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プレインズウォーカーのための『ストリクスヘイヴンの秘密』案内

Lauren Bond,Laurel Pratt
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2026年3月16日

 

 マジックの生徒の皆さん、『ストリクスヘイヴンの秘密』の授業初日へようこそ! 多元宇宙最高峰の学府は新たな生徒へと誇らしく門戸を開きました。ですがストリクスヘイヴンへの入学を許可されたからといって、気楽に考えてはいけません。授業開始に向けて準備を進める中(予習はお済みですか?)、我らが優秀な学者たちがこの「案内」を作成しました。このセットにて目にするであろう学舎、持ち味、そしてカリキュラムについて解説します。

 皆さんへの最初の課題は2026年3月23日に公開される予定です――『ストリクスヘイヴンの秘密』第1話です! 全6話からなるメインストーリーは、3月31日のデビュー配信まで続きます。この配信にて、セットの真の秘密の一部が明らかになるでしょう。そしてプレビュー期間中は5つの大学それぞれに1本ずつ、計5本のサイドストーリーが公開されます。(訳注:日本公式サイトでは掲載スケジュールが異なる可能性がございます)マジックの物語についての知識をさらに深めるまたとない機会です。

 新学期はもう始まっています。『ストリクスヘイヴンの秘密』のシラバスに取り組みましょう。このセットは2026年4月24日に発売され、お近くのゲーム店Amazon楽天ブックス、その他マジック製品を取り扱う店舗で今すぐご予約いただけます。


ストリクスヘイヴン大学に新入生を迎えることを大変嬉しく思います。皆さんは学問という冒険に乗り出し、先達である沢山の魔道士たちの足跡を辿ることになります。これは決してひとりで歩む旅ではありません。教授、指導教官、そして仲間の生徒たちがいつも皆さんを支えます。ストリクスヘイヴン大学として、私たちは高い目標を目指し、常に努力を続けています。卒業生たちはアルケヴィオスと多元宇宙をより良い場所にしてくれることでしょう。

入学資料にはこの大学全体に関する重要な情報が記載されていますので、まずはこれを一読することをお勧めします。2年次に選択することになる各大学の紹介を読み、課外活動の内容を調べてください。あるいは大学の秘密を少しだけ発見できるかもしれませんよ。

マビンダ教授と歓迎委員会より

ストリクスヘイヴン大学

 ストリクスヘイヴンは700年以上の昔、魔法に長けた5体のドラゴンによって創設されました。アルケヴィオス次元における最高峰の魔法教育施設であり、その講堂で学ぶために多元宇宙の隅々から才能ある若き魔道士たちがやって来ます。

 ストリクスヘイヴンは5つの大学に分かれており、それぞれが固有の学舎、教授陣、魔法的専攻分野を有しています。各大学は対立する2色のマナの組み合わせに注目しており、この対立するふたつの要素から生じる疑問や課題を探求しています。

ストリクスヘイヴンとその 5つの大学についてさらに詳しく知るには、こちらの補足資料を確認してください:プレインズウォーカーのためのストリクスヘイヴン案内

 ストリクスヘイヴンは長い歴史を持つ学術機関であると同時に、魔法研究の最先端であらんと努力しています。各大学の魔法の形は、新たな呪文や技法が発見されて洗練されるにつれて変化と適応を続けてきました。それら変化は新たな制服や課外活動など、魔法という領域の外にも現れています。

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アート:Constantin Marin
侵略からの復興

 ファイレクシアの侵略によって学舎の大部分が被害を受け、あるいは破壊されました。そして多くの教職員が命を落としました。今なお、そこかしこに侵略の爪痕がくっきりと残っています。再建された大図書棟、亡くなった教職員や生徒たちを偲ぶ記念碑、新任の学部長たち、そして新たな研究分野などです。ほとんどの生徒の学業は、あの侵略によって何らかの形で中断されてしまいました。学業を切り上げてすぐに就職した生徒もいましたが、更なる知識を求めて在学期間を延長した生徒もいます。

領界路とストリクスヘイヴン

 領界路の存在は広大な多元宇宙への接触を容易なものとしました。そしてこれはストリクスヘイヴンとアルケヴィオスの両方へと著しい影響を及ぼしています。また最新の研究によれば、アルケヴィオスでは領界路の開閉が際立って頻繁に発生していることが示されており、多元宇宙との関係を更に複雑なものにしています。これについて大学内では、相反する見解や提案が数多く出されています。広大な多元宇宙との関わりは魔法の学習と発展のための素晴らしい機会と捉える学者もいれば、新たな侵略や更に悪い運命に見舞われる危険があると考える学者もいます。

 大多数は新たな可能性を受け入れ、どの大学でもアルケヴィオス外の次元に関する研究分野が次々と誕生しました。侵略の翌年、他次元からの留学生向けクラスが初めて設置されました。多元宇宙で最も名高い教授陣も迎え入れました。ストリクスヘイヴンの名声は高まり、ドミナリア次元のトレイリアのアカデミーやラヴニカ次元のプリズム大学といった、他次元の大学との非公式な競争関係が生まれました。どの大学も、多元宇宙で最も才能ある魔道士たちを迎え入れようと躍起になっています。

政治学303 ラヴニカギルドの政治と政策

環境科学437 スターアーチと面晶体:重力異常の研究

 ストリクスヘイヴン大学は多元宇宙へと開かれていますが、十分な警戒を怠ってはいません。生徒たちとアルケヴィオスの住民を守るため、大学は領界路監視委員会を設立しました。この委員会は領界路を通過するすべての移動を認可し、訪問者を審査し、大学や次元全体への脅威とならないよう確認しています。委員会の魔道士たちは領界路の変化を観察し、アルケヴィオスにて新たに開いた領界路を探し、他次元から大学への訪問者を護衛し、生徒や住民が「またも」別の次元へ迷い込むのを防いでいます。

「次なる侵略を阻止せよ! アルケヴィオス保護協会に加わろう!」

卒業後の進路

 ストリクスヘイヴンの卒業生たちは様々な道へと進みます。多くは故郷の地域社会へ戻りますが、より素晴らしい魔法を求めてこの次元を旅する者もいます。学問に献身する者は私的にあるいは研究所で探求を続けるか、院生や教授としてストリクスヘイヴンに残ります。選ばれた少数の者は龍護りに加わります。

