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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
第9回:インフィニット・リミテッド
読み物
渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
2011.03.21
第9回:インフィニット・リミテッド
皆さんこんにちは、渡辺です。
ほとんどの方はもうご存知だと思いますが、グランプリ・神戸が延期になりました。
グランプリ・神戸の新しい開催日は4月の23・24日。次年度の頭でもある時期なので、社会人の方にはちょっと厳しいスケジュールかもしれませんが、一人でも多くの方の参加を期待しています。
さて今回は、「一風変わったリミテッドの遊び方」の紹介をしたいと思います。
最近は傷跡-包囲戦のリミテッドについて色々取り上げてきましたが、実はこの環境を使うリミテッドの大きなイベントはしばらくありません。
というわけで、最近リミテッドは構築の調整に行き詰まったときなどの息抜きとしてやっているのですが、その息抜きもずっと同じようなドラフトやシールドをやっていては飽きてきてしまいますよね。
そこで今回は、ドラフトやシールド以外の遊び方を紹介したいと思います。
どの遊び方もいつもと一味違った感じで遊べるので、興味のあるものがあったら是非試してみてください。
パックウォーズ
これは去年の連載でも紹介しましたが、改めてルールについて掲載します。
☆ パックウォーズの遊び方
準備するものはプレイするプレイヤーひとりにつき、ブースターパック1つと各種3枚づつ合計15枚の基本土地のセット。これだけです。 もしお店などで遊ぶ場合は、お店の方に言えば基本土地の貸し出しをしてくれる場合もあるので聞いてみてください。 では実際に遊ぶための手順です。 1. ブースターパックを開封して、中に入っているトークンカード又は宣伝カードだけを除いた15枚を、15枚の基本土地と混ぜ、合計30枚をデッキとして使用します。 「何が入っているか分からない」ドキドキ感が大事なので、パックを開封するときやシャッフル中にカードを見ないようにすると、よりゲームを楽しめると思います。 2. パックウォーズは、通常のマジックと同じように手札7枚、ライフ20点でデュエルをスタートしますが、ひとつだけ通常のマジックと違うルールがあります。 それはマリガンについてです。 パックウォーズのマリガンは1回しかできません。そのかわり、もう一度7枚の手札を引くことができます。 最初の手札が気に入らないからマリガンしたらその後の手札がもっと悪くなった、なんてことも起こるのでマリガン判断もかなり重要ですね。 ただ僕がガンスリンガーなどでパックウォーズをやる場合は、2回目以降のマリガンもありでやっています(当然手札の枚数は減っていきますが)。これはせっかくガンスリンガーに来てもらったのに、どちらか片方が土地がまったくないような手札でゲームするよりは、もう1回マリガンしてちゃんとしたゲームをして楽しんでもらいたいからです。 |
それ以外のルールは通常のマジックと同じです。お互いに自分のデッキの内容を知らないので土地以外のカードを引くたびに楽しめるんじゃないでしょうか。
パックウォーズは最近関東のプレリリースのガンスリンガー企画で用いられることが恒例になっているので、東京や千葉のプレリリースに参加したことのある人は馴染みのあるフォーマットかもしれません。
パック15枚(1枚基本土地)+15枚の土地を山札にするので、デッキの中の土地の割合が非常に高く、土地ばかり引きすぎてしまうこともしばしばあります。いわゆるマナフラッドですね。
千葉のプレリリースではそのマナフラッドを緩和するルールとして、「基本土地を4マナでサイクリングできる」という特殊ルールを用いています。
こういった特殊ルールを簡単に加えられるのもカジュアルな遊び方ならではと言えますね。皆さんも考えてみてください。
また、各基本土地が3枚ずつ入っているので、理論上色マナ拘束が3つまでのカードまでは頑張ればプレイできます。まぁ同じ色マナ3つを出すのは至難の技ですが・・・。
色マナが無くて強力なカードがプレイできずにモジモジするのもパックウォーズの醍醐味のひとつですね。
やるために必要なものが各自1パックと合計30枚の基本土地だけで良いので、準備するのがとても簡単です。すぐにちょっとだけ遊びたい、という時はパックウォーズがオススメです。
ちょうど良い機会なので、プレリリースのパックウォーズで実際に使われて強かったり面白かった包囲戦のカードをちょっと紹介したいと思います。
