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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
第24回:逆境の第二話?グランプリ・カンザスシティ参戦記 2日目
読み物
渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
2011.07.04
第24回:逆境の第二話~グランプリ・カンザスシティ参戦記 2日目
こんにちは。渡辺です。
今回は前回に引き続き、グランプリ・カンザスシティの実戦編の後編をお伝えします。
第23回:逆境の第一話~グランプリ・カンザスシティ参戦記 1日目
前回は初日のシールドまでだったので、今回は二日目のドラフトからですね。
決勝を含め3回のドラフトを掲載するため、ページ内リンクをご用意しましたので、ご利用ください。(編集)
ドラフトの方針 1stドラフト 2ndドラフト 決勝ドラフト
ドラフトの方針
二日目のドラフトの前に自分が考えていたことを整理したいと思います。
- できるだけ先手を取れるデッキ、ビートダウンのできる構築を心がける。
- 白系の金属術か青系の飛行ビートが理想。
- 緑はやらない。
- 毒は基本的にやらない。ただ1枚で活躍が見込める感染クリーチャーは別。
これが、大まかなピックの方針でした。
以前この連載で、「先手か後手か」という命題に対して「どちらでも良い」と書きましたが、その後の練習やプロツアーの実戦を通して大きく考えが変わり、「この環境は先手を取るべき」という結論になりました。
やはりファイレクシア・マナ関連のカードのライフ管理や、環境に多くある装備品をテンポよく使うためには先手の方がゲームを有利に進めやすいですからね。
特に《大霊堂のスカージ》《侵害の魂喰い》《縫合の僧侶》などは先手で使うと強さが飛躍的に上がるカードで、時にはこれらのコモンがゲームを決めることがあり、以前よりも点数が上がりました。
プロツアーでのゲームを見ていても、先手の方が有利にゲームを進めていることが多かったですし、何人かのプレイヤーに聞いて見たところ、「できるだけ先手を取りたい」という声が多かったです。
なので、今回はできるだけ先手向きのデッキを意識して、ドラフトに臨むことにしました。
先手デッキなら、白系の金属術による高速展開や青系の飛行ビートで押し切る展開が一番強いと練習で感じていたので、できるだけその二つを狙う方針です。
逆に絶対にやりたくないと思っていたのは緑。
緑には先手を取ったときに低マナ域から展開していけるようなカードが少なく、青の飛行のように安定したダメージクロックも無ければ、金属術をやりたいと思わせるようなカードもありません。
今回の自分の方針とは緑はあまりに合致しなかったので、今回は緑はよほどのことがない限りやらないと決めていました。
また感染も今回はあまりやりたくないと思っていました。
練習をしていた時にデッキを完全に感染に寄せきることができたのはほんの僅かしかなく、感染をやろうとすると相手のライフを30点削る「ハーフ感染」になることの方が圧倒的に多かったのです。
それだったら最初から相手のライフ20点を狙うほうが効率的だという結論になり、今回は感染関係のカードは軒並み点数を低く付けてドラフトしようと思っていました。
ただ1枚で活躍が期待できるような感染カードに関しては話は別です。
《囁く死霊》や《堕ちたる鉄術士》のような、毒を与える以外の要素もあるカードに関しては普通にピックします。
二日目はドラフト2回の6回戦ですが、初日の段階で2敗しているのでTOP8に残るためにはおそらく5連勝縛り。
