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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第17回:『霊気紛争』発売!新環境ドラフト攻略
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第17回:『霊気紛争』発売!新環境ドラフト攻略
皆さんこんにちは!
最近はめっきり寒くなり、いよいよ冬もピークに達した印象です。風邪が流行ってきているようですので皆さん予防をしっかりして『霊気紛争』発売を万全の体調で迎えられるように気を付けた方が良さそうですよ!
今回も引き続き「新環境リミテッド:発売前ファーストインプレッション」と、「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」の2本立てで、今回は前編です。基本的にはブースタードラフトに関する内容の記事とはなりますが、カードの評価などはシールドデッキでも応用できる点もあるかと思いますので、リミテッドが好きな方のお役に立てたらと思います。
それでは、まずは新環境のファーストインプレッションから見ていきましょう!
1.新環境~『霊気紛争』のドラフト
『霊気紛争』2パックと『カラデシュ』1パックを使用する形式になります。開封順は『霊気紛争』『霊気紛争』『カラデシュ』となります。
ファーストインプレッション
今回の『霊気紛争』のカードリストを見たファーストインプレッションは、以下の4点です。
- 機体が弱くなった
- クリーチャーが全体的に弱くなった
- 紛争が使いにくそう
- アドバンテージを取るカードが増えた
順番に解説していきます。
機体が弱くなった
前環境では《改革派の貨物車》というリミテッド最強クラスの機体がコモンに存在していたのですが、『霊気紛争』の機体はバニラに毛が生えた程の性能で、正直前環境に比べると見劣りしてしまいます。機体関係のシナジーも『霊気紛争』には少ないので、機体の重要度は以前よりも下がるでしょう。
クリーチャーが全体的に弱くなった
2マナ域のクリーチャーのパワーがのきなみ低く、上のマナ域を見ても大体標準サイズがパワー3クラスのカードが多いため、環境の速度は低下しそうです。
紛争が使いにくそう
紛争は後述するこの環境のキーワード能力ですが、達成するには能動的に戦場のパーマネントを離れさせなければならず、工夫が必要な能力なため、達成した際には強力な能力が多いものの手放しに枚数をピックしない方が良さそうです。
アドバンテージを取るカードが増えた
アーティファクトの青と黒の2種、《悪意器具》と《検査器具》はお手軽にアドバンテージを取れるだけでなく、即席、紛争どちらのサポートにも使えるのでデッキに入れやすいです。
他にも紛争関係のカードはアドバンテージに直結するカードが多く、前環境と違いテンポではなくリソースの取り合いによる勝負になるかもしれません。
ここまでがカードリストを見た最初の感想です。
クリーチャーと機体が弱体化し、リソースを取るカードが増えたため、以前より環境が低速化しそうなイメージです。
さて、次は『霊気紛争』の新キーワード能力について見ていきましょう。
2.収録キーワード能力について
紛争
紛争―このターンにあなたがコントロールするパーマネントが戦場を離れていたなら、~。
紛争は戦闘で自分がコントロールするクリーチャーが死亡したり、生け贄の効果でパーマネントが墓地に落ちたり、明滅の効果で戦場からいったんパーマネントが離れたりと、さまざまな状況で達成することができることを示す能力語です。
達成した際のボーナスはカード毎にほぼ全て違う能力となっており、非常にさまざま。紛争は白・黒・緑の3色のカードに備わっている能力です。
即席
即席(あなたのアーティファクトが、この呪文を唱える助けとなる。あなたはあなたのアーティファクトをタップして、1個あたり{1}の支払いに代えてもよい。)
即席はあらかじめアーティファクトを戦場に出しておくことで、それをタップして即席を持つカードのコストをタップしたカード1枚につき{1}の支払いができるキーワード能力です。
1枚で複数アーティファクトを場に出せる《霊気装置の設計図》のようなカードと相性が良く、即席を持つカードを早い段階で戦場に出すことができます。即席は青・黒・赤の3色に備わっている能力です。
3.『霊気紛争』の注目のカード
さて、それではここからは色+アーティファクト別、レアリティ別(コモン・アンコモン)で、僕が強力だと思うカード・トップ3を挙げていきたいと思います(3枚の中での順位はつけません)。皆さんも最初はカードの強さがいまいちよく分からないと思うので、ぜひ参考にしてみてください。
白・アンコモン
《飛行機械による拘束》:シンプルイズベスト。範囲が広い優秀な除去です。
