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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
第55回:新たなるライフの活用法・ファイレクシアの脅威
読み物
津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
2011.05.25
第55回:新たなるライフの活用法・ファイレクシアの脅威
こんにちはー。
先週に引き続き、今週も日本選手権予選、プロツアー予選や、「StarCityGames・オープントーナメント」などのリアルの大会結果を見ていきましょう。
今週チェックするのは以下の大会です。主催者さんたちの素早い情報公開のおかげで、今週の記事に間に合わせることができました。そんな主催者のみなさまに、この場を借りてお礼を申し上げます。
「日本選手権2011・東京1次予選」(「DRAGON GUIDE」内「大会結果」より)
「StarCityGames オープントーナメント・ルイビル」
依然として「Caw-Blade」が圧倒的な勝ち組なのですが、そんな中でもちゃんと結果を残しているデッキもあるので、今週は「新たなるファイレクシア」の加入により強化されたデッキを見ていきます!
まずは見事プロツアー予選優勝を勝ち取ったこのデッキから。
「赤単"Hatred"」
12 《山》 4 《沸騰する小湖》 4 《乾燥台地》 4 《ぐらつく峰》 -土地(24)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《焼身の魂喰い》 4 《窯の悪鬼》 3 《躁の蛮人》 -クリーチャー(15)- |
4 《稲妻》 3 《噴出の稲妻》 4 《焼尽の猛火》 3 《投げ飛ばし》 3 《四肢切断》 1 《戦争と平和の剣》 3 《槌のコス》 -呪文(21)- |
1 《躁の蛮人》 4 《ゴブリンの廃墟飛ばし》 3 《ヴァルショクの難民》 2 《焼却》 1 《四肢切断》 3 《反逆の印》 1 《地盤の際》 -サイドボード(15)- |
《焼身の魂喰い》加入のおかげで、圧倒的な爆発力を得た「赤単」。もはや以前の「赤単」とは別物と言っていい代物で、《焼身の魂喰い》の入ったこのバージョンは「Hatred(ヘイトレッド)」と呼ばせていただきましょう。
《焼身の魂喰い》は相手のデッキ次第では躊躇なくライフを支払うことができるので、18点のライフを注ぎ込めば、3ターン目にしてそのパワーは10を超えます。ここに《投げ飛ばし》や、上記のリストには入っていませんが《突撃のストロボ》があれば、わずか2枚のカードで3ターンキルが可能となります。
その昔、黒単色のビートダウンデッキが《憎悪》を駆使して3ターンキルを目論んでいましたが、《焼身の魂喰い》は自身の能力だけでそれをやってのけるわけですね。
そして3ターンキルを可能にするワンピースである《投げ飛ばし》の採用に伴い、これまた《投げ飛ばし》と相性の良い《窯の悪鬼》も投入されています。
この2種類のクリーチャーのおかげで最高速度がグッと上がったことと、環境全体が「Caw-Blade」を意識するあまり、ビートダウン対策が疎かになったことが、今回の勝因と言えます。
ちなみに《窯の悪鬼》を《投げ飛ばし》すると、追加コストとして生け贄に捧げている都合上、キャストした段階ではすでに戦場からいなくなっているため、《投げ飛ばし》分のパワー+3はされないことに注意しておきましょう。
《焼身の魂喰い》は無色ということで、《コーの火歩き》にも対抗できますし、《瞬間凍結》や《天界の粛清》にもひっかかりません。さらに「新たなるファイレクシア」の顔とも言える「ファイレクシア・マナ」の産物、《四肢切断》の存在もあって、「プロテクション(赤)」に若干の耐性が付いたことも追い風ですね。
