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第118回:『ラヴニカへの回帰』プレリリースは来週末!と、「ダメージの手順」

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ウィザーズプレイネットワーク通信


ご注意:本記事は掲載当時の情報をもとに制作されたものです。現在の制度・プログラムと異なる場合がありますので、最新の情報は ウィザーズプレイネットワーク 公式サイト を必ずご確認ください。

2012.09.19

WPN通信 #118:『ラヴニカへの回帰』プレリリースは来週末!と、「ダメージの手順」


 こんにちは。ウィザーズプレイネットワーク日本担当の宮坂です。

ラヴニカへの回帰

 いよいよ新商品の足音がそこまで聞こえてきましたね。先週はプロモカード群を紹介しましたが、告知以降いろいろとご相談いただく案件が増えたのは嬉しい悲鳴でした。プロモーション、の名に恥じない仕事をしてくれている今回のプロモカードたちです。

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 毎日少しずつあきらかになるあたらしいラヴニカ環境とストーリーを彩るクリーチャーたちに、強力なスペル群。個人的な印象としましては、ブースタードラフトをやりまくって、気がつけばカードが十分集まってそのまま構築にも困らない系のエキスパンションですね。発売されたらドラフトやりまくりたい。

 さて、ドラフトといえば、この週末はモスクワとコスタリカの二都市でグランプリが開催されました。フォーマットはいずれもマジック基本セット 2013 のリミテッドで、モスクワには 865 人、コスタリカには 362 人が参加しました。

 現在北米滞在中の中村修平プロは、グランプリ・コスタリカ(リンク先は英語カバレージ)へ参戦し、危なげなくプレイオフ進出を決めたばかりか、とんでもない豪華なメンバーがそろった決勝ブースタードラフトでみごと 3 連勝して、幸先の良いシーズンスタートを切りました。プレイオフの模様をブライアン・キブラー選手がツイッターで実況していたことで、地球の裏側から中村プロの快挙をリアルタイムに知ることができました。ありがたい時代になったものです。

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 それにしても、この写真いいですね。なかしゅー、おめでとう!


ラヴニカへの回帰プレリリースは来週末開催です

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 ギルドごとの駆け引きがフィーチャーされたラヴニカへの回帰プレリリースは、来週末 9/29~30 に全国各地の WPN コア・アドバンス店舗で開催されます。

 ラヴニカへの回帰 プレリリース・イベント

 プレリリースの醍醐味は、なんといっても発売前の新製品で遊べること! プレリリーストーナメントは、個人シールド戦、友達と二人でチームを組んで遊ぶ双頭巨人シールド戦のどちらかのフォーマットで開催されます。手ぶらで会場に遊びに行って、新製品をたっぷり味わってください。

 ラヴニカへの回帰プレリリースでは、専用のギルド・プレリリース・パックが用意されています。個人シールド戦の場合は、ギルド・プレリリース・パックを 1 つ 受け取り 40 枚以上のデッキを構築して遊びます。双頭巨人シールド戦は、2 つのギルド・プレリリース・パックを受け取り、チームのプレイヤー二人がそれぞれ 40 枚以上のデッキを構築して遊びます。

 ギルド・プレリリース・パックには、通常のブースターパックのほか、ギルドごとのプロモカードや、ライフカウンター用のスピンダイス、ギルドリーダーからの手紙、達成カードが含まれています。プロモカードは自分のデッキに入れることもできます。

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ギルド・プレリリース・パック(写真はイゼットのものです)

 ラヴニカへの回帰プレリリースでは、5 ギルドで 5 種類のギルド・プレリリース・パックが用意されています。希望者多数で、希望するギルド・プレリリース・パックが配布されなかったり、あるいは品切れになってしまうこともありえますので、予約やプレリリース製品の配分方法などは、店頭で確認した方が良いかもしれません。

