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マジックの独自クリーチャーたち
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マジックの独自クリーチャーたち
Doug Beyer / Translated by Mayuko Wakatsuki / Translation-Supervised by Yohei Mori
2011年8月10日
分類学的に。うん、今日我々は危険なことをしようとしている、そう君は言うかもしれない。何故なら我々は物事を副詞で始めようとしている。分類学的に。マジックでは生物を属や種よりもずっと大まかに、クリーチャー・タイプで分けている。我々は、ある種が他のそれとは違う特定のものであることを決めているのは何なのかという、近代科学的な定義に関心を持っているわけではない。例えばそれらは生殖的に独立しているのか、それとも自然に雑種を作るベイロスの個体群なのかというふうに(だがその場合、我々は開発部においていくつかの奇妙な話し合いに入る)。これはファンタジーだ。我々はDNA鑑定や個体群調査を求めはしない。我々はただ知りたいだけだ、それはドレイクのように飛び、ドレイクのように稲妻呪文に打たれるのか? ならばそれはドレイクだ。
だがそれは、我々は判断基準を持っていないということを意味するものではない。ああ、我々のイカしてマッドな判断基準。クリエイティブ・チームにやって来て働くことは、カルト集団に加わることに少し似ている。暗記すべき奇妙で古風な多くの内規、内密で率直な気恥かしい握手、そしてオタリアに生息するワームのあらゆる特質についての朗唱文(本物のうなり声で完了する)。クリーチャー・タイプを識別するために、我々には魔道書いっぱいの規則がある。これらは伝統的なファンタジーのクリーチャー達を、我々の期待するような感じに保つ手助けをしてくれる。だけどその規則はまた、マジックに特有なそれらクリーチャー達の独自性を保持する手助けもしてくれる。
マジックは独自により合わさったファンタジーのジャンルだ。基本セット2012やファンタジーの象徴を含んだ他の基本セットで議論してきたように、マジックのクリーチャーの多くは神話やファンタジーの伝統から拝借してきたものだ。ドラゴンやエルフといったクリーチャーは何世紀にも渡って人々の文学の一部となってきた。だが多くのクリーチャーがマジックの境界線の中で生まれてきた。私は基本セット向けの古典的なファンタジーのクリーチャー達を心に留めてきたのと同じくらい、マジック限定クリーチャー達、マジックのスタイルや、マジックがスタンダードなファンタジーとは違うことを象徴している者達をとりわけ愛している。
マジック限定クリーチャーになるにはどうすれば? グラクシプロンやグルーディオン等、マジックには一度限りの変わり者クリーチャーが沢山いる。だけどそれらは今日私が言おうとしている地位への道を獲得していない。例えばスリヴァー達はマジックの多元宇宙独自の大黒柱であることを証明してきた。ブラッシュワグは違う。だから、マジック所属の中で独自のクリーチャーであることを意味する、いくつかの根拠となる規定を並べることから始めさせてほしい。この記事で意図する限定クリーチャーの資格を得るには、以下の三項目を満たす必要がある。
1. マジック特有であること。我々はたぶん君達の典型的なファンタジー資産よりもずっと多くのドレイクやスペクターを扱っているが、ここではマジック限定のクリーチャーに注目していく。他のファンタジー世界にも猫人(我々がしばしばレオニンと呼ぶ)やメドゥーサ(我々がゴルゴンと呼ぶ)は居る、例えそれら象徴的存在を我々独自に解釈した者達がいたとしても。今日はオリジナルのものだけの話だ。
2. 特徴的な外見を持つこと。基準を満たすために我々は、そのクリーチャーがどういうものであるのかという特徴の一式を決定する必要がある。それはたいていが外見的特長に関してわかりやすく書かれたものだ。何に見えるのかを我々が判断できないのなら、そいつは限定部屋の仲間になるにはまだ早いってことだ。
3. 2つ以上のブロックに登場していること。これは思わぬ不利な点だ。我々は様々な状況の中に戻ってきてくれるクリーチャーを必要としている。これは最も説得力のある必要条件だ。君たちサルタリー、スパイク、ビーブルは蹴り出される。彼らは自分達が作られたブロックの中で派手に活躍したかもしれないが、まだ彼ら自身がマジックというゲームに居座っていると証明してはいない。
誰が限定部屋に入っていて、誰がもう少しで入るのかを見る準備はいいかな?
