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まさしくスタンダードだ
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まさしくスタンダードだ
Zac Hill / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2012年8月10日
古くからの私の記事の読者は、マジックの文化的用語に関しては私がちょっとした生き字引であることをおわかりだろう。私は 絶対に意味を成さない"mise," "tings," "gas," "DI," "inf,"及び他の無数の言い回しとともにあった。
そう、スタンダード特集だと伝えられた時、私の本能は自然に唯一可能な有効回答に方向転換した。例えば、対戦相手が君の場をきれいさっぱり一掃するために立て続けに《忌むべき者のかがり火》をめくったり、その後《月の賢者タミヨウ》の奥義のために《時間の熟達》を立て続けにめくり、君が止めの《火柱》をトップデッキするターンの前に《雲散霧消》を握っている――
「ああ、そうだ。まさしくスタンダードだ」
残念ながら、うちの編集者がマジック用語のポイントごとの傾向と分析はあまり開発記事には向いていないと言ってきた。どのみち、「現実的な」(たとえば、「パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor damo da Rosaが参加したプロツアーでトップ8に残る割合が25%であるというのは非常に現実的である。ちょうど、レイド・デューク/Reid Dukeがビシッと髪を整えるのと同じだ」)という用語を唐突に取り上げるのは記事が印刷される前に時代遅れになってしまうだろう。何をすべきか?
私はスタンダード・フォーマットだと思う...
私は以前に、開発部内部のスタンダード・プレイテストチームであるフューチャー・フューチャー・リーグについて(リンク先は英語)話した。その記事で私が言ったことは全てまだ当てはまるが、どのようなことを避けようとしたかということについては時間を割いて話したものの、積極的にこうあってほしいと思っていた環境についてはそれほど話をしなかった。我々がやる仕事の多くは否定に費やされているというのは事実である。あまりにひどいことが起こらないようにしていくと、過程に含まれる不確実性は相殺され、環境は均衡・平衡に近づいていく。だからこそ、我々は適正な狭い帯域に多数のカードを設計することに多くの時間を費やすのだし、メタゲームの傾向次第で異なる種類のカードがプレイされるようになるのだ。しかし、我々が4つのキータイプの戦略を実行可能にするツールを供給するのもまた事実だ。それらのそれぞれ、またそのすべてが、健全なスタンダード環境を楽しいものにする助けとなるる自然な進化を奨励している。
トライフォース
私が最初に競技マジックを始めた時、一般的には3つの主な戦略のタイプがあると考えられていた。アグロ、コンボ、そしてコントロールだ。その考えは、よく一般的に言われているのはアグロはコンボに負け、そしてそのコンボはコントロールに負け、さらにそのコントロールはアグロに負ける。ナイスで、すっきりしていて、そしてシンプルだ。
もちろん実際にはそれがその通りでなかったいう議論をすることができる。クリーチャーの性能はかつてはあきれるほど悪く、対して《稲妻》や《剣を鋤に》、そして《支配魔法》のような呪文はマジックというゲームの最初からあったのだ。赤のアグロは、確かにテンペスト・ブロックで勢いに乗っていた、誰もこれを否定はしないだろう。しかし一般的に言えば、私は《魔力の乱れ》や《対抗呪文》、そして《放逐》を持って椅子に座りたいと思うし、《先兵の精鋭》に深刻な欠点のついたような奴(《ジャッカルの仔》)には興奮しない。その一方で、コントロールデッキは理論上コンボに対して有利だ。このモデルでは、最初のターンに5マナを突破して7枚ドローの効果の群れで何とかすることになっていた。私が真剣に取り組んだ最初の環境はテンペスト/ウルザ環境のスタンダードで、そして当時私が使っていたほとんどのデッキでプレイしたほとんどのカードが現在ヴィンテージ・フォーマットで制限されている。にもかかわらず、これらの(コンボ)デッキはメタゲームの3分の1に不利だと思うかい? 結局のところ、このモデルは恐らく最も強力なアーキタイプを無視していた。そのアーキタイプとは、単純に強力な呪文を何度も繰り返し対戦相手が負けるまで唱え続けるというものだったのだ(例えば《ネクロポーテンス》→《炎の嵐》、《繰り返す悪夢》→《適者生存》、《厳かなモノリス》→何か)。
