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Latest Developments -デベロップ最先端-
開発を開発する
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Latest Development
開発を開発する
Zac Hill / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2012年8月24日
私がウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社してちょうど3年になり、私が最初に現れて以来、どれだけのものが変わったかについて考えるのはとても心が震えることだ。我々は比較的短い時間で過程、組織、イデオロギーに関しては大きな進歩を遂げた。我々が君達に話すネタのほとんどは我々がどのようにマジックのセットを開発するかに関係しているが、しかし我々が内部で働く方法を「開発」することにもまた時間とエネルギーを費やしている。それは意味を成す:結局、製品を組み立てる目的で飛び越えるべき全ての輪を航海するように、要求が多く、そして複雑なマジックはそれ自体がゲームのようだ。従って私は、我々が過去2、3年に渡って過程を刷新してきた方法のいくつかを順に説明していくのはクールなことだと思った。
開発部:調査と...デザイン?
おそらく、私がここに来て以来、開発部を襲った最も大きな変更は、それがもはや開発部ではないということだ。いや...それはまだR&D(開発部)のままだが、しかしそのDは違うDなのだ!おそらくそれはロゴの上のアスタリスクもしくは上付き文字か何かを必要とするものだ。私は知らないが。我々の有能で素晴らしいグラフィックデザイナーが巧くやってくれると確信しているよ。
とにかく、調査とデベロップと銘打たれていたものは今や調査とデザインとなった。なるほど大部分は表面的な変更だが、しかしそれはマジックが実際に近年人気が出ている理由と非常に関係のある理念の変化を反映しているように感じる。
デベロップの仕事は、実際は、数字やコストを微調整することではない。それは我々の行うことの一部だし、重要な部分だ。しかし最も重要なことは、我々がマジックを楽しいものにしているかどうかなのだ。言い換えれば、我々は材料が機能するか確認しようとしているだけでなく、材料が上手く機能するか確認しようとしている。そして、我々はプレイ経験をよりよいものにするという形でそれを行っている。それが意味することは、デベロップがゲーム・プレイのデザインにますます多くの時間を費やし始めたということで、実際にそれを確実にするために、メカニズムとテーマ、そしてデザイン・ファイルの全体の雰囲気は、実際にゲームがプレイされる時に、何とかそれ自身を十分に伝えようとするだろう。
例えばイニストラードでは、我々が得ようとしていたホラーのモチーフの中心軸は緊張、驚き、変身、そして興奮の入り組んだ不安を伝えようとしていた。さらに、デザインから来た時点で、各部族が実際にそのあらわそうとしているクリーチャーであるかのように思える必要があると判っていた。いいかい、もし狼男が普通のおっさんと巨大で獰猛な怪物の両方の面を持っていなければ、あるいはゾンビが死んだときにただ黙って墓地でおとなしくしているようであれば、それは機能しない。もしデベロップがただくつろいでいて、そしていくつかの数字を再び弄っているだけなら、プレイテストはただ「バグ」(すなわち、壊れたカード、強すぎる戦略、支配的なアーキタイプ)を見つけて束ね、それらを報告するだけになり、この感覚はどれも今までに遭遇しなかっただろう。デザインが専門としていることは、例えば、吸血鬼がなりたいのは赤黒のアグレッシブな部族で、そしていくつかの墓地について考える必要があるメカニズムが存在するべきだと理解することだ。ゲームの中で何が起こるのか確認するのがデベロップの義務だ――スリス能力でその攻撃性を奨励し、黒と緑は陰鬱のために死亡に注意し、赤と青はフラッシュバックを活用するために墓地に詰め込む、などなど。それらは同じコインの表裏だ。どちらも似たような種類のゲームデザインで、そして「開発部」を再定義することはその現実が単に時間と共に成長してきたことを承認しているだけだと思う。
《同族の呼び声》 アート:Jason A. Engle |
マジック・デジタル部門