龍護り

 龍護りは精鋭の魔道士集団です。5体の創始ドラゴンと直接連携し、彼らの務めをこの次元全域で支援する役割を担っています。龍護りの使命はアルケヴィオスの住民の平和と繁栄を確保することであり、強力な魔法を自由自在に駆使して任務を遂行します。創始ドラゴンと共に働くために選ばれることは大きな栄誉とされています。龍護りの魔道士たちは恐るべき術師として知られ、この次元全域で敬意をもって扱われています。

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アート:Cristi Balanescu

各大学

シルバークイル大学

雄弁術の大学

「これは脅しじゃない。“約束”だよ」

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アート:Ksenia Kim

 シルバークイルの生徒たちは言葉の魔法の達人です。彼らは感情を揺さぶり、士気を高め、そして痛烈な侮辱を浴びせて敵の戦意を削ぎます。シルバークイルの「鋭い」機知は比喩表現ではありません。彼らは辛辣な一言でどれほど堅固な鎧も貫いてしまいます。一方で彼らの勇ましい演説は、仲間を絶望の底から救い出すこともできるのです。

 シルバークイルの魔法は話し言葉や書き言葉や手話の形で現れ、墨と光の美しい筆致をもって視覚化されます。シルバークイルの魔道士たちはしばしば、学舎の内外を問わず指導者的立場に就きます。彼らはとても競争心が強く、意欲的であり、「絶対に二番手にはならない」という姿勢でいます。シルバークイルの生徒たちは、颯爽とした出で立ちで堂々とした存在感を放っています。学舎で彼らを見たなら、自信に満ちた様子が伝わってくることでしょう。

 シルバークイルの主な研究分野には言語学、政治学、社会学、教育学、法律、諜報活動、報道などがあります。

言語学121 象形織りの構文と意味論

法学416 デーモンとの契約における交渉と起草について

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アート:Mila Pesic
実地研究

 シルバークイルの生徒は、学舎の外でもしばしば権威ある政府機関や企業でインターンや付添いや研究助手の役割を担います。彼らは極めて有能なシルバークイルの法律家や外交官を支え、特に緊迫したあるいは注目度の高い交渉のためにアルケヴィオスの各地へと招かれます。生徒たちは探求心旺盛な社会学者たちと共に学び、大都市で生活して住民たちに触れ、幅広い調査研究や聞き取りを行い、彼らの日常生活を記録し観察します。あるいは魔道士たちと共に次元を旅し、図書館を巡り、辺境の村々を訪ね、消滅しつつある言語や世に知られていない書記体系を探して自らの魔法理論を洗練させます。最も優れた才能を持つ生徒の中には詩人や演説家の道を選ぶ者もいます。彼らは注目を集める行事にて特別出演者として招かれ、卓越した言語能力で聴衆を魅了します。

調査員・批評家求む! 次の年度に向けて、ストリクスヘイヴン・スター紙はお喋りな新人記者を募集しています。

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アート:Alexandre Honoré
プリズマリ大学

精霊術の大学

「すべてをステージに注ぎ込み、決して忘れられないパフォーマンスを届けてやろう」

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アート:Inkognit

 プリズマリの魔道士たちは魔法と芸術とを全く区別していません。彼らの呪文は荒々しい創造性の爆発、華やかで突飛な魔法の傑作です。プリズマリの生徒たちは自分なりの精霊魔法を用いて世界の見方や自分自身を表現します。炎、氷、水、風、土、石、稲妻、熱、冷気、雪、竜巻、地震、純粋なエネルギーの響き渡る脈動――あらゆる精霊の力がプリズマリに霊感を与え、表現手段となるのです。

 プリズマリの魔法は芸術作品として表現され、それは彫刻や絵画から舞踏や歌まで多岐にわたります。プリズマリの魔道士たちは青と赤のマナの対比を体現しており、作品や技術を細部まで完璧に仕上げようとする者もいれば、ありのままの感情を大胆に表現する者もいます。

 プリズマリの主な研究分野には美術史、演劇芸術、哲学、精霊術理論、体育、心理学などがあります。

音楽117 精霊音楽彫塑論

哲学395 完璧主義に関する各種独立研究

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アート:Marta Nael
実地研究

 学舎の外でも、プリズマリの生徒たちは芸術理論と技術への理解を深めようとします。多くの生徒が「芸術村」に集い、その分野の巨匠たちから学んで技術を研鑽します。大規模な芸術家の組合や共同体に参加し、他者と緊密に関わり合いながら作品を制作する生徒もいます。あるいは先見の明のある名人に弟子入りし、次元を旅しながら自分たちの傑作をより多くの観衆に届けます。

 彫刻家や画家を目指す生徒は大都市のギャラリーに作品を出展し、鑑賞者の反応を注意深く観察して自分たちの芸術を洗練させていきます。参加者を魅了してひとつの感動だけを残す没入型イベントや即興パフォーマンスを作り出す生徒もいます。芸術は孤立して存在するものではないというのがプリズマリの教えであり、学舎の外へ足を踏み出す生徒たちはこの信念を実践しているのです。

プリズマリ・プレイヤーズ公演のオーディションは来週開催です。短い語りと創作舞踏を披露して頂きます。

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アート:Marie Magny
ウィザーブルーム大学

本質学の大学

「自然は耐え忍び、適応を果たす。私たちもいずれそうなる」

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アート:Florian Herold

 ウィザーブルームの魔道士たちは相反する生と死から力を引き出します。彼らは自然の構成物と生物の精髄から強力な呪文を醸し、その力を用いて生者を癒しも傷つけもし、死者を起こしたり使役したりします。彼らが振るう魔法はひとつの森全体に満開の花を咲かせることも、古代のドルイドの呪いを呼び起こして肉を骨から削ぎ落すこともできるのです。

 ウィザーブルームの魔道士には、獰猛な汚染から生態系を守る者もいれば、腐敗と死の力を楽しむ者もいます。ゾンビのクロコダイルに乗ってよどんだ川を下ることにも、消耗病の治療薬になる薬草を集めることにも、沼カエルの合唱に思索を巡らせることにも、あるいは恐るべき太古の自然の化身を召喚することにも、彼らは長けています。

 ウィザーブルームの主な研究分野には錬金術、医学、生魔術、病理学および毒物学、葬儀科学、屍霊術などがあります。

植物学117 生命の根源:注入術概論

葬儀科学 460 上級骨術と肉体加工

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アート:Johan Grenier
実地研究

 学舎内に閉じこもっているだけでは、生と死を理解することはできません。そのため、野外調査はウィザーブルームにおけるほとんどの学術研究において重要な要素となっています。大学は半恒久的な研究施設を数多く所有しており、この次元で最も独特な動物相と植物相の研究調査や栽培、活用を行う教授陣や生徒たちを支えています。

