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プレインズウォーカーのためのストリクスヘイヴン案内

Doug Beyer, Ari Zirulnik
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2021年4月1日

 

 ストリクスヘイヴン大学へようこそ。アルケヴィオス次元に位置する、他に類を見ない魔法の学府です。この「案内」では、学校全体とそれを構成する五つの大学の概要をお見せします。さあ、今日から勉強を始めましょう!

ストリクスヘイヴン大学

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 ストリクスヘイヴンは七百年前、魔法に長けた五体のドラゴンによって創設されました。アルケヴィオス次元における最高峰の魔法教育施設であり、あらゆる次元から才能ある若い魔道士がその講堂で学ぼうと引き寄せられています。ストリクスヘイヴンは五つの大学に分かれており、それぞれに固有のキャンパス、学部、魔法的専攻が存在します。五つの大学はそれぞれ、対抗する二色のマナを中心としています。シルバークイルは白と黒、プリズマリは青と赤、ウィザーブルームは黒と緑、ロアホールドは赤と白、クアンドリクスは緑と青です。

 ストリクスヘイヴンの理念は、魔法的知識を発見し、維持し、その知識を次の世代へと広め、あらゆる種類の魔法の自由かつ開けた研究を推し進め、魔法の利用を通じて人々の生活を向上させることにあります。

啓蒙の松明

 ストリクスヘイヴンの中心から標の塔が五つの方向に並んで立ち、その列は周辺地域の数百マイル先にまで伸びています。これらは啓蒙の松明と呼ばれており、魔法の炎が永遠に燃え続け、学びへ向かい無知から逃れる道を象徴しています。五つの線は大図書棟で交差しています。

大図書棟
アート:Piotr Dura

 ストリクスヘイヴンの図書館、別名「大図書棟」はこの学府の中央に位置しています。扉はなく、アーチ型の入り口が(そのデザインは、次元の至る所で目にする魔法のスターアーチに発想を得ています)、学びを求める心を図書館へ招き入れています。内部では、床から途方もなく高い天井までほぼ全ての壁に、書物が隙間なく並んでいます。大図書棟の内部は広く、廊下はありえないほど長く、文書保管庫の天井は天候が発生するほど高く、船で渡らねばならない池や濠すら存在します。

 神秘の魔法庫、ミスティカルアーカイブは大図書棟の中に存在しています。ありえないほど広大なその区画には、多元宇宙の開闢以来のあらゆる呪文の複製が保管されていると言われています。それほどの蔵書に挑むには定命の人生は短すぎるため、この魔法庫が無数の強力な呪文を保持しているのは間違いありません。

 大図書棟の中心に位置するのが神託者の聖堂、彫像が並ぶ荘厳な広間です。この聖堂の中心がストリクスヘイヴンの「交錯」です。巨大な、光り輝く純粋なマナの塊が、この広間を魔法の太陽のように照らしています。

メイジタワー

 メイジタワーは、ストリクスヘイヴンの魔道生徒たちがチームを組んで行うスポーツです。五つの大学それぞれにチームがあり、得点ルールに関わるマスコットがいます。メイジタワーはストリクスヘイヴンで最も人気のスポーツであり、大学だけでなくその外からも多数のファンが詰めかけます。

メイジタワーのルール

  • 2つのチームがストリクスヘイヴン競技場で対戦する。各チームは魔道士5人と1つの小型マスコット生物で構成される。
  • 競技場の端に立つ塔を各チームの所有とし、その頂上にマスコットを置く。
  • 相手チームのマスコットを奪い取り、自チームの塔の上へ運んだチームは1点を得る。
  • プレイヤー、マスコット、観客、競技場、あるいは競技の基本ルールに危害を与える魔法は全て、無効化される。
  • 上記に該当しない魔法は全て、メイジタワー審判協議会による検討を条件として認められる。
  • 試合は3つのフェイズで構成される。各フェーズはメイジタワーの砂時計が空になるまで続き、おおよそ20分間である(時に砂の最後の数粒が、なかなか底に落ちないこともある)。
  • 第3フェイズが終了した時点で、最大の点数を保有するチームが勝者となる。

学生と学部

魔道生徒
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 ストリクスヘイヴンに通う者は一般的に「魔道生徒」と呼ばれています。新たな入学者は、ストリクスヘイヴンの五つの大学から一つを選ぶまでは一年生と呼ばれます。一年生は五つの大学とは明確に異なる、規格化された制服を全員がまといます。

