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『デュエルデッキ:マーフォーク vs ゴブリン』
『デュエルデッキ:マーフォーク vs ゴブリン』
Katie Allison / Tr. Tetsuya Yabuki
2017年10月24日
マジックのクリーチャー・タイプと聞いて、ゴブリンとマーフォークより印象的なものはちょっと思いつきません。(個人的には海亀が一番なのですが、海亀のデュエルデッキはあまりに強力で、この世界にはまだ早いんだと思います)。ゴブリンとマーフォークは『アルファ版』の時代から常に存在し、一瞬たりとも忘れられたことはありませんでした。
長い歴史をともに歩んできたふたつの部族ですが、そのプレイ感は大きく異なります。その違いたるや、「紅茶と緑茶」なんてものじゃありません――「怒れるチワワの群れと学士帽をかぶった雄大なるフクロウ」くらい違います。
マジックの5色すべてに存在する両者ですが、ゴブリンは大半が赤であり、赤らしく命を顧みない攻撃性とスピードを信条としています。1体見逃せば、あっという間に大群を呼び寄せるのです。彼らには身を守るという概念がなく、対戦相手を爆発に巻き込む厄介な習性があります。
対照的に、マーフォークはとらえどころがなく油断ならない部族です。(こちらも全色にいますが)主に青に存在し、ゴブリンのように開幕から一気に飛び出すことはしないものの、わずかな時間で埋めようのないアドバンテージ差を築き上げることができます。また、回避能力や戦場を制圧する能力、それからカード・アドバンテージを得る手段もあり、長期戦でも力を発揮できます。
(トリビア:マジックには、「マーフォーク・ゴブリン」のクリーチャー・タイプを持つクリーチャーが1体だけいます。これには動物学者も混乱し、恐れおののいていることでしょう)
私は心からのグルール使いなので、最初は赤単の「ゴブリン」デッキを使うことにしました。「マーフォーク」を操るのはコミュニティ・マネージャーのミシェル/Michelleです。幸運にも先攻を取った私でしたが、1ターン目に何もプレイできないという悲しい事態に直面しました(ゴブリン時間なら17ターンも無駄にしたようなものです)。それでも2ターン目に《クレンコの命令》を唱え、気分を持ち直します。そして3ターン目に《ゴブリンの熟練扇動者》、4ターン目に《ゴブリンの酋長》と展開すると、私はもうすっかりご機嫌で攻撃に向かいました。
金切り声を上げて突撃するゴブリン軍団の攻撃は、一挙18点! 痛快な勝利を目前にして、私は思わず甲高い声で笑ってしまいました。(同僚の皆さん、ごめんなさい!)しかし、相手は狡猾な海の魔女であるミシェルです。相手がすべての青マナ源を立てていることに気づくべきでした。《ゴブリンの熟練扇動者》は《高波》に呑まれ、見事なタイミングの《トリトンの戦術》でゴブリン・トークンも2体倒されます。私の笑い声は、ぎこちなく止まりました。
その後盤面は膠着し、ミシェルの《巻物泥棒》が隙間を抜けて彼女に多くのカードをもたらしていきます。私は《凶暴な力》を活かしてさらなるダメージを与え、ミシェルのライフを残り3点まで追い詰めました。しかし私のゴブリンたちは完全に勢いを失い、いよいよ恐怖が這い上がってきます。
ですがそれも、《幽霊火》を引き込むまでのことでした。無色の不思議な火の玉がミシェルの残りライフを奪い去り、ゴブリンは勝利を収めたのです!(《幽霊火》の不思議な力について:このカードは、「ゴブリン」デッキが《波使い》を対処できる唯一の方法です。《幽霊火》は赤のカードに見えますが、無色です。だから《波使い》のプロテクションをくぐり抜けることができるのです。)
しかし次のゲームでは、そううまくいきませんでした。《ゴブリンの首謀者》の能力で《タール火》を手に入れ(《タール火》もゴブリン・カードなのです!)、それから《ボガートの粗暴者》の威迫で立ちはだかるマーフォークを越えていったのは良かったのですが、マーフォークの起こす大波は止めようがなかったのです。タップ状態のパーマネントが海を成す中で《航跡の打破者》が戦場に出ると、私は苦しい立場に置かれました。それでも私は、ゴブリンたちを使い捨ててもう何ターンかは耐えられると考えていました。すると続くターン、ミシェルが《真珠三叉矛の達人》を繰り出すと、ゲーム序盤の《水大工の意思》がここで活きてきます。ブロックされなくなった《航跡の打破者》による攻撃で、私は徹底的に打ちのめされたのでした。
