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『統率者マスターズ』ドラフト入門
2023年7月27日
『統率者マスターズ』では、多くのものが再びやってくる。素敵な伝説にド派手な呪文、そして「統率者ドラフト」も!
統率者ドラフトは私の好きな遊び方の1つだが、もしかしたらプレイ経験のない方もいるかもしれないね。プレイ経験がある方も、『統率者マスターズ』ならではの要素もたくさんあるから確認してくれ。せっかくパックを開封するなら、友人とドラフトをしてもっと楽しまないかい?
統率者ドラフトが初めて中心に据えられたのは、2020年の『統率者レジェンズ』だった。それから昨年の『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』でも取りあげた。みんなドラフトが大好きだし、統率者戦が大好きだろう。そこで私たちは、『統率者マスターズ』でも再び統率者ドラフトに注目していく。2023年8月4日発売のこのセットは、お近くのゲーム店やAmazon、その他マジックを取り扱う場所でお買い求めいただきたい。
統率者ドラフトでは、全員が卓内で出たカードでデッキを組み上げ、普段は使わないようなカードや戦略を駆使して戦うことになる。バランスの取れたゲームを楽しめるだろう。そしてゲームが終われば、手元には新たな統率者デッキの第一歩が残るってわけさ!最高だね。
家で遊ぶにしても店舗で遊ぶにしても、統率者ドラフトは最高の遊び方だ。7月28日~8月3日にはWPNプレミアムストアで『統率者マスターズ』のプレビュー・イベントが行われるぞ。こちらで近くの店舗を探して、『統率者マスターズ』のプレビュー・イベントや発売に備えよう!
今回の内容を動画で観たい方は、以下をどうぞ。
記事の形で読みたい方は、このまま読み進めてくれ!統率者ドラフトのすべてといくつかのヒントを教えよう!
「統率者ドラフト」とは?
通常のドラフトのおさらいになるが、この遊び方では「ドラフト」と呼ばれるプロセスを経てデッキを構築する。
ドラフトでは他の7人とテーブルを囲み、それぞれが3パックずつ持って始めるんだ。まずはパックを1個開封して、出てきたカードから1枚選ぶ。そのカードは目の前に伏せて置く。そうしたら、残りのカードを左隣の人に渡そう。次に、受け取ったカードの束からまた1枚選ぶ。この手順を、カードがなくなるまで続ける。2パック目も同様にドラフトを続けるが、今度は右隣にカードを渡していく。3パック目はまた左回りに戻るぞ。そしてドラフトが終了したら、集めたカードでデッキを構築するんだ。
ドラフトの流れ
統率者ドラフトもこれとほとんど同じだが、いくつか知っておきたい違いがある。
統率者ドラフトではもちろん、統率者戦のデッキをドラフトして、その後4人で対戦することになる。だからドラフトのやり方も大きく異なることは覚えておこう。
パックの数は同じく3個だが、『統率者マスターズ』のドラフト・ブースターにはカードが20枚入っていることを忘れないでくれ!まず大きな違いは、カードを一度に2枚取ることだ!通常のドラフトで、どちらか選べないって迷った経験はあるかい?統率者ドラフトなら問題ないね!きっと君の統率者が必要とするシナジーを集める助けになるだろう。呪文の乱れ撃ちが得意な伝説のクリーチャーとド派手なソーサリーが出現した?両方ゲットだ!
《暴動》
ドラフトが終了したら、60枚のデッキを構築していく。基本土地は好きなだけ追加できるぞ。
さて、今回組み上げるのは統率者戦のデッキだから、デッキには統率者が必要だ(「共闘」を持つカードなら2枚指定できるぞ)。統率者も60枚の枠に含まれるし、それから固有色のルールも適用されるから、統率者の固有色に合うカードを採用しなければならない。
デッキに採用できる同一のカードの枚数は、意外に思われるかもしれないね。同一のカードの枚数制限は、ドラフトでは適用されない。通常のドラフトでもピックできれば《稲妻》を5枚使えるし、統率者ドラフトにおいてもピックできれば《灰のやせ地》を3枚採用できるぞ。同一のカードがたくさん重なることはそんなにないけれど、起こり得ることだから知っておいて損はないだろう。
デッキが完成したら、あとはいつもの統率者戦を楽しむだけ!初期ライフは40点、統率者税も統率ダメージもあるし、その他も同じだ。
あとはもう1つ、覚えておきたい『統率者マスターズ』ならではのことをお伝えしよう……
共闘しよう!
今回のドラフト中に意識しておきたいことの1つは、統率者となる伝説のカードを手に入れることだろう。でも安心してくれ。『統率者マスターズ』では、そのための特別なドラフト・ルールがあるんだ!
