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Savor the Flavor
プレインズウォーカーのためのイニストラード案内 ガヴォニーと人間
プレインズウォーカーのためのイニストラード案内 ガヴォニーと人間
Magic Creative Team / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
2011年9月28日
ガヴォニー州は人類が最も安全に、かつ最も堅固に生き残っている地であり、この次元最大の都市スレイベンの位置する所でもある。スレイベンはアヴァシン教会を擁し、失踪前にはその大天使自身が居を構えていた。より小規模な都市はスレイベンから放射状にガヴォニーの岩がちな荒野へと広がっている。小さな雑木林がゆるやかな丘と荒れ野の風景に点在している。どこよりも多くの人間がここには埋葬されているゆえに、ガヴォニーは他の州よりも多くのアンデッドに悩まされている。そして同様に幽霊も他の州よりもありふれている。
《平地》 アート:Adam Paquette |
高地都市スレイベン
スレイベン市は、岩山の間を流れた水が集まり、巨大な滝として流れ出す白鷺湖の中央に位置するどっしりとした台地の上に鎮座している。台地の東端は滝の上に突き出しており、アヴァシン大聖堂はこの劇的な先端の上に建っている。
スレイベンはイニストラードの既知の土地において最大の都市である。アヴァシン教会の所在地であり、城壁の都市として建造され、様々な堡塁が超自然の脅威を水際で防いでいる。より小規模な開拓地が絶えず怪物たちの包囲下にある一方で、スレイベンの内部と大聖堂はイニストラードで最も安全な地帯であり、それは時折教会の司教たちへと、外の世界がまさにどれほど危険かという歪んだ見地を与えている、
Steve Belledinによるコンセプト・アート |
スレイベンの城壁は堡塁と防衛線の複合構造からなる。より古い城壁の残骸は崩れてその効力を失っている。だが古い城壁は今も市を地区ごとに区分けし、いくつかは刑法的、もしくは儀礼的な機能を担っている。
外部城壁
スレイベンの主要な防御を担う。厚く、高い壁が都市の外縁を囲んでいる。教会は数度、都市があまりに混み入るのを防ぐために壁の拡張を承認してきた。
商人の城壁
組合の集会場が集まって、重要な商業地区を構成している。スレイベンの商業の中心地である。
子供の城壁
大聖堂を囲む内部城壁である。外部城壁に匹敵する程強固に、そして同じくらいに高くそびえている。子供の城壁は長い都市月のあいだ作り変えられてきていない。その壁にはイニストラードで生まれたあらゆる子供の名が彫られている。多くの親は子供の誕生から何年か経つと壁へと巡礼の旅をする。壁に彫られた名が、子供の人生に守りをもたらしてくれると信じて。
牙の城壁
狼男が捕らえられると、彼らはこの壁の前で処刑される。そして彼らの牙は引き抜かれて石の割れ目の間に押し込められる。
冷血の城壁
吸血鬼が捕らえられると、彼らはこの壁に繋がれて飢え死にするまで放置される。
《修道院のグリフィン》 アート:Jaime Jones |
アヴァシン大聖堂
三つの翼、そして回廊、中庭、専門学校、鍛冶場からなる組織網を擁する巨大な聖堂である。手入れの行き届いた庭園と聖戦士たちの重要な訓練所が存在する。スレイベンの外では、教会は非常に粗野なもので、でこぼこの木の板で作られ、たいていは一つの部屋しか存在しない。対して大聖堂は絢爛豪華なものである。
翼の間は三角形をした庭園であり、高い壁によって見えないようになっている。ほとんどの人々は庭園の存在を知らない。最も権威のある司教たちだけが庭園へと踏み入ることを許されている。