 通常は、一年目の基礎教育課程を終えると(一年生という呼び名はそのためです)、彼らは五つの神秘的な大学から一つを選択します。その後、選んだ大学に調和する制服をまといます。

二人の指導教官

 ひとたび大学を選んだなら、生徒には二人の指導教官がつきます。それぞれが大学の二色のマナのうち片方を担当しています。指導教官二人は大学におけるその生徒の最良の道について、しばしば正反対の助言を与えます--例えば、クアンドリクスのある生徒が緑の指導教官から、強力なクリーチャーを召喚する技術を鍛えるようにという一連の助言を受けたとします。一方で青の指導教官は抽象、幻影、数学的理論の方向性を勧めるかもしれません。

 やがて、その魔道士は自らの色の特性を表す専攻科目を選びます。その専攻科目は通常、所属する大学の二色のマナの一方ですが、時に両方という者もいます。

教授たち

 ストリクスヘイヴンの教授たちは、それぞれの魔法的専門に長けた魔道士たちであり、教育に生涯をかけてきました。彼らは年功序列、魔法的研究内容の特質、呪文の知識によって幾つかの地位に分かれています。

教官:クラスを担当し、自身のカリキュラムを持ちますが、教授となるまでの規定の期間と評価を終えていない者です。

教授:ひとつの魔法的分野に専念する、名声と実力を認められた教育者です。ストリクスヘイヴンの指導者のほとんどはこの「教授」の地位にあります。

筆頭教授:優れた経歴を確立してきた教授です。魔法的あるいは他の専門的研究を発表し、広く評価される必要があります。筆頭教授のほとんどは二十年以上、ストリクスヘイヴンで教鞭をとっています。

学部長:各大学には二人の学部長が在籍し、それぞれが大学の半分を率いています。計十人の学部長は各大学の二色のマナのうち片方に属する、力ある魔道士であり高名な教授です。学部長はそれぞれ、各大学全体をもう一人とは正反対の方向に指導しています。彼らは互いに深い職業的対抗心を抱いており、魔法の研究における最良の方法について常に意見が衝突しています。

名誉教授:ストリクスヘイヴンの在籍を終えた教授はしばしば名誉教授と呼ばれます。名誉教授たちは客員教授や講演者として頻繁に訪れ、尊敬を受けています。

卒業後の進路

 ストリクスヘイヴンの卒業生は大学を離れた後、多種多様な道を歩みます。多くは単純に自分たちの故郷へ戻り、魔法を役立てます。更に大いなる魔法を探し求めて次元を旅する者もおり、その道中に他の魔道士と出会ったなら魔法での決闘を行います。愛する相手や自らの神秘的な趣味を得て新たな故郷を見つける者もいます。おそらくはいつか教授としてストリクスヘイヴンへ戻ることを夢見て、私的な研究室を立ち上げて研究を続ける者もいます。特別に優秀な少数の魔道士は、栄誉ある創始ドラゴンとともに働く精鋭魔道士の集団である「龍護り」に加わります。

シルバークイル大学

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「言葉とは文明における最強の武器、そこに疑いの余地はない。問題はその使い方だ。仲間を鼓舞するためか、敵を打ち砕くためか」

――シルバークイルの墨魔道士、リナルド

 
雄弁術の大学

 粋で、威圧的で、熱心。シルバークイルの魔道士たちは言葉の魔法の達人です。彼らは戦闘口語詩文や書き文字の魔法的顕現から呪文を創造し、魔法のインクで宙に模様を描きます。シルバークイルの魔道士は天性の指導者であり、熱心かつ競争心に溢れ、突き刺すような機知と、次席に甘んじない姿勢を持ちます。シルバークイルの魔道士の一団が向かってくるのを見たなら、あなたは愕然とするでしょう。「墨獣」を辺りに跳ね回らせながら、ルーンや象形の形を成す魔法を編む彼らは痛烈なほど格好よく、息が合い、洒落ているのですから。

シルバークイルの二面
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 この項目ではシルバークイルを形作る二律背反の信念と魔法を掘り下げます。どの大学でも、ある魔道士は両方の色を体現できます。その性質と呪文を組み合わせてひとつの独自性とするのです。