さっき「共闘」の話が出たね。今回は統率者ドラフトにおいてのみ、固有色が単色(あるいは無色)である伝説のカードはすべて、共闘を持つかのように扱われるんだ!このルールは統率者キューブでよく使われるハウスルールで、それを『統率者マスターズ』に持ってきたというわけだ。例えば、《ピーマの改革派、リシュカー》と《遊牧の民の長ピアナ》はどうだろう?このセットにアンコモンで収録されるそれらは、共闘できる。
このルールはドラフトの助けになるだけでなく、これまでにないチームを作ることもできるぞ!一風変わった組み合わせを試すのもすごく楽しいよ。
それから、どうしても色に合う伝説のカードが見つからない場合は、《虹色の笛吹き》を使うこともできる。これは基本土地のようにピックしなくても使えるぞ。とはいえ、これを使う必要に迫られた人はほとんど見たことがない。あくまで保険だ。
ドラフトとデッキ構築
さて、統率者ドラフトではどのようなデッキを目指すべきだろうか?
デッキの内容は、25枚ほどの土地と35枚ほどのその他カードで構成すると良いだろう。そして普通は、君の統率者の性能に合わせて組めばうまくいく。それからマナ加速やカードのドローが強力なのは言うまでもないだろう。だが一方で、意外な点もいくつかあるぞ!
まず、とにかくマナ・カーブに気を配ること!通常の統率者戦のデッキなら、ちょっと道を外れるくらいなら問題ないだろう。なぜならゲーム序盤にマナ加速を行うカードがしっかり支えてくれるからだ。統率者ドラフトのデッキでもいくらか序盤のマナ加速ができるかもしれないけれど、マナ・アーティファクト8枚以上からデッキ構築が始まるフォーマットとは大違いなんだ。
マナ・カーブに馴染みがない方に言うと、つまりゲームの各段階でプレイするカードを広く集めようということだ。各マナ・コストのカードをうまく組み合わせれば、適切な割合で引けるんだ。マナ・カーブについて考えるときは、除去呪文のようなすぐにプレイしないカードは脇に置いておこう。2マナのクリーチャーやマナ・アーティファクトは2ターン目にプレイするけれど、2マナの除去はすぐにプレイしないだろう。
『統率者マスターズ』では、だいたい以下の割合がおすすめだ。
- 2マナ:6~8枚
- 3マナ:5~7枚
- 4マナ:4~6枚
- 5マナ:2~5枚
- 6マナ以上:2~3枚
もちろん、例外はたくさんある。これはあくまで基本的な指針だ!
あとは、君の統率者がカーブのどこに入るのかは意識しておこう。例えば統率者のコストが5マナなら、5マナのカードは少なめにしてもいい。5マナには必ずプレイできる統率者がいるからね!
それから、統率者戦だから大型クリーチャーの活躍にも期待できるぞ。あまりたくさん入れるのは望ましくないけれど、8マナ域だって唱えられることがあるだろう。コモンの枠に《ウラモグの破壊者》もいるしね!
《ウラモグの破壊者》
さて、大きな違いはもう1つある。統率者ドラフトでは、おそらく通常の統率者戦より多くクリーチャーによる戦闘が行われることになるだろう。だからコンバット・トリックのようなカードがより強力なんだ。そして戦場がクリーチャーでいっぱいになるから、飛行のような回避能力や膠着した盤面を突破する手段がゲームを決定づけやすい。
全体除去もあるにはあるけれど、通常の統率者戦なみに見受けられることはないだろう。だからクリーチャーは比較的安全だ。
そして、マナにももう少し気を配る必要がある。統率者ドラフトでは、マナ基盤の大部分を基本土地で構成することになる。とりわけ《幽霊の酋長、カラドール》のような3色の伝説を使うなら、マナ基盤を整えてくれるものも欲しいところだ。今回再録される「興隆する」土地のような、色を整えてくれる土地をピックするのが良いだろう。
通常、デッキに採用できるカードは十分すぎるほどあるはずだ。土地をピックするというのも、デッキをより円滑に動かす余地を作れる素晴らしい一手だと思うよ。
そしてもちろん、今回もシナジーを探すことが重要だ。それなら……
色の組み合わせ
ドラフトでは、テーマを見つけ出せば強力なデッキが組める。そしてどの色の組み合わせにも、アーキタイプが設定されているんだ!もちろんテーマに沿ってやらなきゃいけないわけじゃないし、特に『統率者マスターズ』では伝説のカードが方向性を決めてくれることが多いだろう。それでも、第一歩にはなるはずだ。『統率者マスターズ』における色ごとのアーキタイプは以下の通りだ:
{W}{U}
アーティファクト――アーティファクトを並べてボーナスを得よう!
{W}{B}
トークン――トークンを広く展開して戦線を強化したり、それらを生け贄に捧げて利益にしたりしよう!
{U}{B}
墓地とリアニメイト――フラッシュバックからリアニメイトまで、墓地を存分に活用してアドバンテージを得よう!
{U}{R}
呪文――古き良き戦略!呪文を唱えて能力を誘発させ、また呪文を……
{R}{B}
生け贄――アグレッシブに攻め立て、余ったクリーチャーは生け贄にして糧にしよう!
