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翻訳記事その他
『神河:輝ける世界』デザインに生命をもたらす
2022年1月28日
私は良い挑戦を好みます。より挑戦的なデザインのセットをリードしたいのです。セットを制作する難易度を上げている犯人が私だというのはよくあることです。神河に再訪することが決まると、私はそれを正しくやり遂げるのは大変だと思いました。
《カエル乗り、達成》 アート:Justine Cruz |
ですが今回、私は少し心配でした。私は神河次元を初めて来訪したときにプレイしていましたが、自分が新旧のこの次元やこの次元への現実世界からのインスピレーションにすごく詳しいというわけではないことを理解していました。全てをまとめるためには他の人たちの助けに大きく頼ることになりそうでした。幸い、私が『ドミナリア』のセットデザインをリードしたときと同じく、このプロジェクトに愛を注ぐ準備ができていて、そしてそうしたがっている人たちがいました。マーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterは展望デザインのリードをする中で私が成功するようにうまく準備をしてくれました。彼の次の記事である展望デザインの話のパート2には私のセットデザイン・チームの紹介も含まれています。
私の弱い部分を補ってくれるキーパーソンを何人かご紹介します。どのサイクルやデザインが誰の手によるものかは大部分が分からなくなってしまいましたが、私はアリ・ニー/Ari Niehとダニエル・ホルト/Daniel Holtが、前回訪れたときからの神河ファンや新しい形の神河を初めて見る潜在的なファンを興奮させるカードへと私を導いてくれたことに大きく関与したことを知っています。毎日の作業の中で、私が形を作るための部品をまとめてくれ、そしてその部品をどのように形を整えるかについてのアイデアをくれた彼らには感謝してもしきれません。エミリー・タン/Emily Tengは世界構築をリードする面での素晴らしいパートナーでした。この過程でメカニズム側での変更に対して彼女がクリエイティブ側の物事を調整してくれたのに対してお返しに私があまり助けることができなかったにも関わらず、彼女が私の質問に答えてくれたことに感謝しています。
私がこのセットデザインをリードすることが判明すると、すぐに私は「デュエル・マスターズ」のチームと連絡を取りました。私は東京オフィスに手伝ってくれる人は誰かいないかと訪ねました。ほどなく、真木孝一郎が彼の他の仕事の合間に手伝うことができると判明しました。藤井由紀は真木とのデザイン・チームの会議や他の細かい会議での通訳を快く引き受けてくれました。
彼らはそれぞれ、日本のプレイヤーがこのセットに望んでいるもの、そして前回神河に訪れたときに最も魅力的なものと最も魅力的でなかったものについての素晴らしい視点を持っていました。また彼ら東京オフィスの他の人たちから得たカードのデザインや意見の取りまとめにも貢献してくれました。真木は彼が見たい画像や作ってほしいキャラクターや物の元ネタや種類が書かれた文書をたくさん作成しました。これらの文書により我々はこのセットで間違ったことをしていないという強い確信が得られました。彼らはセットデザインでのメカニズムの採用に関して大きな影響を持っていました。
このサポートすべてを受け、そして素晴らしい見た目のコンセプト・アートが届き始め、私はなにか特別なものがここにあると確信し始めました。それではそのメカニズムを見ていきましょう。マーク・ローズウォーターは他の過去のメカニズムを使わなかった理由について深く掘り下げてくれるでしょう。
アーティファクトとエンチャント
私はエンチャントとアーティファクトによって伝わってくるような、伝統と現代性の対比というアイデアをとても気に入っています。その対比の範囲をマジックの色に広げることはこのセットを構築していくためのすばらしい土台になりました。我々はエンチャントのセットを作ったことがあります。アーティファクトのセットも作ったことがあります。両方に焦点を当てたセットがどういうことになるのかについては掘り下げたことがありません。私は色のペアごとにどちらか一方、もしくは両方に焦点を当てるというアイデアを楽しく感じました。単純な両者の対立よりもはるかに多くの細かい差が存在しています。
