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木曜マジック・バラエティ
三田村和弥の「マジックスーパースター列伝」第4回:微笑の青魔術師 ワフォ=タパ
読み物
木曜マジック・バラエティ
2011.04.28
三田村和弥の「マジックスーパースター列伝」第4回:微笑の青魔術師 ワフォ=タパ
By 三田村 和弥
今年の2月、プロツアー・パリ初日の時点で「現在のスタンダードにおいてベストのカードはなんだろうか」という質問に対して、昨年の世界選手権を制したようなクラシックスタイルの青黒コントロールで参戦していた筆者は、少し間を取って「《精神を刻む者、ジェイス》。」と答えました。
《精神を刻む者、ジェイス》がベストであるだろうとは思ったものの、本当にそうであるか確信が持てなかった筆者の態度とは対照的に、最先端のカウ・ブレードに騎乗していたアメリカ勢は《石鍛冶の神秘家》と即答し、事実ベン・スターク/Ben Starkと彼の《饗宴と飢餓の剣》がプロツアーを制したように、この質問者の意図通りに筆者の環境理解の浅さが突かれてしまう形になってしまいました。
そのプロツアー・パリから約2ヵ月後のグランプリ・ダラス/フォートワース(編注:リンク先は英語)でのこと。
メタゲームは生き物との言葉の通り、《石鍛冶の神秘家》と装備品で埋めつくされたトップ8から一転、《精神を刻む者、ジェイス》が32枚、トップ8進出者全員が4枚づつ使用するという事態を目にすることになり、「《精神を刻む者、ジェイス》は禁止されるべきではないか」との論争が引き起こされる程の衝撃的な結果となったのでした。
あの時に《精神を刻む者、ジェイス》と答えた筆者に先見の明があり、そのことをひけらかす為にこういった話を展開したかった訳ではありません。《石鍛冶の神秘家》も相変わらず《精神を刻む者、ジェイス》の半数とはいえ、16枚も使われていたからです。
プロツアー・パリからこのようなメタゲームに変遷するまでにはさまざまな段階があったかと思います。しかし、その中でも最も大きな影響を与えたのは、その2週間前に開催されたグランプリ・バルセロナ(編注:リンク先は英語)の結果であったのは間違いないところでしょう。
南欧バルセロナではヴァラクートの猛威は収まっていなかった関係で、トップ8中の《精神を刻む者、ジェイス》の枚数自体は20枚とまだ落ち着いた枚数でした。しかし、筆者の目を引いたのはそんなところではなく、そのリストの中に見慣れた感じでどこかで見たような既視感すら覚えさせるクラシックな青黒コントロールデッキがあったことでした。コテコテのコントロール厨だけが醸し出すことのできるその香ばしいリストには、やはり彼の名がクレジットされていました。
第4回のスーパースター列伝の主人公、ギヨーム・ワフォ=タパ/Guillaume Wafo-Tapa。短くはないプロマジックの歴史上、稀代のブルーマスターと称されるワフォ=タパ。彼ならばあの質問に対し、いつものようにきっと微笑み、そして頷きながらこう答えていたことでしょう。
「間違いなく《精神を刻む者、ジェイス》だ。」と。
ギヨーム・ワフォ=タパ/Guillaume Wafo-Tapa
主な戦績:
- 世界選手権2010 準優勝
- プロツアー・アムステルダム2010 ベスト8
- プロツアー・クアラルンプール2008 ベスト8
- プロツアー・横浜2007 優勝
- 他グランプリトップ8多数
フランス出身のギヨーム・ワフォ=タパは、幕張で開催された昨年の世界選手権で同郷ギヨーム・マティニョン/Guillaume Matignonとのチーム・ギヨームで1・2フィニッシュしたことが記憶に新しいプレイヤーですが、彼のプレイヤーとしてのキャリアは古く、プロツアーに初めて参戦してから10年後に被投票権が得られるプロツアー殿堂/Hall of Fameに去年の段階ですでにノミネートされています。
どんなベテランプレイヤーでも始めはルーキー。ワフォ=タパもプロツアー予選を突破できればプロツアーに参加する、というプレイヤーでした。プロツアー予選レベルを脱し、ワフォ=タパがプロツアーにレギュラー参戦できるようになってきたのは2006年頃。しかし、もうその頃からワフォ=タパは現在のブルーマスターっぷりの片鱗どころか全貌を見せ付けるデッキを構築しプレイするようになっていました。