現実的にかなり難しいので、そんなに気負わずにTOP16を目指して頑張ろうと考えてました。
では前置きはこれくらいにして、実際のドラフトを見ていきましょう。
1stドラフト
1パック目(新たなるファイレクシア)
初手は《電位の負荷》と《鎌切り》と《グリッサの嘲笑》の三択のパック。
《グリッサの嘲笑》は上記の通り色的に見てアウト、なので《電位の負荷》と《鎌切り》の二択です。
ここで僕が選択したのは《鎌切り》。
除去カードである《電位の負荷》が強いのは重々承知していますが、今回は金属術か飛行ビート関係のカードからドラフトをスタートしたいと思っていたので、その2つの条件に合致する《鎌切り》を優先することにしました。
また、ドラフトの最初手ということで、色付きのカードを取るより色無しのカードを取りたかったということもあります。
ただ、ドラフトにおいて除去カードである《電位の負荷》も強力なカードであることは間違いありません。カード単体の強さだけで見るなら《電位の負荷》に軍配が上がるでしょう。
もしあなたが同じ状況ならどちらを取るか考えてみてください。
2手目は《髄掘り》。
横に《純鋼の聖騎士》があり、初手の《鎌切り》とも噛み合っているカードなので時間いっぱい使って非常に悩むも、ここで白のダブルシンボルのカードはまだ早いと言う判断でどんなデッキでも使える《髄掘り》をピック。
3手目は特に他に候補も無く悩まず《磁器の軍団兵》をピックし、4手目は遂にアーティファクトの優良カードが無くなったので除去カードも兼ねる《盲目の盲信者》をピック。
5手目に《精神間引き》が流れてきて横にあった《急送》と悩むも、流石に1対4交換を見込める強力カードは流せません。
その後は《蒸気の絡みつき》《大霊堂のスカージ》《荒廃の工作員》と、青と黒のカードを集めていって1パック目は終了です。
1 《鎌切り》
2 《髄掘り》
3 《磁器の軍団兵》
4 《盲目の盲信者》
5 《精神間引き》
6 《蒸気の絡みつき》
7 《大霊堂のスカージ》
8 《荒廃の工作員》
9 《無感覚の投薬》
10 《ギタクシア派の調査》
11 《胆液の爆発》
12 《浮上マイア》
13 《オーガの使用人》
14 《棍棒での殴り合い》
1パック目は何ともいえない感じ。
アーティファクトの枚数的にも回避クリーチャーの数を見ても中途半端ですが、《精神間引き》や《無感覚の投薬》のようなコントロール向けのカードもあるので、2パック目からはコントロールも視野に入れつつ、金属術や飛行ビートに寄せられるようならそっちに寄せる方向を目指します。
2パック目(ミラディン包囲戦)
2パック目初手は《黒の太陽の頂点》!!
環境の中でも屈指の全体除去カードを引き当てることができました。文句無しのピックです。
このカードをピックしてしまったからには、デッキをビート寄りに組むよりもコントロールよりに組むほうがマッチします。《黒の太陽の頂点》をビートで使うわけにはいきませんからね。
1パック目でコントロールへの目を残しておいたのがここで活きました。ここからはドラフトの方針をコントロール志向に変えてのドラフトです。
2手目は《ルーメングリッドのガーゴイル》。中々ナイスな大型フライヤーです。後から《宝物の魔道士》が流れてくることに期待。
3手目は《荒廃後家蜘蛛》。
同じパックに青と黒で目ぼしいものがなく、カット兼色変えも想定してのピック。一応シングルシンボルなのでタッチも検討しつつ、ただできればこれを使うようなドラフトにはしたくないですね。