メインから投入された《躁の蛮人》は当然のことながら「Caw-Blade」相手に役に立ちます。特に「Caw-Blade」の新戦力である《戦争と平和の剣》と《殴打頭蓋》を対処できるかで勝敗の行方が異なるので、この辺の選択も優勝という結果に相応しいすばらしいものだと思います。
《躁の蛮人》が手札にある時は、いつも以上に《石鍛冶の神秘家》が召喚酔いの間に除去することを心掛けましょう。《石鍛冶の神秘家》がいない戦場にしてしまえば、相手の隙が大きくなり、装備品を出された返しのターンで《躁の蛮人》を通しやすくなりますからね。
本波さんにお話を伺ったところ、デッキに1枚だけ採用された《戦争と平和の剣》はあまり感触がよくなかった、ということでした。この枠には、《ギデオン・ジュラ》対策用のカードを入れたかったそうなのですが、クリーチャーがいないと力を発揮しないカードは決して優秀とは言えないようで、《溶鉄の尾のマスティコア》の方がよかったかも、とのことです。
土地構成にも少し改善点があったようで、《板金鎧の土百足》の入っていない今の構成だと、フェッチランドの有効な使用先は《焼尽の猛火》に限られます。コンボの片割れである《焼身の魂喰い》と、キャストするのに確実に4点を必要とする《四肢切断》があるため、これは少し痛すぎたようです。適正枚数は5~6枚といったところでしょう。
メインボードの変更点はこれくらいなので、サイドボードの解説に移りましょう。
《焼却》は「《欠片の双子》」デッキ対策で、《ヴァルショクの難民》はミラーマッチ用なのですが、この日は1度も使わなかったそうです。しかしこれは当たり運もあるので、変える必要があるかと問われると微妙なラインですね。僕の見解としてはそのままで良いと思います。
《反逆の印》は「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」相手への必殺兵器で、加えて《投げ飛ばし》があることで一撃で20点を削ることも可能となっています。
《ゴブリンの廃墟飛ばし》はコントロールデッキ相手全般に活躍する良カード。「Caw-Blade」相手にも活躍していましたし、《焼身の魂喰い》+《投げ飛ばし》コンボが加わったおかげで、相手の土地を縛って動きづらくする意味も、以前より増しています。
《地盤の際》は《ゴブリンの廃墟飛ばし》をサイドインする際に、4マナのカードが増えるので、追加の土地として投入します。もちろんただの追加の土地ではなく、ランデスもできるので、この戦略にピッタリの1枚ですね。
《四肢切断》は、特にサイド後に問題となる「プロテクション(赤)」を解決するための万能除去。メインボードに3枚も要るかは現状では判断しかねますが、《コーの火歩き》が出てくる可能性が高いサイド後を睨んで、最低でもサイドには4枚目を入れるようにしましょう。
本波さんがこのデッキを選んだ理由としては、「赤単」くらいしか「Caw-Blade」と「《欠片の双子》」に対抗できるデッキを他に思い付かなかったからだそうです。そして《躁の蛮人》《四肢切断》《ゴブリンの廃墟飛ばし》がメタゲーム的に良さそうなこともあって、デッキの感触がよかったので使用にいたったとのこと。
しかし最も重要な決め手は、『「ビートダウン」デッキが好きだから』だそうで、「好きなデッキを使って勝つ」というマジックの楽しみをいつまでも忘れずに、それを実行しているというわけですね。
本人談でデッキに改善点が多くて疑問に思った方もいるでしょうが、実は本波さんは大会当日の朝に、前日に「Caw-Blade」を蹴散らしまくって日本選手権・板橋1次予選を突破した夏目拓哉さんにアドバイスをもらって、急遽自身の「赤単」デッキを「Hatred」型に作り直したそうなんです。
そのため細部までは納得のいく構成に仕上げることができなかったそうなのですが、それでプロツアー予選を突破したのですから流石の一言に尽きますね。
こちらが、その夏目さんのリストになります。
