしてみよう! 何度も言うが時間のかかるデッキではあるが、自身のターンに行うアクションは少ない。何せ、戦闘を行わないのだから、自ターンで悩むことはほとんどないはず。テキパキとターンを進行し、可能な限り早くゲームを終わらせることを目指そう!
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