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翻訳記事その他
『灯争大戦』のメカニズム
2019年3月31日
プレインズウォーカーの皆さん、あまり良くないお知らせです。これまで、ニコル・ボーラスの脅威は侮られがちでした。なにせ彼は、デタラメにどこかの世界に現れ、デタラメに何かをしているだけに見えましたから。死した崇拝者たちの軍勢? なんとかの太陽? 次元橋? ですが物語はついに終局を迎えます――『灯争大戦』が間もなく勃発するのです。この戦いはラヴニカに収まらない終わりをもたらすものになるでしょう。戦いへ赴く前に、素晴らしいカードとメカニズムの数々を知っておいてください。早速いきますよ。
プレインズウォーカー
これ自体はメカニズムの名前ではありませんが、紛れもなく今回の主役となります。『灯争大戦』には史上最多のプレインズウォーカーが収録され、ブースタードラフトやシールドデッキでプレインズウォーカーと出会う機会がかつてないほど多くなると思われます。これまで、プレインズウォーカーは神話レアにしか存在しませんでした。ですからたとえ長年のベテランでも、リミテッドでプレインズウォーカーと出会う機会はそう多くなかったでしょう。
アンコモンのプレインズウォーカーは能力を2つしか持たず、それらの能力で忠誠度を増やすこともできません。つまり何か他の方法(例えばあとでご紹介する「増殖」など)で忠誠度を増やさない限り、長く戦場に残ることはできないのです。
そしてこのセットに収録されるプレインズウォーカーはすべて、忠誠度に関係のない能力も持っています。常在型能力を持つものもいます。常在型能力は常に「オン」の状態になっており、ターンの進行や忠誠度能力を起動したかどうかに関わらず効果を発揮します。《無頼な扇動者、ティボルト》が戦場にいる間は、ライフ回復が阻害されるのです。
また、誘発型能力を持つものもいます。誘発型能力は条件が満たされたときに誘発します。こちらもターンの進行や忠誠度能力を起動したかどうかに関わらず効果を発揮します。《戦慄衆の将軍、リリアナ》は、いつでも喜んで死体を新たなカードに変えるのです。
なお、プレインズウォーカーに関するルールの変更はありません。対戦相手がコントロールするプレインズウォーカーの忠誠度が0になれば、それはオーナーの墓地に置かれます。プレインズウォーカーへのダメージは、その忠誠度を減らします。クリーチャーでプレインズウォーカーに攻撃できます。対戦相手は通常通りブロックを行うことができます。呪文の中にはプレインズウォーカーを対象に取ったりプレインズウォーカーにダメージを与えたりできるものもあります。英語で「any target」と書かれた呪文や能力は、クリーチャーかプレイヤーかプレインズウォーカーを対象に取れます。日本語ではそう明記されています。
動員
『灯争大戦』には新キーワードが1つ存在します。悪役側の能力の「動員」です。ボーラスがアモンケットにて行ったちょっとした操作を覚えていますか? それはアンデッドの精鋭による軍団を作り上げるためだけに行われたことであり、ラヴニカが経験したことのないものです。「戦慄衆」と呼ばれるその軍団は、今や私たちが愛する街のいたるところに集結しています。なんということでしょう。
動員は、あなたにゾンビの軍団を作り上げる力を与えます。その挙動は以下の通りです。動員を行うよう指示されたら、まずは自身に問いかけてください――この世界を滅ぼすことに喜びを感じるか? それから、もうひとつ――「軍団」をコントロールしているか? あなたがすでに軍団・クリーチャーをコントロールしているのでなければ、黒の0/0のゾンビ・軍団・クリーチャー・トークンを1体生成します。その後、あなたは自分の軍団・クリーチャー1体の上に、動員の次に書かれた数字と同数の+1/+1カウンターを置きます。つまり、《無情な前進》は戦場に何もないところから3/3のクリーチャーをもたらすのです。