 自宅の近所でプレリリーストーナメントが開催される店舗を知りたい人は、イベント検索をご利用ください。

イベント検索


WPN 店舗限定商品「COMMANDER'S ARSENAL」のご案内

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 11/2 に発売が予定されている統率者戦の関連製品「COMMANDER'S ARSENAL」は、数量限定生産品のため、コアレベル以上の WPN 店舗でのみお取り扱いいただける製品となります。

 製品案内ならびに発注書は、セールス配布文書一覧から取り寄せることができます。製品の取り扱いを予定されている店舗担当者の方は、案内文書をご一読いただき 9/20 までにご発注ください。

セールス配布文書一覧


WPN日本窓口臨時休業のお知らせ

 WPN 日本窓口は、東京ゲームショウ対応のため 9/20 より 9/23 まで休業いたします。

 休業中にお問い合わせいただいた案件につきましては、9/24 以降に順次お返事いたしますので、ご了承ください。



bnr_testing.png

ダメージの手順

 少し間が開いてしまいましたが、前回の記事の続きになります。

 まずは前回の最後に出した問題を解説します。


問題

 APは《酸のスライム》を、
 NAPは《不滅》のついた《セラの天使》をコントロールしている。

 APが《酸のスライム》で攻撃し、NAPはそれを《セラの天使》でブロックした。
 その後、第2メイン・フェイズで、APは《存在の破棄》の対象を《不滅》にして唱え、それを追放した。

 さて、《セラの天使》は破壊されるだろうか? 

 

回答:破壊されない。

 接死を持つ発生源からダメージを与えられたクリーチャーは破壊されるが、それは状況起因処理によるものである。この場合に問題となる状況起因処理の文章は、

 前回の状況起因処理のチェック以降に接死を持つ発生源からダメージを与えられた、タフネスが0よりも大きいクリーチャーは破壊される。(CR704.5h)

 というものである。
 問題の例の場合、《不滅》を破壊された《セラの天使》は、たしかに接死を持つ《酸のスライム》からのダメージを受けているが、前回よりもさらに前にこの部分の状況起因処理のチェックが終わっているため、改めてさかのぼって破壊されるわけではない。
 従って、この《セラの天使》は2ダメージを負った状態で戦場に残る。


ダメージの手順

 前回の記事で、ダメージが与えられたことに対する結果――ライフの喪失や忠誠度カウンターを取り除くことなど――がどのように変わるかを解説しました。

 今回は、その結果に至るまでの手順を解説します。


手順(1) 置換効果や軽減効果による修整

 ダメージは置換効果によって他の何かに置き換えられたり、軽減効果によってダメージの点数が減ったりされてから与えられます。そして、修整されたことによって1点以上のダメージが与えられると、「ダメージが与えられた」ことによる誘発型能力が誘発します。

 例を出しましょう。《巻物泥棒》が攻撃し、防御側プレイヤーが《安全な道》を唱えました。この場合、《巻物泥棒》の戦闘ダメージは《安全な道》によって軽減され、ダメージは与えられません。従って、《巻物泥棒》の能力も誘発することはありません。


手順(2) 結果への変換

 先ほどの手順で与えられるダメージが決定されました。その後、与えられるダメージが結果に変換されます。結果、つまり、ライフや様々なカウンターの増減といったこと自体も、置換効果によって修整されます。

 例を出しましょう。
 あなたは《アジャニの陽光弾手》と《ロウクスの信仰癒し人》をコントロールしています。
 あなたは《アジャニの陽光弾手》で攻撃し、対戦相手に戦闘ダメージを割り振りました。

 与えられるダメージは2点です。発生源である《アジャニの陽光弾手》は絆魂を持つので、結果として対戦相手は2点のライフを失い、あなたは2点のライフを同時に得ます。さらに、《ロウクスの信仰癒し人》の置換効果によってあなたの得るライフは2点でなく4点になります。


手順(3) イベントの発生

 手順(2)で修整が加えられた後の結果が、そのままイベントとなって発生し、実行されます。
 直前の例で言うと、「対戦相手は2点のライフを失う。あなたは4点のライフを得る。」というイベントが発生し、それが実行されます。