大聖堂の構造は世界の富めるものと貧しきものを象徴的に隔てている。それぞれの階級に選定された礼拝の場所が存在する。
高貴なる仲間の礼拝堂
高位の聖職者と上流階級の肩書を持つ人々のための、華やかできらめく礼拝堂。
普遍の広間
司祭が認めた者たちと下位の聖職者たちのための、より大規模な、華やかさには欠ける広間。
公共回廊
普遍の広間の縁に沿う屋根のある廊下であり、礼拝の際に庶民が立つ。特定の聖日のみ、庶民が大聖堂へと立ち入ることを許される。
一見して、中庭は果樹が立ち並び、端正に手入れされた金と白の花が咲く華麗な庭園のようである。庭園の中心に木々はなく、興味深い物体が置き去りにされている。冥界の丸天井である。
《解放の樹》 アート:Vincent Proce |
冥界の丸天井
冥界の丸天井は、アヴァシン大聖堂の庭園内部に垂直に立つ巨大な銀塊である。その表面はざらざらで精製されておらず、黒ずんだ漆喰の細い脈が表面に枝分かれしながら広がっている。
カーク川
この幅広い、流れの早い川はステンシア山脈を源流としている。その濁った水は白鷺湖へと流れこんでいる。高い波は堤防にかかり、深さは数百フィートにも及んでいる。巨大な海蛇やその他クリーチャーが白鷺湖の深淵に潜んでいると言われている。白鷺湖はカーク滝として知られる2000フィート以上の高さの滝となるまで、およそ20マイルの長さにまで伸びている。
《島》 アート:Jung Park |
月の声
イニストラードでは、他の次元と同様に月が潮流を支配している(川の流れや他の水面も同様に)。カーク川は白鷺湖に流れ込み、カーク滝を過ぎて海へと至る。滝を通過する水の絶え間ない轟音、そして高地からやって来る水の量には季節によって異なるリズムがある。大聖堂の地は霧の絶え間ない飛沫を受けて瑞々しく、また肥沃である。
《幻月》 アート:Ryan Yee |
月の詠唱者
この変化するリズムに従って祈祷を捧げる聖職者の宗派は、月とのより深い繋がりを得ることができると信じている。教会の他の者達は月の象徴的力ではなく、アヴァシン自身と交信することができると信じて祈祷を捧げる。
熾天使の白布
滝からやって来る霧は、重く長い白布の横断幕によって集められる。そこから絞った水は聖なるものとされる。だが水が絞り取られても、その白布はまだ魔法的特性を持っている。スケイベレンたちは彼らの創造物であるアンデッド、スカーブへと特別なスタミナを与えるために、それらの白布を奪おうとしている。
ガヴォニーの地理
スレイベンはガヴォニー州の北端に位置している。イニストラードにおける、城壁を持つ最大の都市である。とはいえネファリアの港町の一部のほうが人口密集度は高い。スレイベンの住民は主に聖職者、商人、そして職人からなる。教会の影響のもと、都市は高い清潔さと秩序を維持している。民兵が常駐し、教会は道路を清潔に保つべく労働者たちを雇っている。公共の庭と墓地は手入れされ、通りのがらくたは片付けられている。物乞いは厳しく禁止されており、夜間の外出は民兵によって処罰される。いくつかの救貧院がスレイベンの主たる城壁のすぐ外にあり、また教会は貧困者を定期的に港へと連れて行く「キャラバン」を後援している。そこでは表面上、彼らはより容易く簡単に雇用や商いの仕事を見つけることができるとしている。
《断崖の避難所》 アート:John Avon |
ガヴォニーの教区
教区とは教会が使用している行政上の呼称である。ガヴォニーにはスレイベンを含む五つの教区が存在する。ニアヒースと呼ばれる地域には三つの教区、ヴィデンズ、ウィッタール、エファレンが含まれる。ムーアランドとして知られる地方は同じ名を持つ単独の教区であり、とはいえ他の教区の四倍以上の広範囲に及ぶ。各教区には多数の司祭、礼拝堂、そして小規模な祭壇がおかれている。
ニアヒース