 シルバークイルの白の面は、言語の力を用いて仲間を鼓舞し、社会の邪悪に光を当てることにあります。墨大工、象形織り、羽軸使いたちが鼓舞の韻文を唱え、生きたインクのように顕現させます。戦歌い、銀の舌、戦闘詩人は声楽の力を用いて心を揺さぶり、周囲の空気を鼓舞します。虚飾魔道士と名誉術師は完璧に組み上げられた賛辞(しばしば自分たちに直接向けられます)の力を振るい、その人物の最高の長所を強化します。嘲笑魔道士と光術師は恥ずべき状況を耐えるために光をもたらし、訛りを効果として用います。

 シルバークイルの黒の面は、言語の力を用いて辛辣な真実を突き、敵を攻撃することにあります。冷笑魔道士、影術師、機知刺し、威圧術師たちは鋭利な観察力で競争相手の自信に穴をあけます。書唱師、薄暮魔道士、影翼は影魔法で漆黒の虚無を呼び出し、時にそれらを墨獣と呼ばれる飛行生物に、あるいは純粋な闇でできた武器へと変えます。

重要地点

グランドロフト・ホール

 シルバークイル最大の施設がグランドロフトです。駅に似た広大な空間に、遥か天井の魔法の窓ガラスから光の柱が差し込んでいます。グランドロフトにはバルコニー、特別席、演壇など、演説者が技を披露できる空間を豊富に備えています。高い窓の天井を墨獣が飛び回り、強力な魔法を使用した魔道士には、自動的に魔法のスポットライトが当たります。

薔薇の舞台

 薔薇の舞台はシルバークイルのキャンパスにある、回転式の丸い演壇です。背景幕は魔法のインクで作られた薔薇で(過去の上演の観客からの寄贈品です)、極上の音響を作り出しています。魔道生徒たちは薔薇の舞台に集まって稽古や練習試合、あるいは形式に則った決闘を行います。教授や教職員たちはしばしば薔薇の舞台での上演を観察し、生徒たちの魔法的表現を脇から見守り、指導します。

ドラマリウム

 この施設ではシルバークイルの生徒たちが運動、舞踏、格闘技、そして身体的演技を訓練します。生徒たちは灰色部屋と呼ばれる支度施設(実際にはひと続きになった複数の部屋です)を利用でき、そこには美容サロン、発声リハーサル室、鏡張りの演説リハーサル室、入浴施設があります。ドラマリウムの後方には特別な感覚剥奪室があります--瞑想や集中のために、完全な静寂を必要とする魔道生徒のためのものです。

大学のマスコット:墨獣
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 シルバークイルでも黒の魔道士たちは時折、影の魔法を用いて墨獣と呼ばれる飛行生物を作り出します。この生きたインクの虚無は助手やペットとして仕えますが、物理的な攻撃もまた破壊的であり、敵の生命力を引き裂きます。自在に流動し姿を変える彼らには、創造者の思考と意図が映し出されています。

プリズマリ大学

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「言うまでもなく、芸術とは呪文術の真の姿であり、自己を美しく表現することこそが魔法の真の目的です。とはいえ手段については意見が分かれています。我々の中には、長年の鍛錬で技術を磨く者がいる一方、鬱積した感情を叫ぶ者もいるのです」

――プリズマリの名誉教授、ブラッド・スカルドブレス

 
精霊術の大学

 ストリクスヘイヴンの美術学生、プリズマリの魔道士たちは魔法と芸術とを区別しません。彼らの呪文は荒々しい創造性の爆発です。華やかな、突飛な魔法の傑作。プリズマリの生徒たちは精霊魔法を用いて自らや世界の見方を表現し、またしばしば一つ以上の要素を用います。炎、氷、水、風、土、石、稲妻、熱、冷気、雪、竜巻、地震、純粋なエネルギーの響き渡る脈動――あらゆる精霊の力がプリズマリに霊感を与え、表現手段となるのです。

プリズマリの二面
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 プリズマリの青の面は芸術的鍛錬と研究、視覚化、精密な技術、芸術論を扱います。言うまでもなく、多くのプリズマリの青の魔道士は精霊術師です――精霊術でも青の側の分野に専念する芸術家です。雲術師、霧魔道士、風術師、空絵師、旋風の名手、水織り、氷刻み、色彩跳ね――それら魔道生徒と教授の全員が、大気、水、他の要素を用いて自分たちの芸術を表現します。エイスマンサーと複合術師はその先を行き、美の抽象的な原理原則を研究します。光彩占者と風景術師は美しい風景や個人的視界の内に真実を見出します。作品術師と熟達の創造者は途方もなく巨大な、突飛な魔法的効果を作り出します。前衛守りは概念的で非直観的な素晴らしさの閃きを形にします。