軽減と置換

 ダメージを少なくさせる呪文や効果はいくつもありますが、それらが軽減効果であるのか、置換効果であるのかを見分ける必要があります。

 軽減効果はテキストに「軽減/prevent」という言葉が使用されています。逆に言うと、ダメージに関連する効果であっても、単に「代わりに/instead」という言葉が使用されている場合、それは置換効果です。

 例えば《古鱗のワーム》は、あなたのライフが7以上の場合、あなたのライフが7未満になるようなダメージを7になるように減らしてくれますが、テキストに「軽減」という語が使われていません。従ってこれは置換効果であり、主に手順(2)で結果を置き換えることになります。


ダメージと破壊

 さて、これまでダメージの手順と結果について見てきました。ここで、普段のゲームを思い出してください。

 あなたが《灼熱の槍》を対戦相手の《アジャニの陽光弾手》を対象に唱えます。すると、《アジャニの陽光弾手》は墓地に置かれます。何も不思議なところはありませんね。

 ところが、ダメージの結果には「ダメージを受けたクリーチャーを墓地に置く」というイベントはありません。

 これは、ダメージと、それを受けたクリーチャーが破壊されるということは、直接の関係ではないことを示しています。つまり、クリーチャーはダメージでなく、状況起因処理というルールにより破壊されます。

 《灼熱の槍》の解決中に起こっていることを見て行きましょう。

灼熱の槍》で3ダメージが《アジャニの陽光弾手》に与えられようとする。
 ↓
手順1: 置換効果や軽減効果は特にない。《灼熱の槍》は3ダメージを《アジャニの陽光弾手》に与える。
 ↓
手順2: 結果として《アジャニの陽光弾手》は3点のダメージを負う。これを置換する効果は特に無い。
 ↓
手順3: 「《アジャニの陽光弾手》は3点のダメージを負う」イベントが発生し、実行される。
 ↓
灼熱の槍》の解決が終了し、《灼熱の槍》は墓地に置かれる。
 ↓
状況起因処理のチェックが行われる。《アジャニの陽光弾手》は、致死ダメージ(タフネス2に対して、それよりも多い3点のダメージを負っている)を受けているので、CR704.5gにより破壊される。


 ゲーム上は単に《アジャニの陽光弾手》が除去されただけのように見えますが、このような一連の処理を正しく理解しておくことが重要です。

 

 次回はいよいよプレリリース、発売日が迫ってきた「ラヴニカへの回帰」について取り上げます。

 それでは今回はここまでです。




ライター:testing

 愛知在住のレベル 2 ジャッジ。ルールに造詣が深い氏のブログ closet belief 2 では、おもにルールにまつわる役立つコラムが掲載されることが多く、毎週金曜日に掲載される Friday Magic Quiz を毎週楽しみにしているファンも多い。
 本コラム Formal Magic Quiz は、氏のブログで連載されている Friday Magic Quiz への氏によるオマージュであることは疑いようがない。どちらも略称 FMQ としてお楽しみいただければ。


WPN からのお知らせ

 9/19 現在、以下の WPN プログラムならびにイベントが申請できます。イベントの申請は、ウィザーズイベントレポーターからかんたんに操作できます。ウィザーズイベントレポーターは WPN サイトからダウンロードしてください。

全主催者
  • Magic (競技イベント/個人戦・双頭巨人戦・チーム戦)
    • ブースタードラフト
    • レガシー
    • エクステンデッド
    • ヴィンテージ
    • スタンダード
    • シールドデッキ
    • ブロック構築
    • モダン
    • Trios スタンダード(3人チーム構築)
    • Trios シールドデッキ(3人チームリミテッド)
    • 2HG(双頭巨人戦は 2HG で始まるそれぞれのフォーマットをご利用ください)
  • Casual Magic Event(カジュアル/8人未満で開催したイベントやフリープレイ会の報告に)
    • カジュアル構築
    • カジュアルリミテッド
  • Casual Multi-Player(カジュアル多人数戦)
    • 魔王/Archenemy
    • プレインチェイス戦/Planechase
    • 統率者/Commander
    • 皇帝戦/Emperor
    • 無差別戦/Free-for-all
    • 大乱闘戦/Grand Melee
    • その他/Other
ゲートウェイ店舗