スレイベンの城壁から数マイル南に、中規模の街がいくつか存在する。この地域がニアヒースと呼ばれており、主に職人と農民が居住している。スレイベンから程近いことから、それらの街には多くの保護が与えられている。ほとんどの街はグールの攻撃やその他の脅威に備えて砦か城壁を持っているが、そこから遠く離れた農場もまた多く存在する。ニアヒースはいくつかの教区からなる。
ヴィデンズ
ぶどう園と、城壁を巡らせた地所のある小さな城郭が点在するゆるやかな丘からなる地域である。カーク川がこの地域を貫いて流れている。
ウィッタール
ガヴォニーの最も深い森林地帯である。近隣の教区では老齢の松の木が落葉樹の森の成長を妨げている中、規模は小さいながらここの森は深く暗い。悪名高い人狼スカハーラと彼女のリーラグの群れがこの地域を徘徊しており、今現在森はとりわけ危険なものとなっている。
エファレン
ガヴォニーで最も岩がちの地域である。物騒な吸血鬼たちが教区の周辺を「運動」と称して食い物にしている。
ニアヒースの主たる村二つがエストワルドとハンウィアーである。エストワルドはガヴォニーと一部のウィッタール教区における木製品生産の中心地である。ハンウィアーはガヴォニーの貴重な農業地帯である。そこには最大の青空市場があり、家畜が取引されケッシグの罠師たちは彼らの商品を持ちこむ。ハンウィアーはヴィデンズ教区の中にあり、カーク川が村を貫いて流れている。賑やかな船着き場では物資が他の州から運び込まれ、馬や荷車でスレイベンへと輸送される。
《ハンウィアーの砦守り》 アート:Wayne Reynolds |
ムーアランド
ニアヒースを過ぎるとムーアランドである。これは他よりも荒れ果てたままの地域であり、狼の霊とさまようスピリットの噂で満ちている。ムーアランドに木はほとんどなく、地面は粗末な草、シダ、紫色の矮性低木で覆われている。丸石と立岩が点在し、この地方は絶え間ない霧に包まれているように見える。またこの地方は幽霊であふれていてその多くは危険であり、旅人は絶えず彼らからの危険にさらされている。この地方をさまよう他のものも同様に危険である。
ギサとゲラルフ
かつてムーアランドには現在よりも多くの街があった。敵対し合う二人の死霊術師、極めて正気でない兄妹が近年この地方を移動している。兄妹は高貴な一族の御曹子であり現在の月皇の遠い親戚であった。彼らは、もみ消されたとある醜聞によってスレイベンから追放された。それ以来彼らはムーアランドを徘徊し、アンデッドの軍隊を立ち上げて互いに戦争を行ってきた。彼らの戦いはムーアランドの多くの住人をニアヒースへと移動させることになり、以前よりもさらに荒廃したこの地方が残された。今や、ギサとゲラルフの狂気の大戦争から見捨てられた遊び道具、無法のグール達が荒れ野を自由にさまよっている。
トロスタッド
かつてはケッシグとの州境に位置する罠師の村であったが、完全にゲラルフと彼の創造物であるアンデッドによって蹂躙された。彼の妹は絶えず村を包囲攻撃していたが、兄を上回る以外の目的は何もないように見えた。ゲラルフにはより壮大な野望があり、アンデッドの軍隊をニアヒースへと送り込んでは村々を略奪している。
《ガヴォニーの居住区》 アート:Peter Mohrbacher |
墓所
ガヴォニーにはイニストラードの他のどこよりも多くの墓所が存在する。特にスレイベンには多くの霊廟、墓地、貧困者の埋葬所さえも存在する。何故ならイニストラード中から人々が死体を持ちこみ、聖なる都市のそれとわかる安全地帯に埋葬するからである。死者のアーチと呼ばれる門があり、そこを通って巡礼者たちは愛する者の身体を都市へと運びこむ。
《神聖を汚す者のうめき》 アート:Nils Hamm |
祝福されし墓所
