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『ダスクモーン:戦慄の館』のメカニズム

Matt Tabak
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2024年8月31日

 

 ダスクモーンの館はこの上ない恐怖で待ち構えています。あなたが踏み込む扉一枚一枚のその先で。ひとつの次元そのものであるその館は、多くの謎に包まれています。一体誰が建てたのでしょうか?なぜここにあるのでしょうか?すべての家具は一体どこから来たのでしょうか?それらの謎に関する詳細は、ここで明かすことはできません。しかし、『ダスクモーン:戦慄の館』に登場する新たなメカニズムすべてを紹介することはできます。少なくともこれさえあれば最大の恐怖のひとつ、「プレリリースを準備なしで迎える」ことは免れるでしょう。(……いや、「最大の恐怖」がひとつだけであるはずはないのでは?私は今、なにか恐ろしい間違いをしでかしてしまったのではないだろうか。なんたること。)
 

部屋

 この館は常に変化し続ける性質があるため、常識的な館の構造はあてにできません。しかし、探索で見つける部屋は個別に見て取ることができます。中には、自分の家にあるような親しみ深い部屋も存在します。もちろん……そうでないものも。部屋は、分割カードの新たな形、新しいエンチャントのサブタイプです。

 そう、分割パーマネントカードです。それぞれの部屋・カードは、半分に分かれています。それぞれの半分を、ドアといいます。これらのカードのうち1枚を唱える際、あなたはそのカードのどちらか半分を選び、そのドアを開放します。そして、その選んだ半分側の能力が適用されます。それが「あなたがこのドアを開放したとき」に誘発する能力を持つなら、その部屋が戦場に出たときに誘発します。ほかにも誘発型能力があるなら、それらも誘発します。選んだ半分に常在型能力があるなら、それもまた有効になります。唱えられなかったもう片方については、今は無視して構いません。そのドアは、依然として閉鎖されたままの状態です。

 例えば、あなたの手札に上のようなカードがある場合、あなたはこれを《人形作家の店》か《陶磁器ギャラリー》のどちらかを選んで唱えることができます。ここでは、《陶磁器ギャラリー》({4}{W}{W})を選んでコストを支払い、唱えたとしましょう。これが戦場に出たなら、あなたがコントロールしているクリーチャーはパワーとタフネス強化の恩恵を受けます。この時点では、まだ閉鎖されている《人形作家の店》の誘発型能力は存在しません。

 しかし、まったく探索できないのなら、繋がった部屋に何の意味があるでしょうか?いったん部屋が戦場に出たあとは、閉鎖されているもう片方のマナ・コストを支払うことで、それをソーサリーとして開放することができます。この方法でドアを開放することは特別な処理であり、スタックを使わないため、対応することはできません。その開放した半分が、「あなたがこのドアを開放したとき」に誘発する能力を持っている場合、それらの能力はその時に誘発します。その開放した半分が持つ常在型能力も有効になります。部屋の残されていたほうの半分を開放しても、すでに開放されているほうの半分には影響しません。そちらも開放されたままであり、つまりはカード全体のすべての能力が使用可能ということです。

 もし部屋・カードが唱えられずに戦場に出た場合(例えば、墓地から戦場に戻されたり、他の方法で戦場に出された場合など)、両方のドアは閉鎖されたままです。その時点ではどの能力も有効ではありませんが、閉鎖されているドアのマナ・コストをソーサリーとして支払うことで、好きなドアを開放することができます(つまり、あなたのメイン・フェイズ中で、スタックに呪文や能力がないときに行うことができます)。

 戦場に出ている間、部屋・カードはその開放されているドアの特性を持ちます。例えば、《陶磁器ギャラリー》のみが開放されている場合、このパーマネントのマナ総量は6となります。もし両方のドアが開放されている場合、このパーマネントのマナ総量は8になります。同じように、もし両方のドアが開放されている場合、このパーマネントは2つのカード名を持ちます。あなたのライブラリー、墓地、そして手札において、部屋・カードはその両方の部屋のマナ総量とカード名を持ちます。例えば、ある効果があなたに、マナ総量が3以下であるカードをライブラリーから探すことを許可した場合、あなたは《人形作家の店 // 陶磁器ギャラリー》を探し出すことはできません。《人形作家の店》({1}{W})のマナ・コストが3以下であっても、 カード全体のマナ総量は8であるためです。

 そして、もしあなたが部屋・カードをコピーした場合(館ひとつでは物足りないのですか?)、そのコピーは元のカードと同じドアが開放された状態になります。コピーは元のカードと同じすべての情報を持っているため、あなたはそのコピーの閉鎖されているドアも開放することができます。
 

戦慄予示

 戦慄予示は、未知の脅威をもたらす新しいキーワード処理です。早速見ていきましょう!

 戦慄予示は、既存のキーワード処理である予示を取り入れた、対戦相手を混乱させる新しい方法です。どのようなものかは次の通り。戦慄予示することを指示されたとき、あなたは自分のライブラリーの一番上にあるカード2枚を見ます。そのうち1枚を予示し、もう1枚をあなたの墓地に置きます。予示するとは、そのカードを裏向きで戦場に出すということです。それは、カード名もクリーチャー・タイプも能力も持たない、マナ・コストが0(したがってマナ総量も0)である無色の2/2のクリーチャーです。

 その裏向きのクリーチャーは、あらゆる点においてまだクリーチャーであるため、クリーチャーが行うことができるすべてのことができます。つまり、攻撃したり、防御したり、クリーチャー除去呪文の対象になったり、生け贄に捧げられたりすることができます。