12 《山》 4 《沸騰する小湖》 4 《乾燥台地》 4 《ぐらつく峰》 -土地(24)- 4 《ゴブリンの先達》 4 《焼身の魂喰い》 4 《窯の悪鬼》 2 《ファイレクシアの変形者》 -クリーチャー(14)- |
4 《稲妻》 4 《噴出の稲妻》 4 《焼尽の猛火》 3 《投げ飛ばし》 4 《よろめきショック》 3 《槌のコス》 -呪文(22)- |
4 《呪文滑り》 3 《狡猾な火花魔道士》 4 《躁の蛮人》 3 《四肢切断》 1 《槌のコス》 -サイドボード(15)- |
《戦争と平和の剣》と《殴打頭蓋》でデッキパワーが飛躍的に向上した「Caw-Blade」。《詐欺師の総督》の登場により勢力図を塗り替えようとしている「《欠片の双子》」デッキと、「新たなるファイレクシア」のおかげで強化されたデッキはいくつもありますが、これらの赤いデッキにも要注目ですね。使わないにしろ、対策は怠らないようにしたいですね。
「ファイレクシア・スライ」
この「Hatred」は《焼身の魂喰い》の登場により構築可能となった新しいアーキタイプですが、海外では《焼身の魂喰い》だけではなく、「ファイレクシア・マナ」全般をフィーチャーしたこんなデッキも現れています。
6 《沼》 2 《山》 4 《黒割れの崖》 4 《竜髑髏の山頂》 2 《新緑の地下墓地》 1 《湿地の干潟》 -土地(19)- 4 《死の影》 4 《窯の悪鬼》 4 《焼身の魂喰い》 3 《呪文滑り》 -クリーチャー(15)- |
4 《ギタクシア派の調査》 3 《はらわた撃ち》 4 《コジレックの審問》 2 《強迫》 4 《稲妻》 3 《突撃のストロボ》 2 《使徒の祝福》 2 《投げ飛ばし》 2 《四肢切断》 -呪文(26)- |
1 《呪文滑り》 4 《精神的つまづき》 2 《強迫》 1 《使徒の祝福》 4 《喉首狙い》 3 《闇の後見》 -サイドボード(15)- |
こちらのデッキは、「ファイレクシア・マナ」の「ライフを支払う」点に着目し、それを悪用するリストに仕上がっています。基本戦略は「Hatred」と同じで《焼身の魂喰い》《窯の悪鬼》に《突撃のストロボ》と《投げ飛ばし》を絡めて一気に攻め立てる前のめりのデッキです。しかしこのデッキにはなぜか大量に「ファイレクシア・マナ」でしかキャストできないカードが投入されています。
普通の赤いデッキならば《はらわた撃ち》や《使徒の祝福》、ましてや《ギタクシア派の調査》を使う意味はあまりないのですが、このデッキはとあるカードを採用することで、能動的にライフを減らすことに意味を持たせているんです。
そう、それこそがこのデッキのキーカードである《死の影》です。ご存じの通りこいつはライフが多ければキャストしてもすぐに死んでしまうのですが、このデッキのように自らガンガンライフを減らしておけば、歴代最強の1マナクリーチャーに変貌を遂げます。
こいつを序盤から大きめのサイズで出せるだけでも、「ファイレクシア・マナ」カードには意味があるのですが、一応それぞれにちゃんとした採用理由があります。
《はらわた撃ち》はフルタップからでも《焼身の魂喰い》などを除去することができるので、相手の計算を大きく狂わせることができますし、《使徒の祝福》は除去からクリーチャーを守るだけでなく、最後の一撃を通すのにも役に立ちます。《突撃のストロボ》や《投げ飛ばし》は使うタイミングが難しいので、《ギタクシア派の調査》は事前の安全確認にもってこいの1枚です。
《呪文滑り》も除去からクリーチャーを守る、相手の《欠片の双子》を邪魔できる、呪文か能力がスタック上にある必要はありますが《死の影》のために好きなだけライフを支払うことができる、と良い事ずくめのクリーチャーです。
このアプローチは非常に面白いのですが、環境にビートダウンが少ないからこそ可能な強気な構成なので、使う際にはいつも以上にメタゲームに気を配る必要があると思います。