スレイベンには祝福されし墓所として知られる埋葬所専用の街区がある。エルゴードの兵士の厳重な警備のもと、墓石と霊廟が格子状に並んでおり、園芸家たちによって手入れされた木々と花々が墓石の周りに咲き続けている。またスレイベンでは公園に相当する場所がある。人々は休養のためにそこを訪れ、親族たちが祝福されし眠りを過ごしているその場所で寛ぐ時間を過ごすことに重きを置いている。
エストワルドの殺人
近年最も悪名高い事件の一つが、ウィッタール教区で起こった一連の殺人事件である。イニストラードで殺人は珍しくもないが、これらの死に様はとりわけ酷いものだった。その殺人者は同じ犠牲者のずたずたになった身体の一部を、様々な礼拝堂や司祭の家にそれぞれ残していった。教会はセディスという高名な審問官を送り込んだが、彼は同じ流儀の死体となって発見された。彼の頭はスレイベンの外部城壁近くの駐屯所の上に乗せられていた。追加の審問官と聖戦士の一団がその一帯へと送られ、最終的にその殺人は新たに現れたリーラグの狼男の群れの仕業であり、陰惨な残り物を使用して縄張りを主張していたのだと断定した。部隊はまだそこに駐留している。森から狼男たちを引っ張り出すことはできていないが、それでも彼らは殺人を押し留めている。
人々の日々の生活はその階級によって劇的に変化する。裕福な一家や聖職者は快適で安全な中に暮らす。特にスレイベンの聖職者には、必要なもの全てが教会から与えられる。中流階級、職人と商人たちもまた非常に快適な暮らしを営んでいる。だが労働者階級と農民たちの寿命はずっと短い。彼らは世界の暗黒に棲む者たちから、より多くの危険にさらされている。そして同様により多くの病気や飢餓に苦しんでいる。司教が70歳近くまで生きるにもかかわらず、農民の平均寿命は40歳程である。
Steven Belledinによるコンセプト・アート |
安全はイニストラードにおける主要な取引対象である。裕福であればあるほど、自身を安全に保つことができる。スレイベンの高い城壁は中に住まう裕福な者達を守っている。ガヴォニーで地位のある一家は要塞化された荘園の館を所有する。対して農民達はその家屋を木の壁で防護しなければいけない。
肉体的安全の欠如から、貧民は収入の多くを魔法や非肉体的防御に費やす。納税は全ての者の義務であり、教会はあらゆる祝福と呪文に少々の手数料を課している。無人の小さな祭壇にさえ、支払いが望まれる。そして多くの信心深い者達は、誰がそれを強制しなくともこつこつと支払う。貧困層がその信心を示すために課せられる金額について、不満が存在するのは意外なことではない。この不満はアヴァシンの祝福の効力が減少するにつれ、劇的に増加している。
Steve Prescottによるコンセプト・アート |
共同体
ガヴォニーの人間たちの中において、また他の州においても同様に、共同体意識は非常に強固なものである。教区の教会が力を持つゆえに、ガヴォニーでは他の州のように小さな祭壇と交差路の礼拝堂はありふれたものではない。教区の教会はガヴォニーのあらゆる共同体における信仰の場である。ほとんどの人々は週に数度礼拝し、多くの人々が安全の祝福を得るために毎日教会のそばを通って行く。
Richard Whitters と Steve Prescottによるコンセプト・アート |
旅行
ガヴォニーの道は北部四教区においては最良のもので、ムーアランドでさえも必要充分なものとなっている。スレイベンとニアヒースの間では道案内の兵士を容易に雇うことができる。もし昼間の間に旅をすることができるなら、そのような案内は通常は不要である。
知っておくべきいくつかの用語
礼拝堂
礼拝のために用意された様々な広さの壁に囲まれた空間である。イニストラードの交差路沿いには多くの礼拝堂が建てられている。大抵はその管理をする聖職者が駐在している。礼拝堂は時折、旅人たちのための簡易宿泊所の役割を務める。