 プリズマリの赤の魔道士の多くは青と同様、精霊術師の趣をいくらか保持しています。地彫師、炎叫び、溶岩使い、燃えさし描き、石曲げ、稲妻幻視者、嵐描き――その誰もが炎、土、その他の要素を通して自分たちの感情的真実を表現しています。美観魔道士と驚異細工師はそれを超えて途方もない、嵐のような展示品を空へと放ちます――その多くは危害を与えるためではなく、楽しみや気晴らしのためです。心狂いは内なる創造の炎を自身の強さへと変え、霊感繋ぎは自分たちの瞬間的なインスピレーションの爆発を他者へと投影します。法燃やしと暴風の革新者はその芸術で典型や慣習を(そして頻繁に、所有物も)砕きます。

重要地点

コンジュロート・ホール

 これは非常に背の高い建物で、最上階はガラス張りの展望室となっており、絶えず変化するエレメンタルのエネルギーの細流が取り囲んでいます。芸術魔道士たちはコンジュロートの主塔を何マイルも遠くから見ることができ、その光景は多くの芸術作品を生み出してきました。

オパス歩道

 キャンパスの中央建物群を貫く曲がりくねった歩道に沿って、プリズマリの精霊術の作品が何百と並んでいます。中でも有名な魔法的芸術のいくつかはオパス歩道に何百年も飾られていますが、そうでないものは創造性を儚く弾けさせ、ほんの数秒しか持ちません。

暴風区画

 ここは過去の芸術魔道士たちが放棄した何千もの製作物が長い年月をかけて凝集した、プリズマリのキャンパスでも悪名高い区域です。防護魔法と警告の標識で外から隔離されており、中はいくつかの区画に分かれ、絶えず変化する魔法エネルギー、氷と風と炎の突風、そしてエレメンタルが暴れ回っています。本質的に危険な場所ですが、同時に野生的な創造インスピレーションの源でもあります。そして危険であるにもかかわらず、ここは生徒たちにとって有名な場所であり続けています。お偉方に介入されることなく決闘ができるためです。

大学のマスコット:エレメンタル
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 プリズマリの魔道士にとって、エレメンタル・クリーチャーは生ける芸術そのものです。魔道士たちは未加工の素材を融合させたものから美しい「殻」を彫り上げると、生けるエレメンタルのエネルギーを呼び出してその殻に宿します。その結果、壮大な感情を表現することが可能な、力ある生物と……無茶苦茶な破壊がもたらされます。プリズマリのエレメンタルの内核は炎、風、氷、水、溶岩、固い岩といったものがうねり混ざり合う力かもしれません。

ウィザーブルーム大学

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「あらゆる生命の内には生の要素が存在し、その要素こそが想像しうる最も強大な魔法への鍵だ。我々はこの要素を用いて自然世界を守るのか、それとも生命の力を我々自らの究極目的へと捧げるのか?」

――血の学びの教授、サーバイン・クロクトゥース

 
本質学の大学

 ウィザーブルームの魔道士たちは生と死の相反する力を利用します。彼らは自然の構成物と生きた生物の精髄から強力な呪文を醸し、その力を用いて生者を癒し、あるいは害し、死者を起こし、あるいは使役します。彼らが振るう魔法は不毛の地面に豊かな森を生やし、あるいは古のドルイドの呪詛を呼び起こして骨から肉をこそげ取ります。ウィザーブルームの魔道士の中には、略奪的な汚染から生態系を守る者も、腐敗と死の力を楽しむ者もいます。彼らは澱んだ川をゾンビのクロコダイルに乗って下り、消耗病の治療薬のために薬草を摘み、沼カエルの合唱に思いを馳せ、あるいは太古の自然の恐るべき化身を召喚します。

ウィザーブルームの二面
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 ウィザーブルームの黒の魔道士たちは、強力な魔術のためにひたすらに生命エネルギーを探求します。祭儀師、流血医師、害獣捕らえ、解剖者、血管術師は弱った生物から精髄をしぼり出して強大な闇の呪文の力とします。滅術師と大釜の予言者は有毒の材料を混ぜ合わせ、むかつくような調合物から衰弱の呪いを織り上げます。血の攪拌者、頭蓋術師、恐怖骨といった屍術師たちは死者の素材に魔力を込めて使役します。