その後はパックの中の優良カードをつまみつつドラフトは進み、7手目で期待していた《宝物の魔道士》が取れたり、10手目で持ってくる先である《六角板のゴーレム》も確保できたりして2パック目は終了。
1 《黒の太陽の頂点》
2 《ルーメングリッドのガーゴイル》
3 《荒廃後家蜘蛛》
4 《悪性の傷》
5 《貫く徘徊者》
6 《太陽の宝球》
7 《宝物の魔道士》
8 《尖塔の海蛇》
9 《六角板のゴーレム》
10 《目的のための燃料》
11 《刃の歩哨》
12 《ヴィダルケンの注入者》
13 《タイタンの炉》
14 《訓練する徒食者》
基本的にコントロール向きのピックです。
お目当てだった《宝物の魔道士》も取れたりと、それなりに収穫はありました。
ただゲームを終わらせるための回避持ちクリーチャーが少ないので、3パック目で補充したいところです。
3パック目(ミラディンの傷跡)
3パック目初手は《大石弓》。
パックが弱く、他の候補が《ニューロックの模造品》くらいしかなく、それとならゲームが長引いた時によく働く《大石弓》をピック。
この後《ソリトン》が取れることにも期待。
その後の2手目・3手目で《空長魚の群れ》を取れたので回避持ちクリーチャーの少なさも解消。
このときに《真っ二つ》や《電弧の痕跡》のような強力カードを流しているのですが、今は自分のデッキを優先です。
4手目で《謎鍛冶》を確保した後はあまり実のないパックが続き、7手目に《粗石の魔道士》が流れてきてピックするも、実はこれまでに1マナのアーティファクトが取れていないというチグハグっぷり。
その後マナマイアや《分散》を取って何とかデッキの枚数の帳尻あわせをして、残り2枚で取れた《ルーメングリッドのドレイク》に喜びつつドラフト終了となりました。
1 《大石弓》
2 《空長魚の群れ》
3 《空長魚の群れ》
4 《謎鍛冶》
5 《金属の駿馬》
6 《死体の野犬》
7 《粗石の魔道士》
8 《銅のマイア》
9 《分散》
10 《虚無の呪文爆弾》
11 《よじれた映像》
12 《板金鎧の海うろつき》
13 《ルーメングリッドのドレイク》
14 《取り繕い》
お目当ての《ソリトン》は取れず。
ピック的には、5・6手目で何も取りたいカードが無かったパックが続いたのが厳しかったですね。
ただカード自体の枚数は確保できたので、何とかデッキにはなりそうです。
完成デッキとマッチ雑感
そんなこんなで、できたデッキはこちら。
9 《島》 8 《沼》 -土地(17)- 1 《大霊堂のスカージ》 1 《磁器の軍団兵》 1 《謎鍛冶》 1 《銅のマイア》 1 《鎌切り》 1 《盲目の盲信者》 1 《宝物の魔道士》 1 《ルーメングリッドのドレイク》 1 《貫く徘徊者》 1 《刃の歩哨》 1 《髄掘り》 1 《尖塔の海蛇》 2 《空長魚の群れ》 1 《ルーメングリッドのガーゴイル》 1 《六角板のゴーレム》 -クリーチャー(16)- |
1 《ギタクシア派の調査》 1 《蒸気の絡みつき》 1 《悪性の傷》 1 《黒の太陽の頂点》 1 《精神間引き》 1 《太陽の宝球》 1 《大石弓》 -呪文(7)- |
|
青黒のコントロール寄りのデッキです。
冒頭でビートを組みたいと言っていたのに、それとは正反対のデッキを組んでしまいました。
相手に対処するための除去カードが少ないものの、盤面を止めるためのクリーチャーには事欠かない構成になっているので、飛行クリーチャーや《大石弓》でそのうち勝つというようなデッキになっています。
デッキの出来としては可も無く不可もなくといったところで、点数を付けるなら75点くらい。
正直3勝は厳しそうなので、手堅く2勝を狙おうと思っていました。