しかし「Caw-Blade」や「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」ばかりのメタゲームならば、このデッキを使う絶好の機会と言えるでしょう。
「青黒プレインズウォーカーコントロール」
5 《島》 3 《沼》 4 《闇滑りの岸》 4 《水没した地下墓地》 4 《忍び寄るタール坑》 4 《墨蛾の生息地》 -土地(24)- -クリーチャー(0)- |
4 《永遠溢れの杯》 3 《呪文貫き》 4 《マナ漏出》 4 《伝染病の留め金》 4 《テゼレットの計略》 3 《不気味な苦悩》 4 《転倒の磁石》 1 《伝染病エンジン》 4 《精神を刻む者、ジェイス》 4 《ボーラスの工作員、テゼレット》 1 《解放された者、カーン》 -呪文(36)- |
3 《強迫》 2 《瞬間凍結》 3 《喉首狙い》 3 《記憶殺し》 1 《決断の手綱》 3 《黒の太陽の頂点》 -サイドボード(15)- |
決勝で惜しくも本波さんの「Hatred」に敗れてしまったものの、2位という好成績を収めたのが増野さんの「青黒プレインズウォーカーコントロール」です。
《永遠溢れの杯》《転倒の磁石》《精神を刻む者、ジェイス》《ボーラスの工作員、テゼレット》、そして僕の愛する《解放された者、カーン》を「増殖」していくのが基本戦略となります。
「増殖」の申し子である《伝染病の留め金》と《伝染病エンジン》はもちろんのこと、そこに新戦力である《テゼレットの計略》と《不気味な苦悩》が加わったことで、以前よりも「増殖」をスムーズに行えるようになっています。
《テゼレットの計略》は、《着実な進歩》とは一体何だったのかと小一時間問い詰めたくなるような性能を持っていますよね。「ファイレクシア・マナ」を駆使すれば3マナで唱えられるのですが、このデッキはちょうど3マナのアクションが少ないので、そういった意味でもこのデッキに良くフィットしていると思います。
人伝に聞いた話ではあるのですが、「Caw-Blade」には相性がいいとのことです。実際にやってみないと分からないところが多いですが、Magic Onlineに「新たなるファイレクシア」が入ったら真っ先に使ってみたいデッキですね。
「同盟者」
6 《平地》 1 《山》 4 《銅線の地溝》 4 《剃刀境の茂み》 3 《陽花弁の木立ち》 2 《根縛りの岩山》 4 《乾燥台地》 -土地(24)- 4 《ハーダの自由刃》 4 《アクームの戦歌い》 4 《オラン=リーフの生き残り》 4 《カザンドゥの刃の達人》 4 《カビーラの福音者》 3 《ファイレクシアの変形者》 3 《城壁の聖騎士》 -クリーチャー(26)- |
4 《稲妻》 4 《テゼレットの計略》 2 《無傷の発現》 -呪文(10)- |
4 《コーの火歩き》 2 《二股の稲妻》 3 《焼却》 3 《帰化》 3 《安全な道》 -サイドボード(15)- |
1年前ほどはよく見かけた「同盟者」デッキなんですが、これもまた、「ファイレクシア・マナ」の恩恵を十二分に受けたデッキです。《ファイレクシアの変形者》、そして《テゼレットの計略》がそれにあたります。
このデッキには青マナ源が入っていないので、これらのカードは「ファイレクシア・マナ」でしか唱えられませんが、《ファイレクシアの変形者》は3マナで戦場にいる最も強い同盟者になれますし、《テゼレットの計略》は息切れを防ぎつつ、自軍のクリーチャーを強化してくれる優良スペルです。
第53回の連載で紹介した、ナック(中村修平)さんの「増殖にはカード1枚分の効果がある」という言葉を超えて、このデッキの増殖にはカード2~3枚の効果があると言っていいでしょう。
「同盟者」デッキは最近ではあまり見かけないので、このデッキがどのくらい強いのかを知らないみなさんも多いかと思われます。1ターン目に《ハーダの自由刃》が出た試合にはほとんど勝てるほどの爆発力を秘めているデッキで、そのまま流れるように同盟者を唱え続ければ、4ターンキルすらも可能です。同盟者側が先手だと《審判の日》すら間に合わない驚異のスピードで、一度サイズが大きくなり始めると、《稲妻》のような単体除去も効きづらくなるので、これらに対処することは難しくなります。
