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第55回:さまざまな対象

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ウィザーズプレイネットワーク通信


ご注意:本記事は掲載当時の情報をもとに制作されたものです。現在の制度・プログラムと異なる場合がありますので、最新の情報は ウィザーズプレイネットワーク 公式サイト を必ずご確認ください。

2011.06.21

WPN通信 #55:さまざまな対象


 こんにちは。ウィザーズプレイネットワーク日本担当の宮坂です。

 週末は、日本選手権予選でジャッジをしたり、発売されたばかりの統率者でマルチゲーム三昧で過ごしました。

 統率者戦おもしろいですね! 今回発売された構築済みは、各デッキがうまくデザインされているので、みんなが構築済みを使うと、ほどよいバランスで遊べるなあと感じました。待ち時間が長いのが玉に瑕なので、お菓子を食べながら遊んだりすると良いのかもしれません。

 構築済みで昔から遊んでいる人といっしょに遊ぶと、先方のデッキパワーが強すぎて手も足も出なかったりするのはご愛敬。構築済みに昔のカードを加えてインフレ方向に進むのか、コミュニティごとにある程度の制限を設けて(たとえば日本語限定・第○版以降、など)、モータースポーツのような階級制にしてみるとか、遊び方は人それぞれ、コミュニティそれぞれ、でいいように思います。カジュアルな遊びですし、楽しまないと。わたしも構築済みをベースにいろいろ遊んでみます。


スタンダードで禁止カードが発布されました

 6/20 付け DCI 制限・禁止リスト告示があり、スタンダードで 6 年ぶりに禁止カードが設定されました。

 2011年6月20日 DCI制限禁止リスト告示

 7/1 より《精神を刻む者、ジェイス》《石鍛冶の神秘家》は、スタンダード構築のメインデッキ・サイドボードに使用できなくなります。

 ただし、《石鍛冶の神秘家》が含まれているイベントデッキ「消耗戦」については、リストに手を加えない限りは、そのまま使用できるとのこと。イベント主催の際にはご留意ください。


9/10 にマジック・セレブレーションが開催されます

Magic Celebration

 マジック基本セット 2012(M12)と、PS3「デュエルズ オブ ザ プレインズウォーカー 2012」(DoP)の発売を記念したお祝いイベント「マジック・セレブレーション」が、全国の WPN 店舗で 9/10(土)に開催されます。

 マジック・セレブレーションは、デジタルゲームでマジックを始めたプレイヤーに「リアル」マジックを知ってもらうとともに、既存のプレイヤーもいっしょに楽しんでもらおうというコンセプトで開かれる参加費無料のイベントです。

 DoP のプレイヤーは、マジック・セレブレーションに参加することでもらえる「コード・カード」で、DoP 内でアイテムを入手することができます。

 マジック・セレブレーションでは、ブースター一つで始めるミニマスター形式のシールド戦で遊んでもらいます。試合に勝つと追加のブースターが支給され、そのブースターでデッキを強化することができる「進化する」シールド戦です。

 ミニマスターでリアルマジックを知ってもらったあとは、月末に開催される「イニストラード」のプレリリースや発売記念パーティ、フライデーナイト・マジックに触れてもらえるとなお良いですね。

 マジック・セレブレーションのイベント申請はすでに始まっております。ミニマスターに必要なブースターパックのほか、コード・カードや、イベント宣伝用のポスターなど、必要なキットは無償で提供されます。

 スケジュールを調整したうえで、ぜひ開催をご検討ください。


【アドバンス店舗】グランプリミラノ・トライアルの申請を受付中です

 2011 年よりアドバンス特典の一つとして、グランプリトライアルが WPN プログラムへ加えられました。グランプリトライアル(GPT)とは、プロレベルのトーナメントへの架け橋となるイベントで、該当するグランプリの不戦勝を選出する競技レベルのトーナメントです。

 今回は、10/8~9 に開催されるグランプリ・ミラノのトライアル(シールドデッキ)の開催をご検討いただけます。GPT 開催に際しては、十分な席数を持つ会場と、イベント当日の運営を担う DCI 認定ジャッジが最低一人は必要です。

 GPT ミラノの開催時期は、7/11~9/25 となります。GPT ミラノ開催をご検討いただける店舗は wpnjapan@wizards.com へ 7/10 までにお問い合わせください。



"FMQ" 問題・アイデアを募集します

 本コラム Formal Magic Quiz でご好評いただいておりますマジック・クイズの問題およびアイデアを、読者の皆さまから募集いたします。
 投稿はメール magicquiz@mtg-jp.com へお寄せください。問題の参考にさせていただきます。
 掲載の際、いただいたお名前をご紹介することもありますので、ご了承ください。

 マジック・クイズが大好きな皆さま、ぜひご協力ください!


