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「Brawl」に乗り込め
2018年3月22日
マジックの新フォーマットの紹介なんて、そうそうあることじゃない。
『ドミナリア』のプレビューがすでに始まっているけれど、今日、あなたが予想だにしていないことをお話しする機会に、私は興奮しているんだ。このウェブサイト中で、今年もっとも熱い期待のセットに何が起きているのかを、少しずつお見せしていくことになる。
例えば、すでに昨日のブレイク・ラスムッセン/Blake Rasmussenの記事で《ファイアソングとサンスピーカー》を見かけたかもしれない。もしまだなら、ちょっと見てもらえるかな。
これは、『ドミナリア』のボックス購入特典だ!(そして、ブレイクの記事を読んだならご存知の通り、今回はいつもと違うことがある。これはプロモのみの特別なカードなんだ。)このミノタウルスはとても素敵だ。そしておそらく、このカードの極めて重要な要素についてお気づきだろう。彼らは伝説なんだ。
過去の数か月にわたり、私は多くの人が予想していることをネット上で眺めてきた。称賛を受けるかも準備はいいかな。ドミナリアの大きなテーマは、伝説なんだ! このセットには、古くから人気のドミナリア人も新顔も含む、数多の伝説の存在がいるのだ。
しかし待ってくれ。新しいフォーマットとは一体? 先ほど、フォーマットの話だと言及したね。
ああ、すべては繋がっている......そして、それが今日、本当にお話ししたいことだ!
『ドミナリア』に伴い、素晴らしい効果をもたらすためにこの伝説のテーマを使う、まったく新しいカジュアル・フォーマットを発表しようと思う。それではご覧いただこう!
「Brawl」を構築する
私たちは常に、マジックに現在足りないものについて、何が提案できるのか、さまざまな意見を探し、聞き、試している。
私たちは、スタンダード、モダン、レガシーといった数多くのマジックの競技的な構築フォーマットを提案している。これらはそれぞれ、異なる範囲のマジックのセットを含んでいる。あなたが新しくマジックの世界に訪れたとしても、多分レガシーから始めようとはしないだろう。確かに、そこから始めることもできる......けれど、スタンダードなどで始めるのが普通だろう。これらのフォーマットはそれぞれ異なる期間を舞台としていて、人それぞれにとって、自分のコレクションに応じた遊び方がある。
コレクションや経験だけではなく、プレイヤーごとに好きなゲームプレイの種類も異なる。例えばレガシーは、狂ったメカニズムと相互作用に満ちていて、これまでに印刷された最良の軽量クリーチャーによるアグロ・デッキから、1ターン目にゲームを終わらせかねないコンボ・デッキまで存在する。対して、スタンダードのカードプールは小さく――もっと違うカードが輝ける環境がある。この理由でスタンダードを好み、長年にわたりプレイしているプレイヤーは数多くいる。
オーケー、これは競技的な構築フォーマットの話だ。他にもさまざまなフォーマットがある。
しかし、カジュアルな構築のフォーマットを探そうとすると、多様性は低くなる。大抵は、ただ「だいたい何でもあり、やりたい放題やろう」というだけだろう。
統率者戦は私たちのカジュアル・フォーマットで最も大きなものかもしれない。何を隠そう、私は統率者戦が大好きなんだ。(『統率者(2017年版)』と、来たる『統率者(2018年版)』の両方のリーダーを務めていた私としては、これからもそうありたいと思っているよ!)そしてこれは先に保証するが、統率者戦はどこへ行ったりもしない。
しかし一方で、統率者戦は飛び込もうと思っても少々圧倒されるものになってしまっている。あなたの新しいカードは、私たちが過去25年をかけて作り出し、あらゆる非常識な組み合わせと能力が存在する、狂気のカード群の重みと競い合わなければならない。あなたが何年もマジックをプレイしていたとしても、長年に渡って蓄積してきたカードでいっぱいのフォーマットでは遊びたくないこともあるだろう。
では、そのやり方で遊びたくなかったとして、どうすればいいのだろうか?
ここで、ギャレット・ターナー/Gerritt Turnerの登場だ。
おそらく、ギャレットのことはご存じないだろう。しかし、彼が綴った言葉は間違いなく読んだことがあるはずだ。ギャレットは上席ブランド物語デザイナーで、パッケージの外側の文章の多くを書き、セットの名称まで考えているのだ!
熱烈な統率者戦のプレイヤーであるギャレットは、始めやすく、カジュアルにプレイできる変種ルールのフォーマットを作り、グループ内で非常に盛り上がっていた。その後、彼はウィザーズ社にその変種ルールを持ち込み、彼のチームもそのルールを大好きになった。この成功を確認したのち、彼はこのルールを開発部に持ち込んだのだ。
開発部の私たちも試した......そして、大好きになった!