ではなぜあまり使われないかと言いますと、大きく分けて理由は三点あります。
ひとつは安定性の低さにあります。「同盟者」デッキを組もうとすると、2色ではトーナメントレベルの軽い同盟者が少ないので、必然的に3色以上になります。そのせいでマナベースには常に不安を抱えるデッキになってしまいますし、仮に5色にしようとも、このデッキの勝率を劇的に変えるはずの1マナ域は《ハーダの自由刃》しかいません。色選択云々ではなく、他に1マナ域が無い以上、これは仕方のないことです。
二つ目は最初の理由と微妙にリンクしているのですが、それは同盟者がキーワード能力であることです。もっとかみ砕いて言うと、「同盟者」と書かれたカードはなかなか印刷されることがないので、新しいエクスパンションが出ようとも、このデッキを強化してくれるカードが少ないんです。
そのため、1マナの同盟者が無いという事実は、今後しばらく変わることはないでしょうし、それ以外の同盟者も登場しないと思われます。今回のように《ファイレクシアの変形者》や《テゼレットの計略》のような別角度からこのデッキを強化してくれるカードの登場はありえますが、単純に「同盟者」カードが追加されないというのは、このデッキにとって最大の問題点です。
そして三番目はクリーチャー主体のデッキであること。クリーチャーデッキというのは、マジックの中でも比較的対処が簡単な部類に入ります。端的に言えば除去をめいっぱい入れるだけで勝てますし、もしも環境に除去が溢れているような状況では、このデッキで勝つのは難しいということです。しかし今はかなり除去の総数が減っているので、これはあまり大きな問題には感じませんね。
上記ふたつの問題は自分の力で改善することは難しいですが、最後の課題に関して言えば、現在はクリアーになっていると言っていいので、クリーチャーデッキがメタられていない今のようなメタゲームこそ、「同盟者」デッキの使用を考慮してみてください。
「今週の一押し」~「Soul Sisters」
8 《平地》 4 《氷河の城砦》 1 《金属海の沿岸》 4 《カビーラの交差路》 3 《微光地》 3 《地盤の際》 -土地(23)- 4 《セラの高位僧》 4 《魂の従者》 4 《縫合の僧侶》 4 《アジャニの群れ仲間》 4 《レオニンの遺物囲い》 4 《石鍛冶の神秘家》 3 《戦隊の鷹》 3 《呪文滑り》 4 《ファイレクシアの変形者》 -クリーチャー(34)- |
1 《肉体と精神の剣》と 1 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(3)- |
2 《呪詛の寄生虫》 2 《コーの火歩き》 1 《呪文滑り》 3 《精霊への挑戦》 2 《神への捧げ物》 3 《清浄の名誉》 1 《迫撃鞘》 1 《饗宴と飢餓の剣》 -サイドボード(15)- |
16《平地》 4 《微光地》 2 《カビーラの交差路》 -土地(22)- 4 《セラの高位僧》 4 《魂の従者》 4 《縫合の僧侶》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《アジャニの群れ仲間》 4 《審問官の総督》 4 《レオニンの遺物囲い》 4 《ファイレクシアの変形者》 2 《微光角の鹿》 -クリーチャー(34)- |
1 《迫撃鞘》 1 《肉体と精神の剣》 1 《戦争と平和の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(4)- |
3 《忠実な軍勢の祭殿》 3 《精霊への挑戦》 3 《天界の粛清》 2 《神への捧げ物》 2 《屈折の罠》 2 《ギデオン・ジュラ》 -サイドボード(15)- |
