READING
翻訳記事その他
めでたしめでたし
2019年9月19日
素晴らしいマジックのゲームもそうですが、素晴らしいおとぎ話にもいくつかの不可欠な要素が存在します。はじまり、おわり、そしてその間に起こる数多くの物事です。ゲームでは「グッドラック、ハブファン!」から始めますし、おとぎ話は「むかしむかし」から始まります。うまくいけば、本を読み終わったり相手と握手したりして、どちらも「めでたしめでたし」となるでしょう。
マジックとおとぎ話に共通するもう1つの素晴らしい点は、望む「めでたしめでたし」に到達するまでの道筋は常に同じではない、ということです。
ラプンツェルならその長い髪を地上へと垂らしますし、ジャックには目がくらむようなクライミングが待っています。そしてシンデレラは「最悪」な家族からの仕打ちに耐えなければなりません。マジックのゲーム終了までの道のりといえば、対戦相手のライフを0にしたり、ライブラリーの最後のカードを墓地に送ったり、無限コンボを組み上げたり、別の勝利条件を満たしたりするものです。これらのどの方法であっても、同じ「めでたしめでたし」につながります――しかし、個人的な意見を言えば、ある方法はほかの方法よりも魅力的でしょう。
ええ、私が言っているのは特殊勝利条件のことです。
みなさん、「めでたしめでたし」に至る、全く新しい手段との出会いです。
いいですよね!
リミテッドでこのカードがどのくらい強いかという話についてはやめておきましょう。なぜなら、これでゲームに勝つような操作をリミテッドで全部やり切きろうとするなら、すべてが望みが叶えられる理想郷の住人でもなければ、到底為し得ないでしょうから。
とはいえ、『エルドレインの王権』入りスタンダードの環境下であれば、このカードを機能させるためのツールはたくさんあります。たしかに、このカードで競技的なティアワン/Tier-1のデッキを組むのは難しいでしょうが、楽しいティアファン/Tier-Funなデッキが組めることは間違いないでしょう。どっちがいいかと聞かれれば、私は楽しめるほうがうれしいですね。
食物トークンはライフ獲得方法を供給してくれますし、絆魂持ちをたくさん並べて、アーティファクト・クリーチャーを相当数用意すれば、うまくいくでしょう。新たな出来事メカニズムについては、インスタントやソーサリーがクリーチャーと一緒になっているように思えますが、墓地や戦場ではクリーチャーとしてのみ数えること注意しましょう!
そして、このカードで勝つためのデッキ構築方針はかなりはっきりしています――このカードは単色なのです。
そう聞いて、芯から衝撃を受けて「単色のデッキにしてどうやってこれで勝つの!?」と驚くでしょうか?
私は声高にこう返答します。「これらの美しさを見てください!」
そうです。これは白単色の特殊勝利条件デッキですよ。これくらいでは参加者の中で最も奇妙なデッキになるとは思えませんね! 《秘儀術師のフクロウ》はかわいいだけでなく、アーティファクトやエンチャントを持ってくることで勝敗を左右できるので、とりわけ役立つことでしょう。
このプレビュー・カードを見て心がふつふつと燃え上がるなら、統率者戦でこれを機能させる方法をじっくり練り上げたいと思うかもしれません。もちろん、ここでも単色で組めます――あるいは、5色全部を使ったデッキを構築することもできます。私の個人的なお気に入りは、《タズリ将軍》と同盟者の仕組みを利用するものです。わかりやすい同盟者シナジーもありますが、本質的にこのデッキはお互いの要素が協力するというよりは、同盟者で素敵におかしな特殊勝利を祝うものになるでしょう。私のお気に入りをいくつか見てみましょう!
このコンセプトに基づいて構築したデッキの骨組みはすでにありますが、もうすぐ『エルドレインの王権』のカードがすべて紹介されます。みなさんの集合知でここから肉付けして、どのように構築するかを私に教えてください!
1 《タズリ将軍》 -統率者(1)- 1 《アゾリウスのギルド門》 1 《ボロスのギルド門》 1 《ディミーアのギルド門》 1 《ゴルガリのギルド門》 1 《グルールのギルド門》 1 《イゼットのギルド門》 1 《オルゾフのギルド門》 1 《ラクドスのギルド門》 1 《セレズニアのギルド門》 1 《シミックのギルド門》 1 《迷路の終わり》 -土地(11)- 1 《ハリマーの採掘者》 1 《オンドゥの僧侶》 1 《物静かな使用人》 1 《先端生物学者》 1 《ランタンの斥候》 1 《ムンダの先兵》 1 《フェリダーの君主》 1 《前駆ミミック》 -クリーチャー(8)- |
1 《秘儀の印鑑》 1 《虹色の前兆》 1 《シミックの隆盛》 1 《彩色の灯籠》 1 《雲石の工芸品》 1 《統率者の宝球》 1 《耕作》 1 《亡霊の牢獄》 1 《木霊の手の内》 1 《メイエルのアリア》 1 《プロパガンダ》 1 《活力の揺り篭》 1 《パンハモニコン》 1 《エメリアへの撤退》 1 《複製の儀式》 1 《風景の変容》 1 《忍耐の試練》 1 《聖戦士の進軍》 1 《魂の大鍋》 1 《旗印》 1 《空虚への扉》 1 《倍増の季節》 1 《安全の領域》 1 《原始の報奨》 1 《副陽の接近》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(26)- |
あなたがどのような「めでたしめでたし」を迎えるとしても、その道のりが終着点と同じぐらい実りあるものであることを願います。《めでたしめでたし》向きの素晴らしいカードを見つけたら、私のTwitterアカウント @MissMariapants にツイートして教えてください(編訳注:英語でお願いいたします)。そして覚えておいてほしいことがあります。あなたがおとぎ話の世界に迷い込んでしまったら――そこでリンゴは食べないほうがいいでしょう。
(Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing)
RANKING ランキング
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.26広報室
2025年1月より「プレインズウォーカー・フレンドリーマッチ(PWFM)」新シーズン!その他イベント情報更新も|こちらマジック広報室!!
-
2024.12.25戦略記事
師走のサプライズ!物あさり復活、今こそホロウワン(モダン)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.24戦略記事
リザード・バーン:紙のトカゲは冬眠しない(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.23戦略記事
グルール&ボロス、赤いアグロとダメージ呪文(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事