これは本当に、ウィザーズ社内での草の根の努力として始まった。開発部の外部で楽しいことを発見した人物が、そのアイデアを持ち込んだのだ。ずっと欠けていたそれを、私たちは大いに楽しんだ。そこで私たちは多くの時間を割いて、彼の独創的なルール群を理解し、プレイテストし、調整して、データを集めた。
最終的に、ウィザーズ社内でのプレイテストを始めた。そして、自由参加の社内規模のプレイテストにおいて、史上最高の出席率を何度も記録した。今までカジュアルなマジックに触れてこなかったあなたも、ぜひ試してほしい! このフォーマットがあなたを虜にすることは間違いない。
そして、『ドミナリア』はこの「Brawl」にぴったりなんだ!
《ファイアソングとサンスピーカー》 アート:Zoltan Boros |
ルールを決める
それで......「Brawl」とは?
理念は、スタンダードのカードプールを用いたカジュアル・フォーマットを作ろうというものだ。つまり、あなたが組むことのできる新たなデッキに焦点を当て、フォーマットは繁栄を目指した正しいパワーレベルに向かう。これは、スタンダードで使用可能なカードすべてに新しい評価軸を与えるんだ!
「Brawl」のルールはとても直感的だ。ご存知で大人気な、そう、統率者戦のようなフォーマットに似ているところがたくさんあり、しかもいくつかの要素がこのフォーマットを独特のものにしているのだ。
簡単に述べると、こうだ。スタンダードで使用可能なカードで、伝説のクリーチャーやプレインズウォーカーを基柱とした60枚のデッキを組む。基本土地以外の同名のカードはデッキに1枚だけ使用できる。ゲームの最初にあなたの伝説のクリーチャー、もしくは伝説のプレインズウォーカーは統率領域に置かれた状態になり、そして、統率者戦で慣れ親しんだ通りの方法で機能する。そのマナ・コストを支払って唱えることができ、唱え直すたびに追加の2マナを支払う。各プレイヤーの初期ライフは30点だ。
以上! シンプルで簡単な、ご存知のゲームプレイの一種だ。多人数戦で遊ぶことをお勧めしよう。
それではルール・マネージャーのイーライ・シフリンの協力のもと、このフォーマットのルール全体の要旨を眺めてみることにしよう。
- 各プレイヤーのデッキ枚数は1枚の統率者を含み、ちょうど60枚でなければならない。基本土地を除いて、同じカードは2枚以上入れられない。それぞれのカードは、スタンダード・フォーマットで使用可能でなければならない。スタンダード・フォーマットで禁止されているカードはBrawl変種ルールでもプレイすることはできない。
- ゲームの開始前に、各プレイヤーは自分のデッキから伝説のクリーチャーか伝説のプレインズウォーカーであるカードを1枚取り出し、統率者とする。ゲームを始めるときはそのカードを統率領域に置き、残りの59枚をシャッフルする。
- あなたの統率者のカードに現れるマナ・シンボルが、あなたのデッキで使用できるカードを決定する。あなたの統率者のカードに現れないマナ・シンボルはデッキに入れることはできない。たとえば、『ドミナリア』の《ファイアソングとサンスピーカー》が統率者である場合、あなたはデッキに{R}、{W}あるいはその両方を含むカードやどちらも含まないカードを入れることができるが、{B}、{G}、{U}がデッキの中に含まれてはいけない。この制限は、マナ・コストだけではなくルール文章にも適用される。たとえば、あなたの使用している統率者がコストとルール文章に{G}しか持たない場合、『破滅の刻』の《誇り高き君主》をデッキに入れることはできない。
- 各プレイヤーの初期ライフ総量は20点ではなく30点である。多人数戦(Brawlで推奨!)をプレイしている場合には、各プレイヤーは最初のマリガンをした後も7枚のカードを引くことができ、開始プレイヤーは自分の最初のターンにカードを引くことができる。
- 自分の統率者が統率領域にある限り、あなたはそれをそこから唱えてよい。そうするには、それ以前にそのゲームの間に統率領域からそれを唱えた回数につき{2}を追加コストとして支払う。
- あなたの統率者が打ち消されたり、戦場を離れたりするなら、それを本来置かれる場所の代わりに統率領域に戻してもよい。
- Brawl変種ルールには、プレイや勝利や敗北に関するその他のルールは存在しない。楽しい時間を!
さて、いくつかの質問にお答えしよう。
まず、なぜ60枚なのか?
