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『団結のドミナリア』のメカニズム
2022年8月18日
かつて争いや腐敗、混乱の地であったドミナリアは今、活気あふれる再生の地になっています。地の底から始まった私たちは今、団結しています。脅威は去りましたし、少しはリラックスできそうですね。さて、そんな今回のカードはどうでしょう?『団結のドミナリア』で私たちを待つ、スリリングな新規や再録のメカニズムを見ていきましょう。
後援
クリーチャーは、全部が全部攻撃、つまり「レッドゾーン」へ進軍し敵と交戦するためだけに作られているわけではありません。しかしだからといって、そういうクリーチャーが攻撃に貢献できないというわけでもありません。それを実現してくれるのが、新キーワードの「後援」です。
後援は攻撃時の選択可能なコストを示します。あなたが後援を持つクリーチャーで攻撃する際に、あなたはあなたがコントロールしていてアンタップ状態で攻撃していない状態のクリーチャー1体をタップすることができます。そのクリーチャー(後援するクリーチャー)は、「召喚酔い」の状態ではいけません。つまりあなたのターンの開始時からあなたのコントロール下にあるか、速攻を持っていなければなりません。ただし、後援するクリーチャーが、攻撃可能でなければならないわけではありません。防衛を持つクリーチャーや《平和な心》のようなオーラをエンチャントされたクリーチャーは、後援するのにうってつけでしょう。警戒の効果でアンタップ状態になっていても、攻撃しているクリーチャーで後援することはできません。
あなたがクリーチャーを後援させた場合、その後援能力を持つ攻撃クリーチャーはターン終了時まで+X/+0の修整を受けます。Xは後援させられたクリーチャーのパワーです。この修整は、この誘発型能力の解決時に計算されます。その時点で後援したクリーチャーが戦場にない場合は、それが戦場にあった最後の瞬間のパワーを用います。能力が解決されたら、Xの値は固定されます。後援したクリーチャーのパワーが変化したり、そのクリーチャーが戦場から離れたりしても、後援されたクリーチャーへの影響はありません。
先読
ドミナリアは物語に満ちた地であり、英雄に満ちた地です。しかし真の英雄の証とは、彼らが……ああ、眠たくなってきました。最後までスキップしちゃいましょう。
「英雄譚」についておさらいしたい方は、この項の最後をご覧ください。
「先読」は、このセットに登場する英雄譚・カードに見受けられる能力です。先読を持つ英雄譚は、あなたの望む章で戦場に出ます。つまりあなたが望む数の伝承カウンターが置かれた状態で戦場に出ます。《ザルファーのフェイジング》(と、実は『団結のドミナリア』の英雄譚すべて)の場合、伝承カウンターが1個か2個か3個置かれた状態で戦場に出るのです。ですが先読をすると、見逃してしまうものもあります。先読で飛ばした章の能力は、誘発しません。
例えば対戦相手がゲームを終わらせ得る止めようのない巨大な怪物をコントロールしていて、それならまだ2/2のファイレクシアン(え、ファイレクシアン? ここで一体何を?)の方が少しは対処しやすいと思うなら、《ザルファーのフェイジング》に伝承カウンターを3個置いて戦場に出すということもできます。すると第Ⅲ章の能力が誘発します。第Ⅰ章と第Ⅱ章の能力は誘発しません。また、第Ⅲ章が最後の章であることは変わらないので、その能力が解決されたら、あなたは《ザルファーのフェイジング》を生け贄に捧げます。短時間で読めて、効率的ですね。
英雄譚のおさらい:「英雄譚」は、伝承カウンターが1個置かれた状態で戦場に出るエンチャントです。それにより、第Ⅰ章の能力が誘発します。あなたの戦闘前メイン・フェイズの開始時に、あなたは英雄譚に伝承カウンターを1個置きます。これで伝承カウンターが2個になり、第Ⅱ章の能力が誘発します。これは最後の章能力が完了するまで続きます。物語が終わったら、あなたはその英雄譚を生け贄に捧げます。最近の英雄譚には、物語が終わったあとにクリーチャー・エンチャントとしてより強大になるものもありますが、ほとんどの英雄譚は第Ⅰ章から物語が始まり、生け贄に捧げられるまで章を進めていきます。
版図
