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ジェイスの誓い
ジェイスの誓い
Jacob Van Lunen / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV Yusuke Yoshikawa
2015年12月31日
『ゲートウォッチの誓い』プレビュー第1週へようこそ! 本日は、新たに登場する刺激的なエンチャントを調査していこう。
歴史的に、コントロール・デッキはゲームを掌握するために2種のエンジンに頼ることになる。多くのコントロール・デッキが搭載しているのは、カードの「量」を生み出すものだろう。だが過去に大きな成功を収めているコントロール・デッキには、《強制》や《師範の占い独楽》のように、長期戦を見据えてカードの「質」を上げるプランも組み込まれているのだ。
本日のプレビュー・カードは、ゲームを掌握したコントロール使いがそのまま勝利へ向かう、その助けになってくれる1枚だ。《ジェイスの誓い》をご覧あれ!
《ジェイスの誓い》は戦場に出るなりカードを3枚引いて2枚捨てる能力が誘発し、早速カードの「質」を高める機能を果たしてくれる。そして、プレインズウォーカーがある状態でターンを迎えることができれば、対戦相手にとってさらに苦しいものになるだろう。
対戦相手としては、《ジェイスの誓い》を除去するためにカードを費やすのは悩ましいところだ。《ジェイスの誓い》に対処したところで、すでにこちらはカードの「質」の面で優位に立っている。そこがこのカードの見事なところだと言えるだろう――《ジェイスの誓い》はゲーム序盤に戦場に出るとすぐに手札を改善し、そしてゆっくりと小さなアドバンテージを積み重ねていけるのだ。また、《ジェイスの誓い》は《ジェスカイの隆盛》や《隔離の場》、《エメリアへの撤退》といった強力なエンチャントを、現在のスタンダードで最も多く見かけるエンチャント除去、《ドロモカの命令》から守る手段としても優れている。《ジェイスの誓い》は序盤にプレイすることで手札を改善し、その後占術を行える可能性を持ちながらも、これ自身が戦場に残ることで相手は《ドロモカの命令》で強力なエンチャントを除去することができない、という嬉しい機能も果たしてくれるのだ。
加えて、《ジェイスの誓い》は墓地も肥やしてくれる。これは《時を越えた探索》や《黄金牙、タシグル》といった強力な「探査」カードを唱える助けとなり、《ヴリンの神童、ジェイス》を素早く「変身」させる力にもなる。
このように、《ジェイスの誓い》のようなカードには多くのアドバンテージが隠れている。すぐに盤面に影響を与えたり直接的なカード・アドバンテージを生み出したり、というものではないが、現在のスタンダードにおいてはきっと多くの役目を持つことだろう。
それでは早速、《ジェイスの誓い》を用いたデッキを作ってみよう!
《ジェイスの誓い》のふたつ目の能力を活かすためにも、プレインズウォーカーは十分に採用したい。中でも最高の1枚は、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》だ。これは、スタンダードで指折りの力を持ちながらも《ドロモカの命令》が猛威を振るっているため活躍の機会に恵まれない《エメリアへの撤退》と、抜群の相性を見せてくれる。そこへ《ジェイスの誓い》が加わることで、厄介な《ドロモカの命令》から《エメリアへの撤退》を守ることができるのだ。また、《ジェイスの誓い》で墓地を肥やして《ヴリンの神童、ジェイス》を「変身」させたり、スタンダード最強のカード・アドバンテージ・エンジンである《時を越えた探索》を使ったりすることで、アドバンテージを獲得できるだろう。それからゲームの大勢が決まれば、《ジェイスの誓い》で余分な土地をライブラリーの底へ送ることもできる。これにより、《白蘭の騎士》や《巨森の予見者、ニッサ》といったカードが通常よりも使いやすくなるはずだ。以上を鑑みて、スタンダードのデッキリストにまとめるぞ!
3 《森》 3 《平地》 1 《島》 3 《梢の眺望》 4 《大草原の川》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 2 《伐採地の滝》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《白蘭の騎士》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 -クリーチャー(10)- |
2 《ジェイスの誓い》 4 《迅速な報い》 4 《エメリアへの撤退》 4 《次元の激高》 4 《時を越えた探索》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《深海の主、キオーラ》 -呪文(24)- |
4 《アラシンの僧侶》 3 《払拭》 3 《正義のうねり》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《否認》 1 《隔離の場》 -サイドボード(15)- |
このデッキは、《ジェイスの誓い》の能力を余すところなく活かしたものだ。
環境がミッドレンジ寄りでクリーチャー主体なら、このデッキは《エメリアへの撤退》によって戦闘を優位に進めることができ、最大の力を発揮するだろう。このデッキは特にプレインズウォーカーが戦場にいる状態でアンタップを迎えることに力を入れており、《ジェイスの誓い》はますます強くなっていく。しかし、《カマキリの乗り手》や《龍語りのサルカン》など、速攻を持つクリーチャーやそれに類似するカードには滅法弱い、という点には気をつけてくれ。
《ジェイスの誓い》は、多彩な使い方が期待できる。コントロール使いたちにとっては戦場に出たときの能力でゲームを長引かせるのに必要なカードを探しつつ、ゲームを固める新たな手段となるだろう。『ゲートウォッチの誓い』の登場によりスタンダード環境は一新され、必ずや刺激的なものになる。君たちなら、どのようなデッキで《ジェイスの誓い》を使うかな?
知は力なり!
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