 ゲートウェイ店舗は、全主催者向けイベントが申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。

  • Magic League(店舗独自のリーグ戦報告に)
コア店舗

 コア店舗は、ゲートウェイ店舗のプログラムをすべて申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。

  • Friday Night Magic - November 2012
  • Magic Game Day - Return to Ravnica(ラヴニカへの回帰ゲームデー)
アドバンス店舗

 アドバンス店舗は、コア店舗のプログラムを 2 回ずつ申請できます。

WPNマテリアル

 サポートキットは一店舗一回限り請求できます。メンバーカードは、毎月 2 回まで請求できます。

  • Trade Marketing WPN Kit(2012年版店内掲示用キットの請求)
  • Membership Card Request - 2012(新規メンバーカードの請求)

 現在受付中の WPN プログラムについては、WPN 公式サイトに掲載されていますのでご確認ください。

 また、それぞれのイベント案内ならびにプロモーション案内は、セールス配布文書一覧から取り寄せることができます。

 WPN プログラムの申請方法については、WPN 通信 第47回に詳しく記載がありますので、ご一読ください。それでもわからないことがありましたら wpnjapan@wizards.com へお気軽にご相談ください。


グランプリトライアル(アドバンス店舗)

 グランプリトライアル(GPT)とは、競技レベルのトーナメントへの架け橋となるイベントで、該当するグランプリの不戦勝を選出するトーナメントです。プレインズウォーカーポイントのイベント倍率は 3 倍です。

 グランプリ トライアル大会

 GPT 開催に際しては、十分な席数を持つ会場と、イベント当日の運営を担う DCI 認定ジャッジが最低一人は必要です。また、イベントの申請に際しては遅くとも開催予定日の 3 週間前までに申請を済ませてください。

 現在トライアルの開催申請を受け付けているグランプリは次の通りです。

グランプリ グランプリ開催日 本戦のフォーマット トライアル開催時期 申請締切
名古屋 12/8~9 スタンダード 9/9~11/23 9/24

 申請された日付によっては GPT 開催が許可されないことがあります。上記トライアルの場合は、ラヴニカへの回帰プレリリース(9/29~30)、ラヴニカへの回帰発売週末(10/5~8)、ラヴニカへの回帰ゲームデー(10/27~28)の開催日には、GPT を開催することはできません。

 GPT のフォーマットは、シールドデッキ、スタンダード、エクステンデッド、モダン、ブロック構築のいずれかで開催することができます。GPT 開催を希望する店舗は、開催希望日、開催ロケーション、フォーマット、告知用 URL、当日のヘッドジャッジを明記のうえ、締切日までに wpnjapan@wizards.com へご連絡ください。


 日本語のルール文書まとめページが mtg-jp 内に設置されました。

 ジャッジを目指す人必読の、マジック総合ルールや違反処罰指針、イベント規定といったお堅い文章から、プレイヤーに一度は目を通して欲しい基本ルールブック、プレインズウォーカーのルールやよくある質問集まで、日本語で読んでおいたほうがいいルール文書にアクセスしやすくなりました。


 各 WPN プログラムの申請スケジュールおよび大会日程、ならびに国内プレミアイベントの大会日程は Google カレンダーにまとめてありますので、よろしかったらご利用ください。

 また、注目イベントのページが特設されました。ブックマークに入れてぜひご利用ください。

 公開されている Google カレンダーは、各自が利用しているスケジューラにインポートすることができます。

 Google アカウントを利用して自身のカレンダーに表示させたり、スマートフォンのスケジューラへインポートすることで、自分の予定表とリンクさせることができるようになります。「今週の大会はどうだったっけ?」と悩んでいるような方にお勧めです。

 それでは、また来週。

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