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フューチャー・フューチャーの日々・『ニクスへの旅』&『基本セット2015』編
フューチャー・フューチャーの日々・『ニクスへの旅』&『基本セット2015』編
Sam Stoddard / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2014年8月1日
フューチャー・フューチャーの日々へようこそ、今回は我々がフューチャー・フューチャー・リーグで作ったデッキをいくつかご紹介し、我々がスタンダードのバランスを取ろうとしているときに何を考えているかについての洞察をお伝えします。
例によって、ご紹介するデッキの中のカードの多くは最終的に印刷されたバージョンとは異なることをお伝えしておきます――我々のデッキに入っているカードは完成品よりも強力な場合もあれば、完成品よりも弱い場合もあります。
《召喚の調べ》 アート:Karl Kopinski |
これらのデッキは数ヶ月に及ぶセットの微調整の体現であり、カードは絶えず流動的で、あなたが競技レベルのデッキリストで見かけないものかもしれません。だからといってこれらのデッキが強くないものばかりというわけではありません。これは我々のメタゲーム、またはデッキに入っているカードの作用が単に異なっているだけです。一見強すぎるようには見えないカードの中にも、我々が将来最も後悔することになるカードがよくあるので、我々の目的は全てを試して把握することです。
というわけで、始めていきましょう。
元々の《ヘリオッドの指図》は2倍《栄光の頌歌》ではなく、2倍《十字軍》で4マナでした。
24 《平地》 -土地(24)- 4 《万神殿の兵士》 4 《イロアスの英雄》 4 《管区の隊長》 4 《盲いた喧嘩屋》 3 《ボロスの反攻者》 3 《オレスコスの王、ブリマーズ》 2 《太陽の神、ヘリオッド》 4 〈オロマイの盾の仲間〉 -クリーチャー(28)- |
4 〈ヘリオッドの指図〉(2WW) 3 《精霊への挑戦》 2 《ヘリオッドの槍》 -呪文(9)- |
このリストは《ヘリオッドの指図》の評価用としてかなり適当に作ったものです。その結果は言うまでもなく強すぎでした。このカードは《波使い》が《審判官の使い魔》や《雲ヒレの猛禽》を大量にプレイすることを強制するのとは違い、大量に白いクリーチャーをプレイすることを強制する必要はありませんでした。
基本的に、我々はカードをテストするときに、現実世界でどんな種類のデッキでそれらが見かけられるであろうかを把握しようとします。『ニクスへの旅』がデベロップされていたとき、現実世界では多くの《炎樹族の使者》デッキが存在していたので、我々はそのカードをプレイすることに多くの時間を費やして、アグロ・デッキの限界をどれだけ押し上げるかだけを見ていました。
8 《森》 8 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《実験体》 4 《炎樹族の使者》 4 《モーギスの軍用犬》 3 《火拳の打撃者》 4 《予言の炎語り》 4 《殺戮角》 4 《ゴーア族の暴行者》 1 《死橋の大巨虫》 1 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 -クリーチャー(33)- |
2 《ドムリ・ラーデ》 1 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(3)- |
このバージョンでは、デイブは彼の手がけたセットの神話レアである《予言の炎語り》を試していて、湧血クリーチャー満載のデッキでこれがどのようにプレイされるか、加えて《予言の炎語り》を推す方法を見ていました。現実世界では(まだ)あまり行われていませんが、《ゴーア族の暴行者》を《予言の炎語り》に湧血すればすごいダメージが出ること請け合いです。
またある時には、我々はマジカル・クリスマスランドへとカードをテストするための小旅行をして、そしてそのカードが中心に組まれたデッキがどれぐらいの強さになるのかを見てこなければなりませんでした。
4 《繁殖池》 4 《森》 4 《神聖なる泉》 4 《寺院の庭》 4 《啓蒙の神殿》 4 《豊潤の神殿》 -土地(24)- 4 《キオーラの追随者》 4 《時の賢者》 4 《森の女人像》 4 《育殻組のヴォレル》 -クリーチャー(16)- |
4 〈歴史的な努力〉(現存せず) 4 《投与 // 享受》 4 《英雄たちの結束》 4 《原形質捉え》 4 《英雄の導師、アジャニ》 -呪文(20)- |
最初期のバージョンの《時の賢者》は最終バージョンよりもずっと強く、このようなデッキは素早くいわゆる無限ターンを決めるか、少なくとも対戦相手が死ぬのに十分なターンを得ることができていました。我々はこのカードを、少なくとも挑戦しようと思うだけの数のターンがかかるように少し弱体化しました。
プレインズウォーカーは適正な強さにするのが最も難しいカードなので、我々は数字や能力が最終的に印刷される前に多くの時間を費やして、数字を微調整したり新たな能力を試したりしています。