ここでの大きな課題は、これらの要素の量(特にクリーチャーにつける分)と、どのクリーチャーにどれだけのコストでこれらのカードタイプを付けるのかをアートのコンセプト決めが始まるまでに決めることとでした。
改善
展望デザインの作業の多くにはクリーチャーにオーラがついているか、装備品がついているか、もしくはカウンターが乗っているかのいずれかであるかを参照する「強化/enhanced」、後の「改善」を作る作業が含まれていました。これは対戦相手のオーラがついていても改善の恩恵を得られなくなった以外はほぼ変更なしでした。
このメカニズムでの主な方向転換は、改善されたクリーチャーの数によってボーナスを得るために部族のデザイン空間に移ったことであり、これにより自己完結型の恩恵や改善されたクリーチャーが1体いるかどうかを参照するだけにとどまらないものになりました。私は1体のクリーチャーだけに全部つけるゲームにならないように、改善されたクリーチャーがいることに十分な恩恵が与えられるようにしたいと考えました。
忍術
忍術は展望デザインの提出文書には入っていませんでした。その理由の多くは今説明したばかりの「改善」への焦点が根底にあります。改善されたクリーチャーがこのセットの重要な部分を占めていた場合、それらは忍術によって手札に戻され「剥がされて」しまうだけです。私が皆と神河で見てみたいものについて話をすればするほど、忍術かそれに近いものを本当に入れるべきだということが分かりました。
セットデザインの大部分で、我々は現れたばかりの忍者で改善を維持できるような忍術の変種をテストしました。しかし結局、これは説明が難しく、そして我々の望んだよりもゲームプレイの振れ幅が大きくなることが判明しました。テストしたその忍者デッキはクリーチャーを強化するよりも通すことに焦点を当てることが多く、これらのテーマは色との共通点をあまり持っていませんでした。最終的に、我々は本来の忍術に戻ることにしました。
また我々は他にもいくつか忍者とならず者を参照する部族カードを作りました。展望デザインは他のセットとの互換性があるようにするためにこの分類を拡大しました。
魂力
魂力は超万能です。万能すぎるかもしれません。このメカニズムを再録メカニズムとして使うのは簡単そうな感じがしました。このセットには、他に理想的ではないマナの引きを緩和するような潤滑化メカニズムがありませんでした。私は魂力持ちのカードをその他に何もない場合の選択肢を与える手段として使いたいと考えました。私は魂力にさまざまな効果をつけたいと思いましたが、サイクリングのような他のメカニズムに似たような効果をつけることをためらいませんでした。我々は魂力をアーティファクト、エンチャント、土地だけにつけることに制限しました。
伝説
伝説は初代神河の大きなテーマでした。現在はそれがドミナリアの特徴になってきているので、私はもう少し軽い感じで取り扱いたいと考えました。私はいつもはあまり伝説の土地のファンではないのですが、魂力はそれを正当化するのに適したメカニズムでした。我々は伝説テーマに同意して、『ゼンディカーの夜明け』のモードを持つ両面カード(MDFC)との違いをつける助けとするために、伝説のクリーチャーのコスト軽減をそれらにつけました。
伝説をヒットさせるもっと簡単な方法の1つは、神河のファンに統率者戦向けのものを供給することだと我々は感じました。初代神河ブロックの統率者で多色はたった1枚だけです。ここを探索すれば収穫が望める部分が残っていました。
サイクル
これらの伝説の土地に加えて、さまざまなデザイナーがクリエイティブ的なアイデアやメカニズム的なアイデアをまとめることのを助けになったクールなサイクルが多数存在します。
初代神河のドラゴンは象徴的存在でした。モードを持つ死亡誘発型能力は最初から最後まで変わりませんでした。
本殿もまた愛されたカードです。今回は新しいプレイと対抗策の新境地のために、それらをクリーチャーにしてみました。
群れのデザイン空間を扱うサイクルもあり、私のチームとプレイデザイナーはかなりの反復工程を要しました。お見逃しなく。
また「招来」サイクルという単色の根本原理がどのようなものかを探求した到達点といえるカード群も存在します。
英雄譚