今となっては古臭い赤緑ステロイドを駆り、マーク・ハーバーホルツ/Mark Herberholzが優勝したプロツアー・ホノルル2006。
正直に言うと最も印象的であったのは、クレッグ・ジョーンズ/Craig Jonesの「Top deck of the century」でした。リンク先の動画のタイトルにもなっているこの一幕、攻防の末、残りライフ1での最後のドローをテーブルにたたきつけるようクレッグに促すオリビエ・ルーエル/Olivier Ruel。「らいとにん・ひーりっくす!おーまいがっ!」という実況と共にオリビエは崩れ落ち、クレッグは両の拳を天に突き上げる。そしてカバレッジ・ライターまでもが頭を抱える。正にスポーツの1シーン・・・
話を戻しましょう。このトーナメントにおけるメタゲームは、ハーバーホルツのデッキと同系統のビートダウン・ZOOや手札破壊でもう少しコントロール要素を強めたビートダウン・オルゾフアグロ、それらのビートに対抗するイゼットロンやけちコントロール、さらにはそれらのコントロールを食い物にしようと企むハウリング・オウル等が入り乱れたものでした。
普通のコントロール厨であれば、イゼットロンやけちコンを使うのでしょうが、残念なことにワフォ=タパは同時にオリジナルデッキ厨でもあったので素直にトロンランドを使うことができず、イゼットロンのトロン抜きのようなデッキであるカウンターミゼットを使っていたのでした。
10 《島》 3 《山》 4 《蒸気孔》 4 《シヴの浅瀬》 1 《水辺の学舎、水面院》 1 《血に染まりし城砦、真火》 1 《嘆きの井戸、未練》 -土地(24)- 2 《潮の星、京河》 2 《火想者ニヴ=ミゼット》 -クリーチャー(4)- |
4 《差し戻し》 3 《マナ漏出》 3 《ブーメラン》 4 《電解》 4 《邪魔》 4 《巻き直し》 4 《連絡》 2 《押収》 4 《撤廃》 -呪文(32)- |
4 《巨大ヒヨケムシ》 3 《破壊放題》 1 《真髄の針》 4 《紅蓮地獄》 2 《不忠の糸》 1 《血染めの月》 -サイドボード(15)- |
打ち消し呪文とドロー呪文をこよなく愛するワフォ=タパさん。豪華15枚の打ち消し呪文でフィニッシャーを守りきるというデッキコンセプトは、現在よりもカードパワーが低かった当時でもどこか哀愁を感じさせるものでした。
6マナのフィニッシャーを出しながらカウンターを構えるというのは実現可能なゲームプランなのだろうか? 大量のマナを生み出せるトロンランドをあえて使わない天邪鬼さが垣間見られる彼のこだわりだったのでしょう。
また、そのフィニッシャーにドローエンジンである《火想者ニヴ=ミゼット》を据えています。《水辺の学舎、水面院》で《火想者ニヴ=ミゼット》の隅々までしゃぶり尽くそうという魂胆が彼らしいところです。
サイドボードに忍ばせた《巨大ヒヨケムシ》や《血染めの月》で相手の虚を突いた勝ちを狙おうと画策しているあたり、まだまだ王者の風格を身に着けているとは言い難いような気もさせるワフォ=タパの次なるマスターピースは、ルーブル美術館で開催された世界選手権2006で披露した「ドラルヌ・ドゥ・ルーブル」になるでしょうか。
7 《島》 4 《地底の大河》 4 《湿った墓》 3 《ディミーアの水路》 2 《戦慄艦の浅瀬》 4 《砂漠》 -土地(24)- 3 《ザルファーの魔道士、テフェリー》 1 《死者の王、ドラルヌ》 1 《骸骨の吸血鬼》 -クリーチャー(5)- |
3 《呪文嵌め》 1 《死体焼却》 4 《ルーンのほつれ》 4 《差し戻し》 3 《マナ漏出》 4 《熟慮》 1 《最後の喘ぎ》 1 《取り消し》 1 《突然の死》 4 《神秘の指導》 1 《魂の捕縛》 4 《撤廃》 -呪文(31)- |
4 《死の印》 1 《呪文嵌め》 1 《暗黒破》 2 《計略縛り》 1 《疑念の影》 1 《取り消し》 1 《魂の捕縛》 2 《月光の取り引き》 2 《戦慄艦の浅瀬》 -サイドボード(15)- |
《死者の王、ドラルヌ》で愛するカウンター呪文をもう一度使用する、とは言ってもデッキタイトルにもなっている《死者の王、ドラルヌ》自体は1枚しかデッキに入っていません。
デッキに1枚しか入ってないカードをデッキのメインの戦略に据えることができたのは、この時から彼の代名詞ともなった《神秘の指導》と《ザルファーの魔道士、テフェリー》の時のらせん産コンボです。
