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『デュエルデッキ:正しき者 vs 堕ちし者』
『デュエルデッキ:正しき者 vs 堕ちし者』
Katie Allison / Tr. Tetsuya Yabuki
2016年2月15日
イニストラード次元への回帰を前に、私の心の高まりは抑え切れないものになっています。この想いは特に高尚なものではなく、例えるなら小さな子供が3匹も子犬をもらって大喜びしているような、そういうものでしょうか。古典的で不気味なホラー、世界中に積み重なる謎、闇夜に潜む何者かの影――我慢なんてできませんよね?
DailyMTGでの初仕事として、イニストラードに迫り来る混沌を表現したセット、『デュエルデッキ:正しき者 vs 堕ちし者』のプレビューを任されたことをとても嬉しく思います。
この記事のために巻き起こった秘密の戦い。最初に名乗りを挙げた勇者は、シニア・コピーライターのギャレット・ターナー/Gerritt Turnerです。驚くことに、彼は青黒の「堕ちし者」デッキを選択しました(彼自身はいつも「正しき者」なのに!)。私は最近「エルドラージ」デッキばかり使っていたので、今回は喜んで立場を変えて正義の側につきました。
土地の枚数は少ないものの、「正しき者」デッキの色(青と白)マナが揃った手札を私はキープしました。このゲームを生き残る上で鍵となる謎めいたウィザードもいます。
ゲームが始まるなり、私たちはどちらも強力な盤面を築き上げていきました。私は(《町民の結集》や《高まる献身》を駆使して)人間・トークンの軍団を生み出し、ギャレットが並べた怪物の群れへにらみを利かせます。窮地にある私の町で勇敢に立ち上がった民兵は、農業を営む大家族でした。
しかし、このプランの抱える弱点が最悪の形で明らかになりました。ギャレットが《血統の切断》を唱えると、私の誇る7人の勇者はひとり残らず追放されてしまったのです――しかもそのうちの1体は《上座の聖戦士》によって強化されていました! 体勢を立て直すまでの数ターン、私の無防備な脳はゾンビの群れに貪られることになります。
私はなんとか防御を整え、天使やスピリットの協力も得られました。そこでギャレットは、この恐るべきクリーチャーを戦線に投入したのです。
新メカニズムの「昂揚」を達成するには、墓地にあるカードにカード・タイプが合計4種類以上含まれることが必要です。この時点でのギャレットの墓地は0枚であり、これはリスクのあるプレイでした。ですがなんと、ここで墓地へ送られた4枚が土地とクリーチャー、インスタント、そしてソーサリー。これで「昂揚」を達成した彼は、《精神壊しの悪魔》のデメリットを回避したのでした。何ということでしょう!
《精神壊しの悪魔》という恐るべき味方に後押しされ、ギャレットのゾンビ軍団は一斉に攻撃してきました。私もクリーチャーをブロックに向かわせてダメージを和らげることはできますが、そうすればこちらもただでは済みません――ですが幸運にも、私には強烈な秘策がありました。
私の仲間たちは命の危険を恐れず怪物たちの前に飛び込んでいきました......すると彼らの姿は消え失せ、ゾンビたちの野蛮な爪は空を切ります。「正しき者」たちは、ギャレットのターン終了時に再び戦場に現れました。みな気力に満ちた様子です。ついにこのゲームの天秤が私の方へ傾いたのです。
頼りになる《霧の海の船長》が霧の魔法でデーモンをタップ状態にすると、光輝くスピリットがその力を発揮しました。《聖トラフトの霊》(強さはそのままに、美しい新規アートで彩られています!)が天使を呼び出し、さらに《二人組の見張り番》との「結魂」でドローも増えたことで人間を次々と送り出すことに成功した私は、《霧の海の船長》を繰り返しアンタップさせることができました(シナジー・ポイント1点!)。勢いそのままに、私はギャレットと彼の操る凶悪な手下を打ち破ったのでした。
次の相手はコピー・ライターのマイケル・イーチャオ/Michael Yichaoです。今度は「堕ちし者」デッキを使うため、私は妖しい屍術師の心持ちで挑みました。(ご心配なく。あとでちゃんと元通りに戻りましたよ。たぶんね)。
イーチャオは1ターン目《教区の勇者》というスタートを決め、《上座の聖戦士》も盤面に続きました。一方、私のゾンビ軍団は墓から手をこまねくばかりです。《屑肌のドレイク》も地上を突き進むイーチャオのクリーチャーを止められません。ですがありがたいことに、その「ドレイク仲間」である《縫い合わせのドレイク》にためらいはありませんでした。
しかしイーチャオが燃料切れに陥ったと思われたそのとき(いったいどれだけクリーチャーを繰り出せば気が済むのでしょう?)、彼は謎に満ちた本を見つけて精神を再び満たしました。