4 《平地》 4 《寺院の庭》 4 《豊潤の神殿》 3 《繁殖池》 3 《森》 2 《神聖なる泉》 2 《マナの合流点》 2 《啓蒙の神殿》 2 《神秘の神殿》 -土地(26)- 4 《羊毛鬣のライオン》 4 《森の女人像》 4 《復活の声》 2 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 1 《霊異種》 -クリーチャー(15)- |
2 《拘留の宝球》 1 《ナイレアの弓》 1 《ヘリオッドの槍》 4 《荒ぶる波濤、キオーラ》 3 《スフィンクスの啓示》 2 《至高の評決》 3 《英雄の導師、アジャニ》 3 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(19)- |
このデッキを作ったとき、《英雄の導師、アジャニ》は相手側のクリーチャーにもカウンターを乗せることがことができました。我々はこの能力を《太陽の勇者、エルズペス》とのコンボで片方だけに《神の怒り》するために使うことは、楽しいことよりも苛立つことのほうが大きいと判断したので、自分の側にしかカウンターを置けないように変更しました。
また我々は現実世界の結果を見て、新しいセットがそれらのデッキに加えられてどのようにプレイされるかを推測します。
4 《血の墓所》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 3 《森》 3 《奔放の神殿》 3 《疾病の神殿》 2 《山》 2 《悪意の神殿》 -土地(25)- 4 《森の女人像》 3 《漁る軟泥》 2 《霧裂きのハイドラ》 2 《クルフィックスの狩猟者》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 3 《カロニアのハイドラ》 3 《嵐の息吹のドラゴン》 1 《歓楽の神、ゼナゴス》 -クリーチャー(22)- |
3 《ミジウムの迫撃砲》 2 《破滅の刃》 2 《戦慄掘り》 3 《ラクドスの復活》 3 《歓楽者ゼナゴス》 -呪文(13)- |
このデッキが作られたとき、ジャンドは現実世界でかなりの成功を収めており、私はそれをFFLに変換するとどうなるかを見るべく、このデッキを作りました。この最終バージョンはどこか最近のスタンダードに少し似ていますが、それよりも少し洗練されていませんでした。
また我々はある種のゆっくりしたデッキを見ることに時間をかけ、この白青《交易路》の場合はアンドリュー・クネオ/Andrew Cuneoが(当時)最新のスタンダードでプレイしていたデッキに似ています。我々の疑問は、このデッキがまだ機能するかどうか、そして(あるならば)学ぶことができるのは何か、です。
8 《島》 8 《平地》 4 《浸食する荒原》 4 《神聖なる泉》 4 《啓蒙の神殿》 -土地(28)- 1 《都市国家の神、エファラ》 1 《太陽の神、ヘリオッド》 -クリーチャー(2)- |
1 《写本裁断機》 1 《不死の霊薬》 4 《アゾリウスの魔除け》 4 《漸増爆弾》 2 《予言のプリズム》 1 《盲従》 2 《拘留の宝球》 2 《解消》 1 《アゾリウスの導き石》 4 《至高の評決》 3 《スフィンクスの啓示》 3 《交易所》 2 《憑依された板金鎧》 2 《宿命的報復》 -呪文(32)- |
「ReConstructed」でおなじみガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verheyは、かなりゆっくりとしたコンボ・デッキの大ファンであり、彼の記事で新しいカードを使ったコンボ・デッキを試しています。この場合は、《テューンの大天使》と《地平線のキマイラ》と《水深の魔道士》の無限コンボに気がつきました。このフォーマットに強力な教示者(《召喚の調べ》)を入れたので、我々はそれがこのデッキでどういう動きをするかを見てみたいと思ったのです。
4 《繁殖池》 4 《寺院の庭》 4 《啓蒙の神殿》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《森》 2 《神聖なる泉》 2 《神秘の神殿》 1 《島》 1 《平地》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 4 《前兆語り》 4 《森の女人像》 2 《オレスコスの王、ブリマーズ》 1 《再利用の賢者》 3 《水深の魔道士》 3 《地平線のキマイラ》 4 《テューンの大天使》 2 《クルフィックスの預言者》 1 《首席議長ゼガーナ》 -クリーチャー(28)- |
4 《拘留の宝球》 4 《召喚の調べ》 -呪文(8)- |
我々のテストでこのデッキは《召喚の調べ》が入ってより強力になったとはいえ、心配はいらないと判明しました。
この頃にアダム・プロサック/Adam Prosakがデベロップ・チームに加わりました。新たなデベロッパーの加入は、新鮮な視点と我々に欠けていた種類の物事に関する考えを得るので、いつだってエキサイティングです。アダムが最初に考え出したデッキのひとつは赤白のバーン・デッキでした。
