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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
第57回:グランプリ・シンガポール特集:トッププロたちが示す道
読み物
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
2011.06.08
第57回:グランプリ・シンガポール特集:トッププロたちが示す道
こんにちはー。
先週はグランプリ・シンガポールが行われました(リンク先は英語カバレージ)。プロツアー・名古屋直前ということも手伝って、世界各国からプロプレイヤーたちが集っていました。
そんなわけで今週は一旦選手権予選からは離れ、グランプリ・シンガポール特集をさせていただきたいと思います。
世界を旅するトッププロたちは、どんなデッキチョイスやテクニックを駆使してきたのでしょうか?
まずはトップ8に残ったデッキを見ていきましょう。
グランプリ・シンガポール トップ8デッキ分布
優勝 | 「Caw-Blade」 |
準優勝 | 「ボロス」 |
3位 | 「Caw-Blade」 |
4位 | 「Caw-Blade」 |
5位 | 「ヤソコン(青黒コントロール)」 |
6位 | 「Caw-Blade」 |
7位 | 「Dark-Blade」 |
8位 | 「Dark-Blade」 |
相も変わらず「Caw-Blade」ばかりですが、結果を残した中にPV(Paulo Vitor Damo da Rosa)、中島(主税)さん、Owen(Turtenwald)、ヤソ(八十岡翔太)さんという世界最高峰のプレイヤーたちがいたので、今週はそれらの人々がどういうデッキを使っていたか見ていきます。
トップを飾るのは、現在世界最強と呼ばれているプレイヤーが使ったこのデッキから。
「Caw-Blade」
5 《島》 4 《平地》 4 《天界の列柱》 4 《金属海の沿岸》 3 《氷河の城砦》 2 《墨蛾の生息地》 4 《地盤の際》 -土地(26)- 4 《戦隊の鷹》 4 《石鍛冶の神秘家》 1 《聖別されたスフィンクス》 -クリーチャー(9)- |
4 《定業》 3 《呪文貫き》 4 《マナ漏出》 2 《乱動への突入》 1 《神への捧げ物》 3 《四肢切断》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 1 《ジェイス・ベレレン》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(25)- |
1 《太陽のタイタン》 3 《失脚》 2 《糾弾》 2 《神への捧げ物》 2 《瞬間凍結》 1 《天界の粛清》 1 《剥奪》 1 《四肢切断》 1 《審判の日》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
6 《島》 3 《平地》 4 《天界の列柱》 4 《金属海の沿岸》 3 《氷河の城砦》 2 《墨蛾の生息地》 4 《地盤の際》 -土地(26)- 4 《戦隊の鷹》 4 《石鍛冶の神秘家》 -クリーチャー(8)- |
4 《定業》 3 《呪文貫き》 4 《マナ漏出》 3 《乱動への突入》 1 《神への捧げ物》 2 《四肢切断》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 2 《ジェイス・ベレレン》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(26)- |
2 《太陽のタイタン》 2 《糾弾》 2 《失脚》 2 《神への捧げ物》 2 《瞬間凍結》 1 《天界の粛清》 2 《四肢切断》 1 《審判の日》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
「ChannelFireball」勢が使用したのは現環境の王者「Caw-Blade」でした。彼らの手によって生み出された「Caw-Blade」は、デビュー戦であったプロツアー・パリを制して以来次々と好成績を残し続け、今では他の追随を許さない一強時代を築きあげています。