 ひときわ社交的な教授や生徒たちはしばしば地域の病院や治療院で活動し、業務を支援したり新たな治療法や技術の実験を行ったりしています。自然に浸る方を好む者もいます。彼らは姿を消して長い生物や伝説の植物を探すため、アルケヴィオスで元も辺鄙で危険な荒野の奥深くへと少人数の集団で探検に赴きます。

ウィザーブルーム採集同好会と一緒に、ポーションから毒を学びましょう。

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アート:Elliot Lang
ロアホールド大学

考古術の大学

「往く手にある石は障害物にあらず。それは発見である」

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アート:Ksenia Kim

 ロアホールドの魔道士は歴史に魅せられた情熱的な学者たちです。彼らは出来事の根底にある力や駆り立てる力を理解するために過去を探求します。ロアホールドの魔法を駆るのは秩序と混沌の二面性です。この宇宙は秩序ある理想的状態に向かっているのでしょうか、それとも混沌へと屈しつつあるのでしょうか? 各種の出来事には理解して予測できる法則があるのでしょうか? あるいは時間とは規則性のない出来事の連続であり、物事は「ただ起こる」だけなのでしょうか?

 ロアホールドの魔道士たちは生ける歴史を自在に操ります。彼らは遠い昔に没した歴史的人物の霊を召喚したり、古の書物から魔法を引き出したりします。ロアホールドの魔道士たちは行動と冒険に惹かれます。彼らは概して協調性があり熱心ですが、時にその情熱が抑えきれなくなることもあります。学舎内にいる時でさえ常に次の探検の準備を整えており、次の歴史的発見のためにあらゆる手段を講じる心構えでいるのです。

 ロアホールドの主な研究分野には歴史学、考古学、人類学、建築学、神話学、教学、野外調査の方法論などがあります。

歴史学220 ゴルワンダとザンドリル:血の時代の将軍たち

人類学335 修復と複製の比較研究

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アート:Josu Hernaiz
実地研究

 学舎外への冒険はロアホールドの研究にとって不可欠の要素です。教授陣と生徒たちはこの次元の最果ての地へと考古学的調査に乗り出し、遺跡や古戦場や記念碑、失われた魔法やその他の古代遺物を探します。最も冒険心旺盛な、あるいは無謀とも言える者たちはアルケヴィオスでも危険かつ到達困難な地で過去の痕跡を探し求め、物騒な地形で野外調査の技術を磨きます。

 文明の快適さを好む者は人類学的研究に献身し、現在を観察することで過去を探求します。彼らは都市や村々に滞在して住民に聞き取り調査を行い、慣習を観察します。ロアホールドの生徒たちは教授陣と共に地域社会の指導者や行政と協力して歴史を保存・記録したり、失われた過去の遺物を発掘したりします。

優勝チームに加わろう! ロアホールドのメイジタワー選抜試験は今週開催です。

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アート:Raluca Marinescu
クアンドリクス大学

数魔術の大学

「理論? 実践あるのみよ」

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アート:Matheus Graef

 クアンドリクスの魔道士は自然界の革新的な数学者たちです。彼らは自然の根底を成す数学的原理、フラクタル、対称性、そして自然世界の進化と発展を規定する法則を研究します。クアンドリクスの魔道士は理論を物理的な形へと変換します。彼らは反復するフラクタルでできた生物を創造したり、抽象的な理論をらせん状の高層建築物へと変貌させたりすることができます。

 クアンドリクスの生徒たちは、数学の魔法を駆使して思うがままに数字を操ります。加減乗除を用いて自然の法則を作り直すのです。クアンドリクスの魔道士は自然世界の建築士たちであり、現実など解くべき一本の方程式に過ぎません。クアンドリクスの魔道士たちは、建築家や技師など実践と理論が交差する役割をしばしば担います。学舎内で見かける彼らは大抵において最新の研究に夢中になっていたり、周囲の世界よりも自分の思考に没頭したりしていることでしょう。

 クアンドリクスの主な研究分野には応用数学、工学、物質科学、フラクタル形成学、環境デザインなどがあります。

生物科学103 魔法植物環境学入門

数学394 虚数造形のフラクタル化

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アート:Fajareka Setiawan
実地研究

 クアンドリクスの魔道士たちは理論に現実的根拠を与えることを目指し、学舎外で幅広い調査と研究を行っています。クアンドリクスが学舎外で行う研究の中核は、観察と実践的な実験です。彼らは大陸各地に拠点を多数構え、急速成長実験や時間遅延の研究といった様々な理論的・実質的な専門分野を扱っています。

 クアンドリクスの多くの教授や生徒たちが、アルケヴィオス各地で起こる奇妙な自然現象を追い求めています。そこは自然が自らの法則を書き換える場所です。生徒たちは実体を持つ教授陣と協力して都市計画や自然の再生について地域社会と協議を行い、また自分自身の理論を現実世界に応用します。一方で、むしろ孤独を好む者たちもいます。彼らは学舎の喧騒から遠く離れた自然の静寂を求め、他者の干渉を怖れることなく最も奇抜な実験を行います。

もうテストのために詰め込む必要はありません! 私たちの学習クラブに来ませんか? 循環的時間の中でなら、最後の1分はいくらでもありますよ!

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アート:Ioannis Fiore

アルケヴィオス

夜明けの時代

7000年以上前

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アート:Jorge Jacinto

 この次元の最古の歴史、すなわち世界の形成から人型生物種族の出現に至るまでの歴史は、ほとんどが時の流れの中で失われています。この次元は複数の世界の融合とねじれたマナによるまばゆい混沌の中で形成されたと考えられていますが、それを物語る明確な証拠はほとんど残っていません。

 ストリクスヘイヴンの学者たちが提唱する最も有力な説は、エズロイとカルディスというふたつの疑似次元が、未知の宇宙的出来事の結果として融合したというものです。とはいえそれは典型的なマナの融合ではなく、対照を成す関係のマナ同士が結びつき、今日この次元で見られるようなマナの関係を形成したのです。この世界の魔法的な力の多くは、対照的な二色で構成されているように思われます。すなわち白と黒、青と赤、黒と緑、赤と白、緑と青です。これら5つの力はしばしば「対抗色」とも呼ばれます。

 マナのもつれ、スターアーチ、そしてアルカイックは夜明けの時代にまで遡る存在であり、それぞれに際立った独自性と神秘性を有しています。夜明けの時代は、初期の人型生物種族が台頭して戦争の時代をもたらしたことで終わりを迎えました。

