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第98回:いよいよ発売!アヴァシンの帰還のカード別ルーリング
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ウィザーズプレイネットワーク通信
ご注意:本記事は掲載当時の情報をもとに制作されたものです。現在の制度・プログラムと異なる場合がありますので、最新の情報は ウィザーズプレイネットワーク 公式サイト を必ずご確認ください。
2012.05.02
WPN通信 #98:いよいよ発売!アヴァシンの帰還のカード別ルーリング
こんにちは。ウィザーズプレイネットワーク日本担当の宮坂です。
春の大型連休がスタートした先週末は、アヴァシンの帰還のプレリリーストーナメントが世界中で開催されました。みなさまは楽しく過ごせましたか? 獄庫解放イベントは楽しんでいただけましたか?
金曜日のフライデー・ナイト・マジックから深夜プレリリースへ突入し、そのまま仮眠して土曜日曜と戦い続けた猛者もいたそうな。イベント当日にツイッターを追いかけてみると、各地で参加者のみなさんが解放イベントを満喫されていたようで、イベントを仕掛ける側としては嬉しい報告となりました。
今までも存在していた達成カードですが、「みんなと力を合わせて目標を達成する」という遊び方でこんなにも一体感が出るのか、とイベント会場でスタッフをしていて、参加者からの熱意を感じました。今後もこういった盛り上がれる仕掛けを用意していけたらいいなあと思います。
アヴァシンの帰還でフィーチャーされているキーワードでは、「結魂」がとくに強いイメージをうけた週末でした。参加者から受ける質問の大半は「結魂」にまつわる質問でした。結魂できるかどうかは、アヴァシンの帰還リミテッドではとても重要になりそうな気がしている今日このごろです。
さて、発売前から大盛り上がりとなったアヴァシンの帰還ですが、今週金曜日 5/4 にいよいよ発売となります。同日に開催されるフライデー・ナイト・マジックでは、発売週末プロモが参加賞として配布されます。数には限りがございますので、先着・抽選の有無などは参加を予定している各店舗へお問い合わせください。
日本では連休中ということもあって、普段の発売日よりもお店に出向ける方が増えるかもしれませんし、フライデー・ナイト・マジックも参加者が増えそうですね。せっかくだから参加賞プロモをもらいつつ、今週から新しくなったフライデープロモ《古えの遺恨》も獲得しちゃいましょう。
近所でフライデー・ナイト・マジックが開催される店舗を知りたい人は、イベント検索をご利用ください。下のバナーをクリックすると、フライデー・ナイト・マジックの開催予定が表示されますので、お近くのイベントを探すのにご利用ください。イベントの開催期間で絞り込めば、今週末の開催だけを調べることができます。
WPN日本窓口休業のお知らせ
WPN 日本窓口は、4/28 より 5/6 まで休業いたします。
休業中にお問い合わせいただいた案件につきましては、5/7 以降に順次お返事いたしますので、ご了承ください。
アヴァシンの帰還のカード別ルーリング
アヴァシンの帰還のプレリリース大会、いかがだったでしょうか?
各所で行われた《獄庫》イベントを始め、新しいカードに触れて、楽しんでいただけたかと思います。
私個人の主催イベントも土曜、日曜と行いましたが、プレイヤーの皆さんから色々な質問をされたり、また興味深いゲームの状況やカードの相関などを見ることができました。
今回はそんなアヴァシンの帰還のカードに関する出題です。回答は後ろのほうで行います。
アヴァシンの帰還FAQや、前回の記事も参考にしてください。
なお、以下はアクティブ・プレイヤーをAP、非アクティブ・プレイヤーをNAPと表記します。
問1
APは《天使の墳墓》をコントロールしている。クリーチャーはコントロールしていない。
APのターンのメインフェイズに、APは《銀刃の聖騎士》を唱えて戦場に出した。
APはクリーチャー化した《天使の墳墓》とこの《銀刃の聖騎士》を組にしたいのだが、それは可能だろうか?
問2
APは2体の《悪魔の監督官》のみをコントロールしている。
APのターンのアップキープ・ステップに何が起こるか?
問3
AP、NAPともに1体のクリーチャーをコントロールしている。
APは《殺戮の波》をX=5で唱えた。
さて、この《殺戮の波》の解決中に、NAPは「APが5点のライフを支払うかどうか」を見てから、NAPがライフを払うかどうかを決めてよいだろうか?
問4
APは《黄金夜の刃、ギセラ》をコントロールしている。
APは《黄金夜の刃、ギセラ》で攻撃した。
NAPはそれをブロックしなかった。
戦闘ダメージが割り振られる前に、NAPは《神聖なる反撃》を、APを対象に、X=3で唱えた。
結果として、AP、NAPはそれぞれ何点のダメージを受けるか?
問5
APは《墨蛾の生息地》をコントロールしている。
APのターンのドローステップに、APは《自然の祝福》を引いた。これがこのターン、APが引いた1枚目のカードであった。
さて、APは《自然の祝福》を奇跡コストで唱えて、《墨蛾の生息地》の上に+1/+1カウンターを乗せることはできるだろうか?
