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翻訳記事その他
『カルロフ邸殺人事件』のメカニズム
2024年1月16日
「ゲームはもうはじまっている」そう言う人もいます。『カルロフ邸殺人事件』に足を踏み入れるにあたり、手始めに新キーワードやその他のゲームメカニズムについて、いくつか知っておくといいでしょう。謎は多いですが、古きよき探偵の手にかかれば事件解決の糸口はつかめます。
変装
殺人鬼は逃走中なので、他人の姿に見えていると好都合なのは言うまでもありません。あなたに心当たりがあるのなら……なおのことです。新登場の変装メカニズムがあれば、クリーチャーの正体を、公開するタイミングまで伏せたままにできます。
《窓外放出の幻影》
偽装/変装の補助カード
「変異」のことは覚えていますか?窓の外に放り出そうとせず、思い出してみてください。そのメカニズムですが、最近ちょっとだけアップグレードしたばかりです。カードが変装を持っていた場合、あなたはそれを裏向きで唱えることができます。他のプレイヤーにわからないように、第1面は伏せたままにしましょう。それは裏向きのクリーチャー・呪文になります。つまり、無色で2/2で名前もクリーチャー・タイプも持たず、護法{2}以外に能力はありません。マナ・コストも持たないので、マナ総量は0です。ただし、それを唱えるには{3}の代替コストを支払います。
裏向きのクリーチャー・呪文を解決すると、当然裏向きのクリーチャーになります。それはまだ名前もクリーチャー・タイプも持たず、護法{2}以外に能力はありません。マナ総量も0のままです。それはクリーチャーであり、クリーチャーができることである、攻撃、ブロック、便利なオーラや装備品で身を包む、カウンターを置く、などすべてこなせます。あなたがコントロールしている裏向きのパーマネントの正体をあらためて確認するために、あなたはそれの表をいつでも見ることができます。他のプレイヤーはあなたの裏向きのパーマネントの表を見ることができません。また、効果によってあなたが見れるようにならないかぎりは、あなたも他のプレイヤーの裏向きのパーマネントの表を見ることができません。以上が能力の全体像になります。上記の補助カードは、裏向きのパーマネントが表向きにされるまでの間、戦場で多少なりとも目立たせるために使用できる任意のゲームアクセサリーです。
変装を持つカードを唱えることを許可されている場合、あなたはそのカードをどの領域からでも裏向きで唱えることができます。対戦相手にとっては大した驚きにはなりませんが、追放領域から唱えることもできます。クリーチャーを裏向きで始めて、後になって表向きにする利点が生じる場合もありますからね。覚えておいて欲しいのは、必ずしもそれを裏向きで唱えなければならないわけではないということです。あえて変装せず通常どおりカードを唱え、マナ・コストを支払い、素のままのクリーチャーで世界に思い切って一歩踏み出すことも、いつだって可能なのです。どうなっても知りませんがね。
あなたが裏向きのパーマネントをコントロールしていて、あなたの策略を明らかにするタイミングが訪れたとします。あなたに優先権があるときはいつでも、あなたがコントロールしている裏向きのパーマネントの変装コストを支払って、それを表向きにすることができます。これはただちに発生しスタックを用いないので、対応することができません。その結果表向きになったパーマネントは、ただちに真の特性を持つことになります。2/2の裏向きの人畜無害なクリーチャーだから、戦闘で相打ちを狙えるだろうと思いましたか?残念、正体は4/3の《窓外放出の幻影》でした。
ブロック・クリーチャーが指定された後では、(《窓外放出の幻影》だと明らかになったなどにより)飛行を持たないクリーチャーにブロックされてから飛行を持つようになっても、ブロックされたままになります。その戦闘において飛行を有効活用したいのならば、ブロック・クリーチャーが指定される前に《窓外放出の幻影》を表向きにする必要があります。戦闘の戦略と情報の攪乱は、あなたの成功に欠かせないものです。
パーマネントを表向きにしても、それは戦場に再び出たことにはなりません。それは同じパーマネントには変わりないので、それについているオーラや装備品もついたままです。それの上にカウンターが置かれていた場合もそのままです。タップ状態ならタップ状態のまま。攻撃しているなら攻撃しているまま。それ以外も同様です。パーマネントが表向きになったときに誘発する能力には注意を払っておきましょう。
あなたが2つ以上の裏向きのパーマネントをコントロールしているときは、常に簡単に見分けがつくようにしなければなりません。それらの位置を入れ替えたりして対戦相手を混乱させることは許可されていません。戦場に出た順番もはっきりさせておく必要があります。ダイスや他のマーカーを使ってこれを行うこともできますが、順番に合わせて戦場にわかりやすく並べるのも構いません。例えば、あなたが前のターンに3体の裏向きのクリーチャーのうち1体で攻撃した場合、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したのか、すべてのプレイヤーに対して明確にしなければなりません。
重要な点になりますが、裏向きのパーマネントが戦場を離れる際、ゲームが終了する際、それのオーナーが多人数戦を離れる際に、それはすべてのプレイヤーに公開されなければなりません。これは、裏向きに唱えられたすべてのパーマネントが、そのように唱えることができる能力を実際に持っているかを確認するためです。これは、特に競技的なイベントのゲームでは重要です。
偽装
「変異」と同様、近頃の戦闘環境に合わせるために、「予示」についても手を加えました。偽装についてご紹介しましょう。あなたがカードを偽装するように指示されたなら、そのカードを裏向きで戦場に出します。それは無色の2/2のクリーチャーで、名前もクリーチャー・タイプも持ちません。護法{2}を持っていますが、それ以外に能力はありません。マナ・コストもありません。実際のところ、偽装によって出されたクリーチャーは、あなたが変装を用いてクリーチャー・呪文を唱え、それによって得た裏向きクリーチャーと見かけはまったく同じです。
