MAGIC STORY

多元宇宙の物語

EPISODE 09

見知らぬあなたへ

Alison Lührs
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2022年5月2日

 

 都市次元ラヴニカの第5管区、とある宿屋の外壁。そこには風雨や時、そしてプレインズウォーカーの灯を持たない者から守られて、「旅人の伝言板」が掲げられている。この掲示板は公共広場の中にありながら隔離されており、蔦の塊と宿屋のタイル屋根の慈悲深い影に隠されている。この掲示板を見ることができる人物は少なく、はるばる第5管区を訪れる者はさらに少ないため、伝言を残す者を見つけるのは難しい。だが近づく者があれば、大きなコルク板と彼方の雨林のような湿った土の香りをとらえるだろう。その板の上には何十という依頼、警告、恋文、捜索願い、賞金首、愛のこもったスケッチ、下手な似顔絵、ありとあらゆる伝言と注意書きが、多元宇宙でも最も稀な旅人たちによって散りばめられている。

 伝言の有用性は様々である。真ん中に張られた羊皮紙には。

武勇の場、第三期優勝決定戦のチケット2枚余っています。興味ある方は次元間連絡先をこの下に書いておいてください!

 そのすぐ隣、献立表の背後には。

落とし物捜索願いです。甲虫の形をした銀製のネクタイピン。最後に見たのはタルキール次元のカル・シスマ山脈、囁きの野営地です。すぐに見つけてくれたなら光素20単位を差し上げます。ニューカペナ次元、14番通り187Sのバイオリンケースの下に入れてください。

 年月を経て破れた古い一枚の紙に、大きく乱雑な字で書かれているのは。

フィオーラ、パリアノ、トファナ広場44。どうか楽しい時間を!

 だが、とある初夏の暖かな橙色の曙光の中。掲示板の最上部近くに新たな伝言が細い銀のピンで留められていた。

銅の鉱石を欲しています。

量に応じて、任意の通貨でお支払いします。

Rより

 ここ「旅人の掲示板」にプレインズウォーカーのファートリは立ち、両足を踏みしめ、顔を上げて掲示板をざっと眺めていた。顔を上げているのは自信と、そして身長の低さから。眺めているのは、そうしない理由はないから。彼女の目は最上部の新たな伝言にとまり、思い出した。この次元を初めて訪れた時、イクサランから持ち込んだ銅鉱石を換金したのだった。

 背後の広場では菩提樹の木々が新緑を輝かせ、蒲公英と白詰草が敷石を破っていた。この街が近頃被った悲嘆の瓦礫はようやく取り払われていた。

 必要にかられる見知らぬ相手を放ってはおけない。ファートリは爪先立ちになって掲示板の端から古い紙片を失敬し、丸く装飾的な字で返信した。こうしてふたりの文通が始まった。

交換に適した場所はありますか? 興味があればですが。

Hより

掲示板の下の箱にイニシャルを書いてください。あなたの署名は暗号化されてその防護魔法に記録されています。

Rより

「そこまでする?」 誰にともなくファートリは呟き、見下ろした。なるほど確かに足元には銀色の箱が置かれており、細い金属の鎖で掲示板に繋がれている。ファートリは爪先でその金属をつついた。そう、この箱に違いない。

 彼女は膝をつき、正しいやり方なのか定かではないながら、箱の蓋に人差し指で「H」の字を素早く書いた。それは音もなく開き、内部のからっぽの空間があらわになった。

「へえ……」

 やり方が合っていたことに少し安心し、ファートリは太陽帝国で産出したほどほどの大きさの銅を中に置き、詮索のメモを添えた。

あなたはスパイ?

Hより

 彼女は箱を封じ、だがその直後に対価についての言及を忘れていたと思い出した。かつてアングラスから聞いた言葉をひとつ口にすると、ファートリは箱の蓋にもう一度Hの字を書いた。

 それは閉じたままでいた。

 だが翌日戻ってきてもう一度試すと箱は開き、中には新たな伝言が入っていた。

私は正真正銘のスパイですよ。

そして、こちらからは何をお支払いすれば宜しいですか?

