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『イクサラン:失われし洞窟』のメカニズム

Matt Tabak
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2023年10月24日

 

 あなたがオラーズカの黄金都市に足を踏み入れたら、地下の方へ行くほかありません。そう、ただひたすら下るのみ。イクサランの地表の下には奥深くまで古の洞窟ネットワークが広がり、その中心には、命の源にして神のごとき星チミルの姿が。ただし、そこに至るまでに遭遇する危険や神秘を侮るなかれ。本記事では、『イクサラン:失われし洞窟』であなたが出会うことになる新旧のメカニズムについてレビューしていきます。いざ、洞窟探索へ!

作製

 新能力の作製は、調査そのものが持つ2つの醍醐味に焦点を当てたものになっています。つまりそれは、とてつもない発見すること。そして、とてつもない発見から良質なものを作り上げること。作製を持つカードはいずれも変身を行う両面カードです。

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深淵の王の偶像》//《君主のマクアフィトル

 

 以前の変身する両面カード同様、必ず第1面(作製能力の記載がある側)を唱え、作製能力のように変身した状態で戦場に出るとの断りがないかぎりは、必ず第1面で戦場に出ます。第1面自体は素晴らしく、間違いなく貴重な発見なのですが、もし、それ以上にいいものを「作製」できるとしたら?

 作製は、ありふれたものを差し出して素晴らしいものを作り出す起動型能力です。(深淵の王の崇拝対象をありふれたもの呼ばわりしたのはどうか内密に。)作製能力を起動するには、3つのことを実行しなければなりません:作製を持つパーマネントを追放すること、指定された素材を追放すること、そしてマナを支払うことです。素材は、あなたがコントロールしていてその作製を持つパーマネント以外のパーマネントや、あなたの墓地にあるカードで、作製能力自体に説明されているものです。たとえば、「アーティファクトで作製」であれば、作製を持つパーマネント以外のあなたがコントロールしているアーティファクト1つか、あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚を追放することを意味します。作製能力を解決中に、作製を持つカードはオーナーのコントロール下で変身した状態で戦場に戻ります。オーナーがあなたで、より良質なものをコントロールできるようになったらいいですね!

 作製能力が複数の素材を要する場合、あなたがコントロールしているパーマネントの中のいくつかと、あなたの墓地にあるカードの中の何枚かを合わせて追放することができます。たとえば、道中で《奇怪な宝石》に遭遇したとしましょう。ほら、チミルが微笑んでおられますよ。

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奇怪な宝石》//《啓蒙の神座

 

 必要な素材は起動型能力を持ち土地でない4つ以上のものですが、あなたには選択肢があります。あなたがコントロールしていて起動型能力を持ち土地でない4つ以上のパーマネントを追放できます。あなたがコントロールしているそのようなパーマネント2つを追放し、あなたの墓地にあり起動型能力を持ち土地でないカード2枚を追放することもできます。あなたの墓地にあり起動型能力を持ち土地でないカード4枚を追放することもできます。1つと3枚、1つと4枚だって!もしくは2つと5枚でも。もうおわかりでしょうが「以上」とはそういうことです。

 作製を行うためにあなたがコントロールしているパーマネントを追放するなら、トークンを追放できることもお忘れなく。ただし、やるなら慎重に。第2面には、その面を「作製するために追放されているた」カードを参照する能力を持つことがあるからです。あなたがトークンを追放した後にそれは消滅するので、追放領域にあるカードを探す能力は、そこにないトークンを見ることができないのです。トークンを生け贄に捧げることで《啓蒙の神座》への旅路を楽にできるかもしれませんが、手に入れる能力は減ってしまいます。適当なバランスを自分自身で見極める必要があります。

変身する両面カード

 『イクサラン:失われし洞窟』では、作製を持つカード以外にも変身する両面カードを採用しています。その多くは戦場を離れて戻るわけではなく、ただ第1面から第2面に変わるだけの、従来と同じような変身です。変身する両面カードの仕組みをご存じなら、もじもじしてる場合じゃありません――あなたはもう、新たなる逸品を刈り取る準備ができているのですから。ご存知なくても、おさらいできますよ!