《犯人暴き》
ひとつひとつの偽装の下には、大きな謎が潜んでいます。少なくとも対戦相手にとっては。変装と同様に、こちらも好きなタイミングで見ることができます。あなたに優先権があるときであれば、実際にカードがクリーチャー・カードであるならば、偽装されたクリーチャーをいつでも表向きにすることができます。これを行うには、そのカードを公開してマナ・コストを支払います。クリーチャーは表向きになり、ただちに真の特性を持ちます。戦闘中やその他の間の悪いタイミングでこんなことをされたら、相手からしてみればかなり驚きでしょう。
珍しいことですが、変装や変異のように、その他の方法で表向きにすることができる能力を持つカードを偽装することもできます。そのような場面にたまたま当たったなら、このような能力を用いてクリーチャーを表向きにすることができます。例えば、あなたが変装を持つクリーチャーを偽装したなら、裏向きのクリーチャーを(偽装を用いて)マナ・コストか、変装コストのいずれかで表向きにすることができます。
「変装」の項目において裏向きのパーマネントを取り扱うためのルールはすべて、偽装されているパーマネントにも適用されるというわけです。戦場においてはわかりやすいように分けておき、戦場を離れる際は公開し、対戦相手を揺さぶるために賢く使いこなすこと。
調査
このセットに再び採用された調査は、進行中の事件を深く掘り下げるためのキーワード処理です。あなたが調査を行うよういわれたとき、あなたは手掛かり・トークン1つを生成します。手掛かり・トークンは、「{2}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:カード1枚を引く。」を持つ無色のアーティファクト・トークンです。カードがもらえるのはいつだって歓迎すべきことですが、今回のセットに収録されたカードの中には、アーティファクトを生け贄に捧げることであなたがご褒美を受け取る能力を持つものまであるのです。
《吉報の訪れ》
容疑
無実が証明されるまでは、誰もが有罪です。あなたがクリーチャーに容疑をかけた場合、そのクリーチャーは「容疑をかけられた」という新たな指定を受けます。容疑クリーチャーは、容疑をかけられているかぎり、威迫を持ちブロックできません。
ラヴニカの路上では、一度ついた不信感を拭うことは難しい。容疑をかけられた後では、戦場を離れるか別の効果により容疑をかけられた状態でなくなるまでは、クリーチャーは容疑をかけられたままなのです。容疑クリーチャーがクリーチャーでなくなった場合も、それは容疑をかけられたままです。(むしろあなたは今まで以上に疑うべきでしょう。)
証拠収集
確固たる証拠を入手することは不可能に近いですが、論証するためには必要なものです。証拠収集という新しいキーワード処理は、必ず数字を伴っています。証拠収集とは、さまざまな文脈においてあなたが支払うことを求められるコストのことです。能力の起動コストの一部だったり、呪文の追加コストだったり、護法能力によって課されるコストという場合さえもあります。
あなたが証拠収集を行うよう求められたら、あなたの墓地にあるカードのマナ総量の合計が示された値以上になるように、好きな枚数を追放します。たとえば証拠収集6を行う場合、あなたの墓地にあるマナ総量が6のカード1枚を追放することも、マナ総量が1+2+1+2で6になるように4枚追放することもできます。あるいは1+1+2+2+1+……でも。要するに、あなたが望むなら、余分に追放することもできるということです。証拠収集を行うという選択肢を与えられるものの、指定の値まで工面できなかった場合、証拠収集は一切行うことができず、あなたの墓地にあるカードを追放することはできません。
兆候を読み取り、足跡を追いかけていくと、さらに大きなご褒美に行き着くことがあります。呪文の中には、証拠収集の任意の追加コストを持つものがあります。そのような呪文は、「証拠が収集された場合」に発生する追加効果や代替効果を持ちます。そのようなコストを持つパーマネント・呪文は、証拠が収集された場合にのみ誘発する、戦場に出たときに誘発する誘発型能力を持つことがあります。どちらの場合も、あなたが証拠収集の追加コストを支払うことを選んだことを意味します。
事件
事件を解明しにこなかったのなら、私たちは一体何しにここへ?事件は、このセットから初登場の新しいタイプです。
《泥棒隼の事件》
事件はそれぞれ3つの能力を持っています。上段の能力は常に有効です。「解明条件」から始まる中段の能力は、事件を解明するための条件を定めるものです。あなたの終了ステップの開始時にその事件が未解明で、なおかつ中段の能力に記載された条件を満たしたなら、その事件は解明完了になります。記載された条件は、あなたの終了ステップの開始時点と「解明条件」能力の解決時でどちらとも満たす必要があります。《泥棒隼の事件》だと、あなたの終了ステップの開始時にあなたが3つ以上のアーティファクトをコントロールしている場合に「解明条件」能力が誘発し、スタック上に置かれます。その能力の解決時にあなたが3つ以上のアーティファクトを依然としてコントロールしている場合、事件は解明されます。
事件が解明されると、中段の能力が再び誘発することはありません。さらに、「解明完了」で始まる最後の能力が有効になります。その能力が起動型能力であるなら、ただちに起動することができます。誘発能力であるなら、ただちに誘発できます。常在型能力であるなら、その能力はただちに機能します。
事件が解明完了していると仮定した場合、たとえコントローラーが変わっても、それは戦場を離れるまで解明完了のままです。事件が戦場を離れた後にまた戻ってきたなら、それは未解明の新しい事件であり、再び解明する必要があります。
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