Rより

 ファートリは笑みを浮かべた、このスパイが何者であろうと、生意気な人物には違いない。

秘密工作員R殿へ

あなたが正真正銘のスパイであるなら、どのようなきっかけで国家の道具になろうと思ったのですか? 影の中にどのような栄誉があるというのですか? 自らを隠す戦士の魂を、何が満たしてくれましょう? そして何よりも、私の銅鉱石でいかなるギャロットを作り出そうというのですか?

工作員R殿、暗号での返信をお待ちしております。

なお、私は秘密工作員などではありません。

Hより

追伸:私は信義を重んじる淑女であり、博愛の精神から差し出した物品の埋め合わせは必要ありません。

 翌朝、謎めいた書き手からの新たな返信はファートリの口元を大きく緩め、彼女は声をあげて笑うとともに心には興奮を感じた。

秘密工作員などではないさんへ

ギャロットとは何か、同僚に尋ねねばなりませんでした。そしてそうしたことを後悔しています。絞首道具、ですね。

仕事の話に戻りましょう。支払いの件についてはそういうことで。あなたの気前の良さをありがたく思います――次元間の途方もない過ちを正す、その手伝いをあなたは意図せずしてくれました。

とは言え……私は油断していました。自分がとても優秀なスパイになれるとは思いません。「国家の道具」であるという響きはとても楽しいものではありません。まず上手な嘘をつく必要がありましたね。何がまずかったのか――本物のスパイだと言ったことでしょうか? いい隠れ蓑だと思ったのですが。

あなたの銅鉱石は絞首道具のために使われるのではありません、それは約束します。ある友人のために進めている研究においての、重要な導体になるのです。この部分は誓って本当です。真面目に。私は貴婦人であり、詭婦人ではありませんので。

ところで、あなたの文字はとても美しいですね。この次元には何のために? それとも地元の方ですか?

Rより

 翌日、ファートリの心は軽かった。仮定は正しかったのだ。「私は貴婦人」 彼女はその手紙を繰り返し読んでその日を過ごし、密かな勝利に浸った。大当たりだ。

 アゾリウスの議会からボロスの少尉との長い会合まで、彼女は幾つもの会議を飛び回った。その間ずっと、Rについての考えが心から離れなかった――私の、スパイじゃないスパイ。

 落ち着こうと努めた午後の後、彼女はあの箱へと戻って返信を残した。

詭婦人ではなく貴婦人さんへ

私は二か月前からこの次元に滞在し、ギルドの行政構造を学んでいます。私の故郷の政治体系は全く違うものなのですが、他者からは常に学ぶことが何かしらあると、ここで過ごす間に悟りました(今気づきましたが、つまり私は国家の道具ということでしょうか? えーっと)。ここで学んだことを持ち帰って、故郷の発展に寄与したいと願っています。

単純な考えかもしれません。ラヴニカの政治体制は魔法的に創設され、外部のプレインズウォーカーの手によって形作られました。それは争いを煽るように意図されており、ですが何にせよ機能しています。ギルドの行政構造が地元のそれよりも優れているかどうかは確信できません。ですが沢山の、驚くべき情報源から着想を得ることができます。

故郷での戦争と対立を思います。何かよりよいものはないのでしょうか。元・偽のスパイとして、対立を終わらせるための何か識見を持っていたりはしませんでしょうか? 理想郷を追い求めるというのは、単純な考えなのでしょうか?

Hより

理想郷の探求者さんへ

理想郷、ですか。私自身の故郷がそのように表現されていたのは聞いたことがありますよ! 理想とはつまるところ達成不可能、とは言うものの、達成不可能であっても常にそれに向かって努力するものでしょう? 完成に至ることなんてない――私はそう教えられてきました。私の先生は感動するということがなく、そのため私は道具を置いて切り上げることができない類の創作者になってしまいました。だからこそ、あなたも他の次元から学ぼうとしているのでしょう? 決してその仕事が完成することはないとわかっていても、故郷を完璧なものにしたいと願いますか?

