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『タルキール覇王譚』のメカニズム
『タルキール覇王譚』のメカニズム
Matt Tabak
2014年8月31日
『タルキール覇王譚』では、サルカン・ヴォルの故郷であり、5つの氏族が覇権を求めて争う世界タルキールが登場します。各氏族は3つの色と結びつき、強力なカンに率いられています。氏族特有のメカニズムや能力を持つものなど氏族と強固に結びついているカードの文章欄には、氏族のアイコンが描かれています。
目次
- 長久
- 果敢
- 探査
- 強襲
- 獰猛
- 変異
- モードを持つ呪文および能力
長久
アブザン(白黒緑の氏族)を特徴づけるメカニズムは長久です。長久は起動型能力です。
アブザンにとっては忍耐がすべてであり、長いゲームに備えるには時間をかけてクリーチャーを成長させていくことが最も適しています。長久能力は、あなたのメイン・フェイズでスタックが空のとき、つまりソーサリーを唱えられるときならいつでも、起動することができます。長久能力はタップ・シンボル({T})を含んでいます。クリーチャーの長久能力は、そのクリーチャーがターンの初めからずっとあなたのコントロール下にあった場合(または速攻を持っている場合)にしか起動できません。長久能力の解決時に、そのクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置きます。このセットには、+1/+1カウンターを持つクリーチャーにボーナスを与えるカードが数枚含まれます。どんな+1/+1カウンターでも数えられるので、それらは長久と組み合わせて良く働きます。
果敢
ジェスカイ(青赤白の氏族)を特徴づけるメカニズムは果敢です。果敢は誘発型能力です。
ジェスカイは狡猾さと想定外の方法での攻撃に特化しています。果敢はあなたがクリーチャーでない呪文を唱えた時に誘発します。果敢が解決されると、そのクリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受けます。クリーチャー以外の呪文であればどれでも構いません。アーティファクト・呪文、エンチャント・呪文......プレインズウォーカー・呪文でもいいのです!
クリーチャー・呪文は、たとえばアーティファクト・クリーチャー・呪文のように他のカード・タイプを持っているとしても、果敢を誘発させません。インスタントとは特に相性が良く、そのインスタントが通常行なうことに加えて、攻撃クリーチャーまたはブロック・クリーチャーを大きくする、コンバット・トリックとして使えます。
果敢が誘発すると、スタック上ではそれを誘発させた呪文の上に置かれます。つまり、果敢が先に解決されることになります。一度果敢が誘発すれば、そのクリーチャーでない呪文がどうなろうと関係はありません。その呪文が打ち消されても、果敢を持つクリーチャーが戦場に留まっている限り、果敢は依然として解決されることになります。
探査
スゥルタイ(黒緑青の氏族)を特徴づけるメカニズムは探査です。これは、『未来予知』セットで登場した能力です。
探査を持つ呪文は非常に強力ですが、通常は高いマナ・コストを持ちます。幸いなことに、あなたはそのすべてをマナで支払う必要はありません。スゥルタイはその残忍さによって、いかなる資源も、死者でさえも、意のままに使います。あなたは探査を持つ呪文を唱える際に、あなたの墓地にあるカードを追放することができます。この方法で追放したカード1枚につき、 {1}を支払うことができます。例えば《よろめく従者》を唱えるとき、あなたは{7}{B}を支払うことができます。ここであなたは、あなたの墓地のカードを4枚追放し、{3}{B}を支払うこともできます。これはとても良い取引となります。もしあなたの墓地に7枚のカードがある場合、あなたはそれらを追放して、《よろめく従者》をわずか {B}で唱えることができます!
