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Magic Story -未踏世界の物語-
『イクサラン』ストーリー・10の気になる疑問
『イクサラン』ストーリー・10の気になる疑問
Chas Andres / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
2017年10月25日
現時点で、『イクサラン』の掴みはとても良好だと感じています。カードをプレイし、物語を読みました。《好戦的なブロントドン》を《不吉な旗艦》に搭乗させることすらしました。それは頭韻法の歴史において記念すべき瞬間というだけでなく、私はその日の午後ずっと馬鹿げた笑みを浮かべっぱなしになりました。巨体の恐竜が海賊船を操縦するなんてどういうことでしょうか? 幼体なら乗れるということでしょうか? ゴブリンが訓練でもしたのでしょうか? バンダナや船長の帽子をかぶったのでしょうか? 宝物への愛が目覚めたのでしょうか?
もちろん、そういった疑問に真の答えはありません――少なくとも、私の想像力の外にはありません。一方で『イクサラン』について実際的な、事実に基づく疑問が幾つかあります。全七話を読んで(まだでしたらこちらをご覧ください――素晴らしいですから!)、私は物語につい今のところ最も気になる十の疑問をまとめました。そしてマジックの物語展開を司る人々へ、その幾つかにでも答えてもらえるだろうかと尋ねました。
返信を読みたいですか? 私もです! それでは見てみましょう。
質問
1)太陽帝国は川守りと戦争状態にあるのでしょうか? もしそうであれば、何故ファートリはオラーズカへの案内人として川守りを見つけられるとあんなに確信していたのでしょうか?
ストーリーチーム:そうです! 太陽帝国は現在、川守りに対して拡大政策を行っています。実際の交戦状態をあまり描写はしませんでしたが、彼らは明確に領土を奪い、支配領域を広げようとしています。とは言うものの、彼らの拡張計画はほんの数年前に到来した薄暮の軍団によって狂ってしまいました。海賊も吸血鬼を追い払いたがっており(海賊は苛立っていますが、大陸に前哨地を実際に築こうとはしていません)、ファートリが川守りに目を向けるのは理にかなっています。彼らは対立しているものの、共通の敵もあるのです。ファートリは戦場詩人(になる予定)ですので、勢力を越えて通じ合える天性のカリスマがあるのです。
2)イクサラン次元からのプレインズウォークを防ぐ魔法の背後には何があるのでしょうか? それはプレインズウォーカーを標的にした罠なのでしょうか、それとも何か別の呪文の副次効果に過ぎないのでしょうか?
ストーリーチーム:うーん、最初の質問についてはお答えできかねます! 次のセットでとても明白な回答が出ますので。
3)記憶が戻って、ジェイスはどう反応するのでしょうか? ヴラスカとの間に芽生えかけた友情は終わってしまうのでしょうか?
ストーリーチーム:ジェイス自身が回答しています。「自分というのは、そうなろうと決めたもの」、それはヴラスカに聞かせる正しい時に彼が伝えた知恵であり、彼の一部が今も固く信じているものです。過去も、精神的外傷もない、ジェイスそのものの言葉です。自己とは不断の研究であり、運命の変転具合は自身の選択に依存する、彼は真にそう信じている人物です(だからこそ彼は青単色なのです)。つまり、それはジェイス次第ということになるでしょう。彼は自身の過去の謎に怯えるのでしょうか、それとも人生の変化と矛盾を受け入れるのでしょうか?
逆に、『イクサラン』ストーリーの結末にてこれ以上ない急転回に巻き込まれたヴラスカについては。ジェイスの精神は、負傷によって非常に暴力的な反応を起こしました。彼はテレパスです。テレパスが精神的な負傷を受けたらどうなるでしょう? 今回の場合、封じ込められていた記憶が一気に戻るだけでなく、彼の精神はそれを保持しておけず、溢れ出しました。近くに居合わせた者に向けて、自身の記憶を吐き出しているのです。ヴラスカはジェイスの過去をどう捉えるでしょうか? そして過去を知られたとわかった今、ジェイスはヴラスカを受け入れたいと思うでしょうか?
《危険な航海》 アート:Wesley Burt |
4)何故ニコル・ボーラスはヴラスカという都会生活の暗殺者を選び、イクサランの大海原へと探索に向かわせたのでしょうか? それはジェイスとの繋がりからでしょうか、それとも彼の存在は只の偶然なのでしょうか?