スタンダードには限られたカードしか存在しない。また、このフォーマットでは恐竜やアーティファクトなどのテーマを基柱にしたデッキを組むのが楽しい。重要なのは、それらを基柱にしたデッキを作成できる余地だ。もし、100枚の海賊デッキを組むということになれば、良質な選択肢を充分求めるのはかなり無理があるだろう。60枚にすれば、焦点を絞ったデッキを構築することができるし、同名のカードを使えないため、一貫した戦略の中でも各々のゲーム体験は大きく異なるだろう!
初期ライフ30点については?
私たちはさまざまなライフ総量でプレイテストした。20点、30点、そして40点はすべて検討した。そして最終的に、30点が飛び抜けて良いゲームプレイを作り出したのだ。
ゲームがすぐに終わってしまうことを防ぎ、序盤に時間をかける余裕を持たせるため、通常のゲームの初期ライフ総量である20点にクッションを加えることは大事だった。しかし、40点にすると、ゲームの進行を長すぎるものにしてしまい、プレイヤーに充分な緊張を与えられなかった。
ライフを30点にすると、アグロ・デッキも瞬殺するほどの速さにはならないながらも存在できて、遅いデッキも充分な時間を持つことができ、またゲームが適切な時間で終わる。ライブラリー切れがゲームの典型的な勝敗要因になることを私たちは望まないし、30点のライフはそのような状態が発生しないということを保証するのに役立つ。
もうひとつ、あなたがおそらく疑問に思うであろうことは、なぜ伝説のプレインズウォーカーを統率者に指定できるのか、だろう。
そうだな、理由はひとつ。楽しいからだ!
通常の伝説のクリーチャー同様、プレインズウォーカーは主要なキャラクターであり、彼らを基柱にしたデッキを組むことは楽しみとなり得る。私たちは、彼らにも統率者になる機会が欲しいと思っていた。私たちは多くのプレイを通して、彼らがどのように機能するかを確認し、また彼らが作り出した可能性を実際に楽しんだ。彼らは強力な能力を発揮できるが、複数のプレイヤーから攻撃を受けることがあり、一線を越えないようになっているんだ。
それぞれに第一印象があるだろう。いま起こっていることに興奮してデッキを組もうとしている人も、懐疑的な人もいるだろう。どちら側であるかの判断を下す前に、とにかく一度やってみることを強く強くお勧めしよう。あなたがどのようなタイプのプレイヤーだとしても、私たちが本当に心から楽しんだこのフォーマットには、試す価値があるのは間違いない。
未来を見据えて
ウィザーズ社のホールでは、数知れないBrawlのゲームが行われた。そして私は、みんながこのフォーマットでデッキを構築し、プレイするということに本当に興奮しているんだ。
『ドミナリア』は伝説をテーマにしているから、このフォーマットを紹介して試してもらうのに絶好の機会だった、というわけだ。実際にご覧いただいた《ファイアソングとサンスピーカー》をはじめ、魅力的な数多のデッキを組むための、多種多様な伝説のカードが『ドミナリア』と......スタンダードのセットにはある! ドミナリアの仲間たちがお店に並ぶまで、しばし待っていてほしい。
今回は以上だ。これはまだ試している最中のことで、私たちはあなたのフィードバックをぜひ聞いてみたい! 気に入った? 気に入らない? まだ調整した方がいいだろうか? すべては議論中だ。今のところは、自宅で、最寄りの店舗で、このフォーマットを試していただけると嬉しい。『ドミナリア』の後で、皆さん全員からの意見をお聞きして、評価する予定になっている。そして、次の段階をどうするのかを決め、この新たなフォーマットにおいてどのような支援が必要なのかを見定めようと思う。
つまり、あなたからのフィードバックがこれまでより重要なんだ。
どうか、このフォーマットを試して、思ったこと、感じたことを私たちまでお知らせいただきたい! さまざまな、本当に素敵なデッキを組むことができる。《原初の飢え、ガルタ》をどれだけ素早く唱えられる?《永遠の造り手、ラシュミ》でどこまですごいことができる? 《王神、ニコル・ボーラス》を据えたコントロール・デッキはどれだけうまくいくか? 試すべき素晴らしいデッキや戦略は充分にある。外に出て、デッキを組んで、プレイして、私たちに報告してほしい!
フィードバックの宛先は? いつでもTwitterやTumblrでメッセージを送ってくれてかまわないし、BeyondBasicsMagic@Gmail.comにメールしてくれても大丈夫だよ。(編訳注:英語でお願いいたします。) いつもご意見を読むのが大好きなんだ!
デッキを組むエンジンをかけて、新しい遊び方、「Brawl」への準備をしよう!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight / beyondbasicsmagic@gmail.com
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