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デュエルズと闇の領域
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デュエルズと闇の領域
Zac Hill / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2012年6月15日
今こそ君たちの手に。
今回の記事は二部構成をさらにふたつに分けたものだ。今日は、(a)マジックのカード〈闇の領域のリリアナ〉について、そして(b)デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013でのリリアナのデッキについて、話そうと思う。来週は、デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013、延いてはデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ全体について、そして私たちがどのようにデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズとそれに提携するセット(基本セット2013のようなもの――私が初めてデベロップ・リーダーを務めたんだ!)をデベロップするのか、ということについてより広く語ることにしよう。
しゃべることがいっぱいだ。
とはいえ、まず初めに、そもそもデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズとはいったい何なのか、ということについてお話しするべきだろう。
こっちに来てよ、ゲームをしよう
デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズはStainless Gamesの素晴らしい方々とウィザーズ・オブ・ザ・コーストの努力の結晶だ。これは基本的には、マジックのカードとデッキを用いて「アーケード・ゲーム」体験の一種を作ろう、という試みだ。どういうことだろうか? つまり簡素化されていてテンポが速く、スマートで直観的で、5分でも5時間でも心地よく遊べる、ということだ。もっとも、私の言葉を受けるまでもない。デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ・シリーズはXbox Liveの年間Top10を獲得しており、PC Gamer誌で最新の「歴代ゲームTop100」のひとつに選ばれ、「ノートパソコンで遊ぶベスト・ゲーム15本」の4位につけているのだ。
私が大げさに感心して見せているように見えるなら、その原因は私自身にある。私は基本的に「電子マジック」を最後までやらない――ミスクリックの乱発にキレてやめてしまう人間なのだ――が、デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズは最後まで遊んだ。2010年版でも2012年版でもチャレンジとデッキ・デザインの両方のチームに所属したし、基本セット2013とデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013を密接な体験としてまとめることに多くの時間を費やしたのだ。だから私は多かれ少なかれこの製品を愛しているよ、というのが私の言おうとしていることだ。
それはさておき。実のところ、デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズはマジックのカードを使った格闘ゲームのように分類される。キャンペーンでは君たちのデッキを次々とライバルたちと戦わせ、その道中でカードをアンロックしていく。ミニゲームやサイド・クエストも選択可能で、最終的に強大なボスに戦いを挑んだり、飛びぬけて難しいリベンジ・モードに取りかかったりすることになる。
Xbox360版デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013、スクリーン・ショット |
もちろん、これはPvE(プレイヤーvs環境)での体験にすぎない。デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズは、君たちに興味があるなら、しっかりとしたPvP(プレイヤーvsプレイヤー)での遊びも提供している。君たちはそれが可能な場で、そして友人たちに対抗する手段(今や前例のないアンロック数を誇る)から自由にデッキをカスタマイズできる場で、無理なく一対一の勝負ができる。他にも多人数戦があるので、そう、多人数戦によって君たちは友人たちを双頭巨人戦やプレインチェイス戦の輪に入れることができ、プレインチェイス(2012年版)の新しい次元カードに注目できるのだ。
きっとそのうち、マーケティング・チームの誰かがもっとしっかりした説明をしてくれると思う。興味があったら、こちらで確認できる。そこにはおそらく小粋なグラフィックと小洒落たトレイラーと、凝った広告があるだろう。私はライターでゲームを作る男にすぎない。私にお伝えできることは完全に受け売りなのだ。プレイ時間40時間というのは本当に控えめに見積もった数字であり、その間ただ槌を買う金貨のためにクエストを消化しているわけではない。マジックという世界最高のゲームをプレイしているのだ。
妖女
それじゃあ、そこではリリアナをどうやって扱わなければならないのだろう?
