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私はクローンかもしれない

2020年9月8日
私は統率者戦のプレイを続けていく中で、数多くのデッキを構築してきました――そしてそのうちのほとんどは高い完成度を持ち、全体的に高いデッキパワーを持っています。《野生の心、セルヴァラ》《エーテリウム造物師、ブレイヤ》《不屈の巡礼者、ゴロス》《法をもたらす者、アゾール》といった伝説のクリーチャーが率いるデッキはどれも、私がゲームに勝てる状況を生み出すことができるように構成されています。
しかしながら、私が好んで用いるものは、そういったパワーレベルを意識したものではなく、《騙り者、逆嶋》を統率者に据えたデッキです。ええ、これはいわゆるクローン・デッキで、対戦相手が脅威を出すまで勝利条件を満たせません。想定されるであろうもの(もちろん《クローン》)から予期されないであろうもの(《不定の多相の戦士》)まで……あるいは明らかにおかしなもの(《多相の戦士の真髄》)まで、すべて入っています。
私がこのデッキから最後まで外したくなかったクローン・クリーチャーがあります。それは皮肉なことに、そもそもこのデッキを組みたいと思った大きな理由の1つでした。そう、《ジュワーの多相の戦士》のことです。
マジックから長く離れていた私は、『ゼンディカー』と『ワールドウェイク』の時期にリミテッドで復帰しました。そしてスリヴァーのファンだった私は、同盟者を見て何か微笑ましいものを感じたのです。《ジュワーの多相の戦士》がプレビューされたとき、「おお、リミテッドの同盟者デッキでプレイしてみたいカードだ」と考えたのを覚えています。
(私はマジックのプレイ歴の中でもっともばかげた同盟者切削デッキをドラフトし続けました。これには《ジュワーの多相の戦士》、《ハリマーの採掘者》2枚、《面晶体のカニ》3枚、それと《ハリマーの採掘者》の能力を誘発させるための同盟者クリーチャーの束が含まれていました。いかれてますね。これで対戦相手に立ち向かったことをいまだに後悔しています。)
私はこのカードが大好きです。これは『ゼンディカー』リミテッドにおける自身の経験を背景として、最も気に入っているものの1つです。同フォーマットのリミテッドで使った優秀なカードのように、これがゲームの勝利に貢献してくれたわけではありませんが、今日にいたるまで私のお気に入り席に座り続けています。それに、優秀なクローン効果を気に入らない人がいるでしょうか? 戦場にある良さそうなものをコピーするのは、本当の本当に楽しいです。統率者戦用のクローン・デッキを考え始めたときに、真っ先に思いついたカードの1つが《ジュワーの多相の戦士》でした。
しかしながら、コストが驚くほど軽い()《ジュワーの多相の戦士》ですが、統率者戦における欠点は――ええ、無視できるものではありません。同盟者・クリーチャーのみをコピーするという能力は範囲が狭すぎ、専用の同盟者デッキでもなければ採用できないでしょう。私のこのカードへの愛は山よりも高いのですが、私の《騙り者、逆嶋》デッキには山のように同盟者がいるわけではありませんでした。当然ながら抜くことになりましたが、デッキを作るための最初のきっかけにはなってくれたのです。
範囲が狭いとはいえ、それでも使ってみた場合、同盟者アーキタイプにおけるクローン効果はどのように活躍するのか、いつも気になっていました。『アルファ版』の元祖《クローン》以来、《替え玉》のように瞬速を持っているとか、《巨体原形質》のようにパワーとタフネスを変えられるとか、《幻影の像》のようにイリュージョンとしての脆さを持つとか、《灯の分身》のようにプレインズウォーカーにもなれるとか、とにもかくにもクローン効果にはさまざまなバリエーションが存在しています。では、メカニズム内で機能しつつ、幅広いデッキでも使えるようなクローンを作ってみてはどうでしょうか?
ええ、『ゼンディカーの夜明け』でパーティーというメカニズムが登場し、テーブルトップ・スタジオの鬼才たちがそれを実現する方法を編み出したのです。クローン・ファミリーの最新メンバー、《玻璃池のミミック》に挨拶しましょう。


《玻璃池のミミック》は《ジュワーの多相の戦士》の足跡に習い、自分がコントロールしているクリーチャーという制限があるかわりに、ごく普通のクローン・カードよりも1マナ軽い3マナになっています。また、『ゼンディカーの夜明け』の新しいメカニズムとも直接的な繋がりがあります。特に注目したいのは、《玻璃池のミミック》はコピーしたクリーチャーのタイプに加えて、本来持っている多相の戦士・ならず者を残す点です――これは『ゼンディカーの夜明け』でパーティーを組むために鍵となる要素です。
それだけでは足りないなら、《玻璃池のミミック》には別の機能もあります。これはモードを持つ両面カードです! 《玻璃池のミミック》のような《クローン》系カードはもともと順応性が高く強力ですが、これは全く別の方法を用いてその順応性を広げています。土地としてプレイできるのです。


自分のクリーチャーをコピーしたい状況ではないし、土地も少なくて困っているとしても、心配は無用です! 《玻璃池の岸》がカバーしてくれます。このモードを持つ両面カードの第2面として、土地を出すことを選択できます。これ以上に順応力の高いものがあるでしょうか。
このカードは私の《騙り者、逆嶋》統率者戦デッキに自動的に採用されるでしょう。そして、『ゼンディカーの夜明け』のリミテッドで使われるのを見かけることが楽しみでなりません。そこでは複数の職業を兼ねるパーティー・メンバーであったり、自分がコントロールしている巨大クリーチャーのコピーであったり、あるいは必要にかられて土地として出てくるということもまたあるでしょうね。
《玻璃池のミミック》/《玻璃池の岸》をどう使うかはともかく、MTGアリーナでは9月17日から、テーブルトップでは9月25日から全世界で『ゼンディカーの夜明け』が発売され、新カードを手に入れてプレイする機会を得られるでしょう。
(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)
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