イラストがワフォ=タパに似ている《ザルファーの魔道士、テフェリー》が《死者の王、ドラルヌ》に瞬速を与え、《神秘の指導》でデッキ内から手札に加える。大好きな打ち消し呪文やドロー呪文に換えることができ、さらには自身のフラッシュバック能力でカードアドバンテージまで得ることができる《神秘の指導》は、ワフォ=タパのプレイスタイルに打って付けのカードなのです。
現在のワフォ=タパの第2次全盛期とも言える好調を支えているカードが《精神を刻む者、ジェイス》であるとするなら、この当時、第1次全盛期のワフォ=タパの相棒たるカードはこの《神秘の指導》でした。
ドラルヌ・ドゥ・ルーブルで最高にクールな青デッキを構築するプレイヤーとしての評価は得たワフォ=タパではありましたが、プロツアーでのトップ8入賞という目に見える分かりやすい結果を残してはいませんでした。
しかし、今や鬼に金棒状態のワフォ=タパにとってプロツアーでの成功は約束されたようなものでした。
次に紹介するワフォ=タパのデッキはプロツアー・横浜2007の青黒コントロール。当然《神秘の指導》入りです。
10 《島》 1 《沼》 1 《アカデミーの廃墟》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 4 《戦慄艦の浅瀬》 1 《溶鉄の金屑場》 4 《広漠なる変幻地》 1 《ウルザの工廠》 -土地(26)- 2 《永劫の年代史家》 2 《ザルファーの魔道士、テフェリー》 2 《吸収するウェルク》 1 《トリスケラバス》 -クリーチャー(7)- |
4 《虹色のレンズ》 2 《熟慮》 1 《応じ返し》 4 《取り消し》 2 《突然の死》 4 《入念な考慮》 4 《滅び》 3 《神秘の指導》 2 《堕落の触手》 1 《消えない賛歌》 -呪文(27)- |
3 《砕岩を食うもの》 1 《運命の盗人》 1 《根絶》 2 《永遠からの引き抜き》 1 《解呪》 3 《早すぎる埋葬》 1 《時間の孤立》 1 《突然の死》 1 《山》 1 《平地》 -サイドボード(15)- |
このデッキの特徴は《堕落の触手》と《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》の関係でしょうか。《堕落の触手》が《沼》の数を参照するカードであるにも関わらず、沼自体は1枚しかデッキに入っておらず、その代わりに伝説の土地《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》が4枚も入っていることは当時、斬新なアイディアだと感心したものでした。
このデッキは、サイドボードに《山》と《平地》が入っていることからも分かるように、《広漠なる変幻地》と《虹色のレンズ》で調達したマナから青と黒以外の色のカードを使うことができるという点も着目すべき点ではあると思います。
しかし、筆者はそこではなくワフォ=タパらしさが感じられるなという部分があることに気が付きました。それは《トリスケラバス》と《アカデミーの廃墟》の部分です。
このデッキを良く見ると《アカデミーの廃墟》で回収できるカードはマナアーティファクトである《虹色のレンズ》を除けば《トリスケラバス》しか入っていないことが分かります。
そんな1枚のために多色デッキに無色ランドを組み込むリスクを冒す理由があるのかというと、コントロール厨、しかも古い世代のなら分かるような気がする理由があるのです。それはおそらく「勝ち手段の喪失への恐怖」なのだと思います。
勝ち手段の喪失はライブラリーアウトによる敗戦に直接つながることから、それを避けたいワフォ=タパはフィニッシャーの再利用が可能なシステムをこのデッキに組み込んだのだと思います。このようなフィニッシャー喪失への恐怖が行き過ぎてしまった形で表層化したものとして、ワフォ=タパは《噛み付く突風、ウィドウェン》を使っていたことがあるほどなので、この説は大体当たっているんじゃないでしょうか。
最初のカウンターミゼットからするとだいぶ王者らしさを身に付けたデッキでプロツアー・横浜2007を制し、名声とパスタにかけるチーズを買うお金(本人談)を手に入れたワフォ=タパの次の作品は、グランプリ・クラクフ2007(編注:リンク先は英語)での某格闘ゲームの必殺技から名前を拝借したデッキ、ソニックブーム。