基本セット2013では、5人のプレインズウォーカーと、あるテーマを添えた能力を持つ5体の伝説のクリーチャー「将軍」に焦点を当てている。デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013ではそれら全てがデッキを持ち、発売時点で10個のデッキがプレイ可能だ。このアイデアはデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズのデッキリストに各「将軍」やプレインズウォーカーの能力を反映させるもので、そのふたつを理屈抜きに明瞭な形で結びつけるものだ。
それが意味することは、たとえプレインズウォーカーの持つデッキに実際にはそれぞれのプレインズウォーカー・カードが入っていなくても――残念なことに、デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズではまだプレインズウォーカーの機能はサポートされていないのだ――、それぞれのデッキのカードたちが完璧な意味を成すような固有のものを感じさせてくれるに違いない、ということだ。
オーケー。したがって、今回のデッキはリリアナをそのまま延長したようなものだ――彼女の本質的な姿が60枚のカードの形をとったものなのだ。
それでは、リリアナを見てみよう。
この前にプレインズウォーカーである《悪鬼の血脈、ティボルト》をプレビューしたときは、私はそれを分解して取り挙げた。リリアナでは、もう少し総括的に見ることにしよう。
姐さんは《沼》がお好きのようだ。
《闇の領域のリリアナ》 アート:D. Alexander Gregory |
+1でカード1枚という能力は、取るに足らないとは言えない。実際に、最近では《ボーラスの工作員、テゼレット》に見られたものだ――さらに、彼がいないのを不自由に思っただろう。その前に君たちにカードをもたらしていた4マナのプレインズウォーカーは、あの《精神を刻む者、ジェイス》だ。
いや、《沼》1枚を出すことがジェイス・レベルだと言っているわけじゃない。そんなわけがない。私が言おうとしていることは、君たちが大がかりな呪文の燃料を補給しながら毎ターン1枚多くドローするなら、そのゲームを落としにくくなるだろう、ということだ。
当然、君たちが少しずつアドバンテージを積み重ねる間対戦相手が何もせず親指をいじっている、なんてことはありえない。幸い、こちらのリリーは、ヴァニラ・アイスのごとく問題を解決する意欲に溢れている。少ないコスト、わずか3忠誠度という少ないコストで、ヴェス婦人は卓にいるだいたいどんなクリーチャーも殺し得るのだ。誤解しないでくれ――すぐにその能力を使いたい場合、彼女はそこに長居はしないだろう。私たちは年がら年中勝者となることはできないのだ。それでも、君たちがこういった感じのカードたちを使って、無人の盤面に彼女を降り立たせることができるなら、彼女は忙しい合間を縫って対戦相手の最大の脅威を撃ち抜いてくれるだろう。
《沼》 アート:Mike Bierek |
だがしかし、実のところこれが全部ではない。ある時点で、君たちはゲームの詰めに取りかかる必要がある。わかる、わかるよ、それは退屈な部分だ。でも、君たちが《沼》を持ってくること4回の後、いちどに8点ものダメージを対戦相手に宣告することが必要になったら、こちらのリリアナは喜んで君たちに手を貸してくれるだろう。さらにそのダメージが感染持ちだったら? 言うことなしだね!
