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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ グランプリ・ヒューストン2016特集!
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ グランプリ・ヒューストン2016特集!
こんにちは!晴れる屋の津村です。
ここ2週間でプロツアー地域予選(RPTQ)とグランプリ・ヒューストン2016 が開催され、スタンダードシーンは大きな盛り上がりを見せました。
前回の時点では「4色ラリー」と「バント・カンパニー」が猛威を振るっていましたが、RPTQとグランプリ・ヒューストン2016を経て、環境はどのように変化したのでしょうか。今週はそんなスタンダードの変遷と、新たに登場した注目のデッキをご紹介したいと思います。
まずはじめに、世界各国のRPTQのまとめをご覧ください。
RPTQで突出した結果を残したのは、「バント・カンパニー」、「4色ラリー」(《先祖の結集》コンボ)、「エルドラージ・ランプ」の3つでした。正直なところ、予想以上の「バント・カンパニー」の活躍っぷりに驚いてしまいましたが、今では「バント・カンパニー」は「4色ラリー」と肩を並べるほどの一大勢力となっています。
「エルドラージ・ランプ」も「バント・カンパニー」に勝ちやすいデッキとして多くのプレイヤーに選択されたのだと思いますし、今の環境は「バント・カンパニー」と「4色ラリー」を中心にまわっていると言っても差支えありません。
倒すべくは「4色ラリー」と「バント・カンパニー」。RPTQの結果を受け、仮想敵がより明確になったことで、プロプレイヤーたちは一体どのようなデッキ選択をしたのでしょうか。続いては、「グランプリ・ヒューストン2016」の結果をご覧いただきましょう。
「グランプリ・ヒューストン2016」トップ8デッキ
- 優勝・「4色《先祖の結集》コンボ」
- 準優勝・「ダーク・ジェスカイ」
- 3位・「緑白《硬化した鱗》」
- 4位・「4色《先祖の結集》コンボ」
- 5位・「グリクシス・ドラゴン」
- 6位・「4色《先祖の結集》コンボ」
- 7位・「緑白《硬化した鱗》」
- 8位・「4色《集合した中隊》」
蓋を開けてみれば、「4色《先祖の結集》コンボ」の優勝で幕を閉じた今大会。トップ32にも3名を輩出しており、改めて「4色《先祖の結集》コンボ」デッキ強し、を印象付ける結果となりました。「バント・カンパニー」はトップ8にこそ残れなかった (純正は0、タッチ赤が1名) ものの、トップ32に6名と、こちらもしっかりとその存在感を示しています。
「バント・カンパニー」よりも「4色《先祖の結集》コンボ」デッキの結果が良かった要因としては、「4色《先祖の結集》コンボ」デッキの方が対策が難しいことが挙げられます。
やはり《先祖の結集》という一撃必殺擁する「4色《先祖の結集》コンボ」デッキの攻勢を凌ぐのは容易なことではなく、全体除去の効き具合も「4色《先祖の結集》コンボ」デッキに対してと「バント・カンパニー」に対してでは大きく異なります。
また、「バント・カンパニー」は地上戦には滅法強いものの、飛行クリーチャーを苦手とするあるためか、今大会ではいつも以上に航空戦力の活躍が目立ってたように思います。「バント・カンパニー」ミラーマッチでも《空中生成エルドラージ》と《風番いのロック》の有無は重要となるので、「バント・カンパニー」を意識するのであれば飛行クリーチャーの採用はひとつの鍵となりそうです。
それでは、グランプリ・ヒューストン2016を勝ち上がった注目のデッキをご覧ください。まずは大きな注目を集めたこのデッキから。
「緑白《硬化した鱗》」
10 《森》 1 《平地》 2 《梢の眺望》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 2 《溢れかえる岸辺》 -土地(23)- 4 《鱗の召使い》 4 《毅然さの化身》 4 《搭載歩行機械》 4 《アブザンの鷹匠》 4 《マナ喰らいのハイドラ》 4 《果てしなきもの》 -クリーチャー(24)- |
4 《硬化した鱗》 4 《ドロモカの命令》 1 《勇敢な姿勢》 4 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 -呪文(13)- |