スリヴァー:入っている
《筋力スリヴァー》 アート:Steven Belledin |
スリヴァーは目のない尖った頭、一本の鉤爪、そして蛇のような身体を持つ。彼らは堅固な群れを成すというメカニズム的独自性を持ち、それは忠実に守られ続けている。我々が70種以上の彼らに与えてきたルールテキストは著しく似通っている。その深いデザインスペースは、彼らの種族は5色全てに分布しているという事実に助けられてきた。そうかと思えば、彼らの一貫性は力強いものだ。スリヴァー達はとても外見的に一貫している。彼らがどう見えるか、新たな方向性を見つけるのが困難なほどに。技術的に彼らはドミナリア次元から遠く離れることはないが、彼らは十分に異なる複数のブロックに登場している。彼らがここに加わるとみなすのは理にかなっている。スリヴァーは今回の記事で私が何を話そうとしているかを表す優秀な例だ。時たま我々が呼びもどすことができる、マジック特有のクリーチャー。間違いなく、我々のマジック限定クリーチャー部屋の輝くスターだ。
ベイロス:入っている、もしくは惜しい
《超大なベイロス》 アート:Mark Tedin |
我々がベイロスに初めて出くわしたのはオンスロート・ブロック、ドミナリアの一地域オタリアにおいてだった。ベイロスはビーストのクリーチャー・タイプを持っていて、それは緑の怪物であることを意味している。ベイロスはマジック限定組の偉大な候補者だ。彼らはマジック独自の存在であり、そして最近、ゼンディカーと基本セット2011にて再登場している(《強情なベイロス》)。だけどベイロスは、首尾一貫した外見的独自性を持たないことに少々悩んでいる。彼らは常に四足歩行であり、角と巨大な牙、鉤爪を持ち、そしてとても巨大だという点が似通っている。だがマジック公式の限定クリーチャーに就任させるには、それぞれのベイロスがあらゆる時に共有できるような、もう少し首尾一貫した外見的手がかりがあった方がいいと私は思う。
ヘリオン:入っている
《カルデラの乱暴者》 アート:Raymond Swanland |
ここにいる開発部のメンバー達は私のヘリオン偏愛を知っている。ヘリオンは大規模クリーチャー・タイプ更新(訳注:2007年9月に行われたクリーチャー・タイプの大規模な見直し)の際にマジックのサブタイプ・リストに加えられただけだが、我々はヘリオンという名をストロングホールドに遡る昔から作ってきた。私はこれら、石のように固い大地を突き破って現れてその場をめちゃめちゃにし、そして攻撃してくる芋虫に似た破壊的な怪物を愛している。外見的には、彼らは鱗のある蛇のような身体と、食事を補助する触手等の付属物に囲まれた丸くて歯のある口を持つ。もし私が意地を通すなら、彼らにとって良い場所がある時はいつでも、ヘリオンはそこかしこに登場するだろう。
ヴィダルケン:入っている
《ヴィダルケンの放逐者》 アート:Dan Scott |
低い鼻、青い肌をしたこれら知識人達は最初のミラディン・ブロックで初演を行った。彼らの腕の本数は次元によって必ずしも一致していないにもかかわらず(そしてその理由はこちら(リンク先は英語))、彼らは一目見て間違いなく同一のものであるとわかる。我々はミラディン、アラーラ(特にエスパー)、そしてラヴニカで彼らを見てきた。すっかり限定組のメンバーだ。
エルドラージ:入っていない
《真実の解体者、コジレック》 アート:Michael Komarck |
だが今は待つんだ。確かに、彼らがゼンディカーに出現した(そして即座に滅殺した)時、エルドラージは大事件だったことを公式に認めよう。そして彼らはしっかりと特色のある外見をしている。おやっと思わせるため、各血族はゼンディカー・スタイルガイドにそれぞれの項目を持っている。彼らが他のブロックで再登場し、よりどころとなる強さを証明するまで、彼らがエリートメンバーの条件を満たさないことを私は残念に思う。我々はいくらか遠くの未来に、もっと多くのこいつらと会うかもしれない。そしてその時私は、ツタでできた冠を彼らに渡すのを嬉しく思うだろう(即座に滅殺されるだろうけど)。
スラル:入っている
《掘り起こしスラル》 アート:Warren Mahy |
何てかわいらしいんだ、この使い捨ての下僕クリーチャー種族は。漆黒の手の信徒に仕えるべく、捨てられた体組織から生産された者達は、我々の弱者を愛する共感を受けるにふさわしい。スラル達は外見的独自性の欠如をこうむってきた。彼らの姿形はその場所によって異なる。だがスラルにとってそれは実のところ強みだ。ファイレクシア人のように、スラルは目的を果たすために、そしてしばしば異なる死んだ怪物の材料から作られる。我々は彼らをテンペストブロックとフォールン・エンパイアの物語からだけでなく、ラヴニカ次元においてもオルゾフ・ギルドの一部として見てきた。スラル万歳、マジックのクリーチャーの真のトレードマークよ。