 ウィザーブルームの緑の魔道士らは、生命エネルギーを促して開花と成長をもたらします。薬草師、祝福術師、葉織りは薬草を用いて傷を癒し、生きた生物に力を与えます。土屈み、泥まとい、沼地のドルイドは大地と直接繋がり、文字通り横たわってセッジムーアの生ける沼地に触れ、自分たちの自然魔術に力を与えます。枝呼び、トラッジの庭師、害獣守りは沼地の生物を呼び出してそれらの表面に住まう微小生命を収穫します。

重要地点

セッジムーア

 ウィザーブルームのキャンパスを取り囲む沼沢地帯がセッジムーアです。多種多様な沼地の獣の生息地として知られており、アンデッドの動物、蝙蝠、ワニの類の怪物、徘徊する分解者トラッジ、そしてボグロフと呼ばれる沼地に住まう肉食獣などがいます。セッジムーアは害獣、薬草、蜘蛛糸、茸など、薬品や呪文の材料を探すには最高の場所です。

逆回り講堂

 ウィザーブルームのキャンパス中心が逆回り講堂、セッジムーアそのものから伸び上がるように見える沼地の館です。複雑に繋がり合った木造の小部屋から成り、厚板の歩道が沼地の生物の触手のように外へと伸びています。逆回り講堂の内部にはひとつの小綺麗な議場があり、教授たちはそこに妖術生徒を集めて授業を行います。

居残り沼

 居残り沼はセッジムーアに隣接した、悪臭漂う全くもって不快な沼地であり、蔦掴みと呼ばれる物騒な生物がはびこっています。ウィザーブルームの教授たちは不品行な生徒を罰するためにここへ送り込みますが、同時にこの沼地はある種の強力な治癒や呪いに使用する薬草を集めるには最適の場所でもあります。

大学のマスコット:害獣
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 ウィザーブルームの魔道士は魔法を唱えるために生命の精髄を必要としますが、その仕事を最も頻繁に行う生物は、ただ害獣と呼ばれています。害獣はサラマンダーに似ており、ウィザーブルームの呪文の魔法力を快く提供して消える、概して腹立たしい生物です。ウィザーブルーム以外の魔道士の大半は害獣を厄介な生物とみなしています。不愉快で、うるさく息を立て、怒りっぽく、躊躇なく噛みつく、しつけのできない怪物です。ですがウィザーブルームの魔道士はしばしば害獣を連れ歩き、ペットとして溺愛します――生命力の便利な源としても利用できるペットとして。

ロアホールド大学

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「どの歴史に学ぶかが、私たちの違いを形作ります。時間は偶然と闘争の混沌としたダンスでしょうか、それとも文明は秩序ある理想へと邁進するのでしょうか? ですが過去にはあらゆる疑問への回答がある、それは間違いありません。だからこそ我々はそれを蘇らせ、その真実を発見しなければならないのです」

――ロアホールドの過去起こし、テルード

 
考古術の大学

 ロアホールドの魔道士は歴史に夢中の情熱的な学者たちです。彼らは考古学的アーティファクトを精査することで過去を探求し、古の秘本から魔法エネルギーを呼び出し、死して長い歴史的人物の霊を召喚します。彼らはすり切れた革のブーツを履き、丈夫な外套をまとってこの次元の彼方まで旅をし、古の秘宝を収集して滅びた言語を学び、歴史の秘密を解き明かすのです。

ロアホールドの二面
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 ロアホールドの赤の魔道士は向こうみずな発見に引き寄せられ、冒険心を発揮して過去を探求します。正確さや順序以上に、歴史の本質と情緒を重んじます。崖壊しと遺跡のシャーマンは魔法を用いて古の遺構を掘り進みます。混沌学者、瑣末主義者、不条理家は歴史の逸話や、あまりにも繰り返し起こる思いがけない出来事を追い求めます。戦伝えは血の時代の戦争に用いられた魔法に熱中します。塵語りと英雄嘲笑いは過去の霊と談話を交わし、欠点や弱点といった彼らの全くもって見苦しい真実を発見するのが大好きです。巻物叩きと秘本操りは歴史というものをまさしく物理的な方法で用います。書物の頁に殴り書きされた文字から直接魔法を召喚し、あるいは分厚い書物で愚か者を殴るのです!