9 《山》 4 《戦場の鍛冶場》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 2 《変わり谷》 -土地(23)- 4 《若き紅蓮術士》 3 《灰の盲信者》 4 《ボロスの反攻者》 -クリーチャー(11)- |
4 《ショック》 4 《ボロスの魔除け》 4 《稲妻の一撃》 4 《マグマの噴流》 4 《頭蓋割り》 4 《戦導者のらせん》 2 《かき立てる炎》 -呪文(26)- |
このデッキはグランプリ・モスクワ(リンク先は英語)で優勝したデッキと似ています。そのことはこのデッキのカード自体を変更することにはなりませんでしたが、他のデッキをよりよく調整し、成功するために必要なものが何であるかを気づかせる助けとなりました。
『基本セット2015』はスリヴァーが再登場し、そして我々は『基本セット2014』でできなかったことをしたいと思いました――つまりスリヴァーが競技レベルに、少なくともFNMのレベルでは勝てるようになることです。
4 《マナの合流点》 4 《変わり谷》 4 《スリヴァーの巣》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《湿った墓》 3 《ラノワールの荒原》 3 《ヤヴィマヤの沿岸》 -土地(26)- 4 《風乗りスリヴァー》 2 《先制スリヴァー》 4 《血吸いスリヴァー》 4 《マナ編みスリヴァー》 4 《捕食スリヴァー》 2 《拡散スリヴァー》 2 《毒牙スリヴァー》 2 《吸管スリヴァー》 1 《好戦スリヴァー》 1 《収差スリヴァー》 2 《骨鎌スリヴァー》 3 《巣主スリヴァー》 -クリーチャー(31)- |
3 《ドムリ・ラーデ》 -呪文(3)- |
このデッキは基本的にかなり競技的だということが分かりました。このデッキを競技レベルにであるようにするための最大の変更は、《スリヴァーの巣》からスリヴァー以外にも使える無色のマナが出るようになったことで、その理由はこのデッキが競技レベルになるためには《ドムリ・ラーデ》や他の除去が必要だったからでした。このデッキには弱点も多いのですが、私は『タルキール覇王譚』が出る前にこのデッキが頭角を現してほしいと思っています。
我々がデータを収集できる最高の場所のひとつは、プロツアーを見て(あるのならば)何を見落としていたかを確認し、それらのカードに対策をすることです。我々が警戒すべきように見えたリストに挙がった中のひとつが緑単信心でした。我々はこのリストを持っていましたが、《旅するサテュロス》をプレイしていませんでした。我々は《クルフィックスの狩猟者》がまだ上がってくるのは分かっていたので、外部デザイナー・カードの《起源のハイドラ》をこのデッキに入れても狂いすぎたことにならないようにしたいと思いました。
9 《森》 4 《ニクスの祭殿、ニクソス》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《奔放の神殿》 2 《山》 -土地(23)- 4 《エルフの神秘家》 4 《炎樹族の使者》 4 《森の女人像》 4 《旅するサテュロス》 4 《起源のハイドラ》 4 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 2 《狩猟の神、ナイレア》 1 《高木の巨人》 1 《歓楽の神、ゼナゴス》 -クリーチャー(28)- |
3 《ドムリ・ラーデ》 2 《歓楽者ゼナゴス》 4 《獣の統率者、ガラク》 -呪文(9)- |
このデッキの目的はシンプルです――大量にマナを出して《起源のハイドラ》で《獣の統率者、ガラク》を出してさらにカードを引くか、《歓楽の神、ゼナゴス》で巨大なアタッカーにするか、《狩猟の神、ナイレア》で致命的なパンプをするかです。
時には、我々はデベロップのとても遅い時期に変更を行うことがあります。例えば、《屍術士の備蓄品》はファイルに入っていましたが、本当に何もしないカードでした。このカードのアートは既にできていて、我々はこのカードのスペースのために何かもっと楽しいものをデザインしようと試みました。
10 《沼》 4 《ゴルガリのギルド門》 4 《ラノワールの荒原》 4 《草むした墓》 -土地(22)- 3 《滑り頭》 4 《ロッテスのトロール》 3 《血の公証人》 2 《悪意に満ちた蘇りし者》 4 《生命散らしのゾンビ》 3 《屑肉の刻み獣》 3 《夜の咆哮獣》 3 《世界を喰らう者、ポルクラノス》 2 《影生まれの悪魔》 1 《イニストラードの魂》 -クリーチャー(28)- |
3 《思考囲い》 4 《突然の衰微》 3 《屍術士の備蓄品》 -呪文(10)- |
モンスのデッキの狙いは、通常のように大群で攻撃できるゾンビに加えて、活用カードでアドバンテージを得るテストをすることです。
今回の『ニクスへの旅』と『基本セット2015』期のFFLでプレイされていたデッキの一部のご紹介は以上です。来週の捕食者特集では、メタゲームの中での捕食者と、それに捕食されるものについてのお話をしたいと思います。
それではまた来週お会いしましょう。
サム (@samstod)より
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