従って、例えそのモデルがそのときに意味をなすように見えたとしても、振り返ってみたときにそのモデルを信頼できるとは言い切れない。
いずれにせよ、黒い夏(その期間中ずっと全てが《ネクロポーテンス》)やコンボの冬(その期間中ずっと全てが《トレイリアのアカデミー》)は、クリーチャーベースのデッキを与えられた時点で環境の3分の1だけに住まわせるのが本当にいい考えかどうか開発部を再考へ導いた。ただ単に座って間抜けな動物を召喚し、むやみやたらにそれらを対戦相手にゲームが終わるまで投げつけるのはもちろん楽しくない。問題はそれがまさしく環境に奨励されたクリーチャーベースの戦略の相互作用が持つそのような不足だ。ブロックが戦略と呼べるようなものでなければ、君の各クリーチャーはそのパワーに等しい数値を対戦相手のライフから減らしていき、そしてデッキ・デザインというものは君のクリーチャーすべてが除去される前にそれをする最も効率的な方法を考えるということになる。反対側からは、対戦相手が叩きだすダメージの平均値がいくらかを実際に計算することができる。そして(A)君が死ぬ前にアドバンテージを持った対戦相手の全てのクリーチャーを殺す十分な価値のある除去が環境にあるかどうか、(B)対戦相手の「基本的な」ターンよりも早い「金魚」、つまるところ相手がゲームを決めてしまう前に自分がソリティアで勝てるかどうか、を考えることになる。
我々は、マジックにはより多くの関与が必要だと思っている。
これが俺たちのやり方だ
最近は、我々の「アグロ→コントロール→コンボ」のチャートはこのようになっている。
アグロ→中速→ランプ/コンボ→コントロール/撹乱的アグロ
これらの用語はそれぞれ我々の中でどんな意味を持っているか?
アグロは伝統的な、「効率的なクリーチャーを使ってできるだけ早く対戦相手を殺す」種類のデッキだ。これは通常強力な攻撃の基となる1マナクリーチャー(例えば《教区の勇者》や《戦墓のグール》)と最初の数ターンに重点を置いたマナカーブを備えている。多くの場合、第一の戦略を補完する形のマナ・カーブが用意されているか、もしくは最初の突撃が鈍った後のゲームを終わらせる手段が用意されている。
中速は能力を持った1マナクリーチャー(例えば《ラノワールのエルフ》)と、パワー、スピード、サイズよりも弾力性を重視した素早い脅威を特徴とする傾向にある。これらのデッキはアグロデッキよりも遅い傾向にあり、それでもかなり早いが、また戦場のアドバンテージを形成するためにしばしばプレインズウォーカーを使う。主要な脅威に対処するため時々少数の対策カードを使うこともある、しかしその手の対策カードを引きすぎ、戦場を展開することができない場合は不利になる傾向がある。中速デッキの中にはアグロ寄りなものもあれば、コントロール寄りなものもある。それらに共通するものは、リソースのアドバンテージを得るのではなく、戦場自体にアドバンテージを蓄積することに焦点を置いていることだ(例えば、1枚のカードに対して2枚の手札を持つようにするのではなく、2/1クリーチャーに対して4/4クリーチャーを出しておくというように)。
ランプは脅威を展開する代わりにマナを展開することに序盤のターンを費やす傾向にある。我々は、より多くのカードが構築で使われるようにするため、スタンダードにより重い呪文を推すための努力をした。そしてそれは我々に普通に構築で使われるマナコストの空間を広げるよう要求した。6マナのカード1枚の恩恵は2枚の3マナのカードや3枚の2マナのカードよりも良い傾向にある。また、一般的にマナ・アドバンテージを得る呪文を妨害するよりもクリーチャーを殺すほうが簡単だ。総合すれば、これが意味するのはもしランプデッキもアグロデッキも上手く回ったとしたら、最終的にはランプデッキが有利だろうと言うことだ。しかし欠点は二つあり、一つは攻撃するクリーチャーよりもマナ加速呪文のほうが環境に少ないので、普通は安定性に少し欠けている。二つ目は、それらは多くの働きをする一つか二つの脅威に依存しているので、もしそれが打ち消されたり手札から落とされた場合は、普通はガス欠になってしまう。
