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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
第33回:THE DRAFTM@STER?プロツアー・フィラデルフィア M12ドラフト実践編 その2
読み物
渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
2011.09.14
第33回:THE DRAFTM@STER~プロツアー・フィラデルフィア M12ドラフト実践編 その2
こんにちは。渡辺です。
今回は先週に引き続き、プロツアー・フィラデルフィアの実践編をやっていきます。
前回が初日のドラフトだったので、今回は二日目のドラフトのレポートをお送りしますね。
初日の成績は5勝3敗のギリギリ通過。
1stドラフトで失敗デッキを組んでしまったのが痛かったです。
今日の2ndドラフトでは1stドラフトのような失態はしないようにと意気込んで、自分のドラフトテーブルへと座りました。
2ndドラフト
同卓で知っているプレイヤーは、このサイトでもデッキ構築劇場を執筆している「まつがん」こと伊藤敦と、マジック界の伝説ジョン・フィンケルの二人。
フィンケルとは試合をしたことがなかったので、この機会に試合できたらいいなぁと思いつつドラフト開始。
1パック目
開封パックからはレア・アンコ共に目ぼしいものは無く、コモンから《平和な心》か《火葬》のどちらかを選択するパック。
共にコモンの優良除去ですが、この2択から僕が選択したのは《平和な心》。
この環境の赤は人気色なのでできれば避けたいというのと、自分のパックから1周する候補の中に《ロック鳥の卵》があったのが理由です。
単純に赤よりも白をやりたいという僕の色の好みもありますね。
初手との色合わせの意味もありますが、《幻影のドラゴン》は自身のデメリットがきつすぎるのであまり好きじゃないです。
3手目は《ギデオンの法の番人》。
同じパックに《嵐血の狂戦士》があるも、ここは白路線を貫きます。カード単体での強さも《ギデオンの法の番人》の方が上ですしね。
4手目は《嵐前線のペガサス》。
着実に白を主張。
5手目は白いカードが無かったので、パックの中で一番強い《アラクナスの蜘蛛の巣》。
6手目は《鎧の軍馬》と《清浄の名誉》で悩むも、とりあえずクリーチャーの頭数を確保したかったので《鎧の軍馬》を。
ここは方向性の同じカードなので非常に悩みました。
ただ現状白単寄りのピックをしてはいますが、本当に白単になるかはまだ分からない状態だったので、シンボルはきついですが2色になっても使える方をピックしました。
7手目は《隠れ潜む鰐》。
2色目の候補として緑を伸ばしておきます。
8手目は《地割れのドレイク》
この巡目でこれが取れるのは嬉しいですね。青にも渡りをつけておきます。
一周してきた自分のパックから予定通り《ロック鳥の卵》を回収して、その後は適当にカードをつまんで1パック目は終了。
- 《平和な心》
- 《鎧の軍馬》
- 《ギデオンの法の番人》
- 《嵐前線のペガサス》
- 《アラクナスの蜘蛛の巣》
- 《鎧の軍馬》
- 《隠れ潜む鰐》
- 《地割れのドレイク》
- 《ロック鳥の卵》
- 《蛙変化》
- 《アンフィンの殺し屋》
- 《ルーン爪の熊》
- 《松明の壁》
- 《クラーケンの目》
1パック目終了時点では、白はほぼ確定。
既に《鎧の軍馬》が2枚あるので、できるだけ白に寄った構成にしたいところです。
2色目の候補としては緑か青ですが、それはこれからの流れ次第。
《火葬》《嵐血の狂戦士》と下に流しているので、概ね下は赤。
その分白はきっちり抑えたので返しの流れに期待です。