が、いざ試合が始まってみれば、こっちが良く回ったり相手の事故に助けられたりして、あっという間に3連勝。
卓に出ていたカードが全体的に弱かったらしく、基本的に相手のデッキもそれほど強くはなくて、お互いが事故も無く回った場合はどちらが有効牌を多く引けるかという展開になりがちでした。
そういう展開では2枚の《空長魚の群れ》と《謎鍛冶》を擁している分こちらの方が有利なことが多く、最後は有効打の数で勝つような展開が多かったですね。
何にせよこのデッキで3勝できたのは嬉しかったです。
あと2勝と現実的に目指せるラインまで来ることができたので、久しぶりのTOP8を目指し張り切って2ndドラフトへ。
2ndドラフト
1パック目(新たなるファイレクシア)
2ndドラフト開封パックは、先程のドラフトで流した《純鋼の聖騎士》と優秀アンコモンである《納墓の総督》の2択のパック。
時間いっぱい悩んで自分がピックしたのは《純鋼の聖騎士》。
どちらを取ってもその色のダブルシンボルのカードをピックすることになるので、純粋にやりたい色のカードを取ることにしました。
《純鋼の聖騎士》は運用するために複数の装備品が必要ですが、使えたときの爆発力は2マナのカードとは思えないほどの強さです。
どんなデッキで使っても強い《納墓の総督》も手堅い選択だとは思いましたが、現在2敗ラインで踏みとどまっている猛者たちを相手に2連勝をしなくてはいけないということを考えると、ドラフトが成功したときに圧倒的な強さを誇る《純鋼の聖騎士》に賭けるほうが良いという判断です。
さて、伸るか反るか。続きのピックを追ってみましょう。
2手目は《縫合の僧侶》と《グリッサの嘲笑》との2択ですが、前述の通り緑には触れたくないのと、初手との色合わせも兼ねて前者をピック。
3手目は《侵害の魂喰い》。
また横に《グリッサの嘲笑》がありましたが、緑のカードは完全無視。《純鋼の聖騎士》は金属術のカードでもあるので、アーティファクトの枚数は揃えておきたいところです。
4手目で白いカードがぱったりと途絶え、取る候補が《囁く死霊》と《血吸いの噛み付き》しかないパックがやってきました。
ここから《囁く死霊》をピック。
緑のカードは下家に押し付けて返しで恩恵を受けたいところです。
5手目は《蒸気の絡みつき》。
《荒廃の工作員》が一緒にあり、先程の《囁く死霊》から感染を狙うのも考えましたが、まだ時期尚早と思い、青の優秀nテンポカードを優先しました。
しかしこの選択は6手目で流れてきた《荒廃の工作員》で裏目に出てしまいます。
その後は《盲目の盲信者》、《大槌の接合者》カット、《屍襲い》とピックして、あとは特にこれといって何も取れず。
1 《純鋼の聖騎士》
2 《縫合の僧侶》
3 《侵害の魂喰い》
4 《囁く死霊》
5 《蒸気の絡みつき》
6 《荒廃の工作員》
7 《盲目の盲信者》
8 《大槌の接合者》
9 《屍襲い》
10 《ロクソドンの改宗者》
11 《死後の一突き》
12 《精神クランク》
13 《防御姿勢》
14 《屑鉄場の斉射》
何だかまとまりのない感じになってしまっています。
初手と2手目以降には白いカードをほとんど見なかったので、上が白をやっている可能性が高く、早くも白は諦めムード。
遅めに7手目と《盲目の盲信者》が取れたので、黒は若干空いているかも、くらいの認識。
《囁く死霊》《荒廃の工作員》と取れているのでこれからの流れ次第で感染もワンチャンス、というか現状の逃げ道はそこしか残っていませんね。
とにかく何か突破口が欲しい状況です。
2パック目(ミラディン包囲戦)
2パック目の初手は《喉首狙い》。
同パックに《病気の拡散》《肉食いインプ》といったハイスペックカードがあり非常に悩むも、一番軽い2マナのインスタント除去を優先。