ストーリーチーム:ニコル・ボーラスは熟練のプランナーです。そして熟練のプロジェクトマネージャーとしての最高の条件の一つに、従業員の潜在能力を理解するというものがあります。ニコル・ボーラスはヴラスカを高遠な野心を持つプレインズウォーカーだと見て、それを支える技術を与えました。彼女がどのような指導者になれるかを見定め、彼女が世界で何よりも望む一つのもの、ギルド内にて踏みにじられる者らを救済する道を提示しました。ですがこれは回答の一部に過ぎません。明らかに、理由はもっとあります。
ジェイスの存在は完全に偶然です。ニコル・ボーラスはジェイスがイクサラン次元に辿り着いたことを知りません。
5)アングラスはどこの次元出身ですか、彼は何故イクサランにやって来たのですか?
ストーリーチーム:アングラスは我々がまだ訪れたことのない次元出身で、家庭を持っています。彼には二人の可愛い娘がおり、鍛冶師の仕事をする傍ら多元宇宙を旅し、彼女らに土産を持ち帰っています。彼は数年前の週末にそうして旅立ち、イクサランに辿り着き、家に帰ろうとしてできなかったのです。
6)聖エレンダは存命なのでしょうか? もしそうなら、彼女はこの数百年間何をしていたのでしょうか?
ストーリーチーム:吸血鬼に生死の概念は無いですよ? 彼女の所在はというと、何処かはともかく、自分が去ってから薄暮の軍団がどうなったかを彼女は知らないと思います。
7)吸血鬼的な存在は聖エレンダ以前にもイクサランに存在したのでしょうか? 薄暮の軍団は、不滅の太陽がその吸血衝動を本当に癒してくれると信じているのでしょうか? それともただ、彼らの内でもまだ変化していない者へ「正しい」不死を与えるであろうというのでしょうか?
ストーリーチーム:エレンダ以前に吸血鬼は存在しませんでした。彼女がまさしく最初の一人なのです。どのように最初の一人になったのかは、誰がその伝説を語るかによって異なります。彼女は闇の魔術を用いてその力を得たと薄暮の軍団は信じています。ですがマーブレン・フェインいわく、彼女は九フィート(編訳注:約274cm)の長身であったと。そのため何か別の事情があると思われます。
不滅の太陽を奪還したなら血を必要とせずに永遠の生命を得られる、薄暮の軍団はそう信じています。吸血鬼はもはや血を飲む必要などなくなると信じているのです。私は想像するのですが、そうなれば薄暮の軍団では誰もがその粗野でない不死状態へ転じようとするでしょうね。
8)トレゾンからオラーズカへと不滅の太陽を運んだ「翼ある空の獣」とは何者でしょうか? 「最後の守護者」と同じものですか?
ストーリーチーム:不滅の太陽を奪った「翼ある空の獣」こそ、川守りに「最後の守護者」として知られている存在です。別の回でファートリが、太陽帝国ではまた違う名と違う物語で知られる翼ある獣について語っていたかもしれません。正体が何なのかはともかく、忙しいようですね!
9)不滅の太陽が前回、コパラの言葉を借りれば「誤って用い」られた時に何が起こったのでしょうか? 大陸の内海はまるで、巨大なクレーターのように見えますが......(訳注:イクサランの地図)
ストーリーチーム:かつて太陽帝国が不滅の太陽を手に入れた時、彼らは途方もない都市オラーズカを築き、人々へと繁栄と発展の新時代をもたらしました。ですがやがて、一人の皇帝がそれを悪しき目的に用いました。《絶滅の星》のアートは隕石の落下を描いていますが、恐竜を絶滅させはしませんでした(そしてご安心下さい、これはイクサランの破滅を予告するものではありません――愚かな古の皇帝が不滅の太陽を手にした時に振るった力を描いたものです)。また、内海は隕石によって形成されたものではありません、少なくとも地上を歩く生物が出現して以降は。それは近代イクサランの歴史や諸々において重要な部分ではありません。地質学者に尋ねて下さい。
《絶滅の星》 アート:Chris Rahn |
10)不滅の太陽とは何なのでしょう、そして何故ニコル・ボーラスはそんなにもそれを求めるのでしょう?
ストーリーチーム:とてつもなく強大な力を持つアーティファクトであり、ニコル・ボーラスはとても明白な一つの使い道を考えています。
そして物語は続く......
全ての疑問に回答はもらえませんでしたが、十分です――今やイクサランとその住人にずっと近づくことができた気がします。それに吸血鬼と海賊と恐竜とマーフォークが満載のセットと、失われた宝物を探すセットの二つが待っているんです。まだまだ物語は沢山、私はもう待ち切れません。
それまでは、自分達の想像力でその隙間を埋めるとしましょう。ふーむ......船乗りの恐竜は何をしようとしているんでしょうかね。
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