では2パック目を見ていきましょう。
2パック目
2パック目初手の候補はまたもレア関係には恵まれず、《ショック》《グリフィンの歩哨》《ベナリアの古参兵》の3枚。
下が赤の予想なので、この後の流れを考慮して《ショック》が候補から外れ《グリフィンの歩哨》と《ベナリアの古参兵》の2択に。
僕が選んだのは《グリフィンの歩哨》。
単純にカードの性能と、この後取れるかもしれない《グリフィンの乗り手》を考慮してのピックです。
2手目は他に候補もなくこのドラフトで3枚目となる《鎧の軍馬》。
できるだけ白に寄せた構成を目指す方向で。
3手目は《ギデオンの報復者》。
《ショック》や《グレイブディガー》といったカードがありましたが、気にせず自分の色の強力レアを。
4手目は《グリフィンの歩哨》。
着実に白を伸ばしていきます。
5手目で《雪花石の魔道士》と《護衛の誓約》の2択を迫られました。
普段なら悩むことなく《雪花石の魔道士》なのですが、白単気味にピックしている現状では《護衛の誓約》はインスタントの《踏み荒らし》と似たような効果を発揮します。
悩みに悩んでピックしたのは《雪花石の魔道士》。
単体でのカード性能と、上へ流してシグナルだと思われたくなったのが選択理由ですね。
《護衛の誓約》なら流しても勘違いされることはないでしょう。
6手目はサイドカード用に《天界の粛清》。
こういったサイドカードは、3ラウンド戦う場合2回くらいはサイドインするので、活躍の場は多いです。
取れる時に取っておきましょう。
7手目は特になにも取るものがなく、《帰化》をカット。
8手目で《霜のブレス》を取って2色目に青を意識。
一周してきた自分のパックからまたも《ロック鳥の卵》を回収し、その後は流れてくる白のカードを取って2パック目は終了。
- 《グリフィンの歩哨》
- 《鎧の軍馬》
- 《ギデオンの報復者》
- 《グリフィンの歩哨》
- 《雪花石の魔道士》
- 《天界の粛清》
- 《帰化》
- 《霜のブレス》
- 《ロック鳥の卵》
- 《啓蒙》
- 《包囲マストドン》
- 《豊潤な収穫》
- 《林間隠れの斥候》
2パック目終了時点ではほぼ白単。
要所要所でクリーチャーを優先したのでクリーチャーの数はきちんと確保できています。
あとは呪文枠のカードが欲しいところ。
3パック目では《護衛の誓約》は見たら取る勢い。
2色目の候補としては青が有力。
《地割れのドレイク》《霜のブレス》《蛙変化》といった青のシングルシンボルカードが多く取れているので、補助色としては申し分ないですね。
現状では綺麗な白単タッチ青を目指せそうです。
では3パック目を見ていきましょう。
3パック目
3パック目の開封パックは《渋面の溶岩使い》《センギアの吸血鬼》《血まみれ角のミノタウルス》《ギデオンの法の番人》と超高カロリー。
今さら他の色に行く選択肢はないので、大人しく《ギデオンの法の番人》をピック。その他の強力カード達は他のプレイヤーに仲良く使ってもらいましょう。
2手目は《蒼穹の魔道士》。
2色目の青のカードを補強しておきます。
3手目は《ジェイスの文書管理人》。
青のダブルシンボルのカードは取りたくないですが、他に白いカードもなく、《ジェイスの文書管理人》のカードパワーも飛びぬけて高いのでここはピックしておきます。
色マナバランスはタイトになりますが、使えた時の強さはかなりのものですからね。
4手目は《マナ漏出》。
白いカードが回ってこないので2色目を補強しておきます。
5手目は欲しいカードが何もなく《血のオーガ》をカット。
6手目で待望の《護衛の誓約》を確保!
・・・したのはいいのですが、問題は3パック目でまともに白のクリーチャーが確保できてないことですね。
7手目で3枚目の《ロック鳥の卵》。
このカードこんなにあっても嬉しくねーっす!