神話学413 マナのもつれと両の太陽:夜明けの物語

天文学540 次元形成理論

血の時代

約7000年前~約700年前

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アート:Néstor Ossandón Leal

 血の時代は、この次元に住む多くの民がそれぞれ軍を率いて激突した時代です。何世紀にも渡って激しい戦争が繰り広げられ、世界は血に染まりました。当時にも、平和を求める声は少数ですがありました。初期の魔術師や邪術師、その他の呪文の使い手たちは流血を終えよと訴えました。ですが彼らの魔法技術はまだ初歩的なものであったため、その声は聞き入れられませんでした。5体の強大なエルダー・ドラゴンが結集してストリクスヘイヴン大学を設立したことで、ようやく血の時代は終わりを迎えました。そして現在、神秘の時代が幕を開けたのです。

倫理学 512 正義と戦争の正当化

召喚学201 中級霊魂鎮静法

神秘の時代

約700年前~現在

 ストリクスヘイヴン大学の開設をもって、創始ドラゴンたちは魔法研究の新たな時代を告げました。ドラゴンたちはそれぞれ自らの2色のマナに関する研究を魔法の大学に集積させ、すると呪文の使い手たちが魔法を学ぶためにこの次元の至る所からやって来ました。魔道士たちはこの世界で最も強大な勢力となってただちに軍隊の力を凌駕し、血の時代の残滓は滅びた記憶と化しました。血の時代のアーティファクトや霊魂は今も時折姿を現しますが、今日における主要な紛争のほとんどは剣を振るう軍隊ではなく、魔道士たちの決闘によって生じています。

マナのもつれ(交錯)やスターアーチの形成に関する詳細は、補足資料「プレインズウォーカーのためのストリクスヘイヴン案内」に記載されています。

大界

 この次元の既知の領域のほとんどは、ふたつの巨大な大陸に分かれています。一般的に「大界」と呼ばれる北部のオーリシア大陸、そして謎めいた南部のガラトゥール大陸です。両大陸は前兆の地峡と呼ばれる陸橋で繋がっています。ストリクスヘイヴンはオーリシアの北東部に位置しています。大界はひとつの広大な大陸であり、魔法や発見、そして危険に満ちています。

 大界の各地には、ストリクスヘイヴンの複数の大学にとって非常に重要な場所が数多く存在します。どれも大学の指導者たちが研究に不可欠と考える知識の源、呪文の構成要素、あるいは魔法的発展性を有しています。ですがそれらは紛争の場となることも少なくありません。そこに眠る魔法や資源を巡って、異なる大学や異なる伝統の魔道士たちが衝突するためです。

今後の研究実習に赴く指導教官を募集中! 学舎の外へ飛び出し、大界の探検家たちと共に技術を試してみませんか?

北東部地域

 北東部は湿度の低い大陸性気候で知られ、冬は寒く雪が降りますが夏は乾燥して暑くなります。北東部は大陸中央の山脈と南の湿地帯で区切られており、ストリクスヘイヴン大学があることで最もよく知られています。とはいえ他にも魔法的・文化的に重要な場所は数多く存在します。

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アート:Marina Ortega Lorente
  • ストリクスヘイヴン大学:高名な図書館と 5つの大学を擁する、アルケヴィオス最高の魔法学府です。
  • 近傍の交錯:マナのもつれが5つ、星型に並んでいます。その中心にストリクスヘイヴンが座しています。マナのもつれはそれぞれが各大学の力の中心とみなされており、多くの学術研究の場となっています。
  • ザンタファー:ザンタファー・ロクソドンが遊牧生活を送るようになる以前の、失われた廃墟都市です。ロアホールドの生徒であるクイントリウス・カンドによって再発見されました。以来、ロアホールドの魔道士や人類学者たちが大いに興味関心を寄せる遺跡となっています。
  • フェラドルンの深淵:この地域の最北端に位置する、高い岩壁に囲まれた広大で曲がりくねった峡谷です。はるか昔に消え去った氷河によって大地が削り取られて形成されました。ここには謎めいて危険な生物の叫び声や、崖沿いに点在する唄石の不気味な音楽が響き渡っています。峡谷沿いにはオグヤールの村々が点在していますが、その多くは危険な場所に位置しています。
  • ウィップステップ:北東部のステップは乾燥しており、しばしば竜巻に見舞われます。ここはウィップステップ共同体のコーが故郷とする場所です。過酷な気候にもかかわらずこの地域は多様な野生の花々で知られており、またそれらは錬金術の貴重な材料とされています。
アミティの公開討論所

「先例と手順が脈打つ心臓部に」

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アート:Richard Wright

 アルケヴィオス北東部に位置するこの“アミティの公開討論所”は、シャドリクス・シルバークイルによって外交の中心地として設立されました。その目的は、血の時代末期にアルケヴィオスに築かれた脆弱な平和を維持し強化することです。“アミティの公開討論所”にはアルケヴィオスの様々な民を代表する外交官や政治家やその他の使節が集います。彼らはここで議論し、審議し、交渉し、あらゆる紛争の解決策を模索します。

 “アミティの公開討論所”で働くのはそれぞれの政府や組織から任命された調停者、つまり大使たちです。シルバークイルからも数名の講師が指導者や相談役として加わっています。同じくシルバークイルの生徒たちが観察や学習のために、そして自分たちの魔法を試すために絶えず訪れています。

 この公開討論所では厳格な議事規則が適用されています。シルバークイルの生徒にとっては、時代遅れで複雑すぎると感じることも少なくありません。ですがそれらは議論が白熱した時でも平和を保つために役立っているのです。それでも議場の外では非公式な対立が頻繁に発生します。議長室から出るや否や、調停者たちが互いに決闘を挑むことも珍しくありません。

 正午から日没まで開催される判事討論会をお見逃しなく。ニタ・アロステ氏による「水の権利と不当性」の発表も必見です。

 生徒たちは“アミティの公開討論所”にて様々な役割を担います。学部生にとって最も一般的な役割は調停者の付添、雑用係、メモ取り、そして時折調停者の代理として決闘を行うことです(調停者からの許可がある場合もない場合もあります)。院生と4年生はしばしば客員教授の助手となり、あるいは研究課題に取り組みます。独自の提案書の作成と発表、議論の調停、討論会の司会役などです。“アミティの公開討論所”には、親密な議論のための居心地の良いサロンや正式な会合のための大規模ギャラリーを備えた豪奢な館が付随しています。大図書棟を除いて最大級の図書館施設もあります。館を取り囲むアダンブラル庭園には秘密の会合場所や広い遊歩道、そして認可された(あるいは認可されていない)決闘のための公開決闘場が点在しています。