 古物収集家、真実探し、古事術師は過去を発見し記録することを愛します。彼らはしばしば長い巻物と秘本に埋もれ、後世のために歴史的真実を記録します。秘宝読み、時代術師、碑の司祭たちは古の歴史的人物の壊れた彫像を発見し、遺跡の状況から過去の知識を推測します。遺物学者、過去起こし、霊語りは生前の姿に似せた彫像に霊を束縛し、偉大で感動的な行いを学ぶために彼らと語り合います。戦霊能者と降霊術師は召喚された霊を実際に強化して戦いに用います。保存委員、過去語り、講師、学芸員は古の呪文知識やアーティファクト、その他ロアホールドのキャンパスの過去の遺物を維持管理します。栄誉運びや引喩師は歴史の真実を引き出して仲間に力を与え、鼓舞します。一方で法定めと法学者は魔法的な法を実行するために歴史の先例を用います。

重要地点

柱落とし

 切り立った垂直の崖から発掘されたままの一連の歴史的建造物が、今や研究や授業、住居のために利用されています。柱落としのひとつの界隈から他の界隈へ向かうには、しばしば発掘された巨大な彫像の顔の前を通る危なっかしい橋を渡らねばなりません。

彫像通り

 ロアホールドの主要キャンパス区域、その通行路には有名な歴史的人物の記念碑が並んでいます。遠い昔の戦争の英雄や国家の支配者だけでなく、過去の教授や傑出した魔道生徒のそれも含まれています。

コレマ堂

 ここはロアホールドの魔道士たちが大規模な講義や実地研究のために集まる、巨大な多層のギャラリーです。魔道士たちが古の記述を研究する際には、千フィートにも及ぶ巻物がバルコニーに伸ばされます。コレマ堂の中央には、ストリクスヘイヴンの創設時にロアホールドの最初の教授のひとりとなった知恵ある修行僧、コレマの彫像が見事に修復されて立っています。

大学のマスコット:霊魂の像
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 ロアホールドの魔道士は古の死者の霊を呼び出して歴史の学習の参考とします。塵語りと過去起こしは霊から過去の知識を聞き取り、戦霊能者や他の魔道士も時々これらの霊から魔法の力を引き出します……もしくは生前の姿を模した像に霊を住まわせ、頑丈な兵士とします。

クアンドリクス大学

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「数とは世界に存在するものなのか? 数学とは我々の脳内だけに存在する純粋に論理的な事象なのか? これらは意見の一致をみない問題だ。それでも、現実というものの真に根本的な力を学ぶのは我々だけである――それは誰もが同意している」

――クアンドリクス大学、理論の学部長イムブラハム

 
数魔術の大学

 クアンドリクスの魔道士は自然界の独創的な数学者です。彼らは図形、自己相似、対称を学ぶことで自然界の基礎数学の力を振るいます。彼らはフラクタル図形のクリーチャーを召喚し、あるいは難解な理論を高くそびえるらせん形の模様に変えます。クアンドリクスの魔道士は増加、拡大、増幅を愛します。彼らは数を操ることで自分たちの知識を拡大し、あるいは自分たちの大きさを四倍にもできます。クアンドリクスの服装と魔法は、理論と自然世界の間に住まう彼ら自身を示しています――ローブの生地や彼らの呪文の性質は、反復要素や巧みな釣り合い、そして驚くべき幾何学を連想させます。

クアンドリクスの二面
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 クアンドリクスの緑の面は数的実現性に生をもたらし、数学的可能性から物理的現実を作り出すことに集中しています。活術師、生命術師、数術師は生物学的な生命に基づくフラクタル生物を作り出します。増幅師と比率のドルイドは、簡単に言えば、物事をとにかく大きくするのを楽しみます。名高いクアンドリクスのマナ学者たちは自然とマナそのものの可能性を研究し、力線、交錯、呪文詠唱、この次元のありとあらゆるマナ現象についての講義を行います、

 クアンドリクスの青の面は理論、推論、可能性といった抽象的な領域を掘り下げる者を引きつけます。抽象術師と証拠操りは空間の可能性を引き延ばす荒々しい魔法を唱えます。螺旋術師と相似学者は現実の不確かな結びつきから美しい模様や視覚的に奇妙な幻影を作り出します。反復術師や連鎖予見者は心を曲げる究極の繰り返しパターンから学びを得ます。高次術師、現象学者、虚無理論家は数字を超えて現実そのものの基本的性質をねじり、世界についての本質的な真実を学び、あるいは作り変えます。これは時に、パラドックスから生まれた奇妙で超現実的な「不可能」を生み出します。