あなたが単純だとは思いませんよ。故郷をよりよい場所にしたいっていう願いは美しいものですから。

元・偽のスパイ

Rより

Rさんへ

人生、少なくとも試すことはできるのですよね。皆が完璧を求めていかに努力しているか、それを学ぶごとに私は更に故郷の力になれるのですよね。

先生についてのあなたの言及には思いやりを感じましたが、その人は冷たくありませんか? 今使っているこの箱があなたの才能の証拠だとしたら、あなたの作品を何とも思わないその先生には怒りを覚えます。本当に素晴らしいものだというのに。

こんなに美しいものを作れるあなたは誇っていいはずです。

Hより

Hさんへ

そんなに熱く私の栄誉を守ってくれようとするなんて、嬉しいですよ! ですが、どうか悪く思わないでください――先生はいつも、成長と発展の大切さを教えてくれました。私にとっては世界にも等しい存在なんです。そしてあなたの優しい言葉も。

ドミナリアについては何かご存知ですか? 私はしばらくそこにいまして、物資を取りにラヴニカへと戻ってきたのです。あなたのことはまだよく知りませんが、きっと気に入ると思います。

そこで、いつか会えるかもしれませんね?

敬具

Rより

 今朝の返信に、ファートリは息をのんだ。反射的に、彼女は丁寧さを失った。

親愛なるRさんへ

ドミナリアについて知っているのは、大昔の、軽率な人たちの噂だけです。でもあなたの判断は信じます。あなたが美しいと言うなら、きっと素晴らしい場所に違いないでしょう! ぜひ見てみたいですし、もしよろしければ、個人的にお会いしたいです。

Hより

 それから二日の間、返信はなかった。

 何か気分を害してしまったのでは、そうファートリは不安になった。だがある朝、掲示板の足元の箱には……

Hさんへ

いきなり本題ですが。私は興味があり、あなたも興味がある。お会いして何か飲むのはどうですか? 宜しければ、ですが。

敬具

Rより

 ファートリに心臓疾患はないが、それに近いものがあった。彼女は本能的に、図々しく、過度の詩情を込めて返信した――

Rさんへ

私はちょっと探っただけなのに
あなたは思いっきり突いてきた
まっすぐな攻撃は私を打ちのめして
私の頬を赤くした

私の願い
それは故郷を理想郷にすること
でも理想郷って何かな
一緒に探せるものなのかな

明日の月の出の頃、イヴェタの酒場にいます。どうか私に飲み物をおごらせてください。

Hより

Hさんへ

何だか十代の頃を思い出します。私もあなたみたいに上手く文章が書ければいいのだけど。わかりました、そこに行きます。

ラヴニカで会うにしても、夕食にはもっと楽しいどこかへ向かうのはどうでしょうか? 二次会にぴったりの魅惑的な場所が高街にあるんですよ! ニューカペナに行ったことはおありですか? 私はそこで休日を過ごすのが大好きで、素敵なダンスホールがあるんです。あれほど沢山の黄金を見たことはきっとありませんよ! 時々喧嘩が起こりますが、とても安全だというのは保障します。飲み物もファッションも素晴らしいですし、人を見ているだけでも圧倒されますし、それにとても速いダンス! 脅しのように聞こえなければいいのですが。まずイヴェタで会い、そこからプレインズウォークで行けるかなと思います。

Hさん、私と一緒に踊りません?