何かにかける情熱とは、ときに恐ろしい力を発揮するものですね。
「正しき者」の軍勢は凄まじいほどの規模に膨れ上がりました。ここで私は頼りになるクリーチャーを投入します。
突如として、私のゾンビ軍団はサイズを上げただけでなく死してなお対戦相手のライフを失わせるものに変わりました。素敵です。そしてなんと、信じられないことに私は《戦墓の隊長》を「もう1枚」引き込み、ゾンビたちを一層強化できました。(2体いても、どちらも「隊長」です。ゾンビの指揮系統は不思議ですね)。
イーチャオは何度か《上座の聖戦士》単体で攻撃してきました。それを死亡させて+1/+1カウンターを活かすつもりです。しかしその手には乗りません。年老いた聖戦士が剣で突いてくるのを意に介さず、私はさらに恐ろしい仲間を呼び寄せました。
《精神壊しの悪魔》の「昂揚」を達成するまでに8点ものダメージを負うことになりましたが、最後の条件を達成した《抗えない抑止》で+1/+1カウンターを満載した《教区の勇者》をバウンスしつつ彼の手札を捨てさせることができたので、よしとしましょう(悪魔の笑い声)。
このパーティに悪魔1体では物足りないため(リリアナにも意見を求めてみましょうか)、《魂の収穫者》も呼び寄せます。《魂の収穫者》はどうやらすごく死に飢えているようなので、私は喜んでクリーチャーの魂を差し出しました。
どういうわけか、私たちとともに影に潜むことを決めた「人間」もいます――なるほど、その人が他の人間と馴染めない理由はひと目でわかりますね。
その風貌もさることながら、手に持つ大きなトレイに並ぶ歯を見れば皆さんもお分かりでしょう。「昂揚」を達成したことで、私は彼の持つ稀有な才能を活かすことができました。イーチャオの軍勢たちの牙を抜いたのです(ふっふっふ)。《歯牙収集家》は、ぞっとする量の歯を集めたのでした。
《倒し霊》が懸命に侵攻を食い止めているものの、悪魔に率いられたゾンビ軍団の勢いは止めようがないほど大きくなりました。さながら大波のごとく押し寄せた邪悪な軍勢は「正しき者」たちの軍勢を徹底的に打ちのめし、喜々として死体の山を築き上げました。そしてついに、イーチャオも犠牲になったのでした。
ひとつだけ、歴史的に見て最もフレーバーに満ちたカードのひとつである《脳食願望》をプレイする機会に恵まれなかったのが心残りですが、このデッキのテーマは表現できたと思います。
こうして、イニストラードで巻き起こった戦いにおける両方の陣営を体験してみると、もうどちらを応援すればいいのかわからなくなってしまいました。両陣営ともシナジーにあふれていて、様々な策略に富み、そして本当に素晴らしい勝利を味わうことができました。
皆さんもぜひ、2月26日発売の『デュエルデッキ:正しき者 vs 堕ちし者』を手に入れて、どちらの陣営につくか選んでみてください!
12 《平地》 7 《島》 4 《平穏な入り江》 1 《熾天使の聖域》 -土地(24)- 1 《大聖堂の聖別者》 1 《教区の勇者》 1 《宿命の旅人》 1 《ネファリアの密輸人》 1 《ムーアランドの審問官》 1 《スレイベンの異端者》 2 《上座の聖戦士》 1 《霧の海の船長》 1 《礼拝堂の霊》 1 《解放の天使》 1 《悪鬼の狩人》 1 《聖トラフトの霊》 1 《二人組の見張り番》 1 《村の鐘鳴らし》 1 《霧鴉》 1 《忌まわしきものの処刑者》 1 《塔の霊》 1 《グリフの先兵》 1 《幽体の門護衛》 1 《安らかに旅立つ者》 1 《黄金夜の救い手》 1 《州民の声》 2 《倒し霊》 -クリーチャー(25)- |
2 《町民の結集》 1 《信仰の縛め》 1 《一瞬の瞬き》 1 《とがった三つ叉》 2 《叱責》 1 《肉屋の包丁》 1 《高まる献身》 1 《奇妙な幕間》 1 《熟読》 -呪文(11)- |
12 《沼》 8 《島》 4 《陰鬱な僻地》 -土地(24)- 1 《戦墓のグール》 1 《墓所這い》 3 《金切り声のスカーブ》 2 《グールの解体人》 2 《戦墓の隊長》 2 《グール起こし》 2 《縫い合わせのドレイク》 1 《屑肌のドレイク》 1 《息せぬ群れ》 1 《肉切り屋のグール》 1 《死体の運び屋》 1 《ファルケンラスの貴族》 1 《ヘイヴングルのルーン縛り》 1 《その場しのぎのやっかいもの》 1 《執拗なスカーブ》 1 《魂の収穫者》 1 《精神壊しの悪魔》 1 《歯牙収集家》 -クリーチャー(24)- |
1 《脳食願望》 1 《人間の脆さ》 1 《継ぎ当ての翼》 1 《夜の犠牲》 1 《禁忌の錬金術》 1 《飢えへの貢ぎ物》 2 《神聖を汚す者のうめき》 1 《血のやりとり》 1 《戦慄の復活》 1 《血統の切断》 1 《抗えない抑止》 -呪文(12)- |
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