マスティコア、カヴー、マイア?:境界線上
マスティコアは最近、マジックのクリーチャー・タイプ一覧へと本当に加わった。同時期に存在していた、通常型とよりがっちりした姿の二体のマスティコアは、彼ら自身のクリーチャー・タイプを必要とするほど特徴的であると思われた。《溶鉄の尾のマスティコア》はそのタイプを再訪問した。問題は、マスティコアが明らかにファンタジーのマンティコア・クリーチャーに由来しているということではない。マスティコアは本質的に人工物だ。飛べないマンティコアであり、しばしばダメージを与える能力を持ち、彼らを引き留めておくにためにはエネルギーの激しい消費がともなう。問題というのは、彼らは実際のところ、ミラディンにおいてのみ登場しているということだ。我々がミラディンの傷跡ブロックでその次元に帰って来た時、マスティコアという「象徴」を再登場させることをもちろん望んだ。だが私は、マスティコアがマジックのトレードマークとなる限定組の構成員となるかどうかは確信できない。もし我々がどこか金属でない次元で新たなマスティコアを作ったなら、私は確信するだろう。
カヴーのようなクリーチャー・タイプは同じ苦境にある。我々は彼らを複数のブロックで見てきた(インベイジョン・ブロック、そして時のらせんブロックで再び)。だけどカヴー達はドミナリアで二度だけちらりと登場したに過ぎない。カヴーの一ブロックと、同じクリーチャーのノスタルジックな少しの再訪問。あともう一つの記録があれば、私はカヴーも同様に入室させる準備ができるだろう。
一方で、マイアはメンバーに入る準備がすっかりできているように見えるが、一つの次元にしか登場していない。それどころか彼らは、その金属次元のかつての守護者、メムナークに繋がる明白な出自さえ有している。そして彼らが何か他の世界で再登場するのを見たとしても、私は衝撃を受けはしないだろう。だが今はまだ、それは推測でしかない。私は彼らをマスティコアやカヴーと同じ「まだ確実ではない」山に投げておく必要があると考えている。
フェルダグリフ:入っている
《探索するフェルダグリフ》 アート:Matt Cavotta |
やあ、何か言うことがあるかな? 一体はアライアンスに、もう一体は全く関係ないプレーンシフトに。彼らは特徴的な外見をしている。そして彼らは明らかにマジック独自だ。ご搭乗ありがとうございます、マジック限定フェルダグリフ様!
ヴィーアシーノ、コー、キスキン:入っている
これら三つの種族は全て、マジックのトレードマークとなるクリーチャーの折り紙つきだ。トカゲに似て喧嘩っ早いヴィーアシーノ、色素を持たない遊牧民コー、そして強い絆を持つずんぐりしたキスキンは全て、彼らそれぞれの特徴的な外見を持つ。他のファンタジーにも何かこれらに似た種族が存在するかもしれないが、彼らはマジック独自の存在であると言えるほどに、創造的独自性において十分に性質が異なっている。ヴィーアシーノはラヴニカ、アラーラ、そしてドミナリア全土に顔を出している。コーはテンペストブロックにてラースに、そしてもちろん最近ゼンディカー次元に。キスキンはかろうじて、全盛期のローウィン/シャドウムーアの年以前、レジェンドに遡って登場していた(もしかしたら《アムローの偵察兵》と《アムローの求道者》が彼らの独自性を仕上げるのを手伝ってくれるかもしれない? 間違いなく《ゴールドメドウの監視人》は真の複数のブロックに渡る記録というよりもむしろローウィンプレビューのように感じると思うよ)。全員を入れろ。
レオニン、ロウクス、ロクソドン:入っていないが希望はある