しかし一口に「Caw-Blade」と言っても、実に様々なリストがあります。例えばクリーチャー選択ひとつを見ても、《エメリアの天使》入りだったり、最近では《ミラディンの十字軍》入りだったり、メインから《太陽のタイタン》や《聖別されたスフィンクス》が入っていたりと、メタゲームによって微妙にではありますが変化しています。
《ミラディンの十字軍》入りのものは、《戦隊の鷹》が抜けているセンセーショナルなリストもありますが、このような移り変わりを見せたのは、先週紹介したように《ミラディンの十字軍》が環境的に強くなったことが理由として挙げられます。
他にも除去の取捨選択や、「Dark-Blade」のようにタッチ黒をしたものなど、リストどころか2色にするか3色にするかすらも決まりかねている現状なので、「ChannelFireball」勢のリストはひとつの良い指針になるかと思い、紹介させて頂くことにしました。
今までの復習という意味合いも兼ねて、世界一のチームが作り上げた、世界最高峰のデッキを見てみましょう。
除去スロット
まず最も大きな、それでいて最も重要な変化は除去スロットでしょう。今までも何度となくお伝えしていますが、「《欠片の双子》」コンボに強く、《戦争と平和の剣》が通ってしまってもいいように、プロテクションにひっかからない《四肢切断》が一般的になりました。
また、相手が何であれ、装備品の蔓延する今の環境なら高確率でテンポが取れる《乱動への突入》も最近では確定パーツになってきています。
そして「Caw-Blade」一強時代を象徴するのが、メインから搭載された《神への捧げ物》ですね。日本では有田(隆一)さんたちも少し前から実行しているプランで、近頃では日本選手権予選通過者のリストでも、メインからこれを採用している人をよく見かけます。
しかしながら「ChannelFireball」勢の秀逸なところとして、《神への捧げ物》をメインは1枚だけに抑えた点が挙げられると思います。今の環境ではアーティファクトの入っていないデッキはほとんどありませんが、僅かながら「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」や「青緑赤Turboland」のようなアーティファクトの入っていないデッキも存在します。
それを意識して万能の《四肢切断》と《乱動への突入》を優先し、《神への捧げ物》を1枚にしたのは実に絶妙なバランスだと思います。
クリーチャー選択
クリーチャー選択に関しては、PV(Paulo Vitor Damo da Rosa)の使用した《聖別されたスフィンクス》が目を引きますね。これは特にミラーマッチで効果的な1枚で、《審判の日》の入っていない現状ならば、これを対処できるカードは《マナ漏出》くらいのもので、相手の戦場に《精神を刻む者、ジェイス》がいようとも手札の枚数で優位に立てるすばらしいクリーチャーです。
メインから《神への捧げ物》が流行り始めた今のメタゲームだと、《太陽のタイタン》との比較はより一層難しくなってきましたが、僕はPVのようにメイン《聖別されたスフィンクス》、サイドに《太陽のタイタン》という形がいいと思います。
土地構成
メインボードで他に注目すべき点は土地構成で、「新たなるファイレクシア」加入前後を境に採用が当たり前になった《墨蛾の生息地》が挙げられます。
《饗宴と飢餓の剣》と《戦争と平和の剣》の装備先として非常に優秀で、無色マナしか出ないことを加味しても、最近ではほとんどのプレイヤーが2枚採用しています。
ついでに《沸騰する小湖》のようなフェッチランドは今では入らなくなりましたね。フェッチランドは《精神を刻む者、ジェイス》の《渦まく知識》と相性がいいので入っていたのですが、そもそもこのデッキは《戦隊の鷹》《石鍛冶の神秘家》《定業》と、《渦まく知識》能力と相性が良いカード目白押しなので、《四肢切断》用にライフを温存したいこともあってフェッチランドは不採用となったようです。
タップインの多さを考慮して、《氷河の城砦》が3枚に抑えられている点も注目です。《氷河の城砦》3枚でも、PVは青マナ源が16枚で白マナ源が15枚、Owenは青17の白14と安定していますから、タップインを減らしてスムーズな展開を優先するのはいいアイディアだと思います。
《天界の列柱》《金属海の沿岸》《氷河の城砦》は4枚が当たり前と思われていた中で、このような発想ができるのはさすが「ChannelFireball」といった感じです。