「版図」は再録能力語で、あなたがコントロールしている土地の中に含まれる基本土地タイプが多いと強化される能力を示します。「基本土地タイプ」は、平地、島、沼、山、森の5つです。版図は土地の名前ではなく土地タイプを参照します。なので基本でない土地が持つ基本土地タイプも数えます。
あなたがコントロールしている基本土地タイプの種類数は、常に0(うまくいってない)~5(うまくいっている)の間になります。版図能力が扱う数字もその範囲のどれかです。例えば《ニショーバの喧嘩屋》の場合、パワーを定義するのに使っています。
効果の大きさを決めるのに版図を用いるインスタントやソーサリーもあります。戦場に出たときの誘発型能力がより強力になるクリーチャーもいます。コストを少なくするものもありますし、ダメージを与えるものもあります。いろいろあるんです。もちろん版図を広げれば全色のマナを扱えて、それぞれの色の優れたカードをすべて使えるようになることは言うまでもありません。ドミナリアは探検しがいのある次元なので、ぜひその目で見てきてください。
キッカー
探検に行ってきたんですね。使い道に困るほど多くのマナを抱えていらっしゃる。どうしましょう? 家で「ア・トライブ・コールド・クエスト」の使い古されたジョークでも書きますか?いや、あなたには似合いませんね。派手な呪文を放ちたいあなたのために、再録メカニズム「キッカー」があるのです。
キッカーの発想はいたってシンプルです――多く払えば多くを得る。キッカーは選択可能な追加コストであり、あなたは呪文を唱える際にそれを支払うことを選べます。呪文の他のコストに加えてキッカー・コストを支払った場合、その呪文はキッカーされます。具体的に起こることは、そのカードに書かれています。
《怒りの大天使》は、キッカー・コストを2つ持っています。あなたはそれらのどちらかを支払うことも、両方支払うことも、両方支払わないこともできます。《怒りの大天使》が一度でもキッカーされたら、それが戦場に出たときに1つ目の戦場に出たときの能力が誘発します。《怒りの大天使》が2回キッカーされたら、2つ目の戦場に出たときの能力が誘発します。これらの能力は、同じものを対象にできますし、違うものを対象にすることもできます。
キッカーを持つカードはこんなにドラマティックなものばかりではありません。キッカーされると追加の効果を発揮したり効果が変わったりするインスタントやソーサリーもあります。キッカーされると+1/+1カウンターが置かれた状態で戦場に出るクリーチャーもいますし、《怒りの大天使》のようにキッカーされると戦場に出たときに誘発する能力を持つものもいます。
麻痺カウンター
「麻痺カウンター」は、このセットの一部カードで初登場し、今後もあちこちで見受けられるようになるカウンターです。麻痺カウンターは、パーマネント(主にクリーチャー)を長期間行動不能にするものです。
麻痺カウンターが置かれたタップ状態のパーマネントがアンタップする場合、代わりにそれはタップ状態のままになり、あなたはその上から麻痺カウンターを1個取り除きます。麻痺カウンターは、すでにタップ状態のパーマネントに置くことができます。例えば、《勢いを挫く》はすでにタップ状態のクリーチャーを対象に唱えることができます。それに麻痺カウンターを3個置き、占術1を行います。そのクリーチャーはその後、3度にわたってアンタップを迎えてすべてのカウンターを取り除き、ようやく4回目にアンタップできます。
麻痺カウンターは、理由を問わずそれが置かれているパーマネントがアンタップしようとするたびに1個取り除かれます。そのコントローラーのアンタップ・ステップや、それをアンタップする呪文や能力、あるいは(珍しいケースですが)そのコントローラーがコストとしてアンタップする場合も含まれます。シビれますね!
団結
私たちを取り巻く、歴史の響き。これぞドミナリアです。これからどんな試練が私たちを待ち受けているのか、どんな敵が影に潜んでいるのか、それは誰にもわかりません。一体何がやってくるのか、予測するのは不可能です(8月18日の「ウィザーズ・プレゼンツ」をお見逃しなく)。ここにいる限り、私たちは歴史とともにあります。伝説とともにあります。団結して。
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