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『兄弟戦争』のメカニズム
2022年10月27日
これは二人が耳にしたこともないような数千もの世界にまで影響を及ぼす、多元宇宙の運命をかけた対立。権力の虜になった兄と弟――単純な図式ですが、それゆえにこの上なく破壊的です。『兄弟戦争』ではウルザとミシュラの破局を振り返り、太古の戦争を現代的な視点から見ることができます。どんな新しいメカニズムが我々を待っているのでしょうか? 再録される過去のメカニズムはあるのでしょうか? 早速、詳しくお話ししましょう。
試作
試作は、戦争に使われる機械を象徴するいくつかのアーティファクト・クリーチャー・カードに見られる新しい能力です。その機械の開発段階を大きく2つに分けたものを表しています。
各試作カードはそれぞれ2組の特性があります。マナ・コスト、パワー、タフネスの1組目は、初期値である、大きい値です。これらの数値は、想像される通りのいつもの位置に記載されています。2つ目の特性は試作能力の一部として存在します。そこには、代替のマナ・コストと代替のパワーとタフネスが記載されています。
あなたが試作・カードを唱えるに際し、あなたは使用する特性を選びます。戦いが終わりかけているところに大打撃を加えたいなら、通常のスタッツを使用します。ゲーム序盤において戦場で優位に立ちたいなら、試作のスタッツがちょうどいいかもしれません。どちらを選んでも、そのアーティファクト・クリーチャーは文章欄にあるそれ以外の能力も持ちます。《ファイレクシアの肉体喰らい》は大きくても小さくても、威迫と絆魂と、ぞっとするような護法能力を持っているのです。
試作カードが、試作の特性を持って戦場にいる場合や試作の特性を持って唱えられた後スタック上にある場合を除いて、それは通常の特性を持つことになります。これはつまり、《ファイレクシアの肉体喰らい》は、あなたのライブラリーや墓地や手札や追放領域にあるなら、マナ・コストが{7}であり、したがってマナ総量が7である、7/5の無色のアーティファクト・クリーチャーであるということです。
しかし、あなたが試作能力で試作呪文を唱えたなら、その特性をそれが戦場を離れるまで保持します。そして、その3/3の 《ファイレクシアの肉体喰らい》は無色ではなく、黒になります。マナ総量も7ではなく3になります。あなたがそれをコピーしたなら、そのコピーも試作になります。この場合、3/3のファイレクシアン・ワームになるということです。
パワーストーン
さて、我々は何を求めて争っているのでしょうか? ほとんどの場合は、パワーストーンをめぐる争いなのです。パワーストーンは、宝物、食物、手掛かりなどの代表的なトークンに加わる、定義済みトークン・タイプの新種です。パワーストーンはさらに多くのマナを供給するので、今までに存在したどのデッキにも使えるものになっています。
パワーストーンは、タップすると1点の無色マナを得られる無色のアーティファクトです。パワーストーンによって生成されたマナは、アーティファクトでない呪文を唱えるためには使用できませんが、その他のすべてに使うことができます。これにはアーティファクト・呪文や起動型能力(アーティファクトでないものの能力も含む)や誘発型能力に必要なコスト、攻撃したりブロックしたりするために支払わなければならないコストなども含まれます。
蘇生
古いメカニズムの話といえば、蘇生が帰ってきますよ! 蘇生は、これまでクリーチャーを蘇らせて戦場に戻す起動型能力でした。それは今後も変わりませんが、クリーチャーでないアーティファクトも加わります。しかし、このセットで蘇生を持つカードはほとんど《アシュノッドの収穫者》のようなアーティファクト・クリーチャーです。
蘇生は、それを持つカードが墓地にある間のみ起動でき、ソーサリーとしてのみ起動することができます。蘇生されたパーマネントは速攻を持ちます。多くの場合、あなたはクリーチャーをもう一度攻撃させるために蘇生させることでしょう。次の終了ステップの開始時に、あなたはその蘇生されたパーマネントを追放します。また、その前にそれが戦場を離れるなら代わりにそれは追放されます。よいことにはすべて終わりがある、と言いますからね……
合体
初登場時から強力で、かつ異様な存在でもあった合体カードが、『兄弟戦争』で戻ってきます。合体は、「合体する組」と呼ばれる特定の2枚のカードを1つの巨大なパーマネントに変身させます。『兄弟戦争』には合体する組が3組あり、それぞれウルザ、ミシュラ、ティタニアになります。カードを合体させてウルザを作り上げる方法を見ていきましょう。
合体する組の片方のカードには(この場合、《護国卿、ウルザ》)その2枚を合体させる方法がはっきりと記載されています。カードを合体させるには、あなたが両方のカードのオーナーかつコントローラーであり、それらは必ず、実際にその名前を持つカードでなければなりません。つまり、トークンであるコピーも、それ以外のコピーも使えません。カードの背面はパズルになっており、そのパズルの絵面を完成させることができなければ、合体に失敗します。ウルザの能力を起動することにより、合体する組をなす2枚のカードが追放されて合体し、1つのパーマネントとして戦場に戻ります。それも、雄大なパーマネントとして。
《プレインズウォーカー、ウルザ》は(間の読点がミドルネームなのかも?)描かれている通り通り忠誠カウンター7個が置かれた状態で戦場に出ます。その後、彼は他のプレインズウォーカーと同様に振る舞います。合体したパーマネントは2枚のカードによって作り上げられますが、単一のパーマネントです。合体したパーマネントが戦場を離れた場合、その2枚ともそのパーマネントが送られる領域に置かれます。そうなった後、合体が解け、2枚は別々のカードに戻ることになります。
トランスフォーマー・カード
長年にわたり人間の歴史に魅了され続けたオートボットは、多元宇宙に語り継がれる紛争に興味を持っていました。長年にわたりオートボットに魅了され続けたデストロンは、彼らを追ってついてきました。今回のリリースには、『ユニバースビヨンド』のトランスフォーマー・カードが15枚入っています。このようなトランスフォームする両面カードは3つの新たなキーワードを導入します。
トランスフォーム
大抵のトランスフォーマー・カードはロボットモードと乗物モードを持ち、戦略的にその2つにトランスフォームします。マジックのカードでも、極めて似たかたちで機能します。トランスフォームは、両面カードがひっくり返ってその反対の面が表になるキーワード処理です。それは他の両面カードが使用する「変身」の処理に相当する機能といえます。
見た目以上のもの
ほとんどの変身する両面カードは、必ず第1面を表にして唱えます。それらの第2面は、それがすでに戦場に出ている状態になるまで考慮すらされません。しかし、トランスフォーマーはつまりその …… 見た目以上のものなのです。「見た目以上のもの」を持つカードは、マナ・コストではなく代替コストで唱えることができます。そうしたなら、それをすでにトランスフォームした状態、つまり第2面を表にして唱えます。
金属生命体
これらのカードの機体モードは機体ですが、搭乗を持ちません。結局のところ、操縦士は必要ないのです。なにせ金属生命体なのですから!金属生命体は、あなたのターンの間、その機体がクリーチャーにもなるという常在型能力です。つまり、あなたのターンでは自由に攻撃しながら、その後に守備態勢をとって、対戦相手のターンになる頃にはアーティファクトに戻れるということです。
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