サイドボード
サイドボードはメインボードでミラーマッチや対コントロール戦を強く意識している分、クリーチャー対策が多いですね。メインでは《ミラディンの十字軍》に手を焼きますが、サイド後は《失脚》などでしっかりと対処できます。
対クリーチャーデッキ以外は抜けるカードが少ないこともあり、最低限の入れ替えにとどめていますね。
ミラーマッチが苦手だという方は、「ChannelFireball」勢のようにメインから《神への捧げ物》を入れたり、《聖別されたスフィンクス》をぜひお試しください。
「ヤソコン」
4 《島》 3 《沼》 4 《忍び寄るタール坑》 4 《闇滑りの岸》 4 《水没した地下墓地》 2 《墨蛾の生息地》 3 《地盤の際》 -土地(24)- 1 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(1)- |
4 《永遠溢れの杯》 4 《定業》 3 《コジレックの審問》 2 《蔑み》 2 《見栄え損ない》 2 《破滅の刃》 2 《マナ漏出》 4 《倦怠の宝珠》 3 《転倒の磁石》 1 《弱者の消耗》 1 《黒の太陽の頂点》 2 《ジェイス・ベレレン》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 3 《ボーラスの工作員、テゼレット》 -呪文(35)- |
2 《墓所のタイタン》 2 《見栄え損ない》 1 《コジレックの審問》 4 《瞬間凍結》 2 《否認》 1 《弱者の消耗》 1 《黒の太陽の頂点》 2 《ジェイス・ベレレン》 -サイドボード(15)- |
スタンダードの鬼神、ヤソ(八十岡 翔太)さんが作り上げたのは、めずらしいカードを軸にした「青黒テゼレイター」でした。
そのカードとは《倦怠の宝珠》なんですが、これはメタゲームの推移を完全に読み切った1枚です。普段はあまり使われることのないカードなので、デッキのキーカードであるこのカードがどんな働きをするのか見ていきましょう。
対「Caw-Blade」
「Caw-Blade」に対しては、基本戦力である《戦隊の鷹》と《石鍛冶の神秘家》を封じることができます。《倦怠の宝珠》も2マナのカードであるため、後手だと間に合わないのですが、《コジレックの審問》に加え、《強迫》ではなく《蔑み》を採用することで、後手の場合でも相手の動きを制限できるように工夫されています。
ハンデスで《戦隊の鷹》か《石鍛冶の神秘家》を落としてしまえば、《倦怠の宝珠》が間に合うようになるので、《強迫》ではなく《蔑み》を優先するのも納得の構成と言えます。
対「《欠片の双子》」
コンボの片割れである《詐欺師の総督》がただの1/4に成り下がります。つまり《倦怠の宝珠》がある間は、コンボによる即死がなくなるわけです。一応相手側の《乱動への突入》を警戒する必要はありはしますが、置いておくだけで相当に有利なゲーム展開になるでしょう。
対「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」
《原始のタイタン》《業火のタイタン》《ゼンディカーの報復者》《テラストドン》を全て封殺できます。
各種タイタンはアタックされると能力が誘発してしまうのですが、《倦怠の宝珠》環境下であれば、《精神を刻む者、ジェイス》のバウンスでも《破滅の刃》でも損をすることなく対処が可能です。
しかしながらそうは言っても結局は6/6を対処しなければいけないので、サイド後には抜けてしまうカードでしょう。
対それ以外のデッキ
「ボロス」「青緑赤Turboland」「青黒コントロール」「赤単」系のデッキにはただの置物です。そのためサイド後には《ボーラスの工作員、テゼレット》と共に抜くことになるでしょう。「青黒コントロール」相手にはプレッシャーになるので残してもいいかもしれませんが。
逆に「緑黒《出産の殻》」デッキや「同盟者」にはクリーンヒットします。《ヴィリジアンの堕落者》や《タクタクの潰し屋》すら誘発しないので、一度設置に成功すればそれだけでゲームに勝ててしまう展開が多いです。
このように相手によって当たり外れは大きいものの、Tier1に位置するデッキに強いことが、このデッキを作るにいたった理由でしょう。