しかし同じパックからこんなに一気に出なくても・・・と心の中でちょっとぼやいてみたり。
2手目は《皮羽根》。優秀なクリーチャー兼装備品をここで確保しておきます。
3手目《ファイレクシアの憤怒鬼》。黒をやるなら是非欲しいアドバンテージクリーチャーです。
そして4手目。《ファイレクシアの巨大戦車》《血清掻き》《ファイレクシアの憤怒鬼》とかなりの高カロリーパックが回ってきました。
この三択からぎりぎりまで悩んでピックしたのは《血清掻き》。
1パック目で取った青のカードを使いたかったので青いカードを優先したのですが、後から考えたら《ファイレクシアの巨大戦車》の方が良かったですね。
現状フィニッシャーらしいカードが取れていませんし、1パック目で取った《囁く死霊》と《荒廃の工作員》を無駄カードにしないためにも、ここは感染のフィニッシャーを取るべきでした。
《皮羽根》を装備する先としても申し分ないですし、ここのピックはこのドラフトで一番失敗してしまったところでしたね。
その後は《疫病のマイア》《敗血のネズミ》《ノーンの僧侶》と感染関係のカードを集めて、先程の《血清掻き》のピックが完全に裏目に出たことを嘆きつつ、10手目に《核をうろつくもの》がピックできたことにより完全に路線を感染へシフトする方向が見えたところで、2パック目は終了です。
1 《喉首狙い》
2 《皮羽根》
3 《ファイレクシアの憤怒鬼》
4 《血清掻き》
5 《疫病のマイア》
6 《敗血のネズミ》
7 《ノーンの僧侶》
8 《レオニンの空狩人》
9 《鏡操り》
10 《核をうろつくもの》
11 《ミラディンの血気》
12 《ミラディン人のスパイ》
13 《軍団の結集》
14 《形勢一変》
やはり悔やむべきは4手目の《血清掻き》。
これが《ファイレクシアの巨大戦車》なら話は全然違ったのですが・・・ともあれ過ぎてしまったことは仕方ありません。
現状数は足りていませんが、感染路線という方向性は見えたので、3パック目はそれを貫きたいと思います。
3パック目(ミラディンの傷跡)
3パック目の初手は《法務官の手》!
感染へと矛先を向けた途端に感染カードの中でもトップクラスのカードにめぐり合えました。なんという僥倖。
同じパックに《決断の手綱》もありましたが、ここからの立て直しには《法務官の手》の方が必要です。
ここから感染関係のカードをできる限り取っていきたいですね。
そんな思いとは裏腹に流れてきた2手目には感染関係のカードはなく、仕方ないと言った感じで自分の色の《謎鍛冶》をピック。
3手目は《屍百足》を確保。同じパックに《伝染病の屍賊》があり若干悩みましたが、流石に性能が違います。
4手目はこれまた感染のカードはなく、渋々《ニューロックの模造品》を。
その後は《銅のマイア》《感染の三角護符》《ゲスの玉座》《生体融合外骨格》といったピリっとしないピックが続き、一応感染のパーツは取れているものの肝心のクリーチャーが足りていない状態。
それ以降も芳しくはなかったのですが、11手目に3手目で流した《伝染病の屍賊》が帰ってくるという幸運に恵まれて、3パック目は終了となりました。
1 《法務官の手》
2 《謎鍛冶》
3 《屍百足》
4 《ニューロックの模造品》
5 《銅のマイア》
6 《感染の三角護符》
7 《ゲスの玉座》
8 《生体融合外骨格》
9 《思考の三角護符》
10 《選別の高座》
11 《伝染病の屍賊》
12 《屑鉄潜りの海蛇》
13 《取り繕い》
14 《ゴーレムの心臓》
初手の《法務官の手》こそ良かったですが、それ以降のピックはパッとしない内容でした。