教区
国に相当する。各教区にそれぞれの礼拝堂がある。
交差路
イニストラードの道路の名称。ほとんどは馬と荷車のためのただの土の小道である。
交差路の祭壇
野外で見かける、交差路沿いの屋根のない祭壇である。
《スレイベンの歩哨》 アート:David Rapoza |
防衛
人間たちの間で、戦いの腕前は高い価値をもつ。聖戦士、とりわけ審問官たちは大いに崇められている。より貧しい家庭では子供たちがエルゴード庭園での訓練を受けられるよう熱心に時間を割く。とはいえ子供たちが魔法の才能を見せた時は、彼らは両親の身分に関係なくファル神学校に受け入れられる。
《忌まわしきものの処刑者》 アート:Anthony Palumbo |
アヴァシン教会
何故世界に邪悪が存在するのか。それはイニストラードでは全くもって問いにはならない。悪は常に存在し、変わると考えている者は誰一人存在しない。吸血鬼、狼男、ゾンビ、スピリット、悪魔。それらは世界の自然の秩序の一部である。人間たちは常に暗黒の勢力と戦ってきた。そして善と悪との戦いの中で窮地に陥った。現在、人類という種の存続の見込みは全くもって厳しいものになりつつある。
祝福されし眠り
イニストラードの住人達にとって、良い人生の終着点は永遠の生を探し求めることではなく、安らぎに満ちた「眠り」を死後に得ることである。イニストラードではしばしば起こるような、苛まれしスピリットや切断された屍、もしくは不死の忌まわしきものと化すのではなく、平穏な忘却、もしくはあらゆる存在との融合。祝福されし眠りは高潔で用心深い人生の報酬であると考えられている。「貴方が大地で永遠を過ごしますように」はこの次元の人々のありふれた祝福の言葉である。
《墓場の浄化》 アート:Drew Baker |
神学的基礎
アヴァシン教会の信仰は現に働いているが、常に成功する一定の方式というものは存在しない。神秘的な誓言を正しい組み合わせで口にすれば防護魔法となるが、日によってそれは他の日よりもよく機能する。そして時折その防護魔法が防いでいる邪悪は通常よりも強力なものとなる。護法と祝福の不安定さから、教義を越えた意見の相違が生まれた。とはいえ今もまだ教会はただ一つであり、正しく物事を成すやり方について、意見の不一致を越えて各宗派が生まれた。教会の目的は安全であり、完璧ではない。人間たちは死ぬまで手頃な安全の中で生き、そして墓の中で平穏に過ごすことを望む。火葬は禁止されている。それは休むことのない怒れるスピリットを生み出すと信じられているからである。
アヴァシン教会には天国と地獄という概念は存在しない。イニストラードの人間たちは生前の行いの報酬としての素晴らしい死後の世界を信じていない。そして地獄に相当するのは全くもって文字通りに、デーモン達が棲む大地の裂け目そのものである。アヴァシンは世界の悪を滅ぼすような、また全ての人々に完璧な人生をもたらすような存在としては期待されていない。むしろ彼女は安全と庇護の源なのである。信心深い者にとって彼女は、何か悪いことが起こる前に常に世界の一部であり続けるそれら悪を退ける助けを必ず求めに行く権威である。
Wayne Reynoldsによるコンセプト・アート |
教会と州
イニストラードにおいて、教会と州は深い相互依存の関係にある。事実上その二つは離れられないものである。地域の政治は教会の力を頼って秩序を保ち、また公共の安全を維持している。しばしば高位聖職者、教会によって定められた弁護士と裁判官によって法規が定められる。あらゆる教育は教会によって指揮されている。とはいえ異なる宗派が時折それぞれの学校や訓練所を創設する。商人と職人を除くあらゆる職業は教会の一部である。とはいえ商人と職人たちも教会から認可を受けた組合によって統治されている。