  • ドラゴンの演壇:シャドリクス・シルバークイルは、“アミティの公開討論所”に滞在の間はこの巨大な屋外円形劇場に座します。その際には調停者による正式な会合の多くがここで行われ、悪天候時には魔法の墨で描かれたルーンがこの空間を保護します。シャドリクスが不在の間はより大規模な儀式や、時には興行が催されることもあります。
  • 大議会場:“アミティの公開討論所”で最も広い内部会議室です。調停者全員による議論が行われる際に使用されます。参加者間で白熱した言葉や激しい呪文が活発に飛び交い、時に危険な状況となることもあります。
  • 付添人の談話室:シルバークイルの生徒専用の施設です。この広い部屋には勉強机や寛ぐための空間、そして練習を行うための舞台が備え付けられています。生徒たちにとっては教師の監視の目から逃れられる場所であり、夜遅くまでパーティーが続くことも珍しくありません。
北西部地域

 中央山脈が抱く雨雲の陰から沿岸まで広がる地域です。気候は概して温暖ですが非常に湿潤であり、多様な動植物が生息しています。

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アート:Raph Lomotan
  • セイアドゥーン遺跡:血の時代に人間とドワーフとオークの軍勢が三つ巴の激戦を繰り広げた地です。堂々たるセイアドゥーンの砦はかつてドワーフが建てたものですが、今は数千もの戦士たちの屍とともにこの地に埋もれています。ウィザーブルームの屍術師とロアホールドの考古学者は発掘調査においてしばしば衝突しており、またこの地域一帯はデーモゴスの悪魔の狩場として知られています。
  • 漂泊湖:島々が点在する広大な湖です。これは一年の特定の時期に完全に姿を消し、北西部地域のどこか別の場所に再び姿を現します。湖の近くにはドレイクが絵のように美しく群生していることで知られており、神秘のインスピレーションを求めてそこを訪ねる魔道士もいます。
  • ドラドゥール:川が流れる森林地帯であり、西部に位置しています。カエルの知的種族であるバロッグが棲んでいます。ドラドゥールは魔力を帯びた水草、放浪のキノコ種族、いたずら好きな妖精たちでも知られています。
タイタンの墓

「死と生が完璧に、ひとつの形に融合している。新たな緑が芽吹き、誰も覚えていない何かを取り戻す」

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アート:Lorenzo Lanfranconi

 “タイタンの墓”は広大な森です。これは次元の黎明期に存在した未知の巨大なタイタンの死骸の内に広がっています。ウィザーブルームの生徒たちは錬金術の材料となる新たな動植物を発見するために、あるいは森の未踏区域を探索して希少かつ未知のものを集めるために“タイタンの墓”を訪れます。タイタンの化石化した肉と骨の間に背の高い木々が森となって生い茂り、その下には狭い洞窟網が地下へと続いています。

 この地の動植物は独特かつ奇妙であり、多くは外部の影響をほとんど受けることなく繁栄しています。訪れる生徒たちを快く受け入れるものもいれば、躊躇せずに彼らを食事にしてしまうものもいます。ウィザーブルームは森の中にいくつかの拠点を設けており、これらは地形の変化に合わせて頻繁に再建されています。タイタンの中に位置する村では活気ある市場が開かれており、次元の各所から魔法の使い手たちが集まっては商品を売買しています。そしてその多くはここでしか手に入りません。

「最高の水薬や魔法薬をお探しですか? レヴァの特別貯蔵庫にご相談ください!」

 “タイタンの墓”での滞在中、生徒たちは現在地確認と進路確保、食料調達や追跡といった生存技術を試されます。その上で研究対象を観察し、材料を収集し、野生動物と交流します。タイタンそのものとの繋がりを築くことも期待されていますが、反応を引き出した者はまだいません。レインジャーや野生生物の保護活動家が生徒たちに付き添い、タイタンの中でも安全な区域へと案内します。ウィザーブルームの魔道士でも特に勇敢な者たちは、自らタイタンの腹の中へと探検隊を率いることで知られています。そしてそのほとんどが生きて戻り、体験を語り継いでいます。

  • ジョードックスの船着場:濁った水を渡った先に辿り着く、タイタンの巨大な顎の中にある桟橋です。“タイタンの墓”の正面入り口でもあります。新たな訪問者を迎えるこの船着場は光と活気に満ち溢れています。
  • 肋桁街:タイタンの胸郭内に存在する小規模な集落です。小さな家屋や商店が密集しており、狭い空間を活用すべく天井となる肋骨から吊り下げられた建物もあります。
  • 尺骨通り:タイタンの腕の下にある横丁であり、専門家や学者が引き寄せられる場所です。ひっそりとしており、怪しげな商売が集まる傾向にあります――無認可のもの、無資格のもの、そして道徳観念のないものが。ここでは代替医療やあらゆる種類の薬や材料が販売されています。間違いなく安全なものもありますが、ほとんどは危険で未検証、あるいは違法です。
  • 毒キノコの林:タイタンの片手に守られて、キノコの群生が育っています。これはスピリットの一種であるルマレットと特定のキノコとの共生関係から形成された、この場所に特有のものです。
  • 脈打つ巣:地下洞窟のひとつ、タイタンの心臓があったと思しき場所に、スズメバチのような凶暴な大型昆虫が作り出した巨大な巣があります。地元住民は巣の危険性を認識しており、近づくことはありません。生徒たちも距離をとるよう警告されていますが、愚かにも巣の中に迷い込んで二度と戻ってこない者が時折います。
ルマレット

 ルマレットは“タイタンの墓”に生息する小型の魔法生物ですが、その正確な正体は今なお完全には解明されていません。植物、昆虫、両生類、そして魔法エネルギーの混じり合った存在であるとみられ、つまりは生物というよりも精霊に近く、またそれらの生物よりも高い知性を持つと考えられています。「原始的」であるとして学界からはあまり注目はされませんが、ルマレットは様々な魔法を巧みに用います。彼らは成長のため、治癒のため、防衛のため、そして必要に応じて攻撃を行うために個々の力を結集します。ルマレットは“タイタンの墓”を訪れる人々にひときわ興味を抱きます。生徒たちを熱心に観察したり、こっそりと悪戯をしたりしている姿がよく目撃されています。

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アート:Lie Setiawan
中部地域

 大陸の中央部には長く広大な山脈が伸びています。一部地域の山頂は非常に高く、ほとんど通行は不可能です。代わりにこの次元に住む多くの人々は地下にトンネルやネットワークを築いてきました。地上の気候は高度によって変化し、地下の気候は地熱活動とその距離に左右されます。