《守護フェリダー》:紛争持ちのクリーチャーと相性が良いだけでなく、さまざまな応用が利く優秀な明滅持ちクリーチャーです。
《急降下飛空士》:紛争を達成してなくても5マナの飛行クリーチャーとしては非常に優秀なサイズを持ったクリーチャーです。
白・コモン
《暁羽の鷲》:コモンとは思えない大盤振る舞いの能力と、自身のサイズを持った飛行持ち。言うことありません。
《光に目が眩む》:基本的には《平和な心》なので弱いわけもなく。機体さえ使えれば確定除去になるので、できれば機体と一緒に使いたいですね。
《精緻会の改革派》:紛争してなくても2マナ2/2と悪くなく、ボーナス達成したなら3/3相当なので、強力な2マナ域です。
青・アンコモン
《戦利品の魔道士》:多少工夫は必要なものの、確定でカードカウントを稼げるカードは非常に魅力的です。
《守られた霊気泥棒》:エネルギーをドローに変換できる強力なシステムを持った壁クリーチャーです。
《解析調査》:即席で使えば軽くプレイでき、そうでなくても普通に5マナ3ドローと優秀なドローソースです。
青・コモン
《砦の発明者》:早ければ4ターン目には4/4サイズの呪禁持ちが場に出るとなれば、相手の地上は突破が困難になってしまいます。
《置き去り》:バウンスにドロー!使いやすさ100点!
《否認》:環境が低速になれば膠着状態になりやすい。そんな膠着状態を打破するためには呪文の応酬になりやすいため、安全にゲームを進めやすい《否認》は重要度が高くなりそうです。
黒・アンコモン
《致命的な一押し》:スタンダードで大暴れな予感のこの除去はリミテッドでももちろん大活躍の予感です。
《復讐に燃えた反逆者》:紛争のボーナスがさすがの強さ。上手く工夫して使いましょう。
《枉惑な調達者》:《悪意器具》との相性が抜群!トークンを出しまくりましょう!
黒・コモン
《果敢な爆破》:確定除去は強い。間違いない。
《霊気毒殺者》:接死持ちだけでなくエネルギーも生み出し、なんならアーティファクトも生み出せるシナジーも期待できる優秀な2マナ域です。
《湿原の運び屋》:即席からプレイすれば結構なプレッシャーになりそうです。
赤・アンコモン
《屑鉄会の勇者》:伊達に勇者を名乗ってるだけあって、強力な突破力のあるクリーチャーです。
《無謀なレーサー》:攻撃しても良し、機体に乗るも良し。手札をグルグル周回すればいつかはゴールにたどり着けるでしょう。
《飲み込む炎》:除去としての性能はほどほどですが、本体火力の性能も含めると優秀な除去と評価できそうです。
赤・コモン
《チャンドラの革命》:戦闘前にプレイすることで、相手が構えているマナを封じたりすることもできます。普通に除去しながら相手の次のアクションを制限するだけでも十分優秀です。
《搾取工区の喧嘩屋》:即席によって3マナあたりで出せたらかなりの打点を期待できそうです。
《ショック》:シンプルイズベスト。軽い、インスタントは正義です。
緑・アンコモン
《起伏鱗の大牙獣》:さすがに全部に乗せるのは大盤振る舞いすぎませんか...?
《巨怪の猛攻》:プレイした段階でXの値が決まるので、除去等で対応されない、優秀な除去です。
《ピーマの霊気予見者》:盤面が強ければ一方的に戦闘を有利に進めることができる、優秀なシステムクリーチャーです。
緑・コモン
《霊気流の豹》:基本的には一回だけとはいえ、3マナ4/3トランプルは驚愕のスペック。エネルギーを絶やさずに毎ターン攻撃できるとベストですね。
《造命物騎兵》:紛争達成で5マナ6/6トランプルと規格外のサイズに育つ怪物。緑との戦闘では5ターン目にこいつを育てないように戦闘した方が無難かもしれません。
《たかり猫猿》:シナジー満点の猫ちゃん。いや猿君。いや、猫猿!?カウンターをばらまいて最後は紛争達成のサポートに使いましょう。ちなみに機体にはカウンターを乗せるタイミングはないので注意。
アーティファクト・アンコモン
《歯車組立工》:マナさえ揃えば盤面を制圧できる強力な能力を持ったシステムクリーチャー。《戦利品の魔道士》でも《自己組立機械》でもサーチできるのも非常に優秀です。
《鎮定工作機》:起動と設置どちらも軽く、アーティファクトまでタップできる優秀なタッパーです。
《暴走急行》:一度走り出したら止めるのが非常に困難。搭乗コストも軽く使いやすい機体です。
アーティファクト・コモン
《改革派の地図》:紛争達成、即席サポート、色マナサポートと使い勝手の良い1マナアーティファクトです。
《歩行貯蔵器》:どの色でも無理なくエネルギーを供給することができるのは嬉しいですね。
《鉄装破壊車》:ちょっと重いのがネックですが、破壊力ある機体なので攻めのアクセントとして活躍してくれそうです。
以上、各色+アーティファクトのトップ3でした。
さて次は、『霊気紛争』参入後の注目アーキタイプをチェックしていきましょう!