肝心の感染クリーチャーもあまり確保できず、正直に言ってしまえば厳しいパックでしたね。
完成デッキとマッチ雑感
ではできたデッキを見てみましょう。
10 《沼》 7 《島》 -土地(17)- 1 《謎鍛冶》 1 《荒廃の工作員》 1 《屍百足》 1 《疫病のマイア》 1 《銅のマイア》 1 《伝染病の屍賊》 1 《敗血のネズミ》 1 《囁く死霊》 1 《盲目の盲信者》 1 《ファイレクシアの憤怒鬼》 1 《侵害の魂喰い》 1 《ニューロックの模造品》 1 《核をうろつくもの》 1 《法務官の手》 -クリーチャー(14)- |
1 《蒸気の絡みつき》 1 《取り繕い》 1 《喉首狙い》 1 《ゲスの玉座》 1 《感染の三角護符》 1 《思考の三角護符》 1 《生体融合外骨格》 1 《皮羽根》 1 《屍襲い》 -呪文(9)- |
|
今回は青黒の感染デッキ。
デッキに感染以外のクリーチャーが入ってはますが、入っているカード的に相手のライフを削って勝つパターンはほとんどないと思われる内容なので、感染デッキと言って良いでしょう。
正直に言ってしまえばデッキはあまり強くありません。
個々のクリーチャーの線は細いですし、相手のクリーチャーに触るための除去も不足しています。
勝ち筋である感染クリーチャーの数もお世辞にも多いとは言えませんし、デッキとしてのパワー不足は否めません。
点数を付けるなら55点くらいです。はっきり言って厳しいです。
とはいえこのデッキをドラフトしたのは僕自身。嘆いていても仕方ないので後は腹を括って戦うのみ。
と、半分諦めていた部分もあったのですが、色々なことが噛み合い、あれよあれよと気がついたら2連勝。
元々先手を取るつもりだったのですが、2戦とも相手がデッキの都合で後手を取ってきてくれたのと、ほぼ毎回《法務官の手》をプレイできるという幸運にも恵まれて、運よく連勝することができました。
あとは最終戦をID(合意の上の引き分け)すればTOP8!というルンルン気分でスタンディングを見に行ったのですが、初日の2連敗スタートの影響で僕のオポネント・マッチパーセンテージがダントツで低く、次の試合をIDすると高確率で9位になることが発覚してしまい、泣く泣く次の試合も勝負。
ここまで2連勝してきているだけあって、相手のデッキも強いデッキでしたが、1-1で迎えた3本目に相手が壮絶に土地事故してしまい、ゲームにならず。
対戦相手に申し訳ないと思いつつも、これでTOP8確定です。
TOP8に入ったプレイヤーが順々に発表されていきますが、他のTOP8のプレイヤーで知っているのは、ご存知Luis Scott-Vargasと、ブラジルのWilly Edelの二人。
ルイスは先週に行われたプロツアー・名古屋に続いての2週連続TOP8で、まさに絶好調といった感じですね。
TOP8の写真やらプロフィールやらを済ませ小休止を挟んだ後、決勝ドラフト開始です。
決勝ドラフト
1パック目(新たなるファイレクシア)
1パック目初手は《四肢切断》。
どんなデッキでも使うことのできる優秀除去カード。ドラフトの最初手としては文句無しの1枚ですね。
他の候補は全て色付きのカードばかりだったので、特に悩まずのピックです。
続いて2手目は《磁器の軍団兵》。これまたどんなデッキでも使える優秀クリーチャー。
ドラフト序盤は色を決めずに後の受け入れを広くしておきたいので、こういった実質無色のクリーチャーは嬉しいですね。
3手目は《清純のタリスマン》
ここでもまだ色を決めるようなカードは無かったので、マナ加速兼ファイレクシア・マナ関連のカードのライフ損失を補うカードを確保。
4手目は《荒廃の工作員》。ここで初めて色のあるカードを。