探査ではその呪文のマナ・コストに含まれる色マナを支払うことはできません。また、そのマナ・コストに含まれる無色マナの数を超える枚数のカードを追放することもできません。したがって、あなたは《よろめく従者》を唱えるときに、そうしたい何らかの理由があったとしても、7枚より多くのカードを追放することはできません。探査を持つ呪文が打ち消されても、支払ったマナを払い戻すことができないのと同様に、追放したカードを取り戻すことはできません。
強襲
マルドゥ(赤白黒の氏族)を特徴づけるメカニズムは強襲です。強襲は能力語であり、したがってルール上の意味を持ちませんが、そのターン中にあなたがクリーチャーで攻撃したかどうかを見る能力を強調するために使われています。
迅速はマルドゥのすべての行動を規定します。したがって、あなたが彼らとともに勝利したいなら、動きそして攻撃し続けることです! それぞれの強襲能力は異なるので、それぞれの内容をよく読んで、何をするのかを把握するようにしましょう。強襲能力はあなたがクリーチャーで攻撃したかどうかのみをチェックします。何体のクリーチャーで攻撃したかは関係なく、またそれらのクリーチャーで対戦相手やプレインズウォーカーを攻撃したのであっても構いません。強襲能力は対戦相手のターンやあなたの戦闘フェイズの前には意味を持ちませんが、あなたの攻撃性は十分に報われることでしょう。
獰猛
ティムール(緑青赤の氏族)を特徴づけるメカニズムは獰猛です。強襲と同様に、獰猛は能力語です。それはルール上の意味を持ちませんが、あなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているかどうかを見る能力を強調するために使われています。
ティムールはタルキールの厳しい自然を生き抜くため、獰猛性の上に成り立っています。それぞれの獰猛能力は異なりますが、パワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているかどうかに依存しているという点で共通しています。パワーが4以上のクリーチャーを何体コントロールしているかは関係ありません。例えば、《荒野の後継者》が攻撃するたび、その能力はあなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているかどうかをチェックします。コントロールしているなら、それは誘発してスタックに置かれます。該当するクリーチャーを10体コントロールしていたとしても、その能力は1回のみ誘発します。その能力の解決時点で、条件を再度チェックします。あなたが引き続きパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしている場合、能力は解決され、《荒野の後継者》はターン終了時まで+1/+1の修整を受けます。
獰猛を持つインスタントおよびソーサリーは、解決される際にあなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているかどうかをチェックします。獰猛能力に「代わりに」と書かれている場合、その効果はそのインスタントまたはソーサリーが持つ通常の効果の一部または全部を置き換えます。「代わりに」と書かれていない場合、獰猛能力の効果はその呪文が持つ通常の効果に加えて発生します。
変異
5つの氏族はそれぞれ、ライバルの裏をかくための策略を用いています。変異は再録メカニズムで、呪文を裏向きのクリーチャーとして唱えることを可能にします。あなたが表向きにするまで、その真の正体は隠されます。
あなたは変異を持つクリーチャー・呪文を、通常そのカードを唱えられるときならいつでも、裏向きに唱えることができます。普通、これはあなたのメイン・フェイズでスタックが空のとき、ということになります。これを行なうには、そのカードを裏向きにして、他のプレイヤーにそれが何であるか見られないようにします。裏向きのクリーチャー・呪文は無色で2/2の、カード名やクリーチャー・タイプや能力やマナ・コストを持たないクリーチャー・呪文です。そのマナ・コストを支払うのではなく(マナ・コストはありません)、あなたは{3}を支払います。その呪文が解決される場合、そのカードは裏向きに戦場に置かれ、通常の特性の代わりに先述の特性を持ちます。あなたは変異を持つクリーチャー・カードをいつでも、通常のマナ・コストを支払うことで表向きで唱えることができます。
『タルキール覇王譚』のブースターパックでは、以下のような上敷き用カード1枚を目にすることができるでしょう。