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さまざまな対象

「対象を変更する」分類

 対象を変更する効果は4種類に分類されます。CR114.6 では詳しくこれらが分類されています。


1) 「その(それらの)対象を変更する/change the target(s)」

 対象を変更する類の効果はほとんどこれになります。変更できる対象は実際のテキストによりますが、もともと不適正な対象であったものを除いて、変更先の対象は適正である必要があります。また、全ての対象を変更するか、それとも全く変更しないか、いずれかを行う必要があります。


2) 「対象1つを変更する/change a target」

 内容的には上の1)と同じですが、変更できるのは1つだけ、という効果です。《呪文滑り》がまさにこれです。


3) 「任意の対象を変更する/change any targets」

 これも内容的には1)と同じですが、変更するのが全てである必要はなく、うち一部の対象を変更することができます。これに該当するカードは今のところ《横殴り》のみです。


4) 「新しい対象を選ぶ/choose new targets」

 主にコピーを作成するような呪文や能力に使用される常套句です。新しい対象を選ぶ場合、その対象は全て適正であるように選ぶ必要があります。また、新しい対象を全く選ばないことも可能です。その場合、対象はもともとのものと同じ対象を選択したことになります。


オーラ呪文と対象

 オーラはそれを呪文として唱える場合、対象を取ります。オーラ自体には「対象」という単語が明示的に書かれている訳ではありませんが、ルールとしてそう決められています。

 《詐欺師の総督》と《欠片の双子》コンボの対策として《呪文滑り》が有効なのは、《欠片の双子》を唱えた場合に《呪文滑り》に対してつけるように対象を変更させることができるからです。


モードと対象変更

 モードを持つ呪文や能力は、そのモードごとに取れる対象が異なることがあります。そのような呪文や能力の対象を変更する場合、モードまで変更することはできません。

 《詐欺師の総督》を例にあげましょう。《詐欺師の総督》の誘発型能力はモードを持っています。「あなたがコントロールするパーマネント1つを対象とし、それをアンタップする。」というモードを選んだ場合、その能力の対象を変更しようとしても、「いずれかの対戦相手がコントロールするパーマネント1つを対象とし、それをタップする。」というモードに変更させることはできません。


0個の対象

 「最大N個のクリーチャーを対象とする」というように、最大N個までの対象をとれる呪文や能力が存在します。このような呪文や能力は、対象の数を0個にして宣言することができます。その場合、その呪文や能力は「対象をとっていない」呪文や能力として扱われます。

 0個の対象を取って呪文を唱えたり能力を起動するのは、あまり有効な手とは言えませんが、《壌土からの生命》を対象0個として唱えて墓地に落とし、発掘能力を使うためのエサにする、というのは考えられるプレイングです。


 対象に関する詳しいルールは CR114 にあります。

 

 それでは、解答編です。


問 1

 あなたは《呪文滑り》と《極楽鳥》をコントロールしている。次のうち、《呪文滑り》の能力を起動して、《極楽鳥》が破壊されることを防ぐことができるのはいずれか? (複数回答可)

a) 対戦相手が《極楽鳥》を対象に《破滅の刃》を唱えた。
b) 対戦相手が《極楽鳥》を対象に《喉首狙い》を唱えた。
c) 対戦相手が《二股の稲妻》を唱え、「あなたに1点、《極楽鳥》に1点」と宣言した。
d) 対戦相手が《二股の稲妻》を唱え、「《呪文滑り》に1点、《極楽鳥》に1点」と宣言した。


回答1: a)、c)

a) ◯:《破滅の刃》は《呪文滑り》の対象として適正なので、《極楽鳥》から《呪文滑り》へ変更することができる。
b) ×:《喉首狙い》は《呪文滑り》の対象として不適正なので、《極楽鳥》から《呪文滑り》へ変更することはできない。
c) ◯:《二股の稲妻》のうち《極楽鳥》へ向けられた対象を《呪文滑り》に変更すると、「あなたに1点、《呪文滑り》に1点」となる。これらは適正な対象選択なので、この変更は可能である。
d) ×:《二股の稲妻》のうち《極楽鳥》へ向けられた対象を《呪文滑り》に変更すると、「《呪文滑り》に1点、《呪文滑り》に1点」となる。この《二股の稲妻》は対象を2つ取り、それぞれ同じオブジェクトを重複して選ぶことができないので、この変更は不可能である。


問 2

 A と B が対戦している。
 A は《饗宴と飢餓の剣》がついた《メムナイト》をコントロールしている。
 B がこの2つを対象に《核への投入》を唱えた。これが解決される前に、Aは《メムナイト》を対象に《使徒の祝福》を唱え、解決時に「赤」を選択した。

 さて、《核への投入》が解決されるとどうなるか?

メムナイトwith剣


回答2: 《饗宴と飢餓の剣》が追放される。

 《核への投入》の解決時には、《メムナイト》がプロテクション(赤)を持っているので、対象として不適正である。従って、《メムナイト》の部分だけは何もしない。もう一つの対象である《饗宴と飢餓の剣》は適正な対象なので、《核への投入》に書かれている通り、追放される。

 全ての対象が不適正になれば、その呪文や能力は解決時に打ち消されるが、この場合は一部が不適正になっているだけなので、《核への投入》は打ち消されることなく解決される。


問 3

 店舗での一般大会でのこと。
 黒である《裏切り者グリッサ》に対して《破滅の刃》を唱えてしまい、両者とも気づかないまま、《裏切り者グリッサ》は墓地におかれてしまった。数ターン経ってから、《裏切り者グリッサ》をコントロールしていた側のプレイヤーがおかしいことに気づき、ジャッジ(あなた)を呼んだ。

 さて、呼ばれたあなたはどうするべきか?