《戦慄衆の侵略》を使えば、戦慄衆の侵略を続けることができます。あなたが軍団・クリーチャーをコントロールしているなら、新たなトークンを生成することはありません。その代わり、軍団・クリーチャー1体の上に、動員の次に書かれた数字と同量の+1/+1カウンターを置きます。なので、その3/3(正確に言うなら+1/+1カウンターが3個置かれた0/0)の軍団・クリーチャーが戦場に残っているなら、《戦慄衆の侵略》の誘発型能力はそれに+1/+1カウンターを1個追加し、あなたの軍団は4/4に成長します。
動員は、あなたが一度にコントロールできる軍団が最大1つになるようにデザインされています。ですが、その制約を回避する方法はいくつかあります。軍団をコピーしてもいいですし(何らかの方法でタフネスを上げていれば生き残れますね)、すべてのクリーチャー・タイプを持ったクリーチャーも軍団です。あなたが動員するときに2体以上の軍団・クリーチャーをコントロールしている場合、あなたは軍団を1体選び、そこにすべての+1/+1カウンターを置きます。あなたが動員を行うよう指示されたときに、プレイヤーは呪文や能力で対応することができます。しかし動員が始まってからそれを妨害することはできません。これは、新しい軍団を生成する場合にも当てはまります。0/0のゾンビ・軍団・クリーチャー・トークンに+1/+1カウンターが置かれる前に、何かすることはできません。
なお、+1/+1カウンターは軍団に加わっていく永遠衆を表現していますが、ゾンビ・軍団・クリーチャー・トークンはあくまで1体のクリーチャーです。それは「ゾンビ」と「軍団」という2つのクリーチャー・タイプを持ちます。このセットには、《戦慄衆の侵略》を含めゾンビ・トークンに大きな恩恵を与えるカードがいくつも収録されています。それらは動員によって生成されたゾンビ・軍団・クリーチャー・トークンだけでなく、あらゆるゾンビ・トークンに恩恵を与えるので、お忘れなく。
増殖
『灯争大戦』には、注目の再録キーワードもあります――それが「増殖」です。皆さんの中には、この増殖を「破壊と腐食を広げるもの」だと記憶している方もいるでしょう。そう、これはファイレクシアの技術として登場しました。ですがプレインズウォーカーと+1/+1カウンターが飛び交うこの大戦においては、増殖はやや異なる働きを見せてくれるはずです。
増殖を行うに際し、あなたはカウンターの置かれているパーマネントやカウンターを持つプレイヤーを望む数選びます。置かれているカウンターの種類は問いません。クリーチャーに置かれている+1/+1カウンターでも、プレインズウォーカーに置かれている忠誠カウンターでも、あるいは時間カウンターや蓄積カウンター、破滅カウンターといった珍しいものでも大丈夫です。また、(エネルギー・カウンターや経験カウンター、毒カウンターなどの)プレイヤーが持つカウンターもすべて含まれます。その後、選んだプレイヤーが持つカウンターと選んだパーマネントに置かれているカウンターをそれぞれ1個追加します。
増殖を行う際は、あなたが選んだプレイヤーやパーマネントにのみカウンターを追加できるということをお忘れなく。対戦相手がコントロールしているクリーチャーに+1/+1カウンターが置かれていても、それを強化してしまうことなく増殖を行うことができるのです。
なお、増殖のルールは少しだけ変わります。以前は、プレイヤーが複数の種類のカウンターを持っていたりパーマネントに複数の種類のカウンターが置かれていたりする場合は、あなたが追加するカウンターの種類を選んでいました。今後は、すべての種類のカウンターが追加されます。これは珍しいケースとはいえ、プレイヤーの方が起こりやすいと思われます。ある対戦相手がエネルギー・カウンターと毒カウンターを両方持っているとしましょう。その状況で増殖が行われる場合、エネルギー・カウンターと毒カウンターの両方が(1個ずつ)追加されるか、両方とも追加されないかのどちらかになります。それを決めるのは、増殖を行ったプレイヤーです。
戦記
『灯争大戦』が迫っています。はたしてこの戦いは、終わりの始まりとなるのでしょうか?それはまだわかりません。はたしてこのセットは、既存のデッキをさらに盛り上げ、また新たなデッキを築くクールな新カードにあふれているでしょうか? もちろんです。これからどんどん新情報が入ってきますので、公式サイトや世界中の協力者たちの動向をお見逃しなく!
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