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アート:Florian Herold
  • グラムレット:この町は、鉱石や神秘的な品々を売買する市場の中心地です。周辺の田園地帯に点在する小さな村々を支えているだけでなく、魔道士たちが頻繁に訪れる場所でもあります。珍しい、あるいは入手困難な呪文の材料が手に入るためです。
  • エルジョルの樹林:この深い森林地帯は、中央山脈の麓にひっそりと佇んでいます。エルジョリン・エルフとエザルート・ツリーフォークの故郷であり、バジリスクやサーヴィンといった様々な魔法生物の生息地としても知られています。この地域の研究における優先順位を巡り、ウィザーブルームとクアンドリクスの魔道士たちはしばしば口論を繰り広げています。
  • チムニーコム:中央山脈の中でも特に危険な地域です。背が高くねじれ、中が空洞になった岩の尖塔が並んでいます。曲がりくねったこれら「煙突」からは時折、純粋なマナが間欠泉のように噴き出します。地下にはトンネル網が張り巡らされていますが、絶えず変化する力線とマナの間欠泉によって、時には地上と同様に危険な場所にもなります。
  • ヘヴンフェル:極寒の山頂ヘヴンフェルは中央山脈の東端に位置しており、夜空に流れ星が難解な軌跡を描く様子を見ることができます。星々や天文現象が秘める知恵を求め、多くの魔道士がこの場所を訪れます。
壮麗なる頂

ユーフォニー渓谷での日の出は絵の具箱をひっくり返したかのようだ。青と紫が渦を巻いて地平線へと向かい、空気中の魔力と共にかすかに煌めく。

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アート:Andreas Zafiratos

 アルケヴィオスの中央部、山脈の近隣に“壮麗なる頂”は位置しています。岩だらけの峡谷地帯であり、自然のエネルギーに満ちています。プリズマリは毎年この峡谷で芸術祭である「極上祭」を開催し、アルケヴィオス中から多くの観光客が訪れます。エレメンタルの活発な活動のため“壮麗なる頂”の環境は予測不可能であり、この場所は実際に生きているのではないかと多くの魔道士が推測しています。

 極上祭は“壮麗なる頂”でも最大の峡谷で開催され、多くの活動体験は周囲の断崖や川や渓谷にまで至ります。主要拠点の外には美しくも危険な地形が広がっています。眩しく色鮮やかな鉱物の上を川が流れ、渓谷の斜面には秘密の洞窟が点在し、どこを見ても息を呑む絶景が広がっています。野生のエレメンタルや様々な危険生物もこの地域を徘徊しています。大学は芸術祭のために催事場や展示会場や宿舎といった仮設の施設を峡谷全体に設置しています。

鯨の見学ツアーは毎日、日の出時に出発します。息を呑むような大自然に没頭して一日を始めましょう。タオルをお忘れなく。

 生徒たちは“壮麗なる頂”の自然の美しさから、また他の芸術家や演者から霊感を得るためにここにやって来ます。魔法が風景に命を吹き込む“壮麗なる頂”ほど、エレメンタルの魔法を研鑽するのに最適な場所はありません。同時に、極上祭は生徒が自身の作品を実際に披露する機会としても最適です。プリズマリは様々な企画イベントを開催しており、生徒たちにとっては各自の技術を試し、素晴らしい芸術家と出会い、縁を築き、建設的な批評を受ける機会となっています。芸術に対する意見の相違による決闘や、息を呑むような景色を眺めて体感するための早朝ハイキングといった突発的な活動体験も盛んです。

  • ミューズ像:これは女性の形をした自然の巨岩です。極上祭を見下ろし、参加者に霊感を与えています。芸術家たちは古くからの伝統に則り、ミューズ像に壁画や彫刻などを捧げます。多くの場合、それらの作品は刻々と変化する“壮麗なる頂”の風景の中に消えていきます。ですがその作品を気に入ったなら、ミューズ像はそれを手放さずにいると言われています。
  • 集大成のステージ:極上祭の会場内には小さなステージがいくつも点在していますが、中でもこれは最も大規模な興行が行われる場所です。ファッションショーやオーディション、演劇やダンス対決といったあらゆる興行に活用されるこのステージには、無数のエレメンタル呪文が華々しく仕掛けられています。
  • 極上祭ギャラリー:“壮麗なる頂”の中心となるこのギャラリーはミューズ像の近くにあり、何枚もの天幕で覆われています。新機軸の興行やパーティーが常時開催されているほか、ある程度恒久的なエレメンタル芸術や美術作品も展示されています。また屋外市場の屋台では小物や装飾品、食べ物、土産物などを販売しています。無名の芸術家にとっても、このギャラリーは作品を世に送り出して収益を得る絶好の場となっています。
  • 鯨の地溝:“壮麗なる頂”でも特に深い峡谷であり、この地域固有の鯨の回遊経路となっています。極上祭は彼らの毎年の回遊に合わせて開催されています。最も勇敢な芸術家や観光客は峡谷へと足を踏み入れ、自然と芸術の驚異を目の当たりにします。
  • ユーフォニー渓谷:“壮麗なる頂”の中心部からは、曲がりくねって絶えず変化する渓谷が伸びています。この一帯にはエレメンタルのエネルギーが自由に流れており、岩や小川から自然発生的にエレメンタルが生まれては目も眩むような魔法を披露します。そこには流れる水音と石の砕ける音が演奏のように響き渡ります。
南東部地域

 南東部地域では年間を通して温暖な気候が続きます。大部分が海に面しているため気候は穏やかで、平野や湿地や丘陵地帯といった地形が混在しています。

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アート:Constantin Marin
  • フッキヴァー:中央山脈の最南端から海岸沿いに広がる地域です。岩がちの崖にはフッキヴァーのオーリンが住む村が点在しています。飛行手段がなければ事実上たどり着けない空中都市も存在します。
  • ターラウの宝物庫:南東部の丘陵地帯の地下深く、ターラウの宝物庫は神秘的な扉の奥に封印されています。宝物庫の巨大な鍾乳石には、夜明けの時代から残る秘密の儀式呪文が隠されていると言われています。
  • ランドルストロム軍学校:南東部の平原に位置する、名門の多文化主義的軍学校です。軍隊の訓練ではなく肉体と精神の規律正しい教育を通じて、この次元の未来の指導者を育成することに重点を置いています。この学校の教育における「軍」の部分は主に理論的・歴史的なものです。
逆説の庭園