回答3: そのまま続行させる。

 一般イベント用ジャッジ法(JAR)に従う。問題の例はごく一般的なゲーム上の誤りであり、その時点で異常なことのみを修正し、そのまま続行となる。

 もし、《裏切り者グリッサ》に《破滅の刃》を唱えた時点で気づけたなど、誤りをすぐに正せる状況であったならば、全てを巻き戻してからゲームを続行させたほうがよい。


問 4 : 最大のダメージを与えよ!

 あなたのライフ、手札、コントロールしているパーマネントは以下の通りである。

あなた: ライフ:20

パーマネント:
黒割れの崖》、《》3枚

呪文滑り》、《窯の悪鬼

手札:
死の影》、《焼身の魂喰い
はらわた撃ち》、《突撃のストロボ》、《投げ飛ばし

 現在はあなたのターンの戦闘前メイン・フェイズである。
 このターンの間に、対戦相手にできるだけ多くのダメージを与えてほしい。
 最大何点のダメージを与えることができるだろうか?

 なお、相手がコントロールしているクリーチャーはなく、相手がこちらの行動に対して何かをするということもないとする。

戦場


回答4: 32点。

 一例を挙げる。

1) 対戦相手を対象に《はらわた撃ち》を唱える。コストは2ライフを支払い、あなたのライフは18になる。《窯の悪鬼》の能力が誘発し、《窯の悪鬼》のパワーが4になる。《はらわた撃ち》を解決し、対戦相手に1ダメージを与える。(通算ダメージ=1)

2) 《窯の悪鬼》を対象に《突撃のストロボ》を唱える。コストは《》からの赤マナで支払う。《窯の悪鬼》の能力が誘発し、《窯の悪鬼》のパワーが7になる。《突撃のストロボ》を解決し、《窯の悪鬼》はターン終了時まで二段攻撃を得る。

3) 《死の影》を唱える。コストは《黒割れの崖》からの黒マナで支払う。

4) このスタック上の《死の影》に対し、《呪文滑り》の能力を起動する。コストは2ライフを支払い、あなたのライフは16になる。解決時には特に何も起きない。(《死の影》は対象を持っているわけではないので)

5) 4)と同じ行動をあなたのライフが2になるまで繰り返す。

6) 《死の影》を解決し、戦場に出す。あなたのライフは2なので、《死の影》は11/11となる。

7) 対戦相手を対象に《投げ飛ばし》を唱える。コストは残りの《》から支払い、追加コストとして《死の影》を生け贄に捧げる。《窯の悪鬼》の能力が誘発し、《窯の悪鬼》のパワーが10になる。《投げ飛ばし》を解決し、対戦相手に11ダメージを与える。(通算ダメージ=12)

8) 《窯の悪鬼》で対戦相手に攻撃する。《窯の悪鬼》のパワーは10で、二段攻撃を持っているので合計20点のダメージを与える。(通算ダメージ=32)


* よりよいやり方を見つけた方は、ご一報ください。



ライター:testing

 愛知在住のレベル 2 ジャッジ。ルールに造詣が深い氏のブログ closet belief 2 では、おもにルールにまつわる役立つコラムが掲載されることが多く、毎週金曜日に掲載される Friday Magic Quiz を毎週楽しみにしているファンも多い。
 本コラム Formal Magic Quiz は、氏のブログで連載されている Friday Magic Quiz への氏によるオマージュであることは疑いようがない。どちらも略称 FMQ としてお楽しみいただければ。

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WPN からのお知らせ

 6/21 現在、以下の WPN プログラムならびにイベントが申請できます。イベントの申請は、ウィザーズイベントレポーターからかんたんに操作できます。

全主催者
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ゲートウェイ店舗

 ゲートウェイ店舗は、全主催者向けイベントが申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。

  • Japan Limits 2011 Gateway Tournament Round 3
  • Magic Celebration
コア店舗

 コア店舗は、ゲートウェイ店舗のプログラムをすべて申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。

  • Friday Night Magic - August 2011
  • Magic Game Day - M12(基本セット2012 ゲームデー)
アドバンス店舗

 アドバンス店舗は、コア店舗のプログラムを 2 回ずつ申請できます。

WPNマテリアル

 店舗レベルに関係なく、サポートキットは一店舗一回限り申請できます。

  • Gateway Support Kit - Spring 2011(店舗関係者用)
  • Membership Card Request(新規メンバーカードの請求)

 WPN プログラムの申請方法については、WPN 通信 第47回に詳しく記載がありますので、ご一読ください。それでもわからないことがありましたら wpnjapan@wizards.com へ気軽にご相談ください。


 各 WPN プログラムの申請スケジュールおよび大会日程、ならびに国内プレミアイベントの大会日程は Google カレンダーにまとめてありますので、よろしかったらご利用ください。

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 それでは、また来週。

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