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イトリモクの成長儀式》//《太陽の揺籃の地、イトリモク

 

 第1面は左上隅に上向きの三角のアイコンがついています。第2面は右上隅に下向きの三角のアイコンがついています。どの面が表であっても、そのパーマネントが何であり、何ができるのが分かるようになっています。あなたがパーマネントを変身させるよう指示されたなら、反対側の面に裏返しましょう。パーマネントを変身させることよって、それがタップ状態になったりアンタップ状態になったりすることはありません。したがって、タップ状態のクリーチャーを変身させても、変身後のパーマネントはタップ状態のままです。

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宝物の地図》//《宝物の入り江

 

 土地である第2面は、元祖『イクサラン』でデビューした、地図から着想を得た枠があしらわれています。パーマネントを土地に変身させることは、土地をプレイすることとは別物です。《宝物の入り江》は戦場に出ず、《宝物の地図》を《宝物の入り江》に変身させることはそのターンに土地をプレイすることには含まれません。

 変身する両面カードが戦場にない場合、それは第1面の特性しか持ちません。したがって、呪文によりあなたのライブラリーから土地・カードを探しても《宝物の地図》を見つけられませんが、あなたのライブラリーからアーティファクト・カードを探すなら見つけることができます。戦場にある間は、表になっている方の面の特性を使用しますが、それにはひとつの例外があります。第2面が表である場合、第2面のマナ総量を決定する場合にも第1面のマナ総量を用いることになります。

落魄

 チミルの方へいざ進め!このセットには、あなたがこのターンに落魄したかどうかを見るカードが何枚もあります。パーマネント・カードがいずこかからあなたの墓地に置かれた場合、あなたは落魄したことになります。

 ちっちゃいキノコのお友達が持つような能力は、それが誘発するかどうか決定するために、そのターンにあなたが落魄したかどうかを見ます。そのような能力においては、そのターンにあなたが落魄した回数は関係なく、1回以上そうしたかどうかだけが関係します。そのパーマネント・カードが今もあなたの墓地にあろうと関係ありません。たとえば、パーマネント・カードがあなたの墓地に置かれ、その後それをあなたの手札に戻した場合も、あなたはそのターンに落魄しています。

 私たちのでっかいキノコのお友達の能力は、そのターンにあなたが落魄した回数、すなわち、そのターンにいずこかからあなたの墓地に置かれたパーマネント・カードの枚数を考慮します。もう一度言いますが、そのようなカードがあなたの墓地に残っている必要はありません。

 どんな場合においても落魄はパーマネント・カードのみを参照するため、インスタントやソーサリーであるカードは含まれないことを覚えておきましょう。

落魄4、落魄8、底なしの落魄

 落魄と密接なかかわりを持つのは、能力を際立たせるために用いられた3つの能力語で、それらはすべてあなたの墓地にあるパーマネント・カードの枚数を考慮します。なんたる偶然!

 落魄4と落魄8の能力はそれぞれ、あなたの墓地に4枚以上あるいは8枚以上のパーマネント・カードがあるかどうかを気にするものです。何度も言いますが、インスタントやソーサリーであるカードは含まれません。落魄4と落魄8の各能力はそれぞれ別物で、あなたの墓地に希望通りの枚数を落としたボーナスはカード毎に異なります。

 底なしの落魄もかなり類似していますが、こちらはあなたの墓地にあるパーマネント・カードの最少数を指定するのではなく、たくさんあればあるほど強くなっていきます。あなたの墓地を容赦なくどんどん肥やして、その見返りを存分に味わいましょう。

発見

 新規キーワード処理「発見」は、あなたのライブラリーを奥深くまで探査したり(探査能力ではない)、未知なる呪文探しの探検(探検を行う能力ではない)を促してくれます。さて、一体どんなものが現代に蘇生(蘇生能力ではない)するのでしょうか!