コンボは、我々の現在の定義の下ではそれがかつて意味していた、ゲームを早く、そして確実に終わらせる強力なエンジンという物ではない。その代わり、我々は変な角度から環境を攻撃するデッキのことをこう呼ぶことにしている。良い例としては、数年前の《蔵の解放》デッキだろう、もしくはスターシティ・ブラック・チームのプロツアー・アヴァシンの帰還での《不可視の忍び寄り》デッキだ。理想的には、我々はそれらの戦略に深刻な弱点があるように目指し、誰もがそれらを撃てるようにするがしかし、メタゲームの穴をついて特定のトーナメントで暴れまわり、アドバンテージを得ることができる。
コントロールは、多少の差はあれど聞いたままを意味する。これらのデッキは、リソースのアドバンテージを蓄積しようとし、対戦相手に脅威を含む動きを何もさせなくする。一般的に、常にではないが、それらはランプや中速と同じ脅威を用いてゲームを終了させる。違う点は、それらができるだけ早くこれらの脅威を得ることに焦点を当てていないところだ。代わりに、それらは既に安全が確保されたゲームを掃除するために使われる。あるいは大きな脅威はそれ自身が、そのサイズか相手の脅威を除去する能力によってゲームを安定させる手段として使用できる。
最後に、撹乱的アグロと言う用語について説明する。(A)強力な脅威を展開して、それをゲームが終わるまで守る。もしくは、(B)弾力性のある脅威と除去の組み合わさった圧力から、手札破壊と打ち消し呪文で対戦相手の戦略を軌道に乗せることができないようにする。これらは通常脅威がはるかに少ない点で中速デッキと異なり、打撃もしくは除去が最も困難なことに焦点を置いている。普通は中速よりも遅いが、しかし戦場を攻撃する戦略(例えば全体除去)に対する脆弱性が少ない傾向にある。
我々は、これら全ての意味を伝えたので――深呼吸!――我々は重要な部分に到着する。つまりそれは、最初の場所でこのように配置されている理由だ。
最初に、4つのカテゴリの各「バケツ」がメタゲームの1/4ずつを占めるのが理想的だ。実際にはこのように正確には行かないが、しかしいくつかの理論的な感覚では、環境の25%がアグロで、25%が中速、25%がコンボとランプの組み合わせ、そして25%がコントロールと撹乱的アグロの組み合わせなのはすごいことだと感じる。
それではなぜデッキの相性はこうなるのか?
アグロ/コンボ/コントロールのモデルとは異なり、上記のデッキの結果は、単に何でもビートすると言う宣言ではない。しかしながら、それは一部分でもある。もっと正確に言えば、各バケツの大部分は異なる部分に焦点を当てることにより、デッキ構えのバケツとどのように対話するかに変更を表す。中速デッキはアグロの低いマナ・カーブにつけ込み、そしてマナによる優れた脅威を戦場に生み出すことの発展の制限を強制する。ランプとコンボは中速の切り札を用意するまでに時間を費やすことによる圧力の欠落につけ込む。コントロールと撹乱的アグロはコンボとランプの特定の脅威に焦点にしてつけ込み、その脅威を対象として退け機能させなくする。最後に、アグロはコントロールの重いマナコストと攪乱的アグロの戦場のアドバンテージ密度の低さにつけ込み、それがうまく攪乱される前にその戦略を展開する。
このモデルは我々の理想的なスタンダードの環境に非常に近いものを表していて、またこれを採用してから見えたことのほとんどに満足している。誰が見ても、もちろんこれら全てのカテゴリーは不変ではない。頻繁に、(特にサイドボーディングした後)カードを引いてクリーチャーを殺す以外何もしないように設定できるので、コントロールはアグロに対して本質的な利点を持っている。コンボはそれが機能する軸を変更することができる――見ろ、私のリアニメートデッキは今や《実物提示教育》デッキだぞ!――そしてアグロは中速に対して中速戦略を試みることができる、などだ。
結局のところ、マジックのメタゲームのような複雑なシステムを正確にモデル化する方法は存在しない。その上、《石鍛冶の神秘家》や《瞬唱の魔道士》のようなカードが印刷され、それはこれらのカテゴリーを窓の外にぶん投げて、「相手より良いカードを唱える」と言う大きな恩恵のある戦略を始める。しかしながら、一般的にこのモデルは我々にスタンダードの環境で最良の様々なパワー・レベルを展開する方法について多くの洞察力を与えてくれ、我々がメタゲームのバランスのために求められているデッキの種類を絞っていることと、既に良いことのために全てのガスを与えるとは限らないことを保証しているのだ。
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