「ねじれた現実の中では、わずかな計算違いでも驚くべき影響を及ぼす可能性があります」

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アート:Leon Tukker

 血の時代に起こった原因不明のマナの攪乱により、魔力に満ちた地域が南東部に出現しました。この一帯は奇妙な自然現象や消えない幻影、そして難解極まる異常現象で知られています。クアンドリクスの研究施設である“逆説の庭園”は、この地域の強烈な魔法エネルギーを活用するために建てられました。元々は「最適化され完璧となった自然環境」を創造しようとしたクアンドリクスの教授によって設計されたものですが、その後次第に拡張されて広大な実験場となっています。

 クアンドリクスの魔道士たちは、宇宙の限界と法則を押し広げるためにこの庭園にやって来ます。自然の秩序を曲げてその因果を検証し、それによって現実の根底にある原理を真に理解するのです。“逆説の庭園”では、魔道士たちは自身を生きた実験体とします。庭園は様々な区域に分かれています。講義室や執務室、宿泊施設を含む中央区域は庭園の中枢であり、最も「普通の」施設として機能します。ですがその外では、生徒たちが遭遇する可能性のある一般的な各種の危険が存在します――突発的な実験、無限のパターンで曲がりくねった通路、植物の中から成長する巨大構造物などです。

ノート捜索のお願いです。来週、無限螺旋苑にて紛失します。もし見つかった場合は、昨日17時59分にジオメトリウムのエリン・ブレイクまでお持ちください。

 “逆説の庭園”は広大な森であり、ここで動植物は奇妙なほどに計算通りの振る舞いをします。木々は黄金比のらせんを描いて伸び、下草は完璧な円の形に並び、鳥は周期の波形を繰り返して飛び、虫の群生は完璧な立方体を形成します。“逆説の庭園”のとある区画は奇妙な重力異常で知られています。質量が小さくなり、生徒たちは軽々と跳躍したり浮遊したりできるのです。また、時間がほぼ非線形に流れる区域もあります。常に間に合い、常に遅刻します。あらゆる自然の法則は、庭園のどこかで既に再構築されているのです。

  • 浮遊講堂:“逆説の庭園”の中心付近に位置するこの浮遊講堂は空中に浮かぶ講義室の集合体であり、独自の重力の法則に従っています。生徒たちは講義室の中を跳ね回り、あるいは浮遊します。この講堂はもともと、重力が文字通りの重荷となって真の学びを妨げているという考えに基づいて作られました。そしてこの考えは、様々な環境とそれらの学習への貢献度を探求する実験へと発展しています。
  • 無限螺旋苑:“逆説の庭園”で最も不思議かつ危険な区域のひとつです。生徒たちは無限螺旋苑に踏み込むことで現実の深淵を探求します。ここの奥深くでは、奇妙な幻影や方向感覚を失わせる体験、危険な生物、そして可能性の限界を押し広げる生きた実験体になどに遭遇します。少なくない数の生徒が無限螺旋苑に踏み込んで迷い、救出活動が行われてきました。ですが幸運にも螺旋の奥深くで真の啓示を体験したという生徒もいます。
  • 格子の梢:庭園内にある壮大な格子建築のひとつです。空に向かって伸びており、この場所の景観の大部分よりも高い位置にあります。ここからは庭園の絶景を見下ろすことができます。内部空間にはねじれ曲がりくねった通路が何本も連なっていますが、それらを抜けて上層階までたどり着くとクアンドリクスの生徒向けの大きな居住空間と休憩所があります。
  • ジオメトリウム:不可能図形が最も沢山見られる場所です。理論と実験の体現として存在し、記録庫であると同時に生きた実験でもあります。生徒たちは図形の中に踏み入って集積された知識に浸ることも、図形の間を縫うように進んで遠くから観察することもできます。ジオメトリウムに自身の理論のひとつが幾何学的存在として永遠に残ることは、庭園で学ぶ者にとって最高の名誉のひとつです。
南西部地域

 南西部には長く伸びる列島と広大な砂漠、そしてこの次元でも屈指の砂浜が広がっています。沿岸部は年間を通して温暖な気候ですが、山岳部に近い内陸では冬は凍えるほど寒くなることもあります。

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アート:Sergey Glushakov
  • ピンザリ諸島:南西部地域に伸びるピンザリ半島の沖合に散らばる島嶼であり、ピンザリ・マーフォークの故郷として知られています。ここでは縞模様のカニが崖をよじ登り、その群れは謎めいた模様を形成します。ここの島々は遠く離れた大洋から強い青マナの流れを引き寄せていると多くの人々が信じており、この地域で魔法的研究を行う権利をめぐって魔道士たちが頻繁に争っています。イッカクの群れが島々を頻繁に訪れ、縞模様のカニやオヒョウの群れを、そして時折不運なマーフォークを捕食しています。
  • シルクメドウ:黄金色の草が生い茂る広大な草原であり、野生の馬が群れをなしています。この草原に生息するユニコーンたちは極めて話好きであり、はっきりとした自説を持っています。瑞々しい草からは魔法の蛾が作り上げた輝く絹の繭がぶら下がっています。
  • 羊歯森:薄暗い湿地帯の密林地域であり、深い穴や洞窟が点在しています。羊歯森の地上部分にはベイロスや芽吹き猪やワームといった獰猛な怪物が生息しています。地下では大蜘蛛や悲鳴コウモリ、ピット・ホラーなどが知られています。また、この地域には強大な羊歯森トロールの共同体が存在します。
  • トール・カソーラ砂漠:巨大な砂丘と点在するオアシスから成る広大な砂漠です。カソーラのオークの故郷であり、彼らの村はまばらなオアシスと砂漠でも比較的穏やかな外縁部に見られます。砂漠の一部では太陽とマナの収束によって砂岩の破片が焦がされ、六角ガラスと呼ばれる神秘的な物質へと変化しています。
紛争の曠野

 彼らは戦いが終わったという事実を、どちらが勝とうとその過程で自分たちも死んでしまったという事実を忘れてしまった。その意味では、勝者など存在しなかったのだ。

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アート:Josu Solano

 “紛争の曠野”はトール・カソーラ砂漠の中に位置しています。血の時代の眠れぬ霊たちが終わりのない戦いを繰り広げる場所です。この霊たちの休みない活動を支える魔法的メカニズムとその根底にある動機は、霊の活動に関する既知の法則のいくつかに反しています。そのためロアホールドにおいて常に研究と議論の的となっています。生徒たちが“紛争の曠野”を訪れる理由はそれだけではありません。戦う霊たちを観察し、聞き取り調査を行うことで血の時代へのより深い洞察を得るのです。霊たちは単に歴史を語るのではなく今なお自分たちの歴史を生きているため、非常に優れた一次資料とみなされています。