ところで、君たちはマナが欲しいときもある。「マナが」欲しいときもある。
確かに、何枚かの《沼》は君たちのマナを伸ばしてくれる。しかし、例えば《墓所のタイタン》を目指しているのではない場合はどうだろう。少しだけ......高コストに向かっていたら? エルドラージ級の高コストを。20点以上の《生命吸収》を。高コストの呪文の良さが完全に霞むほどに高いところに向かっていたら? 見てくれ、リリアナは悪魔と契約を結んだんだ! 彼女は力を手に入れ、その力は郡書記官が持つ程度のものではない。まさに独裁者級、派手にやらないなら帰れと言わんばかりの力を君たちは得られるのだ。全ての《沼》がタップで4マナ? デメリットなしの《Lake of the Dead》? サイコロを用意してくれ――きっと必要になるだろう。
ああ、それと抜け目ない読者諸君なら、彼女が基本土地の《沼》だけを持ってくるのではない、ということに着目するだろう。
しかし実のところ、どれだけの問題があり得るのか定かでない。スタンダードで使用可能なものは《沼》以外にはなく、近いうちに氷雪カードが戻ってくるとは思えない(最近、ここ愛すべきワシントン州レントンはとても暖かく、私たちは寒さが欲しいとは思わないのだ)。
私は完璧を求めて適切に指摘する。当然の注意だ。正しく行なうか、そうでなければ何もしないか。もしそうしなければ、私はいい加減なことをすることになる。
黒くぬれ
そんなわけでリリアナのデッキは、そしてそこにあるカードたちは《沼》に大きく関わるものに違いない。《沼》をプレイし、それらを効果的に使い、そのプランを打ち負かそうとする全てを排除するものだ。
おもしろいじゃないか。
リストはこちら。これらのカードのうちどれくらいがまだ公表されていないかわからない。だから......判明したら、驚いてくれ! わからなかったら......思いを巡らせてくれ!
25 《沼》 -土地(25)- 2 《水膨れ虫》 2 〈血狩りコウモリ〉 2 〈ひどい荒廃〉 2 《煙霧吐き》 2 〈リリアナの影〉 2 《リリアナの死霊》 1 《ルーン傷の悪魔》 1 《吸血鬼の夜鷲》 2 〈ヴェール生まれのグール〉 2 《出征路のグール》 1 《ザスリッドのゴルゴン》 -クリーチャー(19)- |
1 《堕落》 1 《無垢の血》 2 《黒玉の大メダル》 1 《最後の口づけ》 1 《ぬかるみの代価》 3 〈殺害〉 2 〈公開処刑〉 1 《墓場からの復活》 2 《血の署名》 1 《堕落の触手》 1 《地獄界の夢》 -呪文(16)- |
いくつかは抜けそうなものもある? 紛れもなく抜けそうなものがある? そう、その理由はゲームを進めることで得られる30枚のアンロック・カードを発表していないからだ(編訳注:その後発表いたしました。詳細は製品サイトにて)。だから、このデッキはまだまだ強くなるよ、とお伝えするのがフェアというものだろう。私は何体かのデーモン、6枚か7枚の生物を殺す手段、そして何枚かにだけ充てられた、本当に美しいrk postのアートを見ているところだ。でも、私はアンロックされるものが一体何なのか、その秘密をすべて漏らすような人間じゃない。君たちならきっと見つけてくれると思っているよ......
とにかく、このデッキはマナを求め力を求め、標準的な黒単に傾倒する中量級デッキだ。プランはシンプルで、無数の《沼》を並べ、対戦相手が死に至るまでタップ・アウトして呪文を唱える。このデッキにはたくさんの除去手段、かなりの量の直接ダメージ源、轟くファッティな怪物たち、そして再利用できる安定なカード・アドバンテージがある。もしリリアナ自身がデュエルズに存在するなら、彼女はこのデッキにうってつけだ(《吸血鬼の夜鷲》を+7/+7するのをお任せして......)。
君たちがデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013で他のプレインズウォーカーのデッキも似たようなものだと予想し得る、ということについてはひとつだけ注意を。私たちがこれらのデッキをどのようにデザインしているのか、ということは来週もっと話していこうと思っているけれど、そのアイデアは楽しさを生むためのもので、マジックのキャラクターたちやカラー・パイの感じを捉える様々なプレイ体験を生み出すためのものだ。パワー・レベルはエントリーセット程度のものになるはずだ。《秘密を掘り下げる者》デッキも土地加速系《ケッシグの狼の地》デッキも収録しない。場違いだからだ。それでも、私たちはマジックを楽しいものにする要素の大部分である戦略的定義づけは盛り込みたいと、心の底から思っているのだ。
私たちがデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013のために特別にやったことはどんなことだろうか?
それじゃあ、来週をお楽しみに:)
Zac (@zdch)
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