8手目で《漂う影》をカット。
正直カットしてる場合ではないのですが、本当に白のカードが流れてこないのです・・・。
1周してきた自分の開封パックから《力強い跳躍》を回収して、その後4枚目の《ロック鳥の卵》を取りつつ、デッキに勝ち手段らしい勝ち手段がなくプルプルして困っていたときに《マーフォークの催眠術師》が2枚流れてきたので、これをフィニッシャーとして確保。
そんな感じで3パック目終了。
- 《ギデオンの法の番人》
- 《蒼穹の魔道士》
- 《ジェイスの文書管理人》
- 《マナ漏出》
- 《血のオーガ》
- 《護衛の誓約》
- 《ロック鳥の卵》
- 《漂う影》
- 《力強い跳躍》
- 《ロック鳥の卵》
- 《マーフォークの催眠術師》
- 《空中浮遊》
- 《マーフォークの催眠術師》
- 《豊潤な収穫》
1・2パック目とは打って変わって散々だった3パック目。
恐らく上のプレイヤーがどこかのタイミングで白を始めたのでしょう。
その残りからピックしていたので白のカードはほとんど確保できず、ほぼ白単色でピックしていたので、軌道修正も間に合いませんでした。
そんなこんなで、仕上げたデッキはこちら。
9 《平地》 7 《島》 -土地(16)- 2 《ギデオンの法の番人》 3 《鎧の軍馬》 2 《マーフォークの催眠術師》 1 《嵐前線のペガサス》 1 《雪花石の魔道士》 1 《蒼穹の魔道士》 3 《ロック鳥の卵》 2 《グリフィンの歩哨》 1 《ギデオンの報復者》 1 《ジェイスの文書管理人》 1 《アンフィンの殺し屋》 1 《地割れのドレイク》 -クリーチャー(19)- |
1 《平和な心》 1 《マナ漏出》 1 《蛙変化》 1 《護衛の誓約》 1 《霜のブレス》 -呪文(5)- |
完成したのは青白のガチガチに盤面を固めにいくデッキ。
3枚ずつ入っている《鎧の軍馬》と《ロック鳥の卵》で盤面を固め、お情けで入っている少量のフライヤーでライフを削るか、2枚の《マーフォークの催眠術師》でライブラリーを狙うというのが勝ち手段です。
正直に言ってしまうとあまり強いデッキとは言えません。
ピック自体は1・2パック目までは順調に進んでいたのですが、3パック目の大惨事により白のコモンのアタッカーが取れず、このような形になってしまいました。
「デッキが弱い時はマナフラッドしたら絶対に勝てない」
という持論があるので、土地は16枚に絞ってあります。
《ギデオンの法の番人》や《マーフォークの催眠術師》の起動マナに苦労するかもしれませんが、マナフラッドするよりはずっとマシ。
こんなだらだらするデッキで余剰な土地を引いては勝てませんからね。
デッキを組んだ段階では、「相性良い相手に1回勝って、後の2回は負けるだろうなー」と思っていたのですが、結果はなんと3連勝!
緒戦のまつがん戦は相手のデッキが赤黒の軽量ビートということもあり、相性差で勝ち。
2戦目の相手からはメイン戦で《記憶の熟達者、ジェイス》を出され、守ってたら絶対に勝てないのでサイドから大幅にデッキを変更。
《鎧の軍馬》を《空中浮遊》でペガサスに変身させるぶち切れプランを取ったら、それが見事に嵌って勝ち。
3戦目は待望のフィンケル戦。
観戦記事になっているので、詳しくはそちらをどうぞ。
大まかに試合の経緯を話すと、1ゲーム目はフィンケルが土地事故のところに《ジェイスの文書管理人》がアドバンテージを稼いでゲームにならず。
2ゲーム目はアグロプランにデッキを変更し、タイトな場から《空中浮遊》が決め手となってマッチ勝利!
後から聞いた話ではフィンケルは《業火のタイタン》を持ってたらしく、もうちょっとゲームが長引いたら危なかったらしいです。
もしメインのプランのままだったら恐らく負けていたでしょう。いやーついてるついてる。
ちなみにサイド後はデッキをこんな風にしていました。
9 《平地》 7 《島》 -土地(16)- 2 《ギデオンの法の番人》 3 《鎧の軍馬》 1 《嵐前線のペガサス》 1 《雪花石の魔道士》 1 《蒼穹の魔道士》 2 《ロック鳥の卵》 2 《グリフィンの歩哨》 1 《ギデオンの報復者》 1 《ジェイスの文書管理人》 1 《アンフィンの殺し屋》 1 《地割れのドレイク》 1 《包囲マストドン》 -クリーチャー(17)- |
1 《平和な心》 1 《マナ漏出》 1 《蛙変化》 1 《護衛の誓約》 1 《霜のブレス》 1 《力強い跳躍》 1 《空中浮遊》 -呪文(7)- |
メインのだらだらするプランよりも、最初からこのプランの方が相手のデッキが強かった時にも可能性があるので、最初からこっちにした方が良かったかもしれませんね。
という感じで、何とか3敗でトップ8の目のある状態で二日目のモダンへと進むことができましたが、その後のモダンの成績は3勝2敗。
先手3キルしようとしたら、対戦相手から後手2ターン目に《引き裂かれし永劫、エムラクール》をプレイされました。モダン良い環境!
そんなこんなで11勝5敗の28位で僕のプロツアー・フィラデルフィアは終了。
3週連続で優勝!なんてできたらカッコよかったのですが、流石にそんな上手くいくはずもなく。
また次のプロツアーで頑張りたいと思います。
では今回はこの辺で。
また来週お会いしましょう。
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