2 《アブザンの戦僧侶》 4 《絹包み》 3 《神聖なる月光》 2 《進化の飛躍》 2 《勇敢な姿勢》 1 《荒野の確保》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
今大会の台風の目となった「緑白《硬化した鱗》」デッキ。トップ8に残った2人以外にも、パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaやブラッド・ネルソン/Brad Nelson、サム・ブラック/Sam Blackなど、多くのプロプレイヤーがこのデッキを選択しています。2日目の上位100名デッキの中でも最上位に位置するなど、センセーショナルな活躍を披露してくれました。
このデッキは、デッキ名よろしく《硬化した鱗》を活用した高速展開が魅力的なデッキです。《硬化した鱗》はデッキ内のほぼ全てのカードと強烈なシナジーを形成するこのデッキのキーカードで、《搭載歩行機械》や《マナ喰らいのハイドラ》との相性の良さは言うに及ばず、《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》と組み合わせれば即座にゲームを終わらせてくれます。
また、このデッキの良いアクセントになっているのが《アブザンの鷹匠》。自軍のクリーチャーに「飛行」を付与するこのカードは、「バント・カンパニー」や「4色《先祖の結集》コンボ」などに劇的に作用します。
《搭載歩行機械》や《マナ喰らいのハイドラ》がバウンス呪文に弱いため、今をときめく《反射魔道士》耐性だけは気になるところですが、《硬化した鱗》が環境的にほとんど壊されないことも含め、良い選択だったのかもしれません。
《硬化した鱗》を絡めた展開力は、スタンダードを逸していると思わせるほどなので、爽快感のあるデッキがお好きな方はぜひお試しください。
「4色《集合した中隊》」
1 《平地》 1 《島》 1 《山》 1 《森》 2 《大草原の川》 2 《燃えがらの林間地》 2 《梢の眺望》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《樹木茂る山麓》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《伐採地の滝》 1 《鋭い突端》 -土地(25)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《森の代言者》 2 《層雲の踊り手》 4 《カマキリの乗り手》 4 《反射魔道士》 4 《凶暴な拳刃》 3 《跳ねる混成体》 -クリーチャー(25)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 2 《オジュタイの命令》 -呪文(10)- |
2 《竜使いののけ者》 4 《アラシンの僧侶》 2 《虚空を継ぐもの》 3 《払拭》 3 《軽蔑的な一撃》 1 《炎呼び、チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
こちらは「バント・カンパニー」に赤を足したもの。赤を足すことで《カマキリの乗り手》と《凶暴な拳刃》を採用できるようになっており、前者は飛行が強いマッチアップ全般で、後者は《光輝の炎》が入ったマッチアップでの活躍が期待できます。
3マナの強力クリーチャーを詰め込んだデッキなので、《集合した中隊》の力を遺憾なく発揮できるリストではありますが、4色デッキなだけあってマナベースにはかなりの負荷がかかっています。《カマキリの乗り手》は色を足すに十分すぎるほどの理由にはなるものの、純正3色でも《空中生成エルドラージ》や《風番いのロック》を増やすアプローチでミラーマッチに強くすることはできます。
そのため、色を足すべきかどうかは判断が難しいところではありますが、いずれにせよ多発するであろうミラーマッチで差を付ける明確なアプローチができるといいですね。
「マルドゥ・グリーン」
1 《平地》 2 《沼》 1 《山》 1 《森》 2 《燻る湿地》 1 《燃えがらの林間地》 2 《梢の眺望》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 2 《吹きさらしの荒野》 4 《乱脈な気孔》 2 《鋭い突端》 -土地(26)- 4 《森の代言者》 2 《不毛の地の絞殺者》 4 《包囲サイ》 4 《ゴブリンの闇住まい》 -クリーチャー(14)- |
4 《絹包み》 3 《精神背信》 2 《焙り焼き》 4 《はじける破滅》 3 《アブザンの魔除け》 3 《骨読み》 1 《破滅の道》 -呪文(20)- |