公平なレポートのため(そしてどちらのデッキも存分に味わうため)、今度は「マーフォーク」デッキを使って、同僚のクリス/Chrisが率いる「チーム・ゴブリン」と対戦します。当然のごとく、ゴブリンたちは素早く戦場を駆け上がってきます。私はとにかく相手の動きを鈍らせ、盤面を膠着させることに全力を注ぎました。幸運にも《真珠三叉矛の達人》と《マーフォークの君主》が私の操るマーフォークを強固なものにし、手札もこちらだけ潤沢になりつつあります。マーフォーク水軍の勝利が近づいてきました。
しかしクリスには策がありました。私が有利なブロックを優雅に決めたそのとき、彼は《宝石の手の焼却者》を「サイクリング」し、《真珠三叉矛の達人》は哀れにもこんがり焼き上がってしまいます。これで他のマーフォークたちも弱体化し、有利だったはずのブロックは一転、不利なものに変わりました。私はゴブリンたちの攻撃をまともに受けることになったのです。それでもまだ生きている......戦闘後、クリスは《ゴブリンの放火砲》を設置。なるほど、この上ない散り様ですね。
ですが次のゲームで、マーフォーク王国と私は見事にリベンジを果たしました! 鍵となったのは、ゲーム序盤から《ルートウォーターのハンター》を2体繰り出せたことです。それらはゴブリン・トークンが戦場に出るなり除去してくれました(水の中から狙い撃ちだったのでしょう)。これでクリスの軍勢は驚くほど展開が遅れます。《群衆の親分、クレンコ》はゲームをひっくり返しかねない脅威でしたが、うまく《閉所恐怖症》で封じ込めることができました。私は言ってやりましたよ。「その箱の中からゴブリン・マフィアの仲間を呼んでごらんなさい。え、できない? 残念!」
そしてついに《波使い》が戦場に降り立ちます。日頃から高かった青への信心が実を結び、私はエレメンタルの波に乗って勝利を掴んだのでした。
さて、この楽しくて教育的な体験から、私は何を学んだのでしょうか? ひとつは、同僚の悪ノリには乗らないこと! ですがそれ以上に大切なのは、「勢いが大事」ということです。「ゴブリン」デッキも「マーフォーク」デッキも複数の勝ち筋を持っていて、シナジー満載の盤面を広く展開しゲームを圧倒することができます。アドバンテージを得はじめたら、押していきましょう。もちろん細かい戦略はまったく異なりますが、どちらのデッキも「迷ったら押し続ける」のが正解なのです。
『デュエルデッキ:マーフォーク vs ゴブリン』は11月10日発売です。ぜひお近くのゲーム店で手に入れて、戦いを楽しんでください!
21 《島》 2 《孤立した砂州》 1 《荒廃した瀑布》 -土地(24)- 2 《高潮の戦士》 1 《潮流の先駆け》 1 《真珠三叉矛の達人》 1 《マーフォークの物あさり》 1 《潮縛りの魔道士》 3 《川床の水大工》 2 《ルートウォーターのハンター》 2 《巻物泥棒》 1 《冷淡なセルキー》 1 《マーフォークの君主》 1 《マーフォークの道探し》 1 《メロウの騎兵》 1 《航跡の打破者》 2 《高潮の急使》 1 《波使い》 1 《墨深みの潜り手》 -クリーチャー(22)- |
4 《水大工の意思》 1 《トリトンの戦術》 2 《本質の散乱》 2 《閉所恐怖症》 1 《思考の泉》 1 《高波》 1 《集中》 1 《岸の飲み込み》 1 《誤った指図》 -呪文(14)- |
20 《山》 2 《忘れられた洞窟》 2 《荒廃した山峡》 -土地(24)- 2 《鋳造所通りの住人》 1 《ゴブリンの栄光追い》 2 《ゴブリンの戦煽り》 1 《燃えさし運び》 1 《ゴブリンの外交官》 1 《ゴブリンのトンネル掘り》 1 《巣穴の煽動者》 2 《ボガートの粗暴者》 1 《宝石の手の焼却者》 1 《ゴブリンの酋長》 1 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《ゴブリンの首謀者》 1 《ゴブリンのうすのろ》 1 《ゴブリンの壊し走り》 1 《群衆の親分、クレンコ》 1 《戦闘飛翔艇隊》 -クリーチャー(20)- |
2 《タール火》 1 《脆い彫像》 1 《ゴブリンの手投げ弾》 3 《クレンコの命令》 2 《凶暴な力》 3 《幽霊火》 1 《軍族童の突発》 1 《ゴブリンの放火砲》 1 《連続突撃》 1 《大鉈暴動》 -呪文(16)- |
製品情報
- 構築済みデッキ(カード60枚入り) 2個
- 発売日:2017年11月10日
- メーカー希望小売価格:2,000円(税別)
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