その「外れ」に属するデッキ相手には《倦怠の宝珠》だけでなく《ボーラスの工作員、テゼレット》や《転倒の磁石》もセットで抜けることが多いので、サイドボーディングはしっかりと練習しておきましょう。
それと最近では「Caw-Blade」のせいでメインから《帰化》系のカードが入っていることが多いので、1枚目の設置に成功した場合は、可能な限り早く2枚目の設置を目指した方がいいと思います。
このデッキをMagic Onlineで何度も使った結果、僕はあまり好ましい成果を上げることはできませんでした。ヤソさん本人ですら「難しいデッキ」だと語っており、数日だけでは使いこなすのは相当に難しいので、とにかく時間をかけることをお勧めします。
そんな数日使った中で、僕が気付いたことを何点か紹介させていただきましょう。
《ボーラスの工作員、テゼレット》の使い方
このデッキにアーティファクトは12枚しか入っていないので、+1の能力は空振りすることが多々あります。というより基本的に空振りするくらいに考えておいた方がいいです。そのため、いつも以上に-1能力を積極的に使っていくことをお勧めします。
「増殖」するカードが入っていないので、あくまで時間稼ぎでしかない《転倒の磁石》や、《精神を刻む者、ジェイス》が少ないこともあり、このデッキは長期戦をそこまで得意としていないですし、早期決着を狙う方が望ましいように思えたことも、この戦略を後押ししています。
《精神を刻む者、ジェイス》を大事に
プレインズウォーカーを大事にする(忠誠度を上げて死にづらくする)というのは当たり前のテクニックですが、普通のリストとは違い、このデッキには《精神を刻む者、ジェイス》は2枚しか入っていません。《ボーラスの工作員、テゼレット》の+1能力もあてにならないので、《精神を刻む者、ジェイス》がいないと中盤以降にアドバンテージが取りづらく、息切れする確率が非常に高くなっています。
僕自身も何度か使い方をミスして《精神を刻む者、ジェイス》が死んでしまい、ゲームに負けたことがありましたし、このデッキはその失ったアドバンテージを取り返すのが難しいので、いつも以上に《精神を刻む者、ジェイス》の取り扱い方には注意しましょう。
ふたつの改善点
とりあえず色マナが少し不安定に感じたので、《地盤の際》1枚を《島》にしたいですね。もしかすると単純にスペルを1枚抜いて、土地を増量してもいいかもしれません。
それとこのデッキ最大の問題点は、勝ち筋の細さだと感じました。僕は勝ち手段が細いデッキが大好きなんですが、その僕ですらこのデッキはもっと勝ち筋を入れるべきだと思ったくらいなので、1枚で勝てるようなカードを入れたいですね。
1枚で勝てると言えば僕の愛する《解放された者、カーン》が適任でしょう。
ヤソさんは《殴打頭蓋》を推していたのですが、こちらなら《ボーラスの工作員、テゼレット》の+1能力で探すことができるので、《黒の太陽の頂点》を抜いて入れるといいと思います。
結構MOで使ったつもりなんですが、僕に解説できるのはこれくらいです。プレイングもサイドボーディングも本当に難しいデッキではありますが、「青黒コントロール」ファン、そして「ヤソコン」ファンのみなさんにはぜひとも使いこなしてほしいデッキです。
「ボロス」
6 《山》 6 《平地》 4 《乾燥台地》 4 《湿地の干潟》 4 《沸騰する小湖》 2 《広漠なる変幻地》 -土地(26)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《ステップのオオヤマネコ》 4 《戦隊の鷹》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《ミラディンの十字軍》 1 《オキシド峠の英雄》 -クリーチャー(21)- |
4 《稲妻》 3 《四肢切断》 2 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 3 《槌のコス》 -呪文(13)- |
4 《コーの火歩き》 3 《呪文滑り》 2 《電弧の痕跡》 3 《神への捧げ物》 1 《肉体と精神の剣》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《ギデオン・ジュラ》 -サイドボード(15)- |
おやじ、こと中島(主税)さんが使用したのは先週紹介した「ボロス」に非常によく似た構成です。2枚目の《殴打頭蓋》だけ《オキシド峠の英雄》に変更していますが、それとフェッチが1枚変わった以外は全く同じですね。