様々な人がここ最近のマジックがとても好調な理由について様々な答えを持っている。私は、君が時間を投資する価値があるものを皆に与えるために我々が多くの情熱と献身を注ぐからであると思いたいが、しかし、我々のような複雑なゲームをプレイする方法を考え出すことに付属している成功の大部分は、それに取り組むための巨大な障壁を破壊することを必要とするのも事実だ。我々がこれまでに行ってきた中で最も成功した方法は、デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーのビデオゲームシリーズを通してだった。
私が最初にここに来たとき、デュエルズのチームは(A)研修生、もしくは(B)他のプロジェクトから時間を割くことができる人、で構成されていた。幸いなことに、デュエルズに取り組む人々の多くは(おしなべて極めて才能があることに加えて)極めて熱心に取り組んでいて、そして我々の素晴らしいパートナー、ステンレス・ゲームズ/Stainless Gamesはデュエルズを驚くべきものにするために特別な努力をしてくれた。最小限の人数で企画されたにも関わらず、このゲームは本当に好評を博した。しかしながら、我々はたまたまカレンダーに余白がある誰かを集めてとても重要なプロジェクトのチームにするのは最良の方法ではないことを理解した。代わりに、我々は全く新しい部署を部門に作った:マジック・デジタル部門だ。
開発部内のマジック・デジタル部門のチームは、共にゲームを組み立てることに責任を負うマジック・オンラインのチームと混同されるべきではない。デジタル部門の仕事は我々のデジタル・プロジェクトのゲーム・デザインのリソースを調整することだ――そう、デュエルズ用のデッキを構築したり、マジック・オンラインのキューブのリストを作成したりなどだ。このチームを持つことで、我々は今後の紙のカードの発売のためにいくつかのものすごいメディア経験のデザインを可能にしており、また、私の考えでは、カードゲームがデジタル空間でできることを再定義しようとしているデュエルズの新版をも作成するのだ。
私が最初に現れたときにはこのいずれも全く存在しなかったが、しかし、現在進行中のとても刺激的な物のうちいくつかがこのチームから来ると心から感じている。
《Team Spirit》 アート:Terese Nielsen |
全員参加
皆はこれらをいくつかの点において見なければならないに違いない――モンティがアルカナで既にやったか、もしくはマローの記事か何かでそれらは表面化したものだ。R,3。空白の白いカードにシャーピーで殴り書きがしてある。1U 3、W 2/1。多分私のお気に入りは、UUBBBRR、「食らえ!」:有名な、そしてもしくは悪名高い開発部のプレイテスト用のプロキシーだ。
これらには確かに魅力があることを私は認めざるを得ない。実際のところ、私は嫌いだ――自分の机に「1U、2/1、瞬速、LOLOLOLOL」と白いボール紙に書きなぐってあるのを見つけることができてもだ。しかし、これには重大な問題がある。書いた本人も加えて誰もそれらが何を行うかの考えを持っていないんだ!
君が定期的にフューチャー・フューチャー・リーグでプレイしている超開放的なデベロッパー的プレイヤーと取引している場合には、そのような曖昧さは大した問題ではない。我々は皆基本的にカードファイルに精通しており、そして我々は皆基本的に全てのカードが何を行うか知っている。問題はその他の誰かとプレイしようとした時に起こる。デュエル・マスターズからの誰かがいくらか空き時間を持っていて、クールな新しいデッキをデザインするかもしれない。アーロンは散歩したり、《燃え上がる憤怒の祭殿》で我々を滅殺することを決定し、誰がボスであるかを我々に思い出させるかもしれない。別の部署の誰かが、より良い仕事のためにとあるセットをプレイする方法や、もしくは目を見張るようなデザインの包装、代理店にそれを話したり、またはブランド化されたプレイの経験、もしくはどんなことでも求めるかもしれない。 いくら求めても、彼らは文字通りプレイすることはできない。そして同じぐらい楽しいのは「XWWW、猫祭り」と書いてあるだけのものを誰かが目を丸くして解析しようとすることだが、それは本当に仕事を終わらせる助けにならない。
ありがたいことに、デイヴ・ガスキン/Dave Guskinがテキストデッキリストと、全てのカードについて十分に備えたオラクル・テキストを印刷したステッカーを取得する超素晴らしいツールを設計してくれた。全ての思慮深い開発者――やあ、私以外の皆――は現在ほとんどのプレイテストにそのツールを使っており、そしてそれは率直に言って他に類を見ない規模で会社の残りの部分に我々の過程を広げることをやってのけた。
《現実の修正》 アート:Justin Sweet |
時代は変わる
私は今、およそ2年後の秋に発売予定のセット「Huey」のデザイン作業をしている。私が最初に寄与したセットはエルドラージ覚醒で、これはちょうど3年の期間6つのブロックに値するセットに取り組んだことを意味している。
何があったか?