トップ8の内7人が青で残る一人も赤緑ビッグマナになったように、メタゲーム的には「ビートがいないなら行けるべ」と思ったのからかどうか分かりませんが、ワフォ=タパにしては珍しく青単です。
17 《冠雪の島》 1 《トレイリア西部》 2 《戦慄艦の浅瀬》 4 《砂漠》 1 《ウルザの工廠》 -土地(25)- 2 《造物の学者、ヴェンセール》 3 《ザルファーの魔道士、テフェリー》 3 《狡知》 -クリーチャー(8)- |
3 《否定の契約》 4 《祖先の幻視》 4 《ルーンのほつれ》 4 《霊魂放逐》 4 《熟慮》 4 《妖精の計略》 4 《謎めいた命令》 -呪文(27)- |
2 《意志を曲げる者》 4 《誘惑蒔き》 3 《剃刀毛のマスティコア》 2 《吸収するウェルク》 2 《占有》 2 《ジェイス・ベレレン》 -サイドボード(15)- |
デッキの動きは《狡知》=ガイルを出して、打ち消し呪文=ソニックブームを打つタイミングを伺う。デッキの動き的にも正に待ちガイルという、うまい駄洒落を思いついたから作ってしまったデッキでやすやすとトップ8に残り、プロフィール欄にドヤ顔でデッキの由来を語って満足したからなのか、プロポイントが欲しかったオリビエ・ルーエルに対してあっさり投了。こういうことをするのもワフォ=タパです。
青赤、青黒、青単と続いたワフォ=タパの青好きは留まることを知りません。筆者がワフォ=タパの非青デッキを見たのはたったの二度だけです(グランプリ・モントリオール2007(編注:リンク先は英語)の《野生のつがい》デッキと世界選手権2007のドラゴンストンピー)。
怒涛の9連勝から最終16回戦目で敗戦し惜しくもトップ8を逃したプロツアー・ハリウッド2008(編注:リンク先は英語)でプレイしていたのは、この時が初出となるデッキタイプ、クイックントーストです。ご存知の通り、クイックントーストはローウィンの《鮮烈な小川》を初めとしたヴィヴィッドランドと《反射池》で各色の色拘束の強い呪文を無理やり使うというコンセプトのデッキです。
4 《鮮烈な小川》 4 《鮮烈な林》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《秘教の門》 2 《沈んだ廃墟》 2 《菌類の到達地》 1 《戦慄艦の浅瀬》 1 《燃え柳の木立ち》 4 《反射池》 -土地(24)- 4 《根の壁》 4 《台所の嫌がらせ屋》 4 《熟考漂い》 1 《妖精の女王、ウーナ》 3 《雲打ち》 -クリーチャー(16)- |
2 《殺戮の契約》 4 《ルーンのほつれ》 3 《炎渦竜巻》 4 《入念な考慮》 4 《謎めいた命令》 3 《その場しのぎの人形》 -呪文(20)- |
3 《薄れ馬》 1 《残忍なレッドキャップ》 1 《砕岩を食うもの》 1 《叫び大口》 1 《雲打ち》 2 《原初の命令》 3 《テフェリーの濠》 3 《思考の粉砕》 -サイドボード(15)- |
憎きフェアリーが最大勢力となったこのトーナメント。《謎めいた命令》と《雲打ち》が同居するデッキなど想像だにできなかった初日のうちは良かったのかもしれませんが、デッキばれしてしまった2日目はうまくいかなかったようです。フェアリー使いもこのデッキから《雲打ち》が出てくるということが分かっていればなんとでもやりようがありますから。
ただデッキが注目を集めたことはワフォ=タパにとっては満足なことだったのかもしれません。
ここまでの時のらせんのカード共に訪れたワフォ=タパの第1次全盛期は、スタンダードのローテーションと共に去ってしまいました。《血編み髪のエルフ》のジャンドデッキが流行して青好きには向かい風であったことと、ワフォ=タパ自身がネットゲームに嵌ってマジックに力を入れていなかった時期とも重なり、2009年は目立った活躍ができない年になってしまいました。
しかし、ワフォ=タパの才能が枯れてしまったわけでは決してありません。20年近くにもなるマジックの歴史上、青が不遇だった期間が長くなることはありませんでした。ワールドウェイクのリリースと共に訪れた《精神を刻む者、ジェイス》は、新たなるワフォ=タパの代名詞となるカードなのは明らかでした。
《精神を刻む者、ジェイス》で復権した青は、基本セット2011で《マナ漏出》を取り戻したことによってジャンドの暴風を完全に抑えることができるようになり、ワフォ=タパの第2次全盛期が始まることになりました。