先週はあまりデッキの細かい変更点について解説できなかったので、今週はもう少し掘り下げていきましょう。
旧環境との違い
このデッキもメタゲームの移り変わりによって大きく強化されました。《ミラディンの十字軍》が最たる例ですが、どちらかというとそれに伴いデッキから抜けたカードこそが、このデッキの復権の鍵となっているように感じました。
《ミラディンの十字軍》と入れ替わりで抜けたカードは《板金鎧の土百足》なのですが、これによって以前よりも安定性が増したからです。
従来の「ボロス」と言えば《ステップのオオヤマネコ》《板金鎧の土百足》《冒険者の装具》などの「上陸」能力を駆使してビートダウンするイメージでしたが、このタイプは毎ターン土地が伸びなければ攻め手も止まってしまうという欠点がありました。「上陸」の出来ない猫や百足はただの傍観者に等しく、土地の切れ目が縁の切れ目と言えるような、かなり割り切った構成でした。
しかし今回のバージョンはそれとは事情が異なります。「上陸」と書かれたカードを《ステップのオオヤマネコ》だけに抑えたこのリストは、仮に土地が3~4枚で止まってしまっても攻撃が止むことはありません。
《戦隊の鷹》《石鍛冶の神秘家》はマナ喰い虫ですし、《槌のコス》や《オキシド峠の英雄》のような長期戦向けのカードも入っているので土地の総数は26枚のままですが、クリーチャーをたった1種類変えるだけで、ここまでデッキの表情も変わるものなんですね。
「Caw-Blade」同様に、このデッキでも《四肢切断》は貴重な1マナ除去として重要な役割を果たします。単純に除去の中では群を抜いて強いですし、以前であれば致命傷になりえた相手側の《コーの火歩き》も、《四肢切断》の加入と《板金鎧の土百足》の引退で最早苦しむこともなくなりました。
上記の理由のように、メタゲームの移り変わりで手に入った安定性に加え、環境がクリーチャーデッキを軽視する傾向が強まっているので、「ボロス」は再び日の目を浴びることとなったのです。
マナベース
僕が実際に使用した感想として、マナベースが少し赤に寄りすぎているかなという印象を受けました。サイド後の《コーの火歩き》まで考えると、マナベースは白マナの方が多く必要になるので、《沸騰する小湖》は1枚《平地》か《広漠なる変幻地》にした方がいいでしょうね。
サイドボーディングプラン
ちなみに、日本選手権予選で「Caw-Blade」に次ぐ勝ち頭である「赤単」系のデッキに対して、このデッキは無類の強さを誇ります。サイドボードの《コーの火歩き》《呪文滑り》《電弧の痕跡》《ギデオン・ジュラ》と、これでもかというくらいにクリーチャー対策が入っているので、非常に相性が良いんですね。
サイドボーディングプランとしては、《ステップのオオヤマネコ》《ゴブリンの先達》《ミラディンの十字軍》《オキシド峠の英雄》などを抜いて、完全にコントロールデッキにシフトするのがいいと思います。
後手なら《ゴブリンの先達》を少し残して、ブロッカーの役割をさせましょう。ビートダウン対決では、基本的に《ゴブリンの先達》では殴らないように心掛けたいですね。
決勝ではサイドボードに白い除去を大量に搭載したPVの「Caw-Blade」に惜しくも敗れてしまいましたが、中島さんはPV以外の「Caw-Blade」相手にマッチを落としていません。
どうせ1回か2回でしょ、と思った方はちょっと待ってください。なんと中島さんが「Caw-Blade」を倒した回数は7回です。もちろん、その中にはオーウェン(Owen Turtenwald)のような強豪も含まれています。
中島さんの好成績は《精神を刻む者、ジェイス》がなくても十分に戦えることを示唆していますし、ヤソさんのデッキは「青黒コントロール」も工夫次第で「Caw-Blade」に対抗できる証明になったと思います。
そういった意味で、今回のグランプリは日本勢にとっても、スタンダードを楽しむみなさんにとっても、非常に良い結果であったと言えるでしょう。
来週からは、再び日本選手権予選の結果に注目していきたいと思います。みなさんも二人に負けないような意欲作を手に、予選通過を目指して頑張ってください!
それでは、また来週ー!
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