2 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 1 《不毛の地の絞殺者》 1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 2 《強迫》 2 《神聖なる月光》 2 《コラガンの命令》 2 《光輝の炎》 1 《無限の抹消》 1 《破滅の道》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
Magic Online上でもよく見かける《森の代言者》入りの「マルドゥ・グリーン」。グランプリ・ヒューストン2016でもトップ4に入賞していましたが、RPTQ通過者の中に素晴らしいリストがあったので、こちらを紹介させていただきます。
「マルドゥ・グリーン」の直近の大きな変化と言えば、《森の代言者》が加入したことでしょう。《森の代言者》の枠は、以前であれば《魂火の大導師》が入っていたスロットですが、「バント・カンパニー」の隆盛による《森の代言者》の流行に伴い、《魂火の大導師》は戦闘に参加できる回数が極端に減ってしまいました。
その点《森の代言者》であれば、対戦相手の《森の代言者》対策としても上々ですし、《魂火の大導師》以上に序盤から終盤まで安定した活躍が見込めるカードです。この2種類では「プレインズウォーカー」への牽制という意味でも雲泥の差があり、とりわけ《炎呼び、チャンドラ》に対してはゲームの勝敗を分かつほどの大きな差となります。
「マルドゥ・グリーン」は《アブザンの魔除け》と《骨読み》のおかげで滞りなく6枚目の土地にたどり着きやすく、それゆえにこのデッキこそが現環境で最も上手く《森の代言者》を使用できるデッキではないかと思います。たったひとつの枠でここまでデッキの印象が変わるものかと驚いてしまったほどなので、「マルドゥ・グリーン」をご使用の方はぜひ《森の代言者》をお試しいただければと思います。
また、除去カードも一般的な《焦熱の衝動》ではなく、《絹包み》を優先していたりと、いくつかのマイナーチェンジが見受けられます。
《焦熱の衝動》の利点は他のどの除去カードよりもマナ・コストが軽いことですが、《森の代言者》や《死霧の猛禽》などなど、序盤にタフネス3のクリーチャーを除去できない点は大きな減点材料となります。《絹包み》ならばより幅広いクリーチャーに対処することができますし、「追放」効果は《死霧の猛禽》や「4色《先祖の結集》コンボ」デッキに対しても効果的です。
そして《絹包み》の採用に伴い、それと相性の良い《不毛の地の絞殺者》も搭載されています。《精神背信》、《アブザンの魔除け》と合わせて追放領域のカードは用意できるでしょう。
《不毛の地の絞殺者》は「除去カード」という面では平均的なカードにすぎませんが、「バント・カンパニー」などのクリーチャーデッキに対して安定して2対1交換が取れるカードですし、「プレインズウォーカー」を牽制できる点も《不毛の地の絞殺者》ならではの魅力です。
「グリクシス・ドラゴン」
3 《山》 1 《沼》 3 《燻る湿地》 2 《窪み渓谷》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《汚染された三角州》 3 《樹木茂る山麓》 4 《シヴの浅瀬》 2 《精霊龍の安息地》 -土地(26)- 4 《静寂を担うもの》 4 《搭載歩行機械》 4 《空中生成エルドラージ》 4 《飛行機械技師》 4 《雷破の執政》 4 《嵐の憤怒、コラガン》 -クリーチャー(24)- |
1 《払拭》 4 《龍詞の咆哮》 3 《残忍な切断》 2 《幽霊火の刃》 -呪文(10)- |
2 《漂う死、シルムガル》 3 《払拭》 4 《精神背信》 3 《自傷疵》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《大地の断裂》 1 《残忍な切断》 -サイドボード(15)- |
RPTQでも活躍の目立った「赤黒ドラゴン」。序盤を優秀な除去呪文でやり過ごし、《雷破の執政》と《嵐の憤怒、コラガン》でフィニッシュするのがこのデッキの青写真です。
このリストは一般的な「赤黒ドラゴン」のリストから除去を減らし、その枠を《静寂を担うもの》や《空中生成エルドラージ》といった航空戦力に置き換えています。