ただこのパックは内容が悪く、他に候補が無かったので仕方なくといったピックです。
5手目は《鎌切り》。この巡目で取れる生体武器は嬉しいですね。
6手目《シェオルドレッドの刈り取るもの》で、4手目の《荒廃の工作員》と合わせて感染を意識。
その後は《大霊堂のスカージ》《窯歩き》と取ってクリーチャーの陣営を整えつつ、《敗残のレオニン》《大槌の接合者》と確保して、色々な道を残して1パック目は終了。
1 《四肢切断》
2 《磁器の軍団兵》
3 《清純のタリスマン》
4 《荒廃の工作員》
5 《鎌切り》
6 《シェオルドレッドの刈り取るもの》
7 《大霊堂のスカージ》
8 《窯歩き》
9 《敗残のレオニン》
10 《大槌の接合者》
11 《狂気コウモリ》
12 《防御姿勢》
13 《屑鉄場の斉射》
14 《ダークスティールの秘宝》
1パック目の内容としては、そこそこといったところ。
実質無色のカードが多く、現状どの色をやるかまだ決まっていない状態なので、この後の「ボム受け」が万全なのが嬉しいですね。
一応《四肢切断》と《大霊堂のスカージ》があり、《シェオルドレッドの刈り取るもの》もあるので黒はできればやりたいといった感じです。
感染クリーチャーは2種類しかいないので、この後の流れ次第といったところですね。
2パック目(ミラディン包囲戦)
2パック目の開封パックからは、《オキシド峠の英雄》がこんにちは。
1パック目で赤いカードは一切取っていませんが、他の候補が《不純の焼き払い》と《銅の甲殻》くらいしかなく、流石にこれらに比べたら雲泥の差。
1パック目でどの色も受け入れる状態にしておいたのがここで実りました。強力な神話レアにめぐり合うという、幸先の良いスタートです。
2手目は《喉首狙い》。
同じパックに重いながらも効果の強力な《病気の拡散》があって若干悩みましたが、やはり2マナのインスタントの除去は破格です。迷ったときは軽いほう優先で。
3手目は《火膨れ杖のシャーマン》。
初手の《オキシド峠の英雄》のために赤いカードを集めていきます。
4手目は《悪性の傷》。除去系のカードはいくらあっても困りません
5手目は《ファイレクシアの憤怒鬼》。黒のアドバンテージクリーチャーをここで。
その後は目ぼしいものがないパックが続き、《突風掬い》を2回連続でカットするという不穏な感じだったのですが、8手目で《ルーメングリッドのガーゴイル》が流れてきて軽く困惑。
同じパックに《胆液の水源》や《レオニンの空狩人》といった優良カードも残っており、「どれだけ強いパックだったのだろう」と思いつつ《ルーメングリッドのガーゴイル》を美味しく頂いておきました。
その後も流れは良く、《カルドーサの首謀者》《オーガの抵抗者》《コスの急使》とデッキに入るレベルのカードが遅い巡目で取れて、収穫の多いパックとなりました。
1 《オキシド峠の英雄》
2 《喉首狙い》
3 《火膨れ杖のシャーマン》
4 《悪性の傷》
5 《ファイレクシアの憤怒鬼》
6 《突風掬い》
7 《突風掬い》
8 《ルーメングリッドのガーゴイル》
9 《カルドーサの首謀者》
10 《オーガの抵抗者》
11 《コスの急使》
12 《オオアゴザウルス》
13 《腐食の猟犬》
14 《オオアゴザウルス》
初手の《オキシド峠の英雄》を始め、優秀なカードが多く取れた大収穫の2パック目。
デッキの色も概ね赤黒と決まり、よほどのことがない限り、3パック目もその路線で進めていきたいですね。
現状で低マナ域のクリーチャーが不足気味なので、3パック目で補充したいところです。
3パック目(ミラディンの傷跡)
3パック目の自分のパックで引き当てたのは《執行の悪魔》!!