Rより

 この時、ファートリは喜びの声を抑えられなかった。彼女はその日を、期待で弾け飛んでしまわなようにこらえて過ごした。Rさんは了承してくれた。そして二次会を? ダンスで? ファートリはくらくらした。速いダンスってどれくらい速いの? 何に比較して速いの? ダンスに制限速度があるの? ていうか二人一緒で踊るの? ファートリは予定をキャンセルし、その日の午後をアパートでの服選びに費やし、太陽が早く沈まないかと空ばかり切に見ていた。

 午後が宵に迫ると、ファートリは心配とともに旅行鞄に手を突っ込んだ。二次会の場所には色々なものが想定される。バッグを持っていくべき? 宿泊に必要なものを入れておくべき? ファートリは過呼吸を患ってはいないが、燃え盛る熱意の一瞬に数行の恋愛詩をパニックの中で書いた……念のため。

 ついに宵が訪れた。夏のジャスミンの密かな香りを宿した、暖かく濃密な宵。ファートリは三つ編みをしっかりと留め、夏用の上着を握り締め、大きな笑みを浮かべて街路に進み出た。浮き浮きと沸き立つ心臓はどうにか胸郭の中に収まっていた。

 だが、第10管区の舗装路の上に、見慣れた姿が立っているとは予想していなかった。

「サヒーリ!?」 信じられないというように、彼女は声をあげた。

 道の先に立つその女性は動きを止め、そして甲高い喜びの声をあげた。敷石の上をその幸せな音が駆けた。他の歩行者は気にもとめなかった――この都市次元においては、異邦人などありふれている。

 サヒーリは鮮やかなサリーの上にレインコートをまとい、ファートリへと駆けながら足元を濡れた地面にすくわれかけた。「鎧を着てなかったから、誰だかわからなかった!」

 幾つもの思い出がファートリの心に群れた。初めてのプレインズウォーク、初めてサヒーリに出会った、あの幸福な数日間。長い滞在ではなく、けれどしばしば戻りたいと夢想するほどには長く……

 ファートリは両腕を広げて立ち止まった。「私、本物のラヴニカ人に見えます?」

「その微笑み。ここの人じゃない証拠よ」 サヒーリはからかった。

 ファートリの両目が空と、月の気短な歩みに引き寄せられた。遅刻だ。Rさんが待っているというのに。

「ここで何してるんです?」 ファートリは尋ねた。彼女は一歩引き下がり、だが身体は前のめりになっていた。どちらの女性を追うべきか、引き裂かれていた。

 サヒーリは気付き、腕を組んだ。「ただの通りすがりよ。カラデシュで会えたのは楽しかったわ、何日か一緒に過ごして。ファートリ、あなたの最初のプレインズウォークを楽しむ助けができたなら良かったのだけど」

 ファートリの心の中、何かが沈んだ。自分自身も楽しんでいた、けれど短い間だった。人生と目指すものが邪魔をして、サヒーリに伝える機会は無いままだった。あなたをもっと知りたいと。

 だがファートリは気付いた。今、ここで言える。

 ファートリは動きを止めた。

 止めかけた。

 だがサヒーリの背後に垣間見えた月が、今はその時ではないと思い出させた。Rさんが待っている。ファートリは震えた。『Hさん、私と一緒に踊りません?』

 彼女は言葉を探した。「私も楽しかったです。恐竜について知ってくれて嬉しかった」 彼女は笑みを浮かべ、だが相手を寄せ付けないようなサヒーリの態度に気付かずにはいられなかった。月は屋根の上にそっと顔を出した。

「私、行かないと」 ファートリはそう付け加え、サヒーリが言おうとした何かを遮った。

「ああ、そうなの!」 サヒーリは代わりにそう言った。「何かに急いで向かってるのね?」

「そうなんです!」 肩越しにそう叫びながら、ファートリは既に踵を返していた。自分の言葉が、まるで判決のように思えた。

 彼女は昇る月を追いかけた。

 足取りが水たまりに飛沫を上げ、前方に伸びる道はまるで競争路のようだった。静かに動く星々が彼女をそそのかした。鋭く左に曲がり、大きく右に曲がり、磁石が鋼に引きつけられるように、イヴェタの酒場を目指して第10管区の人の流れを通り抜けた。夕刻の混雑に、街路は楽しみと笑い声で満ちはじめていた。レストランからは客が溢れ出て、彼女が駆ける橋の下から鳥の群れが飛び立った。