 眠らぬ霊たちの時間は、それぞれが独立して戦場を流れているように見えます。結果として、複数の異なる光景が重なり合って同時に発生することもあります。ある場所では要塞が包囲されている一方で、別の場所では霊たちがこれから起こる同じ戦いに備えて訓練を行っていたり、休息をとっていたりするかもしれません。時間の流れもまた直線的ではありません。霊たちはすべて同じ大規模な紛争の当事者たちではありますが、数十年にわたってこの地域で起こった数々の小競り合いに由来するかもしれないのです。戦いの様子は昼夜ごとに少しずつ変化するため、観察者は予期せぬ攻撃に見舞われる可能性があります。従ってこの戦いに足を踏み入れることは非常に危険です。

紛争の曠野 遠足の持ち物一覧:移植ごて、巻物、日焼け止め、帽子、つるはし、水筒、コンパス、地図、丈夫な靴、思い出の品、最新の緊急連絡先

 この戦場が危険であるのは、絶え間ない戦闘と過酷な地形のためだけではありません。最大の危険はこの地域に潜む、惑乱させてくるような魔力の流れです。これらの流れは留まる者の精神を引き寄せます。注意を怠れば生徒も教授も戦いに巻き込まれ、周囲の世界を見失ってしまう可能性があります。そのままでいればやがて眠れぬ霊と化し、戦いに加わることになります。

 遺跡の周辺地域にはロアホールド大学が半恒久的な野営地を複数設置しており、生徒たちや教授陣を一元的に支えています。遺跡内にも小規模な野営地が複数置かれており、研究隊が長期の遠征における拠点としています。

  • ヘリアンの野営地:戦場の外れに位置するこの野営地は、ストリクスヘイヴン最初の学長のひとりにちなんで名付けられました。休息や学習、そして準備のための場所として機能しています。既存の廃墟の中に半恒久的な施設がいくつか建てられており、姿形はロアホールドの中央学舎に似ています。戦闘からは十分に離れていますが、時折霊が徘徊して何も知らない生徒たちを怯えさせます。
  • 武器庫のアーチ:数あるスターアーチの中でも最大かつ最も印象的なひとつであるこれは、古代の武器庫から形成されました。ここに留まる兵士の霊たちは自分たちの建物が戦場の上空に浮かんでいることに全く気付いていないらしく、天井を床と認識しながら訓練と準備を続けています。最も大胆で冒険好きな生徒たちは好んでこの危険な構造物への探検に挑みます。
  • プランティクル峠:この台地の頂上に辿り着けた者は、眼下に広がる平原の素晴らしい景色を拝むことができます。“紛争の曠野”におけるコーとオーリンの勢力間の最も有名な戦いのひとつが繰り広げられた場所です。
  • 廃屋の兵舎:様々な意味で、兵舎は戦場の只中における静寂のオアシスです。ここでも霊たちが主として休息と訓練のために訪れています。ですが生徒は立ち入り禁止です。この戦場に漂う惑乱的なマナの流れがひときわ強力であり、犠牲者を増やさないための措置です。
眠れぬ霊

 “紛争の曠野”で見かけるのはロアホールドの魔道士だけではありません。住民の大多数を構成するのは眠れぬ霊たちです。召喚された霊とは異なり、この戦場に現れる霊たちは自分たちが死んでいるという事実にほとんどが気づいていないと思われます。多くの霊は生徒や研究者を、気づいていないかのように無視します。霊たちはある意味囚われの存在であり、自身に残る記憶を繰り返しているだけで、外部の出来事には無関心であると考えられています。訪問者と意思疎通を行う霊もいますが、彼らは現代の異邦人が現れてもほとんど動じません。進行中の戦いに加わった新たな仲間とみなしているためです。

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アート:Antonio José Manzanedo

アルカイック

「じっくり耳を傾ければ、この世界が分断と再構築を幾度となく繰り返してきたことをアルカイックが教えてくれるでしょう」

 アルカイックは賢明で巨大な長命種族であり、先天的な魔法の才能を持っています。大界を闊歩しながら、その多くの腕で魔法の源を探求し、あるいは魔法的な焦点らしき「目」を通して存在について思索しています。魔道士たちは歴史と魔法の広範な知識を求めてアルカイックを探し求めますが、彼らは曖昧な暗示や謎めいた隠喩を用いて意思疎通をする方を好みます。

 アルカイックの奇妙な真実を知る者はわずかです――彼らの存在は、謎めいた時間現象によってアルケヴィオスの神託者たちと結びついているのです。神託者が死ぬとその精神と霊は遠い過去へとさらわれ、時間を遡って夜明けの時代の強大な魔法力へと引き寄せられるのです。神託者の魂の破片と断片化された記憶が融合し、ひとつの生物へと凝集します――その生物こそが、新たに生まれるアルカイックなのです。

 今日生きているすべてのアルカイックは、時の暁に生まれました。かつて神託者として生きて死んだ者、あるいはいつか神託者として生きて死ぬであろう者の心から。アルカイックは謎めいた寓意を用いて語ります。それは年若い魔道士たちの熱き心を刺激し試すためだけでなく、タイムパラドックスを巧妙に回避するためでもあります。

 普段は概して温厚なアルカイックですが、最近の彼らは不安定かつ激昂した様子を見せています。予測不能かつ暴れ回るアルカイックが次元の各所で目撃されています。彼らは無差別に襲いかかり、不意に強力な魔法を放ち、遭遇した者の命を脅かしています。神託者ジャズィをはじめとする力ある魔道士たちは、アルカイックが不穏な行動をとる原因を解明しようとしています。今のところ、アルカイックの型破りな起源や悪意ある外部の影響が関係しているのではないかと考えられています。

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アート:Chris Rahn

 どの大学に所属するかに関わらず、2026年3月23日に開始予定の『ストリクスヘイヴンの秘密』の物語にご参加いただけることを楽しみにしています。物語は公式ウェブサイトで読むか、The Magic Story Podcast(英語のみ)で聴くことができます。オリエンテーションは3月31日、『ストリクスヘイヴンの秘密』のデビュー動画とプレビューシーズンの開幕まで続きます。

 学舎へ向かい、今学期のセット『ストリクスヘイヴンの秘密』を手に入れましょう! このセットは2026年4月24日に全世界同時発売、お近くのゲーム店Amazon楽天ブックスなど、マジックを取り扱うあらゆる場所で予約受付中です。

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