4.『霊気紛争』の注目のアーキタイプ
注目のアーキタイプその1:青黒即席
《悪意器具》や《検査器具》等のアーティファクトを並べて、優秀な即席クリーチャーである《砦の発明者》や《湿原の運び屋》を早期ターンにプレイするアーキタイプです。
即席持ちのクリーチャーがフィニッシャーとして優秀なので、基本的には軽いアーティファクトと除去、即席持ちのクリーチャーをピックしていくコントロール寄りのデッキになります。
注目のアーキタイプその2:緑白紛争
《たかり猫猿》や《枷はずれな成長》等の能動的に紛争を誘発させるカードと、紛争持ちクリーチャーを組み合わせるアーキタイプです。
白と組み合わせると《軽業の妙技》のような明滅持ちのカードで後から紛争達成をサポートできるのが特徴です。多色カードである《改革派の結集者》が使えるのも重要なポイントです。
注目のアーキタイプその3:赤黒サクリファイス
赤黒サクリファイスは《強気な回収者》や《エンブロールの歯車砕き》でアーティファクトを生け贄に捧げボーナスを得ていくアーキタイプで、《世話》や《乗っ取り》で相手のアーティファクトクリーチャーや機体を奪ってそのまま除去する事ができます。
アグレッシブなビートダウンに細かなシナジーがある癖のあるビートダウンですが、使いこなせば相手からすれば非常にやりにくいアーキタイプでしょう。
注目のアーキタイプその4:青緑エネルギー
青緑エネルギーは《霊気急襲者》や《霊気流の豹》を《難破船ウツボ》や《霊気運用者》でエネルギーバックアップしていくアーキタイプです。
《霊気急襲者》は上手くサポートしてあげれば毎ターントークンを生み出していけるので盤面をこれだけで作り上げていくことができます。《霊気急襲者》を複数ピックできたら狙ってみましょう。
5.既存アーキタイプの変化
『カラデシュ』3パックの環境で活躍したアーキタイプは、『霊気紛争』参入によってどう変化したのでしょうか? ここでは、前環境で活躍したアーキタイプの変化について予想していきます。
- 白緑オーバーラン:「オーバーラン」である《鼓舞する突撃》のピック機会が減少するため紛争シナジーを取り入れた白緑紛争へ変化。
- 白黒製造:製造クリーチャーがいなくなりアーティファクトシナジーを持つクリーチャーも減るので、紛争シナジーを取り入れたアーティファクトに依存しない形へと変化。
- 白赤機体:優秀な機体が減り、シナジーも減るのでアーキタイプとしても期待できなさそうです。色の組み合わせも特に噛み合いがなく、積極的に狙いたいカラーコンビネーションではなさそう。
- 青緑エネルギー:今回エネルギーの注ぎ込み先が増えたので強化されてます。
- 青黒アーティファクト:即席という強力なキーワード能力を得て、現状最も期待が持てそうなアーキタイプです。
- 赤黒機体:機体が弱くなったことと機体シナジーが薄くなったことで赤黒サクリファイスに寄った構成になることが多そう。
- 赤緑エネルギービート:前環境最強に近かった強力なアーキタイプですが、エネルギーを注ぎ込んで強くなる《亢進するサイ》のようなシリーズをピックする機会が減ったことで以前よりも凶悪さは減りそうです。
6.最後に
これで今回の記事は終わりです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。
プロツアー『霊気紛争』後には再度環境の振り返り、答え合わせ編をやりますので、そちらもよろしくお願いします。今回はいつも以上に気合を入れて練習に励んでいますので、きっと良い成績を残せると思いますので皆さん応援のほど、よろしくお願いいたします!
それでは皆さんまた次回の連載の記事でお会いしましょう!
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