除去呪文を増やせば増やすほど純粋なクリーチャーデッキには強くなりますが、《先祖の結集》には弱くなってしまいますし、動きにムラができやすくなってしまいます。《嵐の憤怒、コラガン》のおかげで、ダメージレースを強引に制することができるデッキなので、序盤のクリーチャーを打ち漏らしてしまうことよりも、展開のムラの方が致命傷になりやすいこともあり、このリストのように自身の展開を優先させた構築には好感が持てます。
このリストは青を足すことで、貴重な航空戦力である《空中生成エルドラージ》、多くのマッチアップで重宝する《払拭》、さらにはミラーマッチで圧倒的な強さを発揮する《漂う死、シルムガル》を採用しています。
3色でもマナベースへの負荷はほとんどありませんし、「赤黒」2色だと《先祖の結集》を乗り越える術が乏しいこともあり、この構成は理にかなっていると思います。
「ダーク・ジェスカイ」
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《山》 2 《大草原の川》 2 《窪み渓谷》 2 《燻る湿地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《鋭い突端》 2 《乱脈な気孔》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《魂火の大導師》 4 《カマキリの乗り手》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(14)- |
3 《焦熱の衝動》 1 《強迫》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《焙り焼き》 4 《はじける破滅》 4 《苦い真理》 2 《時を越えた探索》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(20)- |
2 《アラシンの僧侶》 2 《強迫》 1 《焦熱の衝動》 2 《精神背信》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 1 《焙り焼き》 2 《光輝の炎》 1 《コラガンの命令》 1 《影響力の行使》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
コントロールデッキをこよなく愛する「Gainsay」ことアンドリュー・クネオ/Andrew Cuneoさん。MOCSでは《カマキリの乗り手》がサイドボードに搭載された同デッキを使用していましたが、「バント・カンパニー」や「エルドラージ・ランプ」の増加を考慮してかメインデッキに昇格しています。
《カマキリの乗り手》からの妨害手段連打は、「バント・カンパニー」、「4色《先祖の結集》コンボ」デッキともに苦手とする展開ですし、「エルドラージ・ランプ」にも効果的です。
クネオさん自身が仰っているように、マナベースにはまだ改善の余地があるとのことですが、メインデッキの《軽蔑的な一撃》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をはじめ、参考にすべき点の多いリストだと思います。
「4色《先祖の結集》コンボ」
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《森》 1 《大草原の川》 2 《窪み渓谷》 2 《梢の眺望》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《進化する未開地》 -土地(24)- 2 《シディシの信者》 4 《エルフの幻想家》 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《ズーラポートの殺し屋》 1 《永代巡礼者、アイリ》 4 《地下墓地の選別者》 4 《ナントゥーコの鞘虫》 4 《反射魔道士》 1 《不気味な腸卜師》 -クリーチャー(28)- |
4 《先祖の結集》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《アラシンの僧侶》 1 《苦痛の公使》 4 《払拭》 2 《蔑み》 2 《強迫》 3 《残忍な切断》 -サイドボード(15)- |
長きに渡って世界ランキング1位を堅持しているオーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwald。彼が選んだデッキは、「4色《先祖の結集》コンボ」デッキでした。このリストは初手に欲しいカードは全て4枚に統一されており、逆にそうでないクリーチャーは必要最低限しか採用されておらず、全体として非常にきれいなリストに仕上がっています。