問6
APは《魂の洞窟》をプレイして、「タイタン」と宣言した。
そしてすぐ後に手札から《原始のタイタン》を唱えて、緑マナを先ほどの《魂の洞窟》から出した。
NAPは《原始のタイタン》のクリーチャータイプが「タイタン」でなく「巨人/Giant」であることにそこで気づき、ジャッジを呼んだ。
ジャッジは2人の話を聞き、APが打ち消されずに唱えたかった呪文は《原始のタイタン》であり、APもNAPも《原始のタイタン》のクリーチャー・タイプを「タイタン」であると勘違いしていた、と判断した。
さて、ゲームはどのように修復されるべきだろうか?
それでは回答です。
回答1
組になれない。
結魂能力持ちのクリーチャーが戦場に出た時に、結魂能力が誘発するには、「あなたのコントロールする他の組になっていないクリーチャー」が必要である。
《天使の墳墓》は、クリーチャーが戦場に出た時に誘発して、その誘発型能力が解決して初めてクリーチャーになれる。つまり、《銀刃の聖騎士》が出て、結魂能力が誘発するかどうかを見る時点では、《天使の墳墓》はクリーチャーではない。
従って、《銀刃の聖騎士》の結魂能力は条件を見たなさいので誘発せず、APはこれら2枚を組にすることはできない。
回答2
2体とも生け贄に捧げられる。
(便宜上、《悪魔の監督官》の一方をA、もう一方をBと呼ぶことにする)
APのアップキープ・ステップに、2体の《悪魔の監督官》の能力がそれぞれ誘発し、スタックに積まれる。
仮に先に《悪魔の監督官》Aによる誘発型能力を解決すると、他のクリーチャー、つまり《悪魔の監督官》Bを生け贄に捧げることになる。その後、《悪魔の監督官》Bの誘発型能力を解決すると、同様に《悪魔の監督官》Aを生け贄に捧げることになる。
従って、APは2体の《悪魔の監督官》を互いに生け贄に捧げることになる。
回答3
決めてよい。
同時に何かを行う場合、APNAP順に決定する。
《殺戮の波》を解決すると、APはAPのコントロールするクリーチャーそれぞれに対し、X点のライフを支払うか、生け贄に捧げるかを決める。APが全てのクリーチャーに対して選択を行った後で、NAPが同じことを行う。
つまり、この時点でNAPは、APがどのクリーチャーに対してライフを支払ったかどうかを知っていることになる。
全てのプレイヤーが選択を終えたら、ライフが支払われ、(生け贄に捧げるように選択された)クリーチャーは全て同時に生け贄に捧げられる。
回答4
同時に適用される置換効果(軽減効果)は、その影響を受けるプレイヤーがどれを適用するかの順番を選ぶことができる。(CR616)
問題の場合、《黄金夜の刃、ギセラ》からのダメージを受けるNAPが、以下の2つの置換効果を受ける。
a) 《黄金夜の刃、ギセラ》によって与えられるダメージが2倍になる。
b) 《神聖なる反撃》によって、与えられるダメージが3点軽減される。
《黄金夜の刃、ギセラ》のパワーは5なので、NAPに割り振られる戦闘ダメージは本来は5点である。上記の置換効果をNAPは好きな順番で適用してもよい。
<パターン1> a) → b) の順番で適用する。
この場合、5点のダメージが倍になったあとで3点減るため、NAPは7ダメージを受ける。
<パターン2> b) → a) の順番で適用する。
この場合、5点のダメージが3点減った後で倍になるため、NAPは4ダメージを受ける。
おそらくNAPはパターン2を選択し、4点のダメージを受けることを選ぶだろう。
また、どちらのパターンにしても、3点のダメージが軽減されているので、《神聖なる反撃》は、APに3点のダメージを与える。が、《黄金夜の刃、ギセラ》の効果によって、APに与えられるダメージは端数を切り上げた半分が軽減されるため、3点のうち2点が軽減され、結果としてAPは1点のダメージを受ける。
回答5
できる。
奇跡つきのカードは、それを公開した時点で唱えるのではなく、奇跡による誘発型能力の解決時に唱える。(前回の記事参照)
従って、APは引いた《自然の祝福》を公開して奇跡の誘発型能力をスタックに積み、それを解決する前に《墨蛾の生息地》を起動してクリーチャー化する。
そうすると、奇跡の誘発型能力を解決中に(つまり、《自然の祝福》を奇跡コストを支払って唱える際に)、《墨蛾の生息地》はクリーチャーであるため、対象として適正である。
あとはスタックにある《自然の祝福》を解決すればよい。
回答6
《魂の洞窟》のように、効果によってサブタイプを選ぶ場合、実際に存在するサブタイプを選択する必要がある。(CR205.3e)
「タイタン」はクリーチャー・タイプとして存在しないので、APのクリーチャー・タイプの宣言はそもそも不正である。
しかし、APもNAPも打ち消されずに唱えたかったクリーチャー呪文が《原始のタイタン》であり、単にそのクリーチャー・タイプを勘違いしたと両方が認めているので、APの宣言は正しいものであった――つまり、「巨人/Giant」と宣言していた――ものとみなしてゲームを続行させる。
今回はここまでです。
ライター:testing愛知在住のレベル 2 ジャッジ。ルールに造詣が深い氏のブログ closet belief 2 では、おもにルールにまつわる役立つコラムが掲載されることが多く、毎週金曜日に掲載される Friday Magic Quiz を毎週楽しみにしているファンも多い。
本コラム Formal Magic Quiz は、氏のブログで連載されている Friday Magic Quiz への氏によるオマージュであることは疑いようがない。どちらも略称 FMQ としてお楽しみいただければ。