猫人、サイ人、そして象人。任務のために白と時折緑のカードに現れる、これら高貴な亜人獣種族たちは今のところ、悲しいことに、アウトだ(このかなり気難しい記事の意図のために)。レオニン、ロウクス、ロクソドンをマジックの愛すべき大黒柱とすることに私は反対しない。だが限定組ではない。「擬人化した獣種族」はただ、この記事で挙げた他の種族と比較した時にさほど特徴的ではないのだ。鼠人、蛇人、更には多足人(セファリッド)もまた見てみよう。彼らは全てそれぞれの文化を築いているかもしれない。だけど今の時点において私は、彼らが真に我々のものであると言えるとは思わない。だが希望はある。私はD&Dのイシリッドについて考えた。知性のある恐ろしい貪食者だ。彼らは基本的にタコの頭部を持つ人型生物以外の何者でもない存在として始まった。必ずしもファンタジーのありふれた乗客ではなかったが、前代未聞でもなかった。だが時が経つとともにイシリッド達は極めて悪名高い、魔法に熟達した、脳味噌を吸い取り力を追い求める者、完全にD&D独自の種族となった。もしかしたら一つかそれ以上のこれら亜人獣種族が、マジック限定組であると確実に言えるほど十分に特有なマジックのフレーバーを得るかもしれない(《黄金のたてがみのアジャニ》が今私の顔をかきむしろうとしている)。
ワーム:入っている
《吠える絡みワーム》 アート:jD |
私は前に進み出て、マジックの全ワームを呼ぶつもりだ。確かに我々は以前からファンタジーの中に、とても巨大な芋虫の姿をしたモンスターを見てきた。だがワームはマジックの緑クリーチャーのラインナップにおける大黒柱となった。そして彼らはその雑食性、ひと飲みにしてしまう食欲さでとてもよく知られている。そして我々は彼らを実に様々な異なる次元で見てきた(大雑把に数えてドミナリア、ラヴニカ、アラーラ、ゼンディカー、ミラディン、シャドウムーア。神河以外の、最近舞台となったほぼ全ての次元だ)。彼らはこの点を満たしていると私は思う。彼らはマジックのものだ。君は今日ワームを抱きしめたかい?
他の見込みのある者達
他にまだいるだろうか? ゴルゴンはメドゥーサの伝説を元にしているが、マジックのゴルゴンは蛇の髪ではなくケーブル状の髪を持つという点で区別されている。なのでいつかもしかしたら彼らは十分に特有の存在となって条件を満たすかもしれない。ホムンクルスは魔法的に創造された下僕という奇妙な伝説から拝借してきたものだが、我々のホムンクルスが持つ大きな単眼は、確かにその独自性を約束してくれる。同様に、「Archon(アルコン)/執政官」という存在はファンタジーの至る所に現れるが、我々のアルコンは全てある外見をしている。彼らは盲目の人型生物で、空を飛ぶ生物にまたがっている。そして確実にスペクターもほぼ妥当だろう。サラカー。アンフィン。法務官。それらは皆マジックの偉大な限定クリーチャーに成長するかもしれない、いつの日か。
特別リクエスト:ダグに(もしくは他のコラムニストに)意見を送ろう!
(日本語版編注:この企画はすでに終了しております。また、メールを送信する機能は日本語公式サイトにはご用意しておりませんので、ご了承ください。)
君達ヴォーソスに、私から特別リクエストがある。昨年、このサイトには読者の意見を熱望する特別テーマの週があった。我々はそれをフィードバック週間(リンク先は英語)という道理にかなった名前で呼んだ。そしてその最後には、フィードバック週間は素晴らしいものだったことが判明した。それで我々は、またやることにした。
(その週には、コラムニストの皆がそれぞれの記事で受け取ったメールに返答することを望む。不思議だ。我々はヴォーソスだろう? フィードバック週間を待つことはない、我々には常に変わらぬコミュニケーションがあるというのに。だけど我々は太っ腹に、この一時的フィードバックを他の記事にも承認しよう。もし彼らがちょっと手を出すことを望むならね)
ともかく、我々は今年もフィードバック週間を開催する、すぐに。本当にかなりすぐに。カレンダーはあるだろうか? まだ使っているって? 問題ない。覚えておくべきは、今年のフィードバック週間は来週だということだ(そして事実スケジュールの偶然か、それは今週金曜日から始まる)。DailyMTG.comのコラムニストにメールの爆撃を浴びせる時は今だ。我々のほとんどは既に君達から多くの愛すべきメールをピックアップしているが、もっと欲しいと思っている。どれかの記事執筆者の記事下部にあるEメールのリンクをただクリックして、君達の質問、意見、宣言、気の狂ったポエム、精巧に構築されたトロール鎧(訳注:「鎧」も「メール」も「mail」の同音異義語)、そして君が強く望むどんな方法でも(他の記事執筆者の何人かは他の電子的手段経由で意見を求めているかもしれない。今週の彼らの記事をチェックして、彼らに連絡を取るには何がベストかを確認してくれ)。それじゃ、今週の......
今週のお便り
親愛なるダグ・ベイアーへ
マナレス・ドレッジ(レガシー)やマナレス・イチョリッド(ヴィンテージ)といったデッキがありますが、それをフレーバー的に説明しようとした時、可能な回答はありますでしょうか?