裏向きのクリーチャーが戦場にある間、あなたはこの上敷き用カードをその上に置いておくことができます。これは単に見た目のよい注釈であり、使いたくない場合は使う必要はありません。これは裏向きのクリーチャーの機能を変えることはありません。
裏向きのクリーチャーは、あらゆる点でクリーチャーです。それらは攻撃でき、ブロックでき、クリーチャーを対象とする呪文や能力はそれらを対象とすることができます。オーラがエンチャントすることができ、装備品を装備することができます。あなたは自分の裏向きのクリーチャーをいつでも見ることができます。カードにそうできると書かれていない限り、対戦相手の裏向きのクリーチャーを見ることはできません。
あなたが優先権を持つときならいつでも、あなたは変異コストを支払って裏向きのクリーチャーを表向きにすることができます。これにより、そのクリーチャーは直ちに表向きになり、通常の特性を持ちます。スタックを用いず、対応することもできないため、これは特別な処理と呼ばれます。邪魔されることはありません。例えば、あなたが裏向きの《アブザンの先達》をコントロールしているとします。私は手札に《ショック》を持っていて、あなたのクリーチャーを破壊したいと考えています。私があなたの裏向きのクリーチャーを対象として《ショック》を唱えた場合、あなたは{2}{W}{B}{G}を支払ってそれを表向きにすることができます。《ショック》はあなたの《アブザンの先達》に2点のダメージを与えることになりますが、今やそれはタフネス4を持ちます。がっかりです。ええ、私が、です。あなたはおそらく、大変満足することでしょう。
では、あなたが《アブザンの先達》をまず表向きにすることから行動を始めたとしましょう。私にとって不運なことに、これはスタックを使わず、したがって私が《ショック》を唱えられるようになった時には、《アブザンの先達》はすでに表向きになっておりそのタフネスは4です。またまたがっかりです。あなたはこの時点でクスクス笑っていることでしょう。変異はとても強力です。
裏向きのクリーチャーにオーラや装備品がつけられている場合、それらは表向きとなったクリーチャーにつけられたままになります。同じことがそのクリーチャーに置かれているカウンターにも言えます。それは新しいクリーチャーではなく、表向きになったからといって戦場に出たことにはなりません。変異を持つクリーチャーが表向きで戦場にある場合、カードに書かれていない限りそれを裏向きにすることはできません。(そのようにするカードは『タルキール覇王譚』にはありませんが、数枚の古いカードにそうするものがあります。)
いくつかのクリーチャーは、表向きになったときに誘発する能力を持ちます。
あなたが複数の裏向きのクリーチャーをコントロールしている場合、あなたはそれらを容易に区別できるようにしなければなりません。対戦相手を混乱させる目的でそれらを混ぜることは禁じられています。それらが戦場に出た順番は明確でなければなりません。あなたはダイスやその他の目印を使って、または戦場に出た順番に並べることでそれを明確にします。例えば、あなたが前のターンに3体の裏向きのクリーチャーのうち1体で攻撃した場合、どのクリーチャーが前のターンに攻撃したのか、すべてのプレイヤーに対して明確にしなければなりません。
裏向きのクリーチャーが戦場を離れる場合、それをすべてのプレイヤーに公開し、そのクリーチャー・カードが変異を持つことを示します。これはそのカードが手札に戻る、追放される、墓地に置かれる、など、どこへ行くかにかかわらず行います。また、あなたはゲームが終わったとき、または多人数戦のゲームを離れるとき、裏向きのクリーチャーを公開しなければなりません。これは、特に競技的なイベントのゲームでは重要です。
モードを持つ呪文および能力
『タルキール覇王譚』では、モードを持つ呪文および能力を示すための、小粋な新しい方法を導入します。今までは、モードを持つ呪文や能力は「1つを選ぶ」のような表現で見分けていました。これからは、選択肢はビュレット付きの箇条書きによって見やすく表示されるようになります。
それらのカードの機能については変更されません。あなたは今まで同様に、その呪文を唱える、またはその能力を起動する際に、どのモードを使うかを選びます。その呪文または能力がコピーされる場合、そのコピーは同じモードを使用しなければなりません。その呪文が唱えられたなら、あなたはどのモードを使うかを変更することはできません。
強力な氏族を味方につけ、タルキールでの戦いをお楽しみください!
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