 あなたが見た2枚のカードのどちらも予示することができますが、クリーチャー・カードを予示するほうが良いかもしれません。予示されているクリーチャー・カードは、そのマナ・コストを支払うことで表向きにすることができます。あなたはこれを特別な処理として、いつでも行うことができます。これはスタックを使わないため、対応することはできません。単純に、そのカードが本当にクリーチャーカードであることを公開し、そのマナ・コストを支払えば、それが表向きになるということです。それは、すぐにそのクリーチャー・カード本来の特性を持った状態となります。対戦相手が 《稲妻》 を使ってあなたの裏向きのクリーチャーを狙い、それのタフネスが4以上だとにわかに判明する、なんてことも起こるでしょう。また、対戦相手があなたに差し向ける一見無害な裏向きの攻撃クリーチャーに対してブロックしないことにしたら、実はそれのパワーが15であった、なんてことも起こるかも知れません。15枚のアンタップ状態の土地には充分注意せねばなりませんね。


「予示」(補助カード)

 この補助カードは、裏向きのパーマネントの正体が明らかになるまでの間、盤面に多少の華やかさを添えることができる、オプションのゲーム・アクセサリーです。

 予示したカードが、表向きにすることができる別の能力(変異など)を持っている場合、それらの能力も使用可能となるでしょう。しかし、今回のセットにそのような能力はありません。パーマネントを表向きにしても、それは戦場に再び出たことにはなりません。それは以前と同じパーマネントです。ですから、それについていたオーラや装備品、カウンターはそれに残り続けます。そのパーマネントが攻撃している状態であったり、ブロックしている状態である時も同様です。それが何らかの呪文や能力の対象となっていたなら、依然として対象のままですが、それが現時点でもなお適正な対象であるとは限りません。

 あなたが裏向きのパーマネントを複数コントロールしている場合、いつ何時も容易に区別できる状態でなければなりません。それらの位置を入れ替えたりして対戦相手を混乱させることは許可されていません。それらが戦場に出た順番は常に明確でなければなりません。たとえば、あなたが前のターンに3体の裏向きのクリーチャーのうち1体で攻撃した場合、どれが攻撃したのかは、全員に対して明らかにしなければなりません。

 ゲームが終了した、あるいはあなたが多人数ゲームから退出する場合は、裏向きのパーマネントを全員に公開して、それらが適正に裏向きにされていたことを明らかにする必要があります。これは、競技的なイベントのゲームでは重要です。
 

生存

 この館にいると、自分の中の優先すべき事柄がいちじるしく損なわれます。もっと言えば、生存というたった一つに絞られるのです。

 それぞれの生存能力は誘発型能力であり、その能力を持つクリーチャーがタップ状態である場合、あなたの第2メイン・フェイズの開始時に誘発します。生存能力が誘発した場合、その能力の解決時にもう一度、そのクリーチャーがまだタップ状態であるかを確認します。そのクリーチャーがまだタップ状態である場合、その能力は解決されます。その時点でそのクリーチャーがアンタップ状態である場合、その能力は何もしません。

 生存能力は、クリーチャーがどのようにしてタップ状態になったのかは問わないことに留意してください。もしかすると攻撃して生存したのかもしれませんし、あるいは別の方法でタップ状態になったのかもしれません。また、クリーチャーが戦場に出た最初のターンに、そのクリーチャーをタップする方法を見つけていたり、それがタップ状態で戦場に出るような場合でも、生存能力は誘発します。

 生存能力を持つすべてのクリーチャーは、新登場の「生存者」のクリーチャー・タイプを持っています。これは、あなたのクリーチャーが戦闘を生き延びることができれば、相手を出し抜くチャンスがあるということを覚えておくための簡単な方法です。
 

違和感

 ええ、その通り。

 違和感能力は、あなたがコントロールしているエンチャントが戦場に出るたび、または部屋1つを完全に開放するたびに誘発する誘発型能力です。この2つの誘発条件は、違和感の能力が1枚の部屋・カードによって2回誘発する可能性があることを示しています。1回目はそれが戦場に出たとき、2回目はその部屋が完全に開放されたときです。
 

兆候

 館の中で危険に晒され続けていると、これから直面する危険への意識がおろそかになりがちです。兆候は、大主サイクルに新たに追加されたキーワードであり、予定されているよりも早い段階でそれらを唱えることができるようになります。

 兆候は、代替コストを提供します。兆候コストで唱えることを選んだ場合、その呪文は一定数の時間カウンターが置かれた状態で戦場に出ます。例えば、《ホーントウッドの大主》は兆候4を持っているので、時間カウンター4個が置かれた状態で戦場に出ます。あなたの終了ステップの開始時に、その上から時間カウンター1個を取り除きます。1個でも時間カウンターが置かれている限り、それはクリーチャーではありません。つまり、それは攻撃やブロックができず、あなたがコントロールしているクリーチャーに関する一切に含まれません。良い点としては、それが対戦相手のクリーチャー除去に対して影響を受けないことです。最後の時間カウンターが取り除かれると、それはクリーチャーとなり、攻撃を開始することができます。

 もちろん、大主を早い段階で戦場に出すことにはメリットがあります。それぞれ「戦場に出たとき」に誘発する能力を持っているため、《ホーントウッドの大主》がどのように唱えられたかに関わらず、あなたは「遍在地」へ旅立つことになります。


ダスクモーン館へ挑め

 これで、生き残った仲間たちとともに館の恐怖へ立ち向かう準備が整いました!本セットのすべての収録カードは、『ダスクモーン:戦慄の館』カードイメージギャラリーをご覧ください。

 『ダスクモーン:戦慄の館』の公式発売日は2024年9月27日です。今回紹介したメカニズムは、すべて『ダスクモーン:戦慄の館』で見ることができます。このセットは現在、お近くのゲーム店Amazon、その他マジックを取り扱う場所で予約受付中です。素敵な恐怖体験を!

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