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翻訳記事その他
地平線上の土地
2019年5月21日
マジックにあるほとんどの2色土地は友好色か敵対色、もしくはその両方のサイクルを構成している。これの輝かしい例外に《地平線の梢》がある。長年、世界中のマジック・プレイヤーはマナ・フラッドを起こさずにゲーム後半に使い途のない土地を呪文に変える白緑使いに嫉妬の目を向けていた。今回の『モダンホライゾン』発売に伴う私のプレビュー記事ではこのようなことが起こらなくなることを伝える。敵対色キャノピーランドだ!
ネットでふさわしい名前がつけられると思うが、私はそれまでの間この記事ではこれらをキャノピーランドと呼ぶことにする。
《地平線の梢》はモダンで多く使われるとても強力な土地だ。アンタップ状態で出てくることとユーティリティ土地につけられた複数色のマナを出す能力の組み合わせは、白と緑のマナに興味のあるほとんど全てのデッキにとても価値のあるものだ(時には《硬化した鱗》のように片方の色が要らないデッキでもプレイされる)。これらの土地は同じぐらい強力で同じように使われる可能性が高い。
私はこれらの土地自体が新しいアーキタイプを作るとは思わない。結局のところこれらはただの土地であり、その2色の基盤はすでに存在している。しかし、これらを使いたい多くの既存のデッキを確実に強くする。どのデッキがそうなるのか?
「《地平線の梢》」を使いたいデッキは通常3つの特徴を満たさなければならない。
- フェッチできない2色土地を入れる余裕があること。一部のデッキは大量のフェッチランドを運用し、黒緑の土地をフェッチする必要があるので単純に《草むした墓》を《育成泥炭地》に入れ替えることができない。
- ライフを失う余裕があること。
- ゲームの中盤から後半にかけて土地の用途があまりないこと。
要素2と要素3はどちらもコントロール戦略よりもアグレッシブな戦略をプレイするように強く促す。「人間」のようなデッキは《地平線の梢》をプレイし、それを1回か2回使って、ライフの損失を気にせず、その後3マナ以上のカードが入っていないのでカードを得るためにこれを生け贄に捧げるだろう。しかし「ジェスカイ」のようなデッキは《焦熱島嶼域》を1ターン目にプレイし、毎ターンそこからマナを出して合計6ダメージを受け、その後も《瞬唱の魔道士》から《謎めいた命令》を構えるので生け贄に捧げられるようにならず、その点でおそらくこのカードをプレイするのは割に合わない。
以下のリストは新しいキャノピーランドをプレイして満足すると私が信じているデッキだ。
《灼陽大峡谷》
バーン
色マナ供給とマナ・フラッド対策を同時に行えるバーンは、多分キャノピーランドによる最大の勝ち組だろう。バーンでは2~4枚の土地が欲しいが5枚は本当に不要で、キャノピーランドはまさに完璧だ(完璧すぎて4枚以上入れたくなるかもしれない)。その上、多くの人がダメージを受ける土地をプレイするようになればそれはさらに良いことだ。
ドレッジ
ドレッジには白いカードが入っていないが、発掘し始めると追加のドローはとても価値があるので《灼陽大峡谷》(か《焦熱島嶼域》)が赤マナだけのために入るかもしれない。これはレガシーのリストで使える《セファリッドの円形競技場》ではないが、できる中でのベストであり、《壌土からの生命》とも機能する。
《冠水樹林帯》
人間
ほとんどの「人間」デッキは2枚の基本土地と4枚の《地平線の梢》をプレイしているが、我々は以前、特に(サイドボードのカードや《集合した中隊》があるので)《古代の聖塔》を全開で入れたくないデッキで《金属海の沿岸》のようなカードを見かけた。将来《冠水樹林帯》が追加の、もしくは《地平線の梢》の代わりのキャノピーランドとして(マナが機能するならこのデッキの欲しいキャノピーランドの枚数はおそらく6枚ぐらいだ)見かけられる可能性があり、《集合した中隊》バージョンが戻ってくるならほとんど当然のように見かけるようになるだろう。
バント・スピリット
「スピリット」はすでに《地平線の梢》がプレイできた(そしてほとんどの場合そうした)が、それだと《霊廟の放浪者》が1ターン目に出せないので少しぎこちなかった。私はほとんどの「スピリット」のリストが《冠水樹林帯》を使うためにマナ基盤を変えると予想している。
唸りプリズン
「唸りプリズン」は現在4枚の《植物の聖域》をプレイしていて、そのうち何枚かがほぼ確実に《冠水樹林帯》になるだろう(だが4枚はやりすぎかもしれない)。このデッキにはゲーム後半でこれと一緒に機能する《世界のるつぼ》も入っている。
《無声開拓地》
白黒トークンと白黒エルドラージ
どちらも大人気のデッキというわけではないが、これらのデッキが存在すれば《無声開拓地》を求める可能性が高い。
8ラック
「8ラック」は多分基本土地の代わりに何枚かキャノピーランドを入れたい黒単デッキだ。この時点で、さらに追加の2色土地と白(か緑)のサイドボードの選択肢をプレイすることができるとは言え、それは必須ではない。
《育成泥炭地》
《硬化した鱗》とトロン
これらのデッキはどちらも緑マナだけのために《地平線の梢》を使う(こともある)デッキで、今やより簡単に色を足すチャンスを得た。《冠水樹林帯》も同じように機能するが、私は両方のリストでサイドボードの黒いカードが求められる可能性が高いと確信している(実際トロンは過去すでに黒いカードをプレイしていた)。
《集合した中隊》《献身のドルイド》コンボ・デッキ
ほとんどの《集合した中隊》デッキは白緑ですでに《地平線の梢》をプレイしているが、その多くは特にサイドボードに黒いカードが入っていて《育成泥炭地》をプレイする恩恵を受けられる。このデッキはマナ・クリーチャーのおかげでマナが豊富でキャノピーランドが本当に欲しいので、6枚以上入るのが正解だったとしても驚きではない。
ジャンド《死の影》
《死の影》デッキはトリッキーだ。このデッキはマナが余るので自身を生け贄に捧げる土地が本当に好きだし、実際に《死の影》のおかげでダメージを受ける部分を利用することもできる。しかし同時にこのデッキは(フェッチランドが大量で土地の総数はそれほど要らないので)フェッチできる土地の数がギリギリで、入れるための十分な余裕がないかもしれない。マナ基盤に《草むした墓》でない黒緑土地を入れられる場所ができれば、《育成泥炭地》が最適な可能性は高い。
《焦熱島嶼域》
ストーム
ストームの負けパターンの1つはマナばかり引いて動けないことで、土地を追加のカードに変えられるととても助かる。多くのストーム・デッキが《シヴの浅瀬》をすでにプレイしているので、私はそれが全部《焦熱島嶼域》になると予想している。
赤青フェニックス
フェニックス・デッキは序盤にマナが集約したデッキで、これはつまりキャノピーランドからたくさんダメージを受けるということだが、キャントリップによってカードを多く引くのでマナ・フラッドしがちだ。なので《焦熱島嶼域》の居場所があるかもしれない。
これは決して完全なリストではない――2色土地としてではなくドロー能力のためだけにこれらをプレイする単色や友好色のデッキは多分多く存在する――しかしそれとは関係なく、私はこの新しいキャノピーランドが今後のモダンで多く使われると確信していて、そしてこれらをプレイするのが楽しみだ。
(Tr. MASUYAMA, Takuya / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)
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