英雄譚は素敵です。ゲーム上のオブジェクトとして、数多くの創造的なことをします。私は物語がクリーチャーとして命を得るというアイデアにワクワクしました。これらの開発での最大の課題は、私たちがプレイしたほとんどのデザインでは追放して変身した面を戻してくるのではなく、単純に変身させていたということでした。ジェイディーン・クロンペアレン/Jadine Klomparensはゲームプレイの改善のためにこの具体的な変更が必要であるということを理解する見識を備えていました。
これらのカードは過剰にアグレッシブに使われ、十分な対抗策がありませんでした。その後そのカードのもっと楽しい他の部分に強さを戻すことができました。我々は一部のカードに速攻を付けたのが気に入り、それを戻すとともに残りのカードにも速攻をつけました。その他になされた主な決定は、伝説の物語を描いた裏側に「伝説の」をつけないことでした。
換装
私はこの装備品に変形できるクリーチャーという新しい現代的メカニズムの提案に魅了されました。概念的に私はこれをクールだと思い、これが装備品のゲームプレイの痛いところを軽減してくれるとも思いました。装備品を引きすぎ、十分な数のクリーチャーを引けなくても困ることはありません。そして装備品がクリーチャー形態に変形することが多くなるので、対戦相手は自然と装備品に対処する局面が多くなります。
我々はこれらを攻撃に使った後、はずしてブロッカーにするゲームプレイを構わないと判断しました。またスタッツを上げられるものもあるけれども、すべてでそうする必要があるわけではないとと感じました。
侍(と戦士)
侍は扱いが難しめでした。武士道はシンプルで良いメカニズムですが、ちょっとした抜けがありました。このメカニズムが信頼できないことがよくあります。対戦相手がたくさん回避能力持ちを持っているかもしれませんし、クリーチャーをプレイしないかもしれません。私はより信頼性のあるボーナスが得られる先回りしたテキストに興味を持ちました。
ここでもまた、我々は侍と戦士をまとめたいと考えました。私は大分前から、ターン終了時まで+1/+1を与えるのではなく、さまざまなボーナスを与える賛美の亜種を試すことに興味がありました。我々は「あなたがコントロールしている侍や戦士のうち1体が単独で攻撃するたび」というものから始めてみました。これはクリエイティブ的にも合っている感じがして、そして多くのプレイヤーがこれがゲーム中に作り出した決定に引き寄せられました。
最低1体の侍がその身を危険にさらすわけですが、ここでの我々の主な課題はこれが繰り返し始めた場合に抑圧的すぎる感じがする効果を避けることでした。とはいえ、斬新なプレイに向かうことに恩恵を与える戦闘中心のメカニズムとして、私はこれに満足しています。
ファイレクシアを少々
私は私が『カルドハイム』をリードしている間に作成の手伝いをしたヴォリンクレックスの足跡をたどり、ジン=ギタクシアスのメカニズム的構造にこだわるという課題を楽しみました。
ここでファイレクシアの影響を高めていくことは楽しく、その中にはタミヨウのような特別なデザインに取り組むことも含まれました。
《カエル乗り、達成》
本日私がプレビューするカードは真木からのメールにあったデザインから生まれました。彼は一人の同僚について触れいており、鎌田正篤がこの文書のためにたくさんアイデアをくれたと書いてありました。彼のリストにあった3つ目のコンセプトは、大カエルに乗った忍者のデザイン2つにサンプル画像が添えられたものでした。その2つのデザインはどちらも伝説のカエル・トークンを生成するものでした。そのデザインのうち1つでは英雄譚を捨てることでそのカエルを守ることができました。
私の理解では、これらは日本の古い民話のキャラクターで人気のある現代的解釈もなされている自来也がモデルになっています。これは素敵なものを磨き上げるのに素晴らしい開始地点に思えました。我々は最終的に参照する範囲を英雄譚からすべてのエンチャントに広げ、一緒に飛び跳ねる能力をつけました。
最後までお読みいただきありがとうございました。このセットにはいろいろ詰まっています。クールな機体についての話はできませんでした。皆さんがこのセットを楽しんでくれますように!
デイブ・ハンフリー
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