重要地点

トーラスの講堂

 クアンドリクスのキャンパスの中央講堂は、幾何学的に配置された傾斜路を昇った果てにそびえ立っています。トーラスの講堂の内部は絶えず変化する三次元的格子で構成されており、ゆっくりと動いて時とともに進化します。教授たちは魔道生徒に、この講堂内部に長居しすぎないようにと注意を促すこともあります。やがて彼らを取り込んだまま幾何学構造が裏返ってしまうためです。

アリスモドローム

 クアンドリクスのキャンパスには、奇妙な振る舞いをする水でできた動的な彫刻が満ちています。立方体をした泉、宙をアーチ状に流れる水路、固体のように見える水の塔。とある水の建築はひとつの秘密を抱えています。アリスモドロームと呼ばれるそれの内部には、謎めいた空間が広がっているのです。外からは、アリスモドロームは一片十フィートの巨大な水の立方体に見えます。内部は見たところ無限の理論的空間であり、そこでは現実の法則は停止しています。魔道士たちはこの空間を用いて理論的な数的可能性を探求しています。

発達の庭園

 陽光が降り注ぐこの印象的な庭園には、らせん状に循環する植物とフラクタルの動物が生息しています。クアンドリクスの教授たちは幾度もこの場所で成長の呪文を教えてきました。数世紀を経て、この庭園は中で唱えられたあらゆる成長の魔法を強化するようになっています。

大学のマスコット:フラクタル
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 クアンドリクスの魔法は自然のパターンを抽象化し、複製し、フラクタルと呼ばれる人工生命を作り上げます。本質的には命を与えられた数式であるため、極小から巨大まで数学的に大きさを変化させることができ、魔道士にとっては役立つ相棒となっています。彼らはフラクタルを遊び道具、ペット、助手、戦闘における仲間として用いています。

大学の外

大界
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 この次元の既知の領域のほとんどは、二つの巨大な大陸に分かれています。一般的に「大界」と呼ばれる北部の大陸オーリシア、そして謎めいた南部の大陸ガラトゥールです。この二つは前兆の地峡と呼ばれる陸橋で繋がっています。ストリクスヘイヴンはオーリシアの北東部に位置しています。

創始ドラゴン
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 二つの次元のマナが相争う形で重なり合った際、この次元が誕生しました。多くの生命形態がその新たな構造に適応し、また新たに発生しました。五つの特に強力な、重なり合ったマナの渦は光り輝く球となり、そこから五体のドラゴンが誕生しました。このドラゴンたちはアルケヴィオス次元の魔法の象徴、相争う二つのマナの衝突を体現する存在となっています。

 この創始ドラゴンこそ、五つの対抗色の組み合わせの魔法を最初に習得した者たちです。人型種族が栄えるようになると、当初ドラゴンたちは定命の存在が荒々しい魔法の力を用いようとしたことに怒りました。ですがやがて、統制された学習を通してのみ、魔法は安全に扱えるようになると認識します。そのため、何世紀も昔、ドラゴンたちはマナの五つの組み合わせを学ぶための機構を設立しました。その機構こそが現在のストリクスヘイヴンです。五つの大学は各ドラゴンが習得した魔法を基礎としています。

 今日でも創始ドラゴンたちはこの次元を放浪し、五体の危険な空の賢者として知られています。彼らはもはや直接ストリクスヘイヴンには関わらず、名代として学部長たちに大学を任せる方を好んでいます。ドラゴンたちの知恵は広大ですが、気は短いかもしれません。彼らを探し求める魔道士は、極めて掴みどころのない曖昧な秘密を学んだだけで終わります。

オリーク
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 オリークとは、禁忌の魔術を振るう魔道士の秘密結社です。彼らの本拠地はストリクスヘイヴンから遠く離れていますが、しばしば大学に侵入しては後ろ暗い陰謀のために呪文を探し、構成員を勧誘します。オリークの工作員は欺き、隠密、あるいは暗く強力な魔法の刻印を用いて邪な目的を果たそうとします。