それは結局長い間、いわば壁の向こうにセットを蹴飛ばしたようなもので、それを終えると人々にこう伝えるのだ。「やあ、君は今これらのカード用のパッケージを作りたいかい? 私は知らないが、おそらく、少し売ろうと試してみた? ああ、そいつは素晴らしい。いや、実際に何が重要かは私にはわからないが、しかし君がそれを何とかしてくれることに賭けよう。私は君がうまくやってくれると固く信じている。おお、君には4ヶ月ある。ありがとう。」
不思議なことに我々はこれに他の部署からいくつかの抵抗を受け始めた。どのように働くのが彼らに良いか、彼らは我々に伝えた。(A)彼らに、彼らのことを行うためのずっと多い良識的な時間を与えるために我々が仕事を早く始めることができた場合、または、(B)もし彼らが過程により早く関与できた場合、彼らにはより大きく、包括的なプロジェクト(例えば、ブロック全体の期間に及ぶキャンペーン)を実施できる視点が必要だ。
この全てが結構で、全く合理的だったが、しかしそれはスケジュールを数ヶ月後ろにずらすだけの単純なものではなかった。まず一つは明らかで、窓の内側で終わらせるのに必要な仕事が押し戻されていって、まだ何とかして終わらせることが必要だった。だが、それは克服できる問題だ。より大きな問題は、膨大な量のデベロップ作業は、外側の世界から来る結果に依存していることだった。あるカードの場合――私は知らないが、例えば《苦花》――はトーナメント環境を荒らしまわっていた。我々は、(A)いくつかの解答がその戦略のために存在することを確かめることを求め、そして(B)恐らく次の大型セットのテーマが毎ターン1/1のクリーチャーを生み出すことに関係することを望まない。
解答は二つの部分にデベロップを分けることだった。最初の部分は、非常に広い筆遣いで描き、多くのセットを作る文脈に依存しない作業を行う、例えばリミテッドでプレイできるようにするとか、もしくは我々が何か変化を求めているアートコンセプトと並立する十分な多様性を含んでいるファイルを保証できるようにする。二番目の部分は、その後、しばらく待つ――そう、現実の世界がメタゲームを生み出すのと、他のセットへの作業には時差があるのだ。その後、我々は最終的にファイルを仕上げる前に可能な限りそれらの変化に適応する。
我らの友にしてロビーのドラゴン、ミッチー。 |
バイバイ、ミス・アメリカン・パイ
もちろん、これらの全ては2009年に遡って私が我々と一緒に住んでいるドラゴンを蹴るために最初にエレベーターに乗ってから変更されたことのほんの一部だ。もちろん全体的に見れば、事態はほとんど同じままだ。我々はこれからも素晴らしいマジックのセットを作るために努力し、我々はこれからも素晴らしい人達と共に仕事をし、そして我々はこれからも、業界で最も情熱的で、熱心なファンの拠点を持っていることを誇りに思う。
もし私が私のウィザーズでの歴史にいつになく内省的に見えるなら、結局、これまでの三年の軌跡に郷愁的になって目に涙を浮かべているから――それはまあ、私の話だ。これが君達の読む最後の私からの「Latest Development」になるだろう。私は最近、ニューヨークの教育非営利団体で将来のプロジェクトの開発部ディレクターの地位に認められ、そして9月上旬にそちらに行くことになっている。私はこの素晴らしい環境とこの素晴らしい仕事の夢を離れる悲しさと同じぐらい、それらを楽しみにしている。私の経歴は、政治や政策で、実際に――私はウィザーズに来る前にクアラルンプールで独立ジャーナリズムセンターと呼ばれる所で働き、そしてメンフィスで市長の顧問としての地位を確立していた――そして、私はいわば「現実世界」に飛び込んで戻ることに多少興奮している。ウィザーズのオフィスに入っていくと、そこは我々の頭をつかむ一種の現実離れした時間の泡のようだが、一休みして、新鮮な空気をいくらか取り入れることのも良いことだ。さらに、私は次へ行くある他の材料を持っている。私はMITシンガポールGAMBITゲームラボで研究員として数ヶ月間働くつもりで、ゲームの批判理論におけるちょっとクールな研究を行う。私のデビュー短編小説集は、この10月にモナーク・プレスの素敵な奴らによって出版される(オーディオ・ブック版も今月末に出版予定だ!)。また私は現在、必要となるまでの間、バークレーでの公共政策学修士/法学博士の登録を延期している。そう、もし君の心が君の人生においてもう少しザック・ヒルを切望しているなら――知ってる知ってる、ここの私の机から嘆きを聞くことができる――私を見つけるのはそれほど難しくはない。
マジック以外の仕事はさておき、私は8歳の頃からゲームをプレイしており、そしてそれが私の生活の大部分を占めないようにすることはできない。私は、まだコミュニティに参加するつもりだ。これからも、ゲームについて書くつもりだ。私はこれからもセットの外部でいくつか相談をして、小さな役割でウィザーズのために働くだろうし、そしてこれからもプロツアーのカバレッジ・チームの一員としてブースの中に当分の間いるだろう。最も重要なことは、例え私がしばらくの間ハイレベルな競技プレイに戻ることができなくても、私はいくつかのデッキをスリーブに入れて、初めて長い時間戦うことができる。信じないだろうけど、私は寂しいよ。
「Latest Development」については、私の抜けた穴は中心的な開発者達の持ち回りで満たされるだろう――ビリー・モレノ/Billy Moreno、 デイブ・ハンフリース/Dave Humpherys、 トム・ラピル/Tom LaPille、 サム・スタッダード/Sam Stoddard、そして恐らく少ないだろうがエリック・ラウアー/Erik Lauer――多かれ少なかれ同じ形式でこれまで君達にしたようにセット固有の話題について話をする。トリック/Trick Jarrettが後でそれに関して皆に全てをもっと伝えるだろうと私は確信している。一方で、どのように人生を肯定して、私の好きなゲームを作って生きていく機会をもたらすことが、私にとってどれほど意味があったか表現できないほどだ。ノートからノートへとカードを書き殴ってきて、次の日には会議室いっぱいの連中とそのカードをプレイする、なんてことは思い出す限りこれまでにはなかったのだ。私は計り知れないほど祝福されていた。それは素晴らしい乗り心地だった。
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