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戦略記事

Daily Deck -今日のデッキ-

青緑スレッショルド(過去のスタンダード)

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青緑スレッショルド(過去のスタンダード)

Melissa DeTora

2015年6月25日


 本日ご紹介するデッキは、アダム・プロサック/Adam Prosakから聞き出したものです。彼はマジック開発部のデベロッパーで、この「Daily Deck」のコラムを書いていたこともあります。『Tempest Remastered』ではリード・デザイナーを務め、デベロップ・チームでは、例えば『Vintage Masters』や『タルキール覇王譚』、『モダンマスターズ 2015年版』などに携わりました。アダムはまた開発部でも屈指のデッキ・ビルダーで、現在のFFL(フューチャー・フューチャー・リーグという、スタンダードで行われる社内リーグ戦)を取りまとめています。

 私がアダムにお気に入りのデッキを尋ねると、彼は快く「青緑スレッショルド」について語ってくれました。『インベイジョン』~『オデッセイ』期のスタンダードでは、青緑のデッキが最強を誇っていました。ですが当時の青緑といえば、普通は「マッドネス」を駆使したものでした。《アクアミーバ》や《野生の雑種犬》といった能動的に手札を捨てることのできるカードを、「手札から捨てたいカード」と組み合わせる戦略です。このデッキには、《日を浴びるルートワラ》や《尊大なワーム》、《ワームの咆哮》、《堂々巡り》など、手札から捨てることで効果が高まるカードが採用されているのです。

 アダムのデッキは「マッドネス」の形とは少し異なるものでした。彼も自身の手札を捨てることでカードの効果を高めていたのですが、「マッドネス」呪文を唱えるのではなく、「スレッショルド」を達成するために必要な7枚のカードを墓地へ送ることを目指したのでした。この恩恵を一番受けるのが《敏捷なマングース》と《熊人間》であり、彼のデッキの主な勝ち手段でした。ですがそれでも、3/3や4/4ではまだ勝ち手段としては細いという問題を抱えていました。そこで《激動》の出番です。

 《激動》は極めて強力なカードです。これがあるおかげで、ドロー・カードを唱え、土地を並べ、脅威となるものを次々と打ち消し、コントロール寄りの動きができるのです。勝機がきたら、土地をすべてタップしてから《激動》を唱えます。そして浮いたマナで《敏捷なマングース》や《熊人間》を唱え直すのです。こちらの戦場には脅威となるクリーチャー。対戦相手の盤面にパーマネントはなし。勝利を掴むのはたやすいはずです!

 アダムはこの「青緑スレッショルド」を操り、2002年のオハイオ・バレー地区選手権でトップ8に入賞しました。間もなくして「Magic Online」が稼働すると、彼はすぐにこのデッキを作りました。「青緑スレッショルド」は、彼の愛する《マーフォークの物あさり》との出会いをもたらし、彼のマジック・キャリア序盤の成功の証となったのでした。

 アダム、素晴らしい話を聞かせてくれてありがとう!

Adam Prosak -「青緑スレッショルド」
過去のスタンダード[MO] [ARENA]
12 《
6 《
4 《ヤヴィマヤの沿岸

-土地(22)-

4 《敏捷なマングース
4 《熊人間
3 《マーフォークの物あさり
2 《神秘の蛇

-クリーチャー(13)-
4 《選択
3 《魔力の乱れ
4 《対抗呪文
4 《記憶の欠落
4 《排撃
4 《嘘か真か
2 《激動

-呪文(25)-
4 《クローサの獣
4 《たい肥
3 《反論
2 《麻痺の感触
2 《凡人の錯覚

-サイドボード(15)-
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