 そこだ。

 ファートリは足を緩め、扉をくぐる前に自身を落ち着かせた。ベルの音が彼女の到着を告げた。

 イヴェタの酒場は夏の暑さからの涼しい避難所だった。その壁には織物や精巧な絵画が飾られ、後方のカウンターの上には大きな鏡が吊るされていた。ファートリはその鏡に自らの姿を見て、その装いにかろうじて満足した。卓上の花瓶には新鮮な切り花が差され、その芳香はイーストとかすかな砂糖の気配に混じって辺りに漂っていた。天井は低く、板張りの床には歴史が優しく記されていた。酒場の中にはカップルがもう二組おり、テーブルにひとりの客もいなかった。ファートリは安堵の溜息をついた。Rさんを待たせなくて済んだ。

 ファートリはすぐさま二杯のコーヒー(と、慌ててグラスワインを二杯。Rが一次会をどう組み立てているか定かではなかった)を注文し、四杯分の飲み物を注意深く運んで卓に向かい、席についた。

 見たことのない女性が扉をくぐって現れる瞬間を、彼女は死んでしまうのではというほどの期待とともに待ちわびた。

 だがそれは、心がよく知るその顔がベルの音とともに入ってきた時に遮られた。

 サヒーリ。

 ファートリは唖然とした。サヒーリは自分を追いかけてここへ?

 そして、ふたりは同時に何かを認識し、まったくの驚きとともに目を合わせた。サヒーリが近づく中、ふたりの女性から真実が同時に零れ出た。

「Hさんって、ファートリ」

「Rさんって、ライ」

 呆然とした喜びに、ふたりは互いを見つめ合った。

 なんという。

 彼女たちどちらにも振るうことのできない魔法が、その瞬間を満たした。

 ファートリの集中が闇の中を抜けていった。酒場はもはや存在しなかった。ありえないほど近く小さく、多元宇宙が圧縮された。満たされて、貴重に。次元のすべてがこの一瞬へと崩れ、目の前に立つ女性へと変化した。

 サヒーリは完全なコバルトブルーをまとって輝き、自然のままの興奮に両目をきらめかせていた。そしてファートリの向かいの席に座り、間に置かれた四つの杯を一瞥した。

 ファートリはそっと、どもりながら説明した。「その、私、慌てて」

 暖かく、陽気な笑みがサヒーリの顔に灯った。彼女は花瓶の花と杯の間に手を伸ばし、ファートリの手の甲に指を触れた。目が合い、サヒーリは囁いた。「これこそ、完璧よ」

 ファートリは自白を弾けさせた。サヒーリは声をあげて笑い、やり返し、嘆き、そしてまた笑った。秘密の人格という冗談を共有したこの卓こそが、ふたりの小さな理想郷だった。ファートリは任務であるかのように、酒場に今もいる他の客を心に留めた。観察されているという感覚に興奮を覚えた。皆、私の目の前に座っている奇跡をうらやましがってる?

 会話は途切れることがなかった。全てが心地よかった。

 ふたりは一杯のコーヒーを分け合って飲んだ。ダンスのためにそれが必要になる、サヒーリがそう言って。彼女は立ち上がり、ファートリも続いた。思わぬ発見の重みと、約束された夜に引き寄せられながら。

 ひとりがもうひとりを扉へと押しやり、卓の上にコインを置き、そうしながら互いの手が絡み合った。戦場詩人の指先が工匠の硬い皮膚を探り、藍色をしたラヴニカの夜空の下、そっとふたりの唇が触れ合った。ひとつの次元の月光を後にし、女性ふたりは別の次元の眩い星空の下へと旅立った。

春の鼓動》 アート:Peo Michie

(Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori)

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