{B}{G}
スロー・トークン――時間をかけて大量のトークンを揃え、じっくりと対戦相手を仕留めよう。あわせて「陰鬱」や生け贄による誘発型能力を活かそう!この色の組み合わせでは、「苗木」のサブテーマも楽しめるぞ。
{R}{G}
力こそすべて――高パワーのクリーチャーを従え、その恩恵を得よう!
{R}{W}
装備品――クリーチャーに装備品をつけて、強化するだけでなくおまけももらおう!
{G}{W}
カウンター――クリーチャーを広く展開し、それらにカウンターを載せよう!
{G}{U}
ランプ――素早くマナを加速し、カードを引いて、大型呪文を唱えよう。統率者戦でこれ以上にやりたいことがあるかい?
(注:ドラフト・ブースターボックスに同梱のドラフト・アーキタイプ一覧に、『統率者マスターズ』ではなく『団結のドミナリア』の内容が印刷されていることが発覚しました。上記のアーキタイプ情報が正しいものとなります。)
カードの束ではなく戦略をドラフトしよう
ドラフトをするプレイヤーへ送るアドバイスの中でも、私が特に大事だと思うのは「カードの束ではなくデッキをドラフトしよう」ということだ。
ドラフトでは、君がやろうと思っている色のまずまず優れたカードが出現することもあるだろう。だがそのたびに一番魅力的に見えるカードを取るだけでは、優秀ではあるがシナジーを生み出さないカードを抱える結果になってしまう。例を挙げてみよう!
君は先ほど登場した《ピーマの改革派、リシュカー》と《遊牧の民の長ピアナ》をピックしたとする。そして今、《金切るときの声》と《スカイシュラウドの要求》の選択を迫られている。君はどちらをピックする?
《金切るときの声》
どちらも良いカードだし、通常の統率者戦ならみんな《スカイシュラウドの要求》の方を好むかもしれない。でも君の《ピーマの改革派、リシュカー》と《遊牧の民の長ピアナ》デッキでは、クリーチャーを横に広げるのが重要だ。裏を返せば、マナ加速が必要となる大型呪文はそれほど多くプレイしないだろう。私なら必ず《金切るときの声》を選ぶよ。
こちらは甲乙つけがたく、どちらを選んでも間違いではないと思う。でも《地図作りの鷹》は君の統率者で強化できる回避能力持ちだし、横に広く展開するデッキでは《イリーシアの女像樹》のボーナスは活かしにくそうだね。
よし、もう一問いこう。《カーターの怒り》(アンコモンになったぞ!)と《鱗衛兵の精鋭》なら?
どちらも非常に強力な白のカードだね。これは君のデッキ構成にもよるだろう。それでも、《鱗衛兵の精鋭》の方が良い場合が多いと思う。相手のブロッカーを簡単にタップできるようになるし、こちらが盤面をクリーチャーで埋める以上、全体除去はそれほど欲しくない。
と、こんな風にデッキ全体の構成を考えながらドラフトすれば、ピックの方向性が定まりやすいというわけだね。
ここでドラフトやってる?
『統率者マスターズ』はドラフトしがいがあるセットだ。奥深いドラフト体験に備えよう。今回の内容をまとめた一覧表があれば便利だと思ったから、最後にまとめておくよ。統率者ドラフトに関するよくある質問の答えにもなるんじゃないかな。
- 4~8人でドラフト卓を作ろう。6人以上なら、ドラフト後に2グループに分かれて対戦しよう。
- ドラフトの際は、一度にカードを2枚ピックする。
- デッキは60枚で構築する。土地25枚ほど、その他のカード35枚ほどが良いだろう。統率者も枚数に含めるぞ!
- 同一のカードを複数枚採用することもできる。
- 『統率者マスターズ』では、単色(と無色も!)の伝説のカードは「共闘」を持つものとして扱われる。
- ドラフト・アーキタイプを意識しよう!
- マナ・カーブを意識し、膠着した盤面を突破できる手段を優先しよう。
- 対戦は通常の統率者戦のルールで行う。
- 楽しもう!
今回の統率者ドラフトを楽しむために知っておくべきことは以上だ!友人と家でプレイするにせよ行きつけのゲーム店の『統率者マスターズ』プレビュー・イベントでプレイするにせよ、2023年8月4日発売のこのセットを使う統率者ドラフトをぜひ体験してほしい。統率者ドラフトをプレイするのに必要なものは、お近くのゲーム店やAmazon、その他マジックを取り扱う場所で手に入るぞ。
何かご意見やご質問があったら、以下の各種ソーシャルメディアで(英語で)声をかけてくれ。このセットについてみんなと話すのは大歓迎だよ!
それじゃあ、また。このセットのドラフトを楽しんでくれ!
Gavin Verhey
Email:BeyondBasicsMagic@gmail.com
Instagram:GavinVerhey
TikTok:GavinVerhey
Tumblr:GavInsight
Twitter:@GavinVerhey
YouTube:Good Morning Magic
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