教会の階級制度
アヴァシン
大天使アヴァシンは人類の崇拝対象である。彼女はあらゆる防護的な魔法の源であり、季節を統制し、長く寒い狩人月に終わりをもたらすと信じられている。アヴァシンの信者はアヴァシニアンと呼ばれる。彼らの教会がアヴァシン教会、もしくはアヴァシニアン教会である。
アヴァシンの天使
大天使アヴァシンには彼女に仕える天使達の群れがいる。
空翔ける黄金の夜
これらの天使たちはアヴァシン自身とは対照的に、太陽に関連づけられている。収穫月の季節の間、年に一度だけ太陽が二日間ずっと地平線に沈まずにいる時があり、その間は月が不可視となる。それは黄金の夜の饗宴として知られ、人類にとって最も聖なる日である。イニストラードの至る所で、アヴァシニアンの魔法が最も力を持つ時である。
空翔ける雪花石
これらの天使たちは祝福されし眠りの化身であり、狩人月の季節に関連すると考えられている。彼らは死者への冒涜に対する護法魔法を与えてくれる。
空翔ける白鷺
これらは誕生と清純を司る天使であり、新月の季節に関連すると考えられている。彼らの魔法は雪花石の天使たちのそれ、死者を害するものからの護法とは対照的に、生きている間の危害から守ってくれると言われている。
《天使の監視者》 アート:Jason Chan |
聖職者たちの階級
月皇
教会の長、司教の評議会から選ばれる地位である。現在この地位はミケウスという名の男性が務めている。彼は教会の力が弱まった背後にある原因を必死になって探し求めている。
司教
聖職者たちの階級の最高位である。彼らはスレイベンの大聖堂に住まい、スレイベン評議会のメンバーとして教会の主要部を統治している。
市長
時に長老とも呼ばれるこの地位は教区の政治的指導者である。彼もしくは彼女は行政上・宗教上の義務を負うが、日々の施政は司祭たちに任せている。
司祭
司祭たちは教会を監督し、教区民の要望を聞き入れる。彼らは全員マナを使い呪文を織るが、技能の熟練具合は様々である。
モンク
これら放浪の司祭たちは最下層の聖職者である。何人かは教会によって認可され、荒野の中で孤独に生きる人々を探し求めている。だが多くはもはや公式の階級組織の中はなく、不適切な言動や誤った教義の強制によって追放された狂信者たちである。
Steven Belledinによるコンセプト・アート |
聖戦士
月鍛冶
祝福された武器はアヴァシニアンの魔法の重要な要素であり、これらの聖職者たちが武器製作の技を習得している。特定の敵に対して魔法的効力を持つ武器を製作するためには、鋳造過程の間に確かな祝福を確かな回数だけ唱える必要がある。銀鍛冶たちは銀に強力な魔法、特に獣人に対する魔法を吹き込むその難しさから非常に敬われている。
審問官
審問官たちは教区が吸血鬼や悪魔からの著しい問題を抱えている場合、助けとなるべく雇われる者たちである。
教区の刃
教区に駐屯する聖戦士たちであり、道沿いの護衛やスレイベンの大聖堂を守る役割を務める者たちでもある。これは教会に規定された軍隊であり、聖職者たちの要求に応じていつでも召集される。
ルーン唱え
ルーン唱えは武器を含む物質的な対象に祝福を刻み込むことを専門とする聖職者たちである。剣から斧、子供の玩具に至るまであらゆる物にその所有者を保護する言葉が刻まれている。最良のルーン唱えは狭い空間にそれらの祝福を何百も詰め込めるほどに小さく書くことができる。
Wayne Reynoldsによるコンセプト・アート |
プレインズウォーカーのためのイニストラード案内 目次
- 序説
- ガヴォニーと人間
- ケッシグと狼男
- ネファリアとアンデッド
- ステンシアと吸血鬼
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