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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:TiTi(ヴィンテージ)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:TiTi(ヴィンテージ)
by 岩SHOW
「5色人間」の回は自分で思っていたよりも記事が伸びていて驚いたものだ。なるほど、皆まだまだ未知の世界・ヴィンテージに興味があるらしい。確かに、動物番組なんかでも「身近な野鳥・スズメ特集♡」よりも「深海の魔物・ホウライエソ」「アマゾンの密林にウアカリを追う」とかの方が気になるもんなぁ。オーライ、では今回もそんな期待にお応えして......このフォーマットから未知なるデッキを発掘し、紹介したいと思う。「魔境・ヴィンテージに潜むティティ!」をお届けしよう。
ヴィンテージでは強すぎる呪文に形成されたコンボデッキに目を奪われがちだが、「5色人間」のようなクリーチャーを真面目に展開するビートダウンも強力だ。真面目と言っても各種Moxや《Black Lotus》を使うんだが、まあそれは置いといて......同じく0マナアーティファクトや、《Mishra's Workshop》から驚異的な速度でデカブツを繰り出す「MUD」もビートダウンと言える。青絡みだと「青赤デルバー」「フィッシュ」などが《秘密を掘り下げる者》《若き紅蓮術師》《エイヴンの思考検閲者》《真の名の宿敵》なんかの強力クリーチャーを展開してくる。そういったアーティファクトや青絡みのデッキを食おうとするのは《ガドッグ・ティーグ》《スレイベンの守護者、サリア》を有する「ヘイトベアーズ」だ。他にも、《ゴブリン徴募兵》と《食物連鎖》でライブラリーのゴブリンを出し切る「フードチェイン・ゴブリン」なんかは伝統的なデッキである(誰も使ってないとか言わない)。
こんな具合に、クリーチャーが複数盤面に並ぶ環境である。《精神を刻む者、ジェイス》や《ダク・フェイデン》といったプレインズウォーカーが強いのも、「クリーチャー使い得」環境に拍車をかけているのかもしれない。そんなクリーチャーズを一掃するには? やはり《至高の評決》《毒の濁流》のような全体除去......では後ろ向き過ぎるようにも思える。効かない相手にはとことん意味を為さないカードというのも気になるところ。じゃあ、攻防一体のこんなアプローチはどうだろう。「TiTi」だ!
2 《島》 4 《Volcanic Island》 1 《Tundra》 4 《沸騰する小湖》 1 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 1 《露天鉱床》 -土地(14)- 4 《氷の中の存在》 2 《瞬唱の魔道士》 2 《瘡蓋族の狂戦士》 -クリーチャー(8)- |
1 《Black Lotus》 1 《Mox Ruby》 1 《Mox Sapphire》 4 《ギタクシア派の調査》 1 《思案》 4 《定業》 1 《渦まく知識》 1 《Ancestral Recall》 4 《稲妻》 4 《精神的つまづき》 2 《狼狽の嵐》 2 《紅蓮破》 1 《破壊放題》 1 《Time Walk》 4 《意志の力》 4 《噴出》 1 《時を越えた探索》 1 《宝船の巡航》 -呪文(38)- |
2 《封じ込める僧侶》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《瘡蓋族の狂戦士》 3 《破壊放題》 4 《貪欲な罠》 2 《精神壊しの罠》 1 《粉みじん》 1 《山》 -サイドボード(15)- |
デッキ名の「TiTi」とは、デッキのキーカード《氷の中の存在》の英名《Thing in the Ice》を形成するそれぞれの英単語の頭文字をまとめたものだ。こういった略称は《剣を鍬に》を「StP」、《意志の力》を「FoW」と言ったり、英語圏の記事を中心にたま見かけることになると思うので覚えておいて損はない。
それはさておき、《氷の中の存在》を中心に組まれたデッキである。この《氷の中の存在》は変身して《目覚めた恐怖》となると、ホラー以外のクリーチャーをすべてそのオーナーの手札に戻してしまう。このオールバウンス能力は冒頭で述べたクリーチャーデッキ全般に対して非常に効果的で、またそういったデッキが相手でなくてもパワー7という高い打撃力で速やかにゲームを終わらせにかかれるフィニッシャーとなってくれる点も高く評価できる。擬音で言うとズバッと戻してドンドンドンッ、を狙うデッキだ(余計分かりにくい)。
《氷の中の存在》を解凍して変身させるには、インスタントかソーサリーを4回唱えて氷カウンターをゼロにすればOK。ヴィンテージともなれば、これを達成できる軽い呪文には事欠かない。《ギタクシア派の調査》《渦まく知識》《思案》《定業》辺りを連打し......《時を越えた探索》《宝船の巡航》に繋げる。そうそう忘れちゃいけない《Ancestral Recall》も。《スレイベンの守護者、サリア》とかの鬱陶しいクリーチャーは《稲妻》で焼いちゃってもOK、相手のアクションは《狼狽の嵐》《精神的つまづき》《意志の力》の超優秀打ち消し呪文で捌いていく。
そうこうしているうちに《氷の中の存在》の解凍は仕上がり、ホカホカの恐怖が目覚めるというわけ。《Time Walk》で追加ターンを得て、サクッと殴り切っちゃおう。《瞬唱の魔道士》で使いまわすとGood。この瞬唱、《目覚めた恐怖》のオールバウンスで手札に戻るので再利用でき、強烈なアドバンテージを獲得できるのはオイシイね。
このデッキに最もヴィンテージらしさを感じるのは《噴出》が採用されているところか。マナを支払うことなく唱えられる2ドローという壊れっぷりだ。これのコストで戻した島・カードを出し直すことで、そのターンに使えるマナのカウントを伸ばすこともできたりする便利呪文で、実にこのデッキと合っている。
個人的には、《ヴリンの神童、ジェイス》も採用して、戻した島を他のカードと入れ替えつつ、《束縛無きテレパス、ジェイス》に変身させて《Ancestral Recall》お代わり......とかいうクレイジーな挙動を体験してみたいなぁなんて思ったり。
魔境の奥底、氷の中で眠る恐怖の存在を解き放つ、快感、君も一度体感してみよう!......ヴィンテージのハードルが高いなら、まずはモダンで組んでみるとか......ね。
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