 発見には発見数という数が書かれており、それはマナ総量がいくつまでに限定されているかを示すものです。あなたが発見を行うよう言われたとき、あなたがそのマナ総量以下であり土地でないカード1枚を追放するまで、あなたのライブラリーの一番上から1枚ずつ追放していきます。その後、あなたに選択肢が与えられます。あなたはそのカードをマナ・コストを支払わずに唱えるか、あなたの手札に加えるかのどちらかができます。土地・カードを含めあなたが追放してこれでないすべてのカードは、その後、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置かれます。

 あまり一般的ではありませんが、あなたが発見によって唱えたい呪文のマナ総量が、あなたが追放したカードと異なる場合があります。その呪文もまた、発見数以下のマナ総量でなければならないことをお忘れなく。たとえば、あなたが発見3を行って《ピクニック荒らし》を追放するとしましょう(マナ総量が{1}{R}の『エルドレインの森』のカードであり、マナ総量が{3}{G}の《盗まれたお菓子》という名前の出来事を持つ)。《ピクニック荒らし》のマナ総量は2なので、カードを追放していくことは終わりになります。それのマナ総量が3以下ならその出来事を唱えることができますが、4と多すぎるので、あなたの選択肢は《ピクニック荒らし》を唱えるか、それを手札に加えるかのどちらかです。

探検(そう、今度はあの探検能力のことです)と地図・トークン

 冒険先となる新たな美しい土地や、行きたくてうずうずしている逞しいクリーチャーも折角いることですので、ここで再帰メカニズムの探検についても見ていきましょう。

 あなたがコントロールしているクリーチャーが探検を行う場合、あなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を公開します。公開されたカードが土地・カードなら(そのクリーチャーにとって縄張りが広がったことを意味します)、そのカードをあなたの手札に加えます。土地・カードでないなら、あなたのクリーチャーはあなたのためにカードを探してこれないものの、その経験によって強化されます。あなたはそのクリーチャーに+1/+1カウンター1個を置きます。その後、あなたは土地でないそのカードをあなたの墓地に置くことができますが、見たカードを気に入ったなら、ライブラリーの一番上にそのままにしておくこともできます。

 このセットで主流となるクリーチャーの探検の手段のひとつは、新種の定義済みトークンである地図・トークンを使用すること。地図・トークンは「{1}, {T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる。あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それは探検を行う。起動はソーサリーとしてのみ行う。」という能力を持つ無色の地図・アーティファクト・トークンです。

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地図・トークン

 クリーチャーを対象としない起動型能力や誘発型能力によって探検を行うクリーチャーは数体存在します。戦場にいなくなっているクリーチャーが探検を行うよう指示された場合、呪文や能力の解決中は探検できます。死んだかもしれないのに探検を続けるとはこれ如何に?それにつきましては……えっと、冒険者の皆様にお任せします。あなたが土地・カードを手に入れるかもしれませんが、あなたが土地でないカードを公開しても、いましがた旅立ったクリーチャーは+1/+1カウンターを受け取りません。しかし、あなたのライブラリーの一番上にそのままにしておくか、あなたの墓地に置くかの選択肢は残されています。

最終カウンター

 最後は新しいメカニズムというよりはむしろ、新しい技術によって既存の能力を表現したものと言えます。人生最後のチャンスを求めて戦場にカード(大抵はクリーチャー・カード)を戻すカードが存在します。ただし、それが死亡するなら墓地に行く代わりに追放されます。この機能が最終カウンターを用いる形で表現されるのは、このセットからとなります。

 あなたは今後大半のセットで最終カウンターを見かけるでしょうが、数としてはそう多くはないでしょう。これを軸にデッキ構築するわけでもありませんし……え、するって?そう言ってしまった以上は…………いいでしょう、これは知っておいてください。機能はカウンターとともに移動します。したがって、あなたがどうにかして対戦相手のクリーチャーにカウンターを置くことができてそのクリーチャーが死亡するなら、それは代わりに追放されます。ちょっと喋り過ぎてしまいましたかね?

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