WPN からのお知らせ
5/2 現在、以下の WPN プログラムならびにイベントが申請できます。イベントの申請は、ウィザーズイベントレポーターからかんたんに操作できます。ウィザーズイベントレポーターは WPN サイトからダウンロードしてください。
全主催者
- Magic (競技イベント/個人戦・双頭巨人戦・チーム戦)
- ブースタードラフト
- レガシー
- エクステンデッド
- ヴィンテージ
- スタンダード
- シールドデッキ
- ブロック構築
- モダン
- Trios スタンダード(3人チーム構築)
- Trios シールドデッキ(3人チームリミテッド)
- 2HG(双頭巨人戦は 2HG で始まるそれぞれのフォーマットをご利用ください)
- Casual Magic Event(カジュアル/8人未満で開催したイベントやフリープレイ会の報告に)
- カジュアル構築
- カジュアルリミテッド
- Casual Multi-Player(カジュアル多人数戦)
- 魔王/Archenemy
- プレインチェイス戦/Planechase
- 統率者/Commander
- 皇帝戦/Emperor
- 無差別戦/Free-for-all
- 大乱闘戦/Grand Melee
- その他/Other
ゲートウェイ店舗
ゲートウェイ店舗は、全主催者向けイベントが申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。
- Magic League(リーグ戦の参加者報告に)
コア店舗
コア店舗は、ゲートウェイ店舗のプログラムをすべて申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。
- Friday Night Magic - June 2012
アドバンス店舗
アドバンス店舗は、コア店舗のプログラムを 2 回ずつ申請できます。
WPNマテリアル
店舗レベルに関係なく、サポートキットは一店舗一回限り申請できます。
- Membership Card Request - 2012(新規メンバーカードの請求)
- Sample Deck - D13(デュエルズ 2013 発売プロモーションキットの請求)
WPN プログラムの申請方法については、WPN 通信 第47回に詳しく記載がありますので、ご一読ください。それでもわからないことがありましたら wpnjapan@wizards.com へ気軽にご相談ください。
グランプリトライアル(アドバンス店舗)
グランプリトライアル(GPT)とは、競技レベルのトーナメントへの架け橋となるイベントで、該当するグランプリの不戦勝を選出するトーナメントです。プレインズウォーカーポイントのイベント倍率は 3 倍です。
GPT 開催に際しては、十分な席数を持つ会場と、イベント当日の運営を担う DCI 認定ジャッジが最低一人は必要です。また、イベントの申請に際しては遅くとも開催予定日の 3 週間前までに申請を済ませてください。
現在トライアルの開催申請を受け付けているグランプリは次の通りです。
グランプリ | グランプリ開催日 | 本戦のフォーマット | トライアル開催時期 | 申請締切 |
上海(中国) | 7/28~29 | シールドデッキ | 4/30~7/12 | 5/14 |
申請された日付によっては GPT 開催が許可されないことがあります。上記のトライアルの場合は、アヴァシンの帰還発売週末(5/4~6)、アヴァシンの帰還ゲームデー(5/26~27)、ワールド・マジック・カップ予選(6/16, 30)、グランプリ横浜(6/23~24)、基本セット2013プレリリース(7/7~8)、基本セット2013発売記念週末(7/13~15)には、GPT を開催することはできません。
GPT のフォーマットは、シールドデッキ、スタンダード、エクステンデッド、モダン、ブロック構築のいずれかで開催することができます。GPT 開催を希望する店舗は、開催希望日、開催ロケーション、フォーマット、当日のヘッドジャッジを明記のうえ、締切日までに wpnjapan@wizards.com へご連絡ください。
日本語のルール文書まとめページが mtg-jp 内に設置されました。
ジャッジを目指す人必読の、マジック総合ルールや違反処罰指針、イベント規定といったお堅い文章から、プレイヤーに一度は目を通して欲しい基本ルールブック、プレインズウォーカーのルールやよくある質問集まで、日本語で読んでおいたほうがいいルール文書にアクセスしやすくなりました。
各 WPN プログラムの申請スケジュールおよび大会日程、ならびに国内プレミアイベントの大会日程は Google カレンダーにまとめてありますので、よろしかったらご利用ください。
また、注目イベントのページが特設されました。ブックマークに入れてぜひご利用ください。
公開されている Google カレンダーは、各自が利用しているスケジューラにインポートすることができます。
Google アカウントを利用して自身のカレンダーに表示させたり、スマートフォンのスケジューラへインポートすることで、自分の予定表とリンクさせることができるようになります。「今週の大会はどうだったっけ?」と悩んでいるような方にお勧めです。
それでは、また来週。
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