通常、貴方や私のようなプレインズウォーカーは様々な土地の広がりからマナとの繋がりを形成し、その繋がりから貴重なマナを抽出し、パワフルな呪文や召喚に使用します。ですが、一体どんな類の魔術師が自ら呪文を忘れるという愚行に走り(最初のターンに呪文を唱えるのではなく手札を捨てることです)、そして失われた記憶と弱々しい現実を把握し、より健忘や狂気(ディスカード)をあおり、ついには《ナルコメーバ》や《戦慄の復活》等々を点火するのでしょうか?
前もってお礼を申し上げます。
Nic M.
参照:
3 《ダクムーアの回収場》 -土地(3)- 4 《ゴルガリの凶漢》 4 《よろめく殻》 4 《臭い草のインプ》 4 《ゴルガリの墓トロール》 4 《恐血鬼》 4 《冥界の影》 4 《ナルコメーバ》 4 《通りの悪霊》 4 《変幻影魔》 4 《イチョリッド》 3 《千足虫》 1 《エメリアの盾、イオナ》 1 《森滅ぼしの最長老》 -クリーチャー(45)- |
4 《陰謀団式療法》 4 《黄泉からの橋》 4 《戦慄の復活》 -呪文(12)- |
1 《セファリッドの女帝ラワン》 1 《千足虫》 1 《鋼の風のスフィンクス》 1 《祖神に選ばれし者》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《嵐潮のリバイアサン》 1 《怒りの天使アクローマ》 1 《テラストドン》 1 《魅力的な執政官》 1 《エメリアの盾、イオナ》 1 《墨溜まりのリバイアサン》 4 《Contagion》 -サイドボード(15)- |
とてもクールな質問だ、Nic。最初に言わせて欲しいが、マジックをプレイする段階の中で、ゲームを学ぶためにフレーバーが重要となる段階があると私は信じている。リソースの取り扱いや抽象的項目の組み合わせ方を理解するには、マジックのゲームは単純にとても複雑だ(オーケー、誰かが私に言った「単純に複雑なんだ」というのにウケたんだ)。「魔力を集めて君の書庫から呪文を放つ」というフレーバーの降り注ぐ考え方は、「パーマネントをタップする」ことや「誘発型能力をスタックに乗せる」ことへの理解を構築するための堅固な基礎だ。
だが面白いことに、このゲームに取りつかれて何年もプレイに費やしていると、ゲームがそのフレーバーの根本から立ち上がって風通しのよい遥か高みまで上るのを君は目にすることになる。相互作用の組み合わせはちょっとした難問を生み出すことができる。特に、莫大なカードプールを持つレガシーやヴィンテージといったフォーマットでは。そしてゲームは強力な魔術師達のフレーバーに満ちた戦いというよりもずっと、創造的なパズルを解く練習のように思えてくる。
だけど私に言わせれば、それでもマジックのフレーバーの礎石はそれを扱うことができる。事実プレインズウォーカー達は発明の才能と決断力の証明として、マナとの繋がりなしに呪文を扱うことを学びうる。我々が作り出すあらゆる創造的仮定、そして我々がマジックには必須と考えるフレーバーに満ちたあらゆるルールのうち、プレインズウォーカー達が彼ら自身の必然性として作り出したアイデアこそが最も基礎となるものだ。「明らかに、呪文を唱えるためにはマナを必要とする」や「君は土地からマナを引き出す、んー、ほら君が初めての日とかにやったように」という基本的なルールでさえ、個性的な魔術師が個性を発揮した時にはその独創性の原則に屈してしまう。マジックのルールというものは器用に回避できるように作られている。
確かに、君は自身の精神を破壊することに魔法的学習の全てを費やす必要があるかもしれない。君の長期記憶を貪ることのできるゴルガリのクリーチャーのやり方を学び、また生きているのか死んでいるのか、彼ら自身率直に言って気にしない悪夢のような怪物を求めて多元宇宙を探す。そして何かマナよりも暗い貨幣を支払う方法を考案する。君にはそれができる。ただひとつのマナの繋がりさえなくとも君は自身の軍団を召喚し、指揮できる。
それは簡単なことじゃないし、それを引き出せるようになるには半ダースほどの広範囲にわたる次元からの、十年分に値するカードを必要とする。だけどうん、もし君がマナを使うことを望まないなら、前へと進んで君の正気、知識、生命を代わりに差し出すんだ。喜んでそれらを法的貨幣と同じように選択する軍勢だって、多元宇宙には存在するのだ。
来週、フィードバック週間に会おう! 君の意見をDailyMTG.comのコラムニスト達に送ってくれ!
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