先週「一押しテク」として紹介した「無限ライフ」システムを組み込んだデッキが早速結果を残していたので紹介させていただきます。上のリストは惜しくも9位に終わったもので、下のリストは「Soul Sisters」を世に送り出した張本人と言っても差し支えのないConely Woodsの新作です。
先週紹介した通り、どれほど膨大なライフを得ようとも、「《欠片の双子》」コンボの前には無力なので、9位のNeilさんはそれを改善すべく《呪文滑り》を投入しています。《呪文滑り》は「無限ライフ」コンボ成立を邪魔してくる除去をかわすのにも役立ちますし、納得の採用ですね。
どちらも《石鍛冶の神秘家》パッケージを採用していますが、「無限コンボ」しか勝ち筋がないと相手にプレッシャーをかけられないので、これまた納得の採用と言えます。Neilさんのリストは「Soul Sisters」に必要なパーツに《石鍛冶の神秘家》パッケージと《呪文滑り》を加えた分かりやすい構成になっていますが、Woodsのは流石と言いますかなんと言いますか、やはり彼のセンスが光るカードチョイスが目を引きます。
Woods自身の解説によると、《微光角の鹿》は主に《ギデオン・ジュラ》対策と、コンボの手助けがメインの役割だそうです。
「相手が《ギデオン・ジュラ》のプラス能力を使って安心しきっているところにブッ刺さるぜ!ハッハー!」
「《魂の従者》→《ファイレクシアの変形者》→《レオニンの遺物囲い》という順番で引いてしまった場合でも、《微光角の鹿》で《ファイレクシアの変形者》を追放すればターン終了時に「無限ライフ」を獲得することができるぜー!」
他にも「生体武器」を持つ《迫撃鞘》と《殴打頭蓋》を再利用したり、相手のパーマネントを追放すればテンポが良いとのこと。
《審問官の総督》についてはノーコメントだったので、全く用途が分かりませんでした。素直に《戦隊の鷹》にしてもいいかもしれませんね。
とにかくクリーチャーデッキには滅法強いこのデッキ。「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」なんかにも「無限」ライフを決めればそれだけで勝てるでしょうし、まだまだデッキに伸びしろがありそうなのも高評価です。
今週のデッキ解説は以上になります。最後にメタゲームを少しだけチェックしてお別れしましょう。
~「新たなるファイレクシア」加入後のメタゲーム~
とにかく「Caw-Blade」ありきの現状です。「《欠片の双子》」は、序盤に結果を残したことも含め、インパクトが強すぎたようで、メタられすぎたせいか今週はなりを潜めてしまいました。
それもあって「Caw-Blade」の独走状態に戻ってしまった感がありますね。今のメタゲームを非常に分かりやすくするとこうなると思います。
Tier1
- 「Caw-Blade」
Tier2
- 「赤緑《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》」
- 「Hatred」
- 「青緑赤Turboland」
- 「《欠片の双子》」
- その他...
残念な現状ではありますが、これが現実です。そのため、どんなデッキで予選に出るにしろ、少なくとも「Caw-Blade」とだけはちゃんと調整をしておきましょう。
特に「Caw-Blade」のミラーマッチはデッキ構築とプレイング次第で結果が変わると思うので、使用者の腕の見せどころです。大げさでもなんでもなく、本当に僅か1枚や2枚の差が響いてくるマッチアップですし、プレイングに関しても、マリガンの選択や《石鍛冶の神秘家》のサーチの仕方など、実に難しいマッチアップですからね。
来週にはようやくMOにも「新たなるファイレクシア」が入るようなので、再来週の記事までには僕も実際に調整をして、その成果をお届けできればと思います。
それでは、また来週ー!
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