 死に至る決闘、人目をはばかる暗殺、魔道士だらけの学府への不法侵入、血の儀式――オリークの手段は危険で困難であるため、この組織はしばしば新入りを必要とします。オリークの工作員は才能ある魔道士を熱心に探し求めて勧誘しますが、彼らのお気に入りの狩猟場のひとつがストリクスヘイヴンです。オリークの工作員がしばしば接触するのは、学校から見落とされてきた、実力はあるものの平均を下回る魔道士や学生です。もちろん、幻影魔法と口上を用いてオリークとしての正体を隠してのことです。生徒は一般的に、自分たちがオリークの勧誘に誘われているとは気づきません――魅力的で立派な異邦人が、特別な約束へと誘っているというだけなのです。そして相手が最も弱った瞬間に、彼らはその仮面を差し出すのです。

アルカイック
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 アルカイックは賢明で巨大な長命の存在であり、先天的な魔法の才能を持っています。大界を闊歩しながら、その多くの腕で魔法の源を探求し、あるいは魔法的な焦点らしき「目」を通して存在を熟考しています。アルカイックの寿命は何千年にも及び、彼らの多くは夜明けの時代から生きていると考えられています。魔道士たちは歴史と魔法の広範な知識を求めて彼らを探し求めますが、アルカイックは不明瞭な暗示や謎めいた隠喩を用いて伝達するのを好みます。

スターアーチ
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 この次元のそこかしこに、謎めいた祭殿や記念碑のようなアーチが、重力を無視して周辺の様子に関係なく存在しています。自然素材が輪を描いてアーチ型に浮遊しており、内径は滑らかですが外径は粗く不揃いで、角度は垂直から水平までさまざまです。小規模から大規模まで、完全なものと壊れたもの、苔むしたものも不思議なほど汚れのないものもあります。それらの不揃いな輻は、空の星が放つ光の線を想起させます。

 スターアーチは夜明けの時代――この次元が若く、人型種族がまだ大地を歩いていない頃からの謎です。大体においてアーチはただそこにあり、不可解に浮いたまま、静かで動かせず、何にも反応しません。ですが人生において決定的な危機の瞬間にアーチが目の前に現れ、教訓を理解する力になってくれた、あるいは心に燃え盛る疑問の答えをくれたという証言が沢山あります。各アーチは大いなる魔法に関わる地点を記すのだと信じる者もいます。ある偉大な魔道士の誕生、時の中に失われた呪文の所在などです。何らかの形でアルカイックに関係していると信じる者もいます――彼らの存在下で、あるアーチが強力な魔法とともに動き出したのを見たと主張する者もいます。

交錯
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 マナはアルケヴィオスの全土に流れています。ですが特定の場所では、マナは固まってもつれています。そういった地点で唱えた魔法や呪文は最も強力なものになりえます――そして同時に最も危険に。こういった場所は交錯と呼ばれています。アルカイックは、交錯とはこの次元の誕生時に相反するマナ源が重なり合った場所だといいます。

授業はここまで

 アルケヴィオスについて少々、そしてストリクスヘイヴン大学について多いに学んでいただけたでしょうか。この世界をもっと貪欲に学びたいのであれば、このセットの伝説たちについての記事が、後日掲載予定です。加えて、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の物語もこの先しばらく(原則)週に2本、当サイトにて連載されます(編訳注:英語版はMTGStory.com)。何としても入学を希望ですか? それでしたら、徹底的かつ合法的な必須試験を受けることでふさわしい大学を見つけ出せます。ですが最も重要なのは、この世界を皆さんが楽しんでくれることです。創造の力になってくれたのが、以下に名前を挙げる人々です。(他にもたくさんいます!)

クレジット

コンセプト・アーティスト

  • Daarken
  • Jehan Choo
  • Lena Richards
  • Nick Southam
  • Rebecca On
  • Sam Burley
  • Tyler Jacobson
  • Vinod Rams

世界構築チーム

  • Andrew Vallas
  • Annie Sardelis
  • Doug Beyer
  • Emily Teng
  • James Wyatt
  • Fox Allison
  • Sydney Adams

グラフィック・デザイナー

  • Daniel Holt
  • James Arnold

アート・ディレクター

  • Taylor Ingvarsson

クリエイティブ・プロデューサー

  • Meris Mullaley

クリエイティブ・リード

  • Doug Beyer

クリエイティブ・ディレクター

  • Jess Lanzillo

(Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori)

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