ワフォ=タパの反撃はフランス選手権2010(編注:リンク先はフランス語)から。今や王者のマジックを体現した存在であるにも関わらず、これまでなかったことが意外な青白コントロールが遂にここで代表作に加わりました。
5 《島》 4 《平地》 4 《天界の列柱》 4 《氷河の城砦》 4 《セジーリの隠れ家》 1 《沸騰する小湖》 4 《地盤の際》 -土地(26)- 4 《前兆の壁》 2 《太陽のタイタン》 -クリーチャー(6)- |
2 《流刑への道》 2 《糾弾》 4 《マナ漏出》 2 《剥奪》 2 《本質の散乱》 2 《忘却の輪》 1 《取り消し》 2 《審判の日》 2 《ジェイスの創意》 3 《ジェイス・ベレレン》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 2 《遍歴の騎士、エルズペス》 1 《ギデオン・ジュラ》 -呪文(28)- |
3 《コーの火歩き》 3 《天界の粛清》 2 《否認》 1 《瞬間凍結》 1 《取り消し》 1 《忘却の輪》 1 《審判の日》 1 《ジェイスの創意》 2 《標本集め》 -サイドボード(15)- |
このデッキで特筆すべきはそのジェイスの枚数です。《精神を刻む者、ジェイス》が3枚に《ジェイス・ベレレン》も3枚、それだけに飽き足らず止めに《ジェイスの創意》も2枚加えた正にカードアドバンテージ厨仕様。カードを引くことが三度の飯よりも好きなワフォ=タパも、これだけのジェイスに囲まれればさぞかし幸せなことでしょう。ただし、一番強いであろう《精神を刻む者、ジェイス》の枚数を3枚に抑えてしまっているあたり、調子を取り戻すまでにはもう少しなのかなという感を受けます。
2009年の不調からプロツアーに継続参加できるプロレベルを維持することに失敗し、プロツアー予選で参加権を獲得しなければならなかったワフォ=タパの完全復活を強く印象付けたのは、プロツアー・アムステルダム2010のエクステンデッド版クルーエルコントロールでトップ8に残ったという出来事でした。
《精神を刻む者、ジェイス》という新たなパートナーを見つけた矢先に、昔のパートナーとの1トーナメント限りのランデブーを果たしたのです。
3 《島》 4 《鮮烈な小川》 3 《鮮烈な湿地》 3 《鮮烈な草地》 3 《戦慄艦の浅瀬》 3 《秘教の門》 3 《沈んだ廃墟》 1 《忍び寄るタール坑》 4 《反射池》 -土地(27)- 4 《前兆の壁》 2 《ザルファーの魔道士、テフェリー》 1 《墓所のタイタン》 -クリーチャー(7)- |
1 《否定の契約》 1 《流刑への道》 1 《根絶》 4 《マナ漏出》 1 《否認》 1 《燻し》 1 《天界の粛清》 1 《弱者の消耗》 4 《エスパーの魔除け》 2 《火山の流弾》 4 《謎めいた命令》 3 《神秘の指導》 2 《残酷な根本原理》 -呪文(26)- |
1 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《悪斬の天使》 3 《大祖始の遺産》 2 《思考囲い》 1 《根絶》 1 《天界の粛清》 1 《燻し》 1 《否認》 2 《滅び》 1 《跳ね返りの罠》 -サイドボード(15)- |
《燃え柳の木立ち》と《罰する火》のコンボによって環境が定義されていたエクステンデッドで《精神を刻む者、ジェイス》を使うのは得策ではないと判断したのか、《精神を刻む者、ジェイス》は採用されていません。2010年前半のグランプリでもこの《神秘の指導》と《ザルファーの魔道士、テフェリー》の組み合わせのデッキ(この時はエスパーカラーでしたが)を使っているのを見て、やはりここでも使ってきたなという感想を持ったものです。
この後は世界選手権2010の準優勝、冒頭のグランプリ・バルセロナトップ8で共に使用した青黒コントロールで、ワフォ=タパといえばジェイスという評価を得る活躍を続けていくことになります。
今回のスーパースター列伝はギヨーム・ワフォ=タパでお送りしてきました。
いつもとは形式を変えてスーパースターとそのデッキリストという観点で紹介してみました。筆者も生粋の青フリークでワフォ=タパの新作デッキが出ると必ずコピーして使っています。青好きというよりただのワフォ=タパ・ファンなのかも知れませんね。
それではまた次回まで。
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