ここで黒の爆弾クリーチャーを引き当てました。
一応他のカードに目を通し、帰ってきそうなカードを検討して、この黒い悪魔をピック。
2パック目の《オキシド峠の英雄》に続き、3パック目も最高のスタートとなりました。
2手目は《皮裂き》。
説明不要の強力カードですが、上が黒をやってないらしく、コモン抜けで流れてきました。流石に比較になるようなカードも無く、即ピック。
初手の《執行の悪魔》もそうですが、ここまでびっくりするくらいの見事な噛み合いです。
3手目は《憤怒の三角護符》。
《拘引》や《空長魚の群れ》のような他の優秀カードもありましたが、自分のデッキに入るカードを優先です。
4手目は《刃族の狂戦士》。そろそろ低マナ域のカードが欲しいところなのですが、パックの中に無いので仕方なく自分の色のカードを。
5手目は《肉体アレルギー》。ここでもパックの中に低マナ域のカードがなく、色合わせで自分の色のカードをピック。使いにくいカードですが、一応確定除去兼火力なので、活躍の場は多いです。
その後もパックの内容にあまり恵まれず、《死体の野犬》カット、《モリオックの肉裂き》、《血まなこの練習生》といったピックが続き、帰ってきた自分のパックからは《剣爪のゴーレム》を確保。
ここまで来たら後はもう何も流れてくるわけはなく、自分は使わないようなカードをカットして3パック目は終了です。
1 《執行の悪魔》
2 《皮裂き》
3 《憤怒の三角護符》
4 《刃族の狂戦士》
5 《肉体アレルギー》
6 《死体の野犬》
7 《モリオックの肉裂き》
8 《血まなこの練習生》
9 《剣爪のゴーレム》
10 《荒廃のマンバ》
11 《ルーメングリッドのドレイク》
12 《媒介のアスプ》
13 《剃刀ヶ原の打つもの》
14 《銅角笛の斥候》
開幕の《執行の悪魔》と《皮裂き》こそ良かったものの、その後はピリッとしないパックが続いてしまい、欲しかった低マナ域の確保もできず。
デッキが重くなりそうだったので、できればマナマイアが欲しかったのですが、出なかったものは仕方ありません。最初の2枚で満足しておくとしましょう。
完成デッキとマッチ雑感
そしてできたデッキがこちら。
9 《沼》 8 《山》 -土地(17)- 1 《大霊堂のスカージ》 1 《磁器の軍団兵》 1 《モリオックの肉裂き》 1 《ファイレクシアの憤怒鬼》 1 《火膨れ杖のシャーマン》 1 《窯歩き》 1 《皮裂き》 1 《刃族の狂戦士》 1 《血まなこの練習生》 1 《オーガの抵抗者》 1 《オキシド峠の英雄》 1 《シェオルドレッドの刈り取るもの》 1 《カルドーサの首謀者》 1 《剣爪のゴーレム》 1 《執行の悪魔》 1 《ルーメングリッドのガーゴイル》 -クリーチャー(16)- |
1 《悪性の傷》 1 《喉首狙い》 1 《四肢切断》 1 《肉体アレルギー》 1 《憤怒の三角護符》 1 《鎌切り》 1 《清純のタリスマン》 -呪文(7)- |
|
赤黒のシナジー無しの普通のデッキ。
全体的にちょっと重めですが、《執行の悪魔》や《オキシド峠の英雄》などのパワーカードがあり、《四肢切断》や《喉首狙い》などの除去もあるのでデッキパワーは高め。
2日目の3回のドラフトで作ったデッキの中では一番強く、十分に優勝を狙えるデッキです。
デッキ登録の時間も終わり、決勝ラウンドが始まります。
デッキパワーに助けられる感じで順調に準々決勝・準決勝と勝ち進み、決勝で合間見えるはやはりこの男LSV。
下馬評では僕のデッキの方が有利とのことでしたが、マジックはデッキの強さだけが全てではありません。
1本目を土地事故で落とし、2本目を膠着した場を《執行の悪魔》で取り返して星をタイにして3本目へ。
大一番の3本目は、マリガンしてこちらの動きの悪いところに、《吸血術士》を出され除去できずにダメージを負っていき、不用意に通した《ニューロックの模造品》に《よじれた映像》を打たれてライフが一気に危険域に。
最後の望みをかけた《執行の悪魔》も、《冷静な反論》されて勝負あり。
まさに完敗でした。
デッキではこちらの方が上だったのは確かなのですが、ルイスの戦闘の仕方やカード毎の使い方が非常に的確で、対面で座っていて感心してしまうほどでした。
正直に言って、プレイの差で負けてしまったように思えます。
やはりアメリカ最強の男は伊達じゃないですね。
最後の最後で負けてしまったのは残念でしたが、最近は不調続きだったので今回の準優勝という成績は素直に嬉しかったです。
プロポイント的にも何とか立て直せたので、これからのイベントも頑張って行こうと思います。
そして、いつかルイスにリベンジしたいですね!
では今回はこの辺で。また来週お会いしましょう。
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