《叫び角笛》
パックウォーズは基本的に膠着しやすいゲームなので、ライフ以外にも相手のライブラリー切れで勝つことがしばしばあります。それを能動的に引き起こせる《叫び角笛》は使っても使われても強かったですね。
《鋼の妨害》や《ヴィダルケンの注入者》で有効利用されると、本当にすぐにライブラリーがなくなりました。
《知識槽》
自分のパックから出たのでとりあえず場に出してみたのですが、かなり盛り上がりましたね。
弱いカードが《裏切り者グリッサ》になったり、《水銀の噴出》でもう一回貼りなおしたりと、なんだか意味の分からないゲームをしていました。
普段ではほとんど使わないようなカードも、こういう機会なら存分に使うことができるのがカジュアルな遊び方の魅力の一つですね。
ウィンストンドラフト
これもパックウォーズ同様二人でできる遊び方ですね。少し難しいですが、パックウォーズよりもさらに奥の深いゲームが楽しめるようになっています。
☆ ウィンストンドラフトの遊び方
1. 各プレイヤーは、45枚のカードを用意する。ブースター3つが一般的ですが、開封済みのカードを集めてきてもかまいません。
2. 各プレイヤーの用意した合計90枚のカードの束を、中を見ないで一まとめにしてシャフルする。それをお互いの取りやすい場所に置く。
3. どちらが先にピックするかを決め、山札の一番上から3枚のカードを1枚ずつ裏向きに並べ、3つのカード置き場にする。
4. 先攻のプレイヤーは一番目のカード置き場のカードを見る。それをピックしてもいいし、しなくてもいい。
5. 4.でピックしたら、それを自分の手元に置き、空いたカード置き場に山札の一番上から1枚のカードを裏向きに置く。
6. 4.でピックしない場合、そのカードをカード置き場に戻し、新たなカードを1枚裏向きにその上に重ね、二番目のカード置き場のカードを見る。
こうして、ピックしなかったカード置き場にはどんどんカードがたまっていくことになります。
7. (6.に引き続き)二番目のカード置き場からピックするかどうかを決め、ピックする場合は空いた場所に新たなカードを1枚置き、ピックしない場合は新たなカードを追加して次に進む。
8. 三番目のカード置き場のカードも気に入らなければ、やはり新たなカードを1枚置き、最後に山札の一番上のカードを1枚ピックする。
9. 4~8を、90枚のカードが全部ピックされるまで繰り返す。お互いはピックしたカードに基本土地カードを組み合わせて40枚デッキを構築して対戦する。
こう見ると覚えることが多そうに見えるかもしれませんが、実際にやってみるととても簡単なので、実際に1回やってみるのがオススメですね。
カードを自分で選んでデッキを作るので、パックウォーズより戦略性の高いゲームになっています。
90枚の束から2つのデッキを作る関係で、お互いのデッキ構成がぐちゃぐちゃになることが多いですね。1つのシールドパックから2つデッキを作るようなものなので、当然と言えば当然ですが。
自分がやっていない色の強力なカードを場に放置しておくと相手に使われてしまうのでカットすると、相手も報復とばかりに同じようにカットしてくるのでいたちごっこが始まり、結局はお互いにピックしたカードの色が入り乱れることが多いです。
そんなぐちゃぐちゃのプールからデッキを組むので、できるデッキも相当なカオスになることが頻繁にあります。
均等3色は当たり前。均等3色にタッチで何かのような4色になることも多いですね。
なので、色マナ補助の役割を持っているカードは基本的に重要です。
傷跡なら《地平線の呪文爆弾》、包囲戦なら《ヴィリジアンの密使》や《太陽の宝球》といったカードたちですね。
ちょっと時間をかけてじっくり遊びたい、というような場合はウィンストンドラフトがオススメです。
今回はここまで。
今回は二人でできるリミテッドの遊び方の代表例を紹介しました。
機会があれば、もっと多人数でできるものも紹介していきたいと思います。
多くの方は神戸までエクステンデッドの練習に時間を使うと思います。無論僕もその一人です。せっかくの国内の大型イベントに向けて準備をするのは大事なことですね。
ただ何事もやりすぎは禁物。たまには肩の力を抜いて普段やらないような遊び方でマジックをプレイしてみましょう。そういった時間がもしかしたら思わぬアイディアをもたらしてくれるかもしれませんよ。
また神戸に参加しない方やプレミアイベントに興味のない方にも、手軽なマジックとして楽しんでいただけると思うので、是非遊んでみてください。
では今回はこの辺で。また来週お会いしましょう。
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