前述の通り非常に対策が難しい類のデッキで、今大会に関しては他のデッキに対策が散ってしまったことも、このデッキの躍進を後押ししたのではないかと思います。
また、このデッキは他のデッキ以上に練習量がものを言うデッキではないかと思います。それだけにオーウェンの完璧なプレイング、そして優勝という結果にはさすがと言うほかありません。
お時間のある方は、ぜひ決勝戦の観戦動画もご覧になってみてください。個人的には、3本目にオーウェンが《ヴリンの神童、ジェイス》をずっと「変身」させずに維持していたのが印象的でした。手札が充実していたことと、対戦相手の《カマキリの乗り手》を意識してのことではないかと思われますが、普通であれば即座に「変身」して忠誠度を上げようとしてしまいそうなもの。結果的に勝負を決するターンに《ヴリンの神童、ジェイス》を「変身」させたオーウェンは、墓地にあった《先祖の結集》を再利用して見事に栄冠を掴み取っています。
今週の一押し~「青単エルドラージ」・「黒単エルドラージ」~
「青単エルドラージ」
9 《島》 4 《シヴの浅瀬》 3 《ヤヴィマヤの沿岸》 4 《領事の鋳造所》 4 《精霊龍の墓》 1 《海門の残骸》 -土地(25)- 4 《次元潜入者》 4 《エルドラージのミミック》 4 《空中生成エルドラージ》 3 《破滅を導くもの》 4 《つむじ風のならず者》 3 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 -クリーチャー(26)- |
3 《頑固な否認》 2 《次元の歪曲》 4 《幽霊火の刃》 -呪文(9)- |
2 《層雲の踊り手》 3 《作り変えるもの》 1 《難題の予見者》 2 《希望を溺れさせるもの》 1 《払拭》 3 《氷固め》 2 《次元の歪曲》 1 《軽蔑的な一撃》 -サイドボード(15)- |
モダンやレガシーでも絶賛大活躍中の「エルドラージ」デッキが、いよいよスタンダードにも活躍の場を広げてきました。スタンダードには《エルドラージの寺院》や《ウギンの目》のような土地こそありませんが、その分ほかのデッキのスピードも遅いです。それゆえに適正なターンにプレイされる《難題の予見者》や《現実を砕くもの》でも迫力は十分です。
また、現在のスタンダードは《集合した中隊》の影響力もあってか地上が固まりやすいという特性がありますが、それだけに《次元潜入者》や《空中生成エルドラージ》といった航空戦力を自然に採用できるのはこのデッキの強みです。
脇を固める《幽霊火の刃》や《頑固な否認》も実に優秀で、とりわけ1マナで《集合した中隊》や《先祖の結集》といったゲームを決めるカードをピンポイントで対処できる《頑固な否認》は替えの効かない重要なパーツです。
なお、グランプリ・ヒューストン2016では「黒単」バージョンがトップ16に入賞しています。まだまだ新進気鋭のアーキタイプなので、今後他の色を使用した形も登場するかもしれませんね。
「黒単エルドラージ」
6 《沼》 4 《ラノワールの荒原》 3 《コイロスの洞窟》 3 《荒廃した湿原》 4 《精霊龍の墓》 3 《領事の鋳造所》 2 《鏡の池》 2 《海門の残骸》 -土地(27)- 4 《静寂を担うもの》 4 《エルドラージのミミック》 2 《搭載歩行機械》 4 《作り変えるもの》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 -クリーチャー(22)- |
4 《次元の歪曲》 3 《精神背信》 2 《闇の掌握》 2 《歪める嘆き》 -呪文(11)- |
3 《ゲトの裏切り者、カリタス》 3 《強迫》 2 《自傷疵》 2 《究極の価格》 1 《精神背信》 2 《破滅の道》 2 《衰滅》 -サイドボード(15)- |
終わりに
RPTQでもグランプリ・ヒューストン2016でも、相変わらずの強さを見せつけた「4色《先祖の結集》コンボ」デッキ。現状では、精通したプレイヤーが駆る「4色《先祖の結集》コンボ」デッキこそが至高のデッキなのかもしれません。
ただし、その他のデッキも着実に進化を繰り返していたり、「緑白《硬化した鱗》」デッキや「青単エルドラージ」のような新顔も登場しているので、まだまだ現環境に結論を出すのは早いようです。
次回は、3月18日に開催されるグランプリ・パリ2016の